人を殺した一年、流石に隠し事をしなくなった二人。カブキは退魔師で四季は不老不死という話をした。
と、いうよりも退魔する対象、魔化魍に襲われてカブキは四季を助けたのが原因だった。
「なぁ」
しかし四季は今、意味が解らない顔になって、隣に居るカブキに話しかけた
「なんだよ」
ぶっきらぼうに答えるカブキ
「なんで俺等がココに居るんだ?」
「知らないな、濡れ衣を着せられたのは確かだ。なぁニシキ。」
「ワイはしらへん!知らないで!」
そう、場は堺の牢屋敷、三人の男が座っていた。
壁に背を預けて腕を組んでいる奇怪な服を着た男、カブキ。
着流しを着て、床で横になっている白髪の男、四季。
黄色で虎をイメージで造られたか知らないが虎模様のニシキ。
この三人だった。
「この歳になって牢入りとか洒落(しゃれ)にならん」
「そういうなよ、四季。ほれ、ニシキ、謝んなさいよ。今ならお母さんも謝るから」
「いつからお前がワシの母ちゃんになったんじゃボケェ!」
「五月蝿いぞ!そこ!」
牢番の役人が声を張り上げて怒り、三人は黙り込む。
「あの、水をくれませんか?」
四季はそう口を開くと牢屋番の役人はけだるそうに出ていった。
「で、ニシキだっけ。なんで巻き込んだ」
初代ニシキ
表向きの職業は泥棒、物は盗むが殺人はしない奴
しかし今回はカブキの知り合いという点で巻き込まれて牢入りされていた。
「って元を辿ればカブキとニシキのせいじゃねぇか!」
「うるせぇ!ワシだって逃げてる途中でお前らに会わなければ良かったのによ!」
「あー、テメェらがうるせぇ」
「「黙ってろ!派手好き傾奇者!」」
「・・・お前等直れ!そこに正座しろ!ブッコロシテラヤラァ!」
カブキは木の牢をガンガン叩き、四季はギャーギャーと吠え、ニシキは四季とカブキを言葉で攻める。
「お前等本当に五月蝿い!なんなの!なんでそんなに気分が高いの!?」
先程の牢屋番(小太りの)が水を持って帰り、騒ぎについて三人に吠えたが。
「「「うるせぇ!黙れ!小太り!!」」」
「お前等、本当は仲良いだろ!?」
一蹴されてしまった。
「で、なんで村に行かなくちゃいけねぇんだ」
「我慢しろ。つか、五体満足で牢屋から出られたんだ。マシだろ?」
四季はカブキを宥めながら自作の刀を丁寧に手入れをしていた。
牢入りしていた町、堺から東に約二十キロ先に有る、とある旅籠に二人は泊まっていた。
「でも化け物退治ならニシキを使えよ・・・」
「確かに裏は同業者だしな。」
そうニシキはカブキと同じように退魔師の仕事をしている男なのだが、窃盗の罪が重くて斬首らしい。
「・・・面倒だなぁ」
「言うなよ、疲れる。けど金も貰えただけでも良しとしよう」
「そうだな、さて飯が出る刻だ。行こうぜ」
「おう」
四季は刀を鞘に収めて腰に刺して立ち上がり、カブキも最低限の道具を持って下の階に下った。
そして二人は気付かなかった。謎の者が覗いていた事を。
そして、これが四季とカブキの最後の旅になるとは、二人は気付かない・・・。