城戸や大久保等のOREジャーナルメンバーで散々遊び倒して上機嫌の芝浦はOREジャーナルから出た所で秋山に声を掛けられた。
「お前が芝浦か」
「そうだけど。アンタは?」
ぶらっきぼうに話しかける秋山に芝浦はウザそうに返答するが秋山がカードデッキを見せた事でニヤリと笑みを浮かべた。
「へー……アンタ、ライダーなんだ」
「日向のカードを返して貰おうか」
芝浦もカードデッキを取り出しながらニヤニヤしている所で秋山の一言に更に笑みを深めた。
「成る程ね。あの子の知り合い……いや、仲間だったりする?」
「いや、奴は利害関係の一致で戦っているだけだ。だが、奴に今脱落されては困るんでな」
そう言いながら互いにカードデッキを鏡に写しながら構える。腰にVバックルが浮かび上がる。
「「変身っ!!」」
ナイトとガイに変身した二人の戦いが始まる。
◇◆
城戸からのメールでカードを盗んだ犯人の特定もされた事で手塚と楓が動こうとした所で二人にキィーンと耳鳴りが響く。
「モンスター!?それともライダーの!?」
「落ち着け日向。これは……」
耳鳴りのする方へと走り出す二人。そこではナイトとガイの二人が戦っていた。
「秋山が芝浦と戦っているのか……」
「まさか、私のカードを取り戻す為に……」
おおよそのストーリーを覚えていた楓だったがぶっちゃけ仲が良いとは言えない秋山が自身の為に戦うとは思えなかったのだ。だからこそ目の前の光景が信じられなかったと言える。
「日向は此処に居るんだ。俺が行ってくる」
「でも……」
「楓ちゃん、手塚!」
カードデッキを取り出して戦いの場に行こうとした手塚は楓を静止しながら変身しようとした所で城戸が走って合流した。
「芝浦がOREジャーナルから出て行ったから追いかけてきたんだけど……蓮が戦ってんのか……」
「城戸……俺とお前で行こう。戦いを止めるんだ」
城戸も芝浦から楓のカードを取り返そうと奔走していたらしい。それを即理解した手塚は城戸に戦いを止める為に共に来て欲しいと提案した。
「ああ!楓ちゃんは此処で待ってて」
「日向はカードが無い以上、来ても力にはなれないだろう。待っているんだ」
城戸と手塚はカードデッキを鏡に写しながら楓に釘を刺しながらポーズを決める。
「「変身!!」」
「悔しいなぁ……ライダーバトルなんかしたくないのに……力が無いのがもどかしいなんて」
変身して鏡に飛び込む龍騎とライア。それを見送るしかない楓は紋章の消えたカードデッキを見て呟いた。
◆◇
「アンタ、何でライダーなんかやってるの?トドメを躊躇う奴はライダーなんかじゃないでしょ」
「ぐ……がはっ!」
ナイトとガイの戦いに終わりが見えていた。終始優勢だったナイトだがガイにトドメを刺そうとした瞬間、ナイトはトドメを躊躇った。ウイングランサーを装甲の薄い喉を貫こうとしたが剣先は喉元数ミリの所で止められた。ナイト自身が止めようと思って止めたわけじゃない。ナイトの意思に反して体がトドメを刺す事を拒んだのだ。
その隙を逃すガイではなかった。一瞬の隙を突き、ナイトの脇腹を蹴り上げると立ち上がりナイトを突き飛ばす。
その瞬間を龍騎とライアも見ていた。遠目だったがナイトがガイのトドメを刺さなかった事は二人も見ていたのだ。
「ハッ……情けない奴。戦いってのを教えてやるよ!」
【STRIKE VENT】
「蓮!」
「秋山!」
「ぐ……あ……」
ガイはストライクベントでメタルホーンを再度装着すると逆にナイトを倒そうと迫る。龍騎とライアはそうはさせまいと走り出したが間に合わない。
「なら私が相手をしましょう」
「何っ!?があっ!!」
「須藤さん!?」
突如、ナイトとガイの間に割り込んだのはシザースだった。ガードベントでシェルディフェンスを装備していたシザースはガイのメタルホーンを完璧に防ぐとガイを前蹴りで蹴り飛ばす。
「須藤……お前……」
「殺気の籠った攻撃がお望みなら存分にくれてやりましょう。トドメを刺して欲しいなら【STRIKE VENT】今すぐにでも脱落させてあげましょう」
「ぐ、が、げ!?ぎゃあ!!」
突然のシザースの乱入にナイトが困惑する最中、シザースはガイを殴る蹴る繰り返し、最後はストライクベントでシザースピンチを装備してガイの胸部装甲を強打した。ガイはシザースの猛攻にコンファインベントを使う間もなくなすがままに叩きのめされていた。
「す、須藤さ……」
「く、くそ……ぐわっ!ひっ!?」
「止めないでください城戸君。さて、キミの望む通り……トドメを刺してあげましょう」
シザースの暴走を止めようとした龍騎だったがシザースは龍騎の手を振り払うと立ち上がれず、仰向けに倒れていたガイの顔面を蹴り飛ばすとシザースピンチを眼前に突き付けた。
先程までのナイトとの戦いでは味合わなかった戦いによる『恐怖』
ガイは、芝浦は社長の息子であるが故に挫折や困難に当たった事がない。
人生で初めての……否、戦いの恐怖を身体で感じて悲鳴を上げていた。