シーフの孫   作:迷宮の迷子

7 / 39
いつも読んでくださってありがとうございます。
ご感想やお気に入り増えて非常に嬉しいです。
書いたからには最後まで書く。頑張ります!


老練にして豪胆

ここは水神流本拠地。

華美なところは一切ない客間。

嵐のように到来したエリスにあっけに取られた一同は、誕生日の打ち合わせは後日とし、僕の家族は返されていた。

今客間にいるのは

イゾルテ

シャンドル

ルーデウス

エリス

セイジ

セシリアの六人である。

 

「あの、エリスさん?」

「久しぶりね!イゾルテ!元気だった?」

「はい、お久しぶりです。おかげさまでって、違う!」

「ん?どうしたのイゾルテ、あ、この子がイゾルテのお孫さん?可愛いわぁ、あ、うちの孫のルロイなんだけど、この前お嫁さん貰ってね。」

「それはそれは、ってエリス、貴方キャラ変わってない?」

「え?変わってないわよ?」

「いや、前は「フンッ!」しか言わなかったでしょう貴方!

「うん、人の言うことを聞かないとこは確かに変わって・・ぃだぁ!」

ルーデウス様がエリスさんに腿をつねられていた。

 

「と、若い子たちへのつかみはこれでいいとして・・」

「え?今のネタだったの?!」

「ほら、イゾルテ、真面目な話なんでしょう?全然話が進んでないわよ?」

 

このままエリスに引っ掻き回されるのも困るのでルーデウス様が助け舟を出した。

「セイジ君久しぶり、あれから随分訓練したみたいだね。」

「はい、ルーデウス様、毎日魔力移動の訓練は続けています。」

なるほどそうか。

「そのおかげだね。セイジ君の魔力、すごく増えているよ。」

「「ホントですか!」」僕が嬉しいのは当たり前だけど、セシリアも嬉しそうだ。セシリアまじ天使。

 

と、ここでエリスさんが再度動くと困る。セシリアが動き出した。

「あの、エリス様!はじめまして!イゾルテの孫のセシリアです。宜しくお願い致します。」

「はじめまして、私がエリスよ。セシリアは落ち着いたいい娘ね!」

「じつは・・カクカクシカジカ」

「成る程、そういうことね!わかったわ!」

イゾルテ(私抜きできちんと会話が成立している)シュン

 

 

「私が知っている剣神流だけど、なんというかしら、己の欲するものに忠実な流派ね。

先代のガル・ファリオンは己の強さと同時に強敵と戦って勝つ事に貪欲な人だったわ。

今の剣神のジノはニナっていう女のコをものにすることに貪欲だったの。

きっとあなたのお兄さん、ギルもそういった純粋な強さに貪欲なのではない?」

イゾルテ(エリス、いつの間にそんな冷静な分析ができるようになったの?)ビックリ

「ここに神級が二人もいるのに私が言うのも差し出がましいけど・・・」

「一番勝てる剣が北神」

「一番負けない剣が水神」

「そして一番強い剣が剣神よ!」 

 

「一番勝てる剣が北神かはわかりませんが・・確かに一番強い剣は剣神流ですな。」

シャンドルが頷いた。 

 

「あなた達は剣神流の剣は見たことはある?」

「いえ、実はありません。」

「そうね、ギレーヌが死んだのはもう十年は前だものね。」

エリスは少しだけ悲しそうに目を伏せ、そして、思い直したかのように顔を上げた。

 

「ギルは最近剣聖になったのね?」

「はい、そのようです。」

 

「なら、その剣、見せてあげる。戦うのは君ね?」

「はい、でもどうして戦うのが僕だと」

 

「だってセシリアちゃんがあんなに心配そうな顔しているんですもの。好かれてるわね!えっと」

「はい!セイジ・セイブルキャットと申します!宜しくお願いします!」

イゾルテ(エリスもやっぱり大人になっているのね。でも・・)

 

「エリス、その前に・・・」

「な、何よ!」

「お昼ごはんにしましょう?貴方きっと朝も、食べずにここまできたのでしょう?」

皆で一旦休憩とした。

 

そして、水神流の道場の庭

 

「まずは剣神流の基本にて究極、そうね水神で言えば流。」

「まずはあの木を狙ってあげる。よく見てて」

「光の太刀!」

エリスが水平に剣を振るう。剣の軌道から光の刃が飛び出し木の枝をばっさり切り落とした。

 

 

「どう?セシリア?」

「はい、あの木はアリエル女王が大切にしているのできっと怒られると思います。」

「な、何!ルーデウス、な、治して!」

(メタなやり取りだなあ。)

 

「ふぅむ・・」

光の太刀を見ながら僕は考えた。

「エリスさん、質問があります。」

「ん?なあに?」

「ギルは5年前、無音の太刀というのを撃ち出していました。エリスさんはできますか?」

「できないわよ!」

「え?そうなんですか!だって光の太刀より威力は落ちるんですよね。」

「よく知っているわねセシリアちゃん。」

「えへへ」

「簡単に言えばね。無音の太刀の威力を高めると光の太刀になるの。基本形は同じ、だからわざと威力を落とせば無音の太刀になるかもしれないけど。」

「微妙な匙加減が必要だから光の太刀だったり、無音の太刀だったりするんですね。」

「そうよ!セイジも頭いいわね!」

 

即ちこうだ。

日本の伝承に「かまいたち」とか「飯綱」と呼ばれるものがあった。

昔はそれを妖怪と言っていた。

ほんの少し前までは高速で風が移動すると気圧の差が生じて真空空間ができる。その衝撃だ。と言われていた。

ただ最近では同じく高速の風が周囲の異物を巻き込み、それが皮膚に当たって切れるのだというのが通説になっている。

 

無論光の太刀は人の腕くらい切り飛ばせる。

その為飯綱とは比べ物にならない威力だ。

但し基本的には光が腕を切り落とすわけではない。

風による衝撃波が光の太刀の正体だ。

ならば・・

 

「ルーデウス様、万が一用に治癒の魔法をお願いしていいですか?」

「構わないけど、どうして?」

「魔力強化でエリス様の光の太刀をうけて見ます。」

「「ええ!」」今度はセシリアとルーデウス様がハモった。

「魔眼で光の太刀を見てみたいんです。」

 

(魔眼に50.身体強化に50.)

「エリス様、お願いします。」

「わ、わかったわよ。こんな小さい子供に撃ったことないのに・・」

「い。いくわよ!」

エリスが再度光の太刀を撃つ。

(見えた!)

具体的にどうやるかは不明だが、現象としては飯綱と同じ。

但し衝撃波は渦を巻いており、その最も外側、外周部が周囲の空気と摩擦を起こし、発光しているようだ、おそらくは風のなかの塵が発火しているのかもしれない。

「ぐっ!」

左腕に光の太刀が決まった、

無論魔力強化をしているから深い傷にはならないが血が一筋ながれる。

「セイジ!」セシリアが、絶叫する。

「セシリア、防御しているから大丈夫だよ。」ルーデウス様に治癒魔法をかけてもらいながらセシリアの頭を撫でた。

 

「しかし、話には聞いていたけどすごいわね。私結構全力で撃ったわよ。」

「ああ、俺の一式より硬いかもしれない。」

「でも、これは連発できるんですよね。」

僕はエリス様に尋ねた。

「ええ、撃てるわ。」

 

そうすると魔力強化で力攻めでは駄目だ。

どんどん削られるだろうし、目などは防御できない。

撃った瞬間跳躍し背後から撃つ?

そもそも攻撃力が低いので一撃では落とせない。

ならば!

 

「エリス様、もう一度お願いします。」

「セイジィ、駄目!セイジが痛いの見るの嫌!」

セシリアは半泣きだ。

「大丈夫、お願いします!」

次の瞬間、また、僕の意識が落ちた。

 

 

(知らない天井、じゃないな、僕が借りている部屋の天井だ。)

何日寝てたのだろうか、それともほんの少し?

僕の布団の側でセシリアが涙目で睨んでいた。ということはそんなに長い時間ではないかな。

睨んでいてもかわいい。

「セイジの・・バカバカ」

「でも、よかったよぉ!」

「ごめん、セシリア、でも看病してくれてありがと。」

 

 

「まさか、ああいう手で来るとはね。」

「意外よ、でも私と相打ちなら剣聖相手なら勝てるわ」

「さて、帰ろうか、シャリーアへ。ん?クリスティーナ?」

ルーデウスとエリスの娘、アスラ王国王太子妃 クリスティーナ様。彼女が仁王立ちしていた。

 

「父様、母様、いえ、パパ!ママ!実の娘ほっぽって帰るつもり?あと、パパは前回挨拶無しで帰ったので陛下より連れて帰るよう言われてます!」

「クリス・・いや、あのときはね」

「問答無用です!シルバーパレスまで連行します!」

「そうね、クリス!たまには親子で寝ましょう!」

「さすがママ!というわけて、パパ!ついてきてください!」

「はい・・」

親子三人、仲良く手を繋いでお城に向かうのであった。

 

但し真ん中は連行されるルーデウスではあったが。




どうしてもこういう話は会話主体になるんで苦手です。
うまく会話と行動をバランスよく書けるようになりたいな。

追伸:光の太刀の定義を間違えていたかもしれない。
社長が手刀でぶんぶん光の太刀ってやっていたから飛び道具と勘違いしていたけど、
単に高速の剣?
うむ、書き直し?削除?このまま?

シーフの孫はいかがでしたか。

  • 面白かった
  • つまらなかった
  • 読みにくかった
  • ラブストーリーか?
  • もっと続きが読みたかった。続編あるよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。