フッハじゃなくて不破になる   作:iki

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 どうもikiです。
 修行シーンとバトルシーンは断腸の思いでぶった切りました。
 オリジナル設定注意です。それではどうぞ。


ページ2 魔法騎士団入団試験VSアスタ

 

 「よし!じゃあ頑張ってくるわ!」

 

 「頑張れよー!」「絶対に受かってこいよー!」

 

 「緊張しないでねー!」「暴牛だけはやめとけよー!」

 

 あれから四年半、俺は修行に費やした。

 毎朝欠かさず走り込みなどの体力トレーニングをし、昼からは魔法コントロールの訓練と魔導具の勉強をして、更にモグロ葉の汁を毎日飲みまくった。

 特に魔導具の訓練はフッハの身分が平民だったこともあり原作でも闇市が盛んだった平界の城下町キッカに足しげく通い、自分にあうアイテム、魔力増強などに良さそうな物を調べまくった結果、自分で言うのも何だが物凄く詳しくなり、闇市の人々から゛闇市のアイテム小僧゛と呼ばれるまでになった。因みにだが原作のフッハとは違ってギャンブルはしていない。理由はモグロ葉を買い占めるためだ。そのため朝もモグロ葉、昼もモグロ葉、夜もモグロ葉……。もうモグロ葉は見たくもない。

 

そして今日、魔法騎士団入団試験に挑みに行くわけなのだが……、

 

 「いくらなんでも応援されすぎてないか?」

 

 村の殆どの人が村の門で俺を見送ってくれている。何故村の人々からこんなにも期待されているのか?それはこのフッハの境遇にある。原作では語られていなかったが、フッハの両親はフッハが十歳のときに亡くなっていたらしい。両親はどちらも商人でこの村を拠点として各地を転々としていたらしいのだが商売を止め、この村へ帰るときに盗賊たちに襲われ、フッハを残して帰らぬ人となってしまったのだという。

 

 そして残されたフッハは皆に構ってもらえるようにするためか心配をかけないようにするためかは不明だが急に明るくチャラチャラとした原作のような性格になったようなのだ。

 

 原作のセコいフッハの性格の起源が空元気だったことにはビックリだがフッハの気持ちは分かる。人は自分が不幸な境遇になったとしても周りの人にはいつもと変わらぬ接し方をしてもらいたいものだ。

 

 そしてそのフッハの悲しい過去がみんなの応援とどう繋がるのかという話だが、考えてみて欲しい。自分の両親を殺人鬼に殺された子供が居るとする。その子が警察官になるために努力を欠かさず続けていたとしたら応援してあげたくなるのが人の常というものではないだろうか?

 

 自分で言うのもなんだが今までの四年半、俺は一日も修行を欠かしたことがなかった。つまり村の皆は俺の魔法騎士になる努力を四年半毎日見てきたということだ。それだけ努力の過程を見せられればこれだけ応援されるのもしょうがないことなのである。正直こんなに声援を送られるとは思っておらず、少し恥ずかしいのだが……、

 

 

 「皆ありがとう!絶対に受かってくるわ!」

 

 

 それでも俺を応援してくれる皆からの期待に答えたい気持ちを胸に俺は村を出た。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「それにしても広いな……」

 

 

 村を出てしばらく経った後、俺は無事に試験会場へと辿り着いた。会場にはもうとっくに沢山の受験生達で一杯だった。

 

 「取り敢えず着いたからにはアスタを探さねぇと……」

 

 原作のフッハは試験のときに主人公であるアスタにウザ絡みをしていた。なのでアスタには一回会っておきたい。

 

 「ひとまずアンチドリが群がっているところを探すか」

 

 アンチドリとは『ブラッククローバー』の世界に生息する鳥で魔力が低い者にほど群がり、突く。アスタは魔力が一切無いため、アンチドリが良く群がるのでアンチドリがたくさん居るところにアスタが居るはずだ。

 

 

 「あそこは……あっ居た居……」

   

 

 そうして俺はアスタを見つけた……のだが……。

 

 

 『みしみしみし』

 

 「ぎゃああああぁぁぁ!!!」

 

 「死ぬ準備はいいようだな………!」

 

 

 主人公は破壊神(ヤミ・スケヒロ)に顔を握られ死にかけていた……。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「せっかく助かった命だ大事にしろよじゃないと殺す」

 

 「えええーー」

 

 「おい、大丈夫か?」

 

 

 試験が始まったことにより命拾いしたアスタに俺は話しかける。

 

 

 「おう!なんとか大丈夫だ!鍛えていた筋肉が役に立った!」

 

 「お、おうそうか……、良かったな……」

 

 

 顔面は筋トレでは鍛えようがないので何処が役に立ったのかは全くもって理解できないが自己紹介をしておくことにする。

 

 

 「俺はセッケ、お前は?」

 

 「オレはアスタ!」

 

 「アスタか……よし!お互いに頑張ろうな!」

 

 「……!あぁ!頑張るぜ!」

 

 

 どうやらファーストコンタクトは好印象なようなので俺は良かったと胸を撫で下ろした。

 

 

 「あ、試験が始まるぞ!ほら」

 

 「おお!!」

 

 

 魔法騎士団団長たちが受験生たちの前に現れ会場は熱気に包まれる。そして……、

 

 

 「今回の試験は私が仕切らせてもらうよ」

 

 「あれは……現最強の魔法騎士団『金色の夜明け』団団長……ウィリアム・ヴァンジャンス、次の魔法帝最有力候補だー!」

 

 「゛魔樹降臨゛」

 

 そう言ったと思えば空に大樹が現れ、その枝が箒へと変わり、俺たち受験生の前に渡された。

 

 

 「それではこれより魔法騎士団入団試験を始める…!」

 

 

 現最強の魔法騎士団【金色の夜明け】団団長のウィリアム・ヴァンジャンスの宣言と共に試験は始まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「ふう……はぁ……」

 

 どうにか最終試験まで終わり、俺は緊張を解すべく深呼吸していた。今までの試験の箒飛び、魔法での壁壊し、的あて、魔力の形成、植物へ魔力を与えて成長させるはどれも落ち着いてこなし、恥ずかしい姿を見せることなくアピール出来た。……隣でずっと叫んでいるアスタを見て少し切なくなったが。

 

 しかし問題はここである。

 

 

 「ーそれでは次が最後の試験だ。最終試験は実戦形式だ。適当に二人一組になってその相手と闘ってもらう。魔導書を使って構わない。攻撃魔法の一つや二つ覚えてきているだろう?魔法騎士団は戦闘が仕事だ。君達の力、存分に示してくれ。」

 

 始まった。最後の試験である実戦戦闘。

 この実戦戦闘にて、俺は選択を迫られている。それは『アスタと゛闘う゛か否か』だ。

 

 原作のフッハはアスタのことを甘く見て、アスタと闘い瞬殺される。そして本人曰く中の下の魔法騎士団の【翠緑の蟷螂】に入ることになる。

 

 原作通り行けばそのまま闘うべきだ。しかし、正直言うとアスタと負けなきゃいけない闘いをするよりも自分と実力が近い相手と組んでちゃんとした実力を団長たちに見せつけるほうがこれからの魔法騎士団人生に置いては得を得やすい。

 

 「よし他のやつにしよう」

 

 原作通りに行かなくてもいい。アスタの持つ反魔法なら殆どの受験生に有利を取れるだろう。更に受験生達はアスタのことを下に見ている。その油断もあって恐らくアスタは勝ち上がり先程の破壊神魔法騎士団団長【ヤミ・スケヒロ】に拾われ、問題児だらけの魔法騎士団【黒の暴牛】に入ることができる。ならば俺が闘う必要はない。そう思い、近くの人と組もうとすると……

 

 

 

 「セッケ!!!」

 

 

 

 アスタに呼ばれた。おかしい、原作ではアスタから呼ぶことはないはずなのだが……

 

 

 「どうしたんだよアスタまさか俺とやるのか?」

 

 

 戸惑いながらも俺はそう答えた。正直アスタと闘う気持ちは俺の中にはもう無い。どうにかやんわりと断る方法を考えているとアスタから思いもよらない言葉が出た。

 

 

 「オレは!お前と闘いたい!」

 

 「!」

 

 「今日、オマエを見てきたけどオレができないことを軽々とやってた!軽々とやっているように見えた!でも違うんだろ……!」

 

 「……アスタ」

 

 「きっとセッケもめちゃくちゃ努力をしてたんだろ……!なら……」

 

 

       「俺はセッケと戦いたい!」

 

 

 「……ふぅ…はぁ……」

 

 

 

 忘れていた。いや、皆目見当違いな誤解をしていた。俺の必要がない?俺にとって得がない?巫山戯るな。育成ゲームでもやっているつもりか?この世界は確かに『ブラッククローバー』という漫画の世界だ。でも俺は今セッケ・ブロンザッザとしてここに居る。生きている。これが漫画の世界と割り切ってしまえば今日の朝、俺が村の皆から受けた声援は嘘になってしまう。これは漫画の世界だからなんていう生半可な覚悟で゛後悔しない゛人生を歩むだぁ?舐め腐っているにも程がある。損得勘定なしに目の前の壁にぶつかっていく。

 それこそが俺の、゛セッケ・ブロンザッザ゛のやらなくてはいけないことだろうに。

 

 ……それに卑怯だ、あまりにも卑怯だ。そんな熱い眼差しで「お前と闘いたい」なんて言われたら

 

 

 「判った、手加減はしねぇぞアスタ」

 

 「……!おう!」

 

 

 戦いたくなっちゃうじゃねぇかよ、アスタ。

 

 

 「それでは……最初の対戦者…前へ」

 

 

 

 「手加減なしだからなアスタァ!」

 

 

 

 「おぅ!んじゃぁ行くぜー!」

 

 

 

 「…では…始め!」

 

 

 

 開始と同時に俺とアスタの戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「ふぅ……はぁ……やっぱ強いな……」

 

 アスタと闘い始めてしばらくが立った後、そう言い残して俺は倒れた。やはり主人公は強かった。後少しで勝てたんだが……、修行が足りなかったな……。

 

 

 「セッケ!」

 

 「んぅ?」

 

 

 俺の魔法を受けてボロボロになったアスタが走ってくる。やっぱり主人公は凄い。もしアスタが俺に挑んでくれなかったらきっと俺は生半可な覚悟のままこの世界に臨んでいただろうし、いつか挫折して後悔していたことだろう。絶対に諦めない。アスタがそのことに気付かさせてくれた。

 それに、原作では瞬殺だったセッケがここまで健闘出来たんだ。十分良い結果だろう。

 

 

 「アスタ……」

 

 「?どうしたセッケ?」

 

 「ありがとな!」

 

 「良く分からねぇけど……おう!」

 

 

 

 そうして実戦は原作通り俺の負けで幕を閉じた。しかしこの闘いが俺の運命を変えることになるとはこの時の俺はまだ気づいていなかったのである。

 

 

 

 

 

 




 
 第二話いかがでしたでしょうか?
 あとでバトルシーンを第三者視点から描こうと思っております。
 それでは次回第三話、【究極の選択】をお楽しみにそれではまた。

※アンケートでフッハは一体どの団に入るかの投票を実施中です。
 原作通りの翠緑の蟷螂はナシの八つで募集しておりますので投票宜しくお願いします。(個人的には珊瑚の孔雀でドロシーをヒロインにするのが良いかなと思っています。)

追記:先に10票入ったところにします。

追記の追記:投票終了しました。    
     投票してくれた皆様
     本当にありがとうございました。

フッハは何処の魔法騎士団に入る?

  • 金色の夜明け
  • 黒の暴牛
  • 銀翼の大鷲
  • 碧の野薔薇
  • 紅蓮の獅子王
  • 珊瑚の孔雀
  • 紫苑の鯱
  • 水色の幻鹿
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