【完結】ゲッターロボに愛されて死ぬことも出来ないアイドル 作:朱鷺野理桜
歳を喰うと、時が流れるのが早いと感じるというが、それを強く実感している。
私はもう50代となり、人生の折り返し地点に入った……入ったのかな? 推しの子時空では121歳まで生きたんだけど。
原作の流れはそう強くは変わらなかった。
恐竜帝国をゴミのように蹴散らし、その影で忍び寄って来た百鬼帝国にシャインスパークを叩き込んでおしおきし。
恐竜帝国が大挙して攻め込んだニューヨークでは新型炉心に換装したゲッターロボでストナーサンシャインを叩き込んだ。
そうして私がニューヨークを生き延びたこと以外は、原作とさして変わらないまま未来は訪れた。
……サウンドゲッターは、結局大して役には立たなかった。
メカザウルスを止めることは出来ても、ハチュウ人類は止められない。
それはそうだろう。だって、プロトデビルンとハチュウ人類じゃ、立場が違い過ぎる。
歌うことでスピリチアを創り出せるようになり、プロトデビルンは人類と争う意味をなくした。
ハチュウ人類は、たとえ歌ったところでゲッター線への耐性を得られるわけじゃない。
歌っても地上には人類が蔓延っていて、かつて失った地上の生活を取り戻したい心は消えない。
一時的に戦いを止めることは出来ても、結局、戦いを根本から止めることなどできなかった。
たとえゴール相手でも、それは同じことだった。
歌うことで戦うことの愚かさも、人類の文化にも心打たれてはいた。
けれど、彼にとって大事なことは、かつて死んでいった同胞たちが夢見た地上を取り戻すことで……。
そして何より、恐竜帝国の繁栄のためには、地上に進出する以外の道はなく。
戦うことをやめれば、地の底で静かに枯死していくだけ。
戦うことへの意欲を失っても、戦う理由はあり続けて。
どちらにも戦う意思はなくて。それでも、戦わねばいけない理由だけがあった。
ゴールは恐竜帝国の未来のため。私たちは人類の未来のために。
私たちは、生存することだけを賭けて、争わなければいけなかった。
地上で共に融和する道など、私たちには結局、ありはしなかった。
ゲッター線を捨て去れば、人類はゲッター線そのものによって滅ぼされるだろう。
ゲッター線を捨て去らなければ、ハチュウ人類はゲッター線に苛まれて滅びるだろう。
二者択一の未来しか私たちにはなく、そして相手に譲ってやれるほど、私たちは賢くはなれなかった。
どうして同じ命同士で争わなければいけなかったのか。
なぜ、私たちにハチュウ人類に生まれて来てくれなかったのか。
なぜ、自分は人間として生まれて来れなかったのか。
そう嘆きながら、ゴールは涙と共に事切れた。
私たちは、ただひたすらに苦い勝利を掴むだけに終わったのだ。
結局、未来を大きく変えることなど、出来はしなかった。
可能な限りの努力をしても、あまりにも大きな時代の流れを変えることはできない。
もちろん、原作では真ゲッターにゲッターわからせを喰らった凱はわからされることなく無事だ。
民間人への大量の被害だってなかった。それでも、未来はそう大きくは変わらなかったのだ。
ゲッターロボ號における最終決戦の際は、もちろん私も行くつもりだった。
だが、突然現れた竜馬と號にサスマタで取り押さえられたかと思ったら対人用フィンガーネットを突然被せられた。
そして、さらにそこで麻酔銃を10発も撃ち込まれたことで私は昏倒してしまった。
私の扱いが動物園から脱走した猛獣と同じだったことについてはいい。
いや、全然よくはないんだけど、置いて行かれたことに比べればどうでもいい。
ゲッターチームは、死ぬときは一緒だって、言ったのに……。
私は隼人と共に、置いて行かれることになった。
真ゲッターロボの炉心は安定性の高さを重視して設計したものを使った。
ゲッターロボアークよりも上じゃないかと言うほどの代物だ。
それでも、彼らは火星へと旅立った。
おそらくだが、どこかのタイミングで私が設定したリミッターを解除したのだろう。
リミッターを解除してしまえば、ゲッター線は容易に臨界点に達して暴走を始める。
原作における真ゲッターロボと大差ないような不安定さを発揮してしまうだろう。
竜馬にも號にも、リミッター解除の方法など教えなかったのに……タイールのせいか。
私もまた、これからの未来に必要な人間だというのだろうか。
どうせ、死んだところで私は転生するだけなのに。
生き延びるなら、號やメシア・タイールが生き残るべきだったのに。
ゲッターロボアークの開発。改良。
アークには物理的に解除不能なリミッターを設定した。
次に真ゲッターを作ることがあれば、この方式でやる。
そして、戦いは原作通りに進んでいった。
違いと言えば、まぁ、隼人が撃たれる代わりに私が撃たれたくらいか。大した差じゃないかな。
「辛いさだめだとしても、立ち向かうことができるのが若者であるお前たちの特権なのだ」
隼人が地獄の釜を開くために操作盤を操作していく。
外では今頃、アークがバグと戦っているのだろう。
撃たれてなければ、私も応戦したんだけどな。
「ゲッターの申し子たちよ、ハジをかくんじゃないぞ……」
「カッコつけちゃって」
「フン……おまえこそ、俺を庇ってカッコつけてるだろうに」
「なんでだろうね。隼人が撃たれそうだって思ったら、気付いたらやっちゃってて」
肺に穴が開いてるのでかなり苦しい。
今の状態でゲッターに乗ったら、さすがに頑丈な私でもそのままお陀仏だろう。
「まぁ、いいんだ。置いてかれるのはもう勘弁だから。置いてかれるのって、凄く堪えるもんね」
「……そうだな」
私と隼人は背を預け合って、地獄の釜が開く瞬間を待つ。
「旧早乙女研究所か。もう、必要な資料もないだろうけど、また足を踏み入れることになるとは思わなかったなぁ。まぁ、思わず拾いはしたけど……」
こう、ゲッターロボの設計図だな……って気付いたら、もう体が既に拾ってたっていうか……うん。
「必要なものはすべて回収したはずだ。残っているのは大したもんじゃない。それも、プロトタイプゲッターの設計図とかその辺りだろう」
「まぁ、そうだよね。懐かしいね、昔の研究所。みんなでさ、ミユキちゃんが作ってくれたおやつ食べたりしてさ」
「ああ……俺には少し、甘すぎたかな」
「辛党だもんね、隼人」
「博士は、娘の作ったものなら文句を言わずに食っていたな」
「そうそう、私の作ったものも文句ひとつ言わずに食べてたなぁ」
「フフ……やはり、娘と言うのは可愛いものなのだろうさ。気持ちはわからんでもない」
「うん。子供かぁ……」
アクアとルビー。私の可愛い子供たち。
いつかまた、会える日が来るかな?
ああ、会いたいなぁ、2人とも。
そんなことを思いながら私は手にしている設計図に目を落とす。
最後だっていうのに、なんともまぁ研究者らしくなってしまったなと苦笑しつつ。
「ああ、懐かしいね。宇宙開発用のゲッターだ」
随分と昔、そう、プロトゲッターをいくつも作ろうとしていた時のものだ。
まだ、宇宙開発用の機体を作っていた頃。これもそう、宇宙開発用のものだ。
私が10歳やそこらの頃のものだから、設計は古臭くて、今はもう見るべきものはなにもない。
早乙女博士が1人乗りの廉価版ゲッターだって言ってたかな。そんなの原作にあったっけ。
そう思いながら、私は設計図に銘打たれた機体名へと眼をやった。
そこに記されていた機体の名を眼にした時、私はようやく理解した。
私にとって、それはずっと追い求めていたものだったのだ。
「ああ、そっか……そっか。こんなに、簡単なことだったなんて」
恐竜帝国。ゲッターロボ。ゲッターエンペラー。
そうだね。そうだよ。これ以上に相応しいものなんか、ないよ。
早乙女博士によるものじゃないゲッター。
恐竜帝国の造ったゲッターロボ。
そして、エンペラーと対立するもの。
「あははははは! こんなに、こんなに簡単なことだったなんて!」
私は思わず笑いを零していた。
もう、こんなの笑うしかないじゃん。
「最初から、答えは手元にあった。その答えをカタチにするのが、恐竜帝国なだけで。私は、待っていればよかったんだ……」
でも、決して無駄ではなかったのだろう。
たしかにそうだ。サイコゲッターも、サウンドゲッターも、たしかに進歩した。
それは恐竜帝国を退け、百鬼帝国も退けた後の平穏でしか得られなかった。
待てば答えに辿り着いたけれど、その答えだと気付くためには今回の転生は必須だった。
エンペラーの中で自分と出会い、教えてもらえなければ、これが答えだと気付けなかった。
「アイ、何かが、分かったのか」
「うん。分かったよ。未来永劫かもしれない戦いの始まりが……」
「そうか。それがなんなのかは知らんが、アイ」
「うん?」
「ハジをかくなよ……元祖ゲッターチームが欠けるのは、もう御免だ」
「……うん。諦めるつもりはないし、死ぬつもりもないよ」
「なら、いい……アイ、タバコをくれないか」
「しょうがないなぁ」
私は白衣のポケットから、隼人から没収していたタバコを取り出す。
それを咥えさせてやって、ライターで火をつけてやった。
「フゥ……ああ、最高だな」
「なんたって、私がつけてあげたからね」
「かも、しれんな……フッ」
「光栄に思いなさい」
そう笑い合ったとき、地獄の釜が開いた。
ゲッター線の輝きが満ちる。
背を預けた友の命の鼓動を聞きながら。
私たちは笑ってゲッター線の下へと還った。
ああ、そうだね。
私は星野アイだから。
流竜馬は流竜馬で。
神隼人は神隼人で。
巴武蔵は巴武蔵で。
車弁慶は車弁慶で。
私は星野アイだ。
最強で無敵の超時空シンガー。
究極で完璧の超銀河アイドル。
だったら、やってやろう。
敵対と言えば、そうなのだろう。
融和と言えば、そうなのだろう。
だが、やることは結局いつものだ。
そうだったね。私たちはゲッターチーム。
立ち向かうなら、私たち流でやるまでのこと。
やってやろうじゃんか!
「はいはいクソ親クソ親」
クソ親があまりにクソ親だったが、いつものこと過ぎてもはや慣れた。
ダイナミック新生児によるダイナミック・ドメスティック・バイオレンスにより解決。
「喰らえ! これが、これこそがゲッター線の真髄だ!」
「な、なんと言う……! 儂の知りたかった、すべてがここに……!」
そして早乙女博士に全部ぶちまけた。
サウンドゲッターやらサイコゲッターは出してない。
いや、あれ結局大して役に立たなかったし、サイコゲッターは危険過ぎるし……。
一応それなりに制御出来るようにはなったけど、うっかりすると火星にテラフォーミングに行っちゃうんだよね。
「よし、アイちゃん、だったな」
「え、気持ち悪い……アイくんって呼んで」
「そ、そうか。ひとまず、この研究所を星野研究所にしよう」
「錯乱してるなこれ」
1発引っ叩いたら戻った。
それからは前世とまったくおなじ。
ただ、進捗速度が前世よりもさらに早いだけ。
そして、ミユキちゃんことゴーラが設計図を盗み出して出奔。
私はミユキちゃんを連れ戻さなかった。
結局、前世で私たちはミユキちゃんの実の父を殺した。
ミユキちゃんは、早乙女のお父様を本当のお父様だと思って暮らすと気丈に言っていたが。
ゲッター線は結局、その早乙女のお父様までもを奪っていった。
前世における初代ゲッターロボは、真ゲッターロボ起動のためのゲッター線増幅装置となった。
そして、車弁慶のいなかった前世において、アンドロメダ流国を迎撃したのは早乙女博士だった。
元々、そう言う使い方を想定してなかったのだから、いくら私が安全措置を施していてもダメだった。
暴走した初代ゲッターは早乙女博士と共に地に没し、早乙女研究所は滅んだ。
……そこには無論のこと、ミユキちゃんも、ミチルちゃんも、元気も、達人さんもいた。
生きるべきだった人ほど、先に死んでしまうものだね。
連れ戻しても苦しい思いをした挙句、ゲッター線によって死ぬのなら。
せめて、最後に実の父の下に帰すべきだと思ったのは、間違いなのだろうか。
それ以外にも目的はあってのことだけれど、せめて親子らしいことを最後に出来ていればいいなと、私は思ったのだ。
竜馬のスカウトに研究所の職員も動員し、5人がかりでスカウトに向かった。
敷島博士に無理やり作らせた麻酔銃も準備万端。
ネットでとっ捕まえ、サスマタで取り押さえ、麻酔銃を打ち込んで連れ帰った。
隼人は普通に原作準拠でスカウトした。いや、前回はちょっと悪いことしたかなと思って。
なので、ゲットマシンで乗り付けて、無理やりジャガー号に乗せて、無理やり合体した。隼人はゲロ吐いて気絶した。
恐竜帝国の襲来。
真ゲッターロボ並みの性能を得たゲッターロボは圧倒的な強さでメカザウルスを葬り去っていく。
余りの圧倒的な強さに恐れをなした恐竜帝国がメカザウルスを次々と繰り出しても、無意味。
そして、苦し紛れに投入されて来たものを見て、私は微笑んだ。
「待ってたよ……ゲッタークイーン」
ゲッタークイーン。前世において、早乙女博士が1人乗りの廉価版ゲッターロボとして考えていたゲッターロボ。
原作においても、ゲッタークイーンは存在している。1人乗りの廉価版ゲッターロボだったかはわからないけど。
原作では、ゲッタークイーンは恐竜帝国の王女、ゴーラが乗ってゲッターロボを襲いに来た。
だが、人類と恐竜帝国の間の板挟みになったゴーラは、ゲッターロボと戦うことは出来なかった。
ゲッターロボを庇い、メカザウルス・ギンを道連れにゴーラは散った。それが原作の道筋。
「ざっこ」
もちろん原作通りになんかしない。圧倒的な強さでゲッターロボを圧倒したメカザウルス・ギンだったが……。
残念ながらこっちのゲッターロボは、原作の初代ゲッターロボと比較して1000倍の出力がある。負ける余地がない。
他のメカザウルス同様、ゲッターパンチで半壊し、ゲッタービームで木っ端微塵に消し飛んだ。
「さぁて、ミユキちゃん。おうち帰ってパパにお説教してもらおうね」
有無を言わさずゲッタークイーンをとっ捕まえ、私は早乙女研究所に帰還した。
「ゲッタークイーンはどうだね」
「思った以上にゲッターロボとは別物になってるね」
外装はまぁ、ゲッターロボなんだけど。装甲から何から何まで違う。
ゲッター炉心は当然搭載されてないし、装甲だってゲッター合金ですらない。
恐竜帝国製の、具体的な名称の分からない炉に、こっちも名称の分からない金属で装甲されている。
「武装は冷凍光線とミサイルだね」
「ふぅむ。恐竜帝国の技術はやはり侮れんな……ゲッターロボがなければ大変なことになっていただろうな」
まぁ、原作ではゲッターロボがあっても大変なことになってたけどね……。
「恐竜帝国製のゲッターロボ、か……」
「戦闘用に作ったわけじゃ、ないのにね」
「…………しかたのないことだ。割り切るほかあるまい」
「全部終わったら、宇宙開発、もう1回やり直そうね」
「うむ……」
「あと、私のライブ、1回くらい来てよ」
「う、うむ……いや、しかし、こんなオッサンが若いアイドルにうつつを抜かしているように見られるのは、なぁ……」
「ま、いいけどね。ゲッタークイーンは私がもらうね。改造して、私仕様にして使うよ」
「できるのかね? かなり別物になっているようだが」
「設計はそのまま流用して、動力炉と装甲だけ取り換える感じかな。諸々のシステムは追々だね」
「ふむ。まぁ、できるというのならば構わん」
「うん」
ゲッタークイーン。エンペラーに、皇帝に立ち向かうなら。やっぱり、格が欲しいよね。
クイーンじゃ、ちょっと足りない。だから、いずれは、さらに上を目指そう。
私の持てる全てを注ぎ込んで、君を女帝にまで育て上げてみせるよ。
だから、私に従え、ゲッタークイーン。
神をも超えて、悪魔だって滅ぼして。私は皇帝に挑む。
そのためには君が必要なんだから。有無を言わさず、ついて来てもらうよ。
早乙女博士によるものじゃないゲッター。
原設計は早乙女博士によるものでも、ここまで弄ったらもう別物だ。
そもそも、外装形状くらいしか参考にしてないんじゃないだろうか。
ゲッターロボへの意趣返しくらいのつもりで作ったんじゃないかって気がする。
恐竜帝国のゲッターロボ。
何から何までが恐竜帝国の技術で作られている。
恐竜帝国のテクノロジーは人類を大幅に上回っている。
アンドロメダ流国の設計したバグを完成させられる程度には。
星間レベルに達した国の機体を作れるのだから、恐竜帝国もその領域にいる。
ゲッター線が恐竜帝国を見放したのも、そう言う理由だったのかもね。
宇宙開発ができる領域にまで技術が達したのに、地球に拘ったから。
魂を重力に囚われていたからこそ、ゲッター線は恐竜帝国を見限ったのかもしれない。
エンペラーと対立するもの。
元より、ゲッターロボと敵対するために造られたゲッターロボであるがゆえに。
そして、その名も。ゲッタークイーンなんて、本当におあつらえ向きの名前だね。
アニメじゃ1話しか出てこないし、原作に至っては登場すらもしない。
スパロボにだって、ロクに登場しやしない。最後に登場したのは、MXだったかな。2004年発売のやつだ。
これこそが私の見出すべきだったゲッターロボなのだろう。
前世では、私自身の手で誕生すら出来なくなってしまったが。
本当にこれなのか、確証はないけど、不思議と確信がある。
これだ。これしかない。これがいい。そんな確信があるんだ。
戦いは続き、恐竜帝国を退け、百鬼帝国を打ち倒し。
アンドロメダ流国にも立ち向かい、私たちは戦い続け。
そしてやがて、私は進化の時を迎える。
「博士、こっちはもう無理だね」
早乙女研究所に攻め込んで来たアンドロメダ流国にゲッターQで応戦してるんだけど、無理があった。
まぁ、真ゲッターでもどうかって言うような化け物揃いだ。仕方ないことかもしれない。
可能な限り改造して、出来る限りは強化したんだけど……サウンドブースターもこいつら相手に役立つかどうか。
『アイくん! 下がれ! 下がるんじゃ! これ以上は死んでしまうぞ!』
「下がったって死ぬでしょ。博士、とっておきの凄いやつ見せてあげるよ」
『なに!? なにか切り札があるのか!』
「うん。ゲッターQは、色々改造したけど、原設計がそれほど強靭じゃない。でも、1つだけ、ゲッターロボより遥かに優れてるところがあるんだ」
『それは一体!?』
「耐熱性」
恐竜帝国はマグマの底を漂うマシーンランドを本拠とする。
それゆえか、メカザウルスたちは生物を元としておきながらマグマの熱にも平然と耐える。
地下深くの高温高圧に耐えるマシーンランドはそれ以上だろう。
恐竜帝国では耐熱合金の発展が盛んだったのかもしれないね、環境ゆえに。
だからか、ゲッターQを構成する合金類も、極めて耐熱性に優れたものだった。
まぁ、つまりだけど。
「ゲッター炉心リミッター解除。フルパワーゲッタービーム!」
ゲッター炉心のリミッターを解除して、ゲッター線は臨界点に到達。
けど、ゲッタビームのリミッターも解除してやって、フルパワーで照射し続ける。
そうすると、臨界点だけどゲッターエネルギーが飽和しない。
機体は超高熱になり、私が焼けるけど、そこはがんばる、がまんするの2つで対処。ゲッターロボGのGはがんばる、がまんするのG! ……この子はQだけど。
あとはまぁ、ぶっ壊れるまで撃ち続けるだけだね。
「アハハハ……ちょっとは驚いたかな、ガラクタ野郎ども。これが私のゲッターQの最大の力ってやつだよ」
『やめろアイくん! 死んでしまう! 死んでしまうぞ!』
「まぁ、驚いてもらわなきゃ困るんだけどさ。それにしても耐熱性すごいな……こんなにすごいとは思わなかった」
『アイくん! ゲッタービームを止めろ! 止めるんだ! やめてくれ!』
「アンドロメダ流国が。君たちはゲッター線で滅ぶんだよ。過去なら勝てるとでも思った? 考えが甘いんだよね。だって、私がいるんだよ?」
『アイくん! もう、もうやめてくれ!』
「だって、私はそう、最強で無敵の――――」
そして、ゲッター炉心の輝きは究極にまで高まり。
ゲッター核分裂を繰り返したことで、ゲッターメルトダウンを引き起こした。
ゲッター線の輝きに包まれて、私とゲッターQは高熱と共に地へと没していく。
ああ、死ぬのかな。どうかな。上手く行くのかな。分からないな。
でも、私って、実際のところ、そんなに頭なんてよくないからさ。
何十年もかけて、ようやく2つとか3つの技術を覚えたんだよ?
スーパーロボットを開発するような天才博士たちとは比べ物にならないほどおばかさんだよ。
それでも必死で頭をひねって、これが答えだって信じて、進んで来た。
だからまぁ、そうだね。間違ってませんように。
そうお祈りして、私は大地へと没した。
ゲッターQの名前が感想欄で1度も出て来なくて安堵してました