シーフの孫   作:迷宮の迷子

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それぞれの想い

【アレキサンダー・カールマン・ライバック の場合】

何故戦うかですか。

そうですね。昔なら「英雄になりたいから」と答えたでしょう。

でも、今は、ここまで一緒に行っていた事の結末を見たい。

そして、オルステッド様と勝ちたいという気持ちが大きいですね。

 

あと、弟子に誇れる師でありたいと考えています。

ついでに、もう一人・・・いや、なんでもない、忘れてください。

 

ヒトガミを倒した後ですか・・・

そうですね。私もオルステッド様も長命ですゆえ旅をしながら強敵や魔物を退治したいですね。

 

 

【ララ・グレイラット の場合】

 

私がヒトガミを倒す理由ですか?

何を今更、という質問ですね。

ヒトガミはまだ産まれていない私を殺そうとした。

しかも青ママと一緒に・・

それだけで万死に値する。

 

後、パパにどや顔したいから・・・

 

え?オルステッド様とセイジ君の間にいるよ。今も。

 

ヒトガミを殺した後は・・・お昼寝といたずらしたいな。

え?今もしている?いやいや、手加減無しでしたい。

 

後はオルステッド様が一生面倒見てくれればいいや。

 

あ、赤くなった。成功(どや

 

 

【ルイシェリア・スペルディア の場合】

 

ヒトガミを殺す理由ですか。逆にどうしてあいつを生き残らせるんですか。

父様を殺し、ルーデウスさんの死期を早め、セイジさん達にひどい事したのもみんなあいつのせいですよ。

一度とは言え、あいつにそそのかされたなんて、私の生涯で最大の汚点です。

 

勝った後ですか?

今残っているスペルド族の子供たちとずっと生きていけたらいいですね。

ルーデウスさんの家みたいに。

 

 

【ペルギウス・ドーラ の場合】

 

どうしたオルステッド、そんな質問をして。

決まっておる。あのラプラスからとは言え真実を知らされたのだ。

両親の仇を討つ。それしかなかろう。

 

その後か・・やはりラプラスが成長したら彼奴と戦うか。

やはり、親友の仇でもあるからな。

心配するな。あいつが私と戦えるレベルまで成長するよりヒトガミと戦う方が先だろう。

 

 

【ルロイ・グレイラット&フェリス・グレイラット の場合】

 

申し訳ありません。フェリスもどうしても同席すると言い張りまして。

そうですね・・・

 

あの、申し訳ありません、一つだけ聞いてもよろしいですか?

 

ヒトガミって神様なんですよね。

この世界の神様を殺してしまって、この世界はどうなるんでしょうか。

確か、他にも世界があって、そこの神様が死んでしまったら、その世界は滅んでしまったんですよね。世界がなくなるんですか?

ヒトガミを殺してしまっても大丈夫なんでしょうか・・・・

 

いや、フェリス、お父さんは心配しているんだよ。君がこれから生きていく世界がどうなるのか。

気になってもおかしくはないだろう?

 

ルロイはフェリスに「お父さんの意気地なし」と言われ、背中をバンバン叩かれながら体質した。

 

オルステッド様と僕達は暫く沈黙してしまった。

(やはりそう考える人はいるな)

 

 

 

 

 

「それで、皆で私の所に来たのだね。」

ラプラスはエリナリーゼの煎れた紅茶を飲みながら横目で僕たちを見た。

いや、エリナリーゼさんではなくて、ロステリーナさん?

「私は彼女がロステリーナでもエリナリーゼでも構わない。

しかし、彼女がエリナリーゼであるべきだと思う人が大勢いるだろう?」

ラプラスは僕の心を見透かすかのようにそう答えた。

「エリナリーゼさん、皆さんにもお茶を煎れてもらえないか。」

 

フィギュアみたいな竜が両手でティーカップを持ちながらボクタチにお茶を奨める。

 

「君達が知りたいのは、神々が戦い、破れた世界はどうなるか?ということだろう?」

 

その通りだ。

「結論から言えば断言は出来ない。」

勿体つけておいてこれだ。

 

「しかし、魔神も獣神も龍神に殺され、その後世界は崩壊した。少なくとも魔界はヒトガミが魔族を連れて逃げているのを見ている。」

 

「ということは?やはり神が死ぬとその世界は滅ぶのですか?」

「セイジ君、早とちりはいけないよ。」

 

「こら、ラプラス、貴方も私の子供同然なんだから!バパにそんな口はきかないの!」

セシリアが一喝した。母は強い。

 

「そうだったね。ママ。」

ラプラスは本気か真面目かわからない返答をした。

見た目もフィギュアだから、尚更わからない。

 

「では、父さん、私は魔界が滅ぶ寸前まで魔界にはいました。しかし、魔界が完全に滅んだかはわからないのです。

さすがに滅んだ世界にいたら私も無事ではない。」

 

「確かにそうだな。」

オルステッド様が頷く。

 

「但し、神が「死ぬ」のと世界が「滅ぶ」のがおなじタイミングではない。と思っています。理由を申し上げましょうか?」

 

オルステッドは黙って頷いた。

 

「まず、ヒトガミが完全に龍の世界を崩壊させた時、ヒトガミは巨大な光の玉を放ちました。これにより、龍の世界は少なからずダメージを受けております。しかし、この時、初代龍神様はまだ生きておりました。少なくとも、私が人の世界に到達してから一週間、龍神様は生きておられました。」

 

「龍神様は人の世界を相当荒らし、最後はヒトガミを何処かに閉じ込めています。他の例を挙げると魔界も魔神が死んだ後に我々が魔界を蹂躙しておりますゆえ。

魔神の死、我々の破壊。どちらが原因かは不明です。」

 

「もう一つの証拠は海界についてです。話は前後しますが、海神を倒した後に、龍の民は海界から生物を召喚することに成功しております。」

「後、これは実際に目撃してはいないのですか、

神玉を全部消費して、オルステッド様とペルギウスを未来に、私と龍神様を人の世界に送りました。」

 

「なら、数は少ないとは言え、人の世界に龍の民がいるのでしょうか?」

 

そうだ。先代の龍神ウルペンも今転移した者の末裔ではない。

迫害され数を減らしたものの龍の民は確実にここの世界にいる。

 

「彼らをこの世界に連れてきたのは、恐らくはヒトガミでしょう。」

 

何故、ヒトガミが龍の民を?そうか。

「スケープゴートとして、ですか?」

「スケープゴート?って何?セイジ」

「ラプラスさんの話ですと、人の世界に一気に多数の民族が移民してきます。

当然、うまく馴染む民族もあるでしょう。しかし、うまく行かない民族もいたかもしれません。

うまく行かなかった民族は連れてきたヒトガミを恨むかもしれません。」

「その怒りの矛先を龍の民に向けるためか。」

「さすがだね。父さん。私もそう思います。」

なんかラプラスに父さんと呼ばれるのはくすぐったい。

でも、今の話を総合すると。

 

「他の世界もまだ残っているのかもしれない。」

 

 

 

 

 





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