「・・・冷た」
弟子入りしてから三年、冬
今は、川で洗濯をしていた。生活は順調でもう基礎は完成したと師匠は言って、あと二年しないで出ていけと言われた
「・・・はぁ、寒いし
それに燐火さん、女なんだから自分の下着は自分で洗えよ、たく」
流石に冬は冷えるが、洗濯を終えないと流石に帰れないと泣く泣くしていると何かが流れてきた
「・・・なんだ?」
目の前に流れてきたのは、ごつごつした毛皮の上着だった
「もったいない、良い造りなのに」
よっと、と刀の鞘で引っ掛けて持ち上げたが水に染みているのか重たくてなかなか上がらない
ザパァ・・
「やっと、あ・・・がった?」
鞘の先には上着を羽織った傷だらけの男がいた
「・・・、う、ウェえエえぇ(OWO!!)」
どこかのヒーローぽい叫び声を上げてしまった自分は洗濯物を引き上げて男を担ぎ上げて家に戻った
「死ね!化け物!!」
「こっちに来るな!」
「子供に触らないで!」
「見ちゃ駄目!」
なんでオレはこんな目に会わないといけないんだ?
「死んじまえ!」
オレはツチグモを殺して村人を助けたのになんで?
オレが鬼に変れるからか?オレが変だからか?
誰かが石を投げ始めると次から次へ石をオレに投げ始める
・・・
・・・なんでさ最初はオレに助けを求めておいて
終わった瞬間、化け物扱いするなんて
殺してやる、殺してやる、殺す、コロスコロスコロスコロス!コロシマクル!オレヲミトメナイヤツハカナラズコロス!
「どうですか師匠?彼は」
声がする・・・男の声?
「解らんな、しかしお前、川から拾い物をするとは」
今度は老人の声?
「仕方ないでしょう、そのまま死なれたらコッチの気分が悪いですよ」
「それもそうじゃな」
「・・・なぁ、ネブカ(ネギのこと)を尻に刺せば治るって聞いた事が有るから―」
「燐火さん、突然な案は良いですが、それは風邪の対処方ですし。迷信ですよ」
そして新たに女の声が増えた
「やってみよう、燐火。ネブカを台所から持って来い」
「はい!」
「師匠!?オイ馬鹿やめろ!!明日のおみおつけ(味噌汁のこと)の具にナニスルツモリダー!!?」
オレは目を少しづつ開けて周りを見ると、藁(わら)の天井と土間に作られた台所、土と藁が混じった土壁、木でできた木の戸、そして女を羽交い絞めしてる男、それを見て笑う老人だった
そういえば、異国の言葉でこんな言葉が有ったな
「カオス」
気づけばオレそう呟いていた
「なるほど、旅芸人の方でしたか」
「おう、味噌汁おかわり貰えるか?」
「えぇ、良いですよ」
自分は味噌汁をよそりながらガツガツと夕飯を食べるカブキさんを見る
彼は訳が有って体力が極限に下がり川に転落、ここまで流れてきたそうだ
「四季、ご飯」
「腹すいたのだが」
と、横から縄で縛り上げた二人が声を上げる
「アナタと師匠は一緒に反省しなさい」
「「良いじゃないか!少しぐらい!」」
「少なくとも食材で遊ぶ事やソレを命じる事を命令した人に自分の料理を食わせたくないです。
あ、カブキさんはゆっくり食べてください、腹が壊れますので」
「OK、オーケー、わかったよ。うめー、デリシャス」
「そう言ってくれたら料理した本人は冥利につきます」
「「おーなーかーすいたー」」
「だまらっしゃい!次発言したら、その簀巻き状態で朝まで外に放り出して水被せて、朝飯も抜きにするぞ!」
「「・・・」」
「恐怖で支配する領主だ」
「なにか?」
「なにも」
そうそう、小さい事は気にしない方が良いですよカブキさん