ラウダの野望   作:山ウニ

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ネット配信で視聴なので、まだ最新話見てないし、ネタバレ嫌でようつべも感想も見れない1日でした


刻なんか見せないから

 

地球への落下コースへ入ったプラントクエタ。その周囲を白と赤、2機のMSが戦っていた。

 

「グエルさん、何でこんなものを地球に落とすんですか!? そんな事をしたら地球にいるみんなが!」

 

スレッタの、かつて恋した少女の悲痛な声を聞いても、今のグエルには届かない。

彼の仮面の下の表情はうかがい知れず、ただ、冷たい声が返って来た。

 

「アーシアンは、このベネリットグループの新総裁、グエル・ジェタークが抹殺する。そう宣言したはずだ」

 

「そんなの!」

 

「奴らのテロで多くが死んだ! これはその報復だ!」

 

「それは一部の人で」

 

「アーシアンの孤児に手を差し伸べていたサリウスにまで手にかけてか!?

 奴等は見境なしだ! 共存は無理だと教えたのは奴らだ! だったら粛正するしかない!」

 

「ダメです! アーシアンにも良い人がいます! 聞いています! アリヤ先輩のこと」

 

「そのアリヤを殺したのも奴らだ! スペーシアンを庇ったという理由で! アリヤは、俺の母になってくれたかもしれない人だった!」

 

「アリヤ先輩が……お母さん?」

 

「これは彼女の墓標でもある! 行けぇい! プラントクエタ! 我が忌まわしき記憶と共に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうびろんとぅみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃ!

 

 

ダメだ。兄さんがサヨナラ言えなくてしてしまった。

だが、分かったぞ2期の展開が。1期の終了から、どれだけ経過した後かも不明だった。

答えは1年弱、兄さんの年代は卒業していたんだ。

そして、兄さんが、あの後どうなったか、ドミニコスに連れて行かれた説と、フォルドの夜明けに連れて行かれた説があったが、正解は後者だった。

テロリストの捕虜となり、虐待を受ける兄さん。おのれアーシアンめ!

そんな虐待を受けている兄さんの元へ、アス高を卒業した偽ララァ女がやってくる。

虐待される兄さんを見て、兄さんがアーシアンを差別しない人だったと擁護。やがて心を通わせる2人。

 

「なあ、弟がのたうち回っているが良いのか?」

 

「はぁ……ああなると、しばらくは使い物にならない。落ち着くまで放置だな」

 

「慣れてるね」

 

「兄弟だからな」

 

「そこそこの付き合いになるが、俺は未だに慣れんぞ。ああ、マルタン、無理に構わなくて良いから」

 

「本当に大丈夫なの?」

 

「問題ない」

 

だが、そんな2人を当然ながらテロリスト共は快く思わない。

特に、プラントクエタの襲撃に行って「止めなさい」された奴の子供が出てきて兄さんを逆恨み。

この戯けが! 貴様らテログループが、プラントクエタで何人の命を奪ったと思っている!

あの中にだって、帰りを待つ子供を持つ親がいたかもしれん。一方の貴様の親は殺しに行って殺されただけだ!

 

「アイツが落ち着くまで、時間を潰したいが、他に動物はいるか?」

 

「いるぞ。ニワトリと、あそこに」

 

「何だ? 牛? 随分と毛が長いな」

 

「ヤクだ。その子も大人しい。触っても良いぞ」

 

「ヤク? これがヤクか。結構ゴワゴワしてるな」

 

「ヤクと言っても、みんな知らなかったが、グエルは知ってるのか?」

 

「見たことは無かった。だけど見たかったんだ。弟が歴史好きでな」

 

「弟って、あそこで転がり回ってる男だよな?」

 

逆恨みから兄さんを殺そうとする止めなさいジュニア。そいつから庇って偽ララァ女が代わりに死ぬ。

止めなさいジュニアを返り討ちにした後、彼女の亡骸を抱えながら逃げ出し、埋めた後は復讐に歪んだ表情の兄さん。

うん。ネットで、哀しみと同時に、やはり死んだという声に溢れるのが聞こえそうだよ。

兄さんクラスの主要キャラと、偽ララァ女クラスのモブよりマシ程度が、唐突に結ばれた時点で予想は出来た悲劇。

要は闇落ちの道具だ。酷い話だよね。他のモブとくっ付いていたら幸せになれただろうに。ラウダにはそんな奴は出そうにないから安心だけど。

 

その頃、ベネリットグループは大混乱。デリングの代理をしていたサリウスが、先のプラントクエタの報復を実行。

テロに対して報復するのは世界共通のルールだが、プラントクエタでの一件に無関係でもない。そんな彼も養子のシャディクの手引きで暗殺される。

間の悪い事に、かませ臭がプンプンしていたエラン5号は下手な演技のせいで正体がバレ、ペイル社も大混乱。

ミオリネは水星女への恐怖が後を引き、引きこもりになる。

 

消去法で総裁代理を押し付けられそうになるラウダ。そこへ兄さんが帰還する。

変った兄に怯えながら、やはりラウダは心酔する。変わらんよな、お前。

復讐鬼と化した兄さんは、シュバルゼッテに搭乗して、シャディクを生け捕り、その目の前で一味を容赦なく殺しまくると、ベネリットグループの新総裁に就任。アーシアンの抹殺を宣言する。手始めにと手を着けたのは、アス高の地球寮生……と、思わせといて、グラスレーが保有するアカデミーにいるアーシアンの孤児。

突然の事態に泣き叫ぶ子供。だが、未来のシャディク(お前)を殺すだけだと、シャディクに対し、冷たい笑みを浮かべる兄さん…………こんなの、こんなの兄さんじゃない!

 

「転がり回るから、倒れ込んだ状態に移行したが、あれが弟だ。

 一応、弁解させてもらうが、普段はもっとこう」

 

「いや、疑ってないさ。面白いじゃないか。それで、弟君は何と?」

 

「ああ、何か極東の歴史に出て来るSHOUGUN、名前は忘れたが、ナントカって人がいたんだが、その人と敵対していた奴らが言った、ナントカに過ぎたもの、唐の兜にナントカってのがあってな」

 

「ナントカが多すぎる」

 

「悪い。ナントカは両方とも名前だ。最初がSHOUGUNで、後のがSHOUGUNの優秀な部下だったはず。

 それで、唐の兜が、このヤクの毛で作った飾りが立派だったから、部下も兜も、お前なんかには贅沢すぎるって皮肉の話」

 

「なるほど……ん? SHOUGUNって、偉いんだよな。随分と相手に下に見られていないか?」

 

「その相手が強かったらしいぞ。病気で先に死んだけど、生きてたらヤバかったそうだ。

 ちなみに、その相手も、ヤクの毛で作った兜をしていたそうだ。絵を見せて貰ったが、こっちの方が有名だったらしい」

 

「ほう、この子の毛は大人気だな」

 

「実際に格好いい絵だったぞ。こう、ぶわっとして、ライオンの鬣みたいな」

 

「ふむ。見てみたいな」

 

「ライオンか、ジェタークのエンブレムだよね?」

 

「良いな。いっそ、グエルの専用機に付けるか?」

 

「良いかも」

 

「待て! ティルもカミルも正気か? MSの頭部になんて、この子の毛では長さも量も足りないだろ」

 

「アリヤこそ正気か? MSの飾りに本物の動物の体毛なんか使うわけ無いだろ」

 

「そうそう。作り物だよ。丈夫な奴」

 

「それなら良い」

 

「え? 本気で付ける流れか?」

 

アーシアン抹殺のため、悪夢の始まりの地であるプラントクエタを地球に落とす作戦を開始。

だが、立ち塞がるのは水星女。そして、冒頭のシーンへと。

兄さんが大虐殺に手を染めるとは、アリヤ・マフヴァーシュ。あの女の所為だ……って、あれ?

クワイエットゼロ何処に行った? それに、シュバルゼッテは赤くない。

それにミオリネが引きこもったままだ。流石にヒロインでそれは無いだろ。

シャディクだって、テログループと付き合いがあるからって、養父に手は出さないよな。そんな仮面を被って吸血鬼になる奴じゃあるまいし。その内、時間を止めそうで怖いよ。

落ち着こう。冷静に考えれば、色々と不自然だ。深呼吸深呼吸。

 

「よし、ラウダが正気に戻った。始めるぞ」

 

「ん? どうしたんだい兄さん?」

 

「何でもない。説明を始めてくれ」

 

「分かったよ。先ずは予定表を送るから、端末を……」

 

移動日や現地での活動計画を分かりやすく資料にしたものを、全員の端末に送信して、それを元に説明を始める。

いくつか質問があったが、それに応答して、この日は終了。

この後マルタンが、地球寮の先輩たちに内容を説明して、後日返答の形を取った。

それにしても、カミルはメカニック科で親交があったから分かるけど、説明を始めた時は、兄さんまで既に地球寮の3人と打ち解けていたのはビックリだよ。会話をする暇なんて無かったからね。流石は兄さん。凄いコミュニケーション能力だ。

 

それと、意外な伏兵だ。アリヤ・マフヴァーシュ。あの女とのフラグは危険だ。

兄さんを闇落ちさせるなんて、あってはならない。

だが、危険なのはアリヤだけか? 確かにララァみたいだが、あからさますぎる。

考えてみれば闇落ちなんて、愛する女が目の前で死ねばOKだ。候補はいくらでもいる。

水星女は死にそうにないが、奴は兄さんに転落人生を送らせた張本人。許すわけにはいかないし、そもそも、僕が歴史の改変を行っている以上、奴が死ぬ可能性だってゼロでは無い。

他にも、不本意ながら婚約者だったミオリネや、兄さんを慕う、馬娘とその相方も危険だ。

闇落ちフラグが多すぎる………………………………………そうだ。全員を近づけなければ良いんだ。そうすれば、兄さんも闇落ちしなくて済む。

 

「なあ、弟君、また変なことを考えてないかい?」

 

「ああ~、何か悪いな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追記

兄さん専用のディランザに獅子の鬣をモチーフにした飾りを付ける案が出ていた。

どこから、そんな話が出て来た?

 

 

 

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