仮面ライダー龍騎 ベルデIFストーリー   作:残月

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走り出した悪夢は止められない

芝浦にカードを盗まれ取り返してから数日。楓は学校帰りに買い物を済ませる等、久しぶりに平和に過ごしていた。ミラーモンスターの出現はあるものの誰かと一緒に戦う分にはリスクは低いと言えるだろう。

 

 

「芝浦のカード強奪の話があったから……そろそろ浅倉の話……だよね」

 

 

楓にとって一番エンカウントしたくない相手であるライダーシリーズでもトップクラスのダークライダーである仮面ライダー王蛇。その変身者である浅倉威。

奴と遭遇すれば狙われるのはほぼ間違いない。浅倉は強い奴と戦うのが生き甲斐。そして弱ってるライダーを見つければ迷いなく倒しに掛かる。

つまりどう転んでも楓は絡まれたらほぼアウト。

 

 

「なるべく関わらない様に……って言うのは無理だよね」

 

 

楓自身、ライダーであるし、北岡の事務所のバイトでもある。つまりはエンカウント率は非常に高いと言うほか無い。

 

 

「まあ、須藤さんや北岡さんも居るし……最悪の結果には……」

『凶悪犯、浅倉威が脱獄しました!』

 

 

そら来たよ、と楓は空を仰いだ。街頭モニターに映る緊急速報に楓は眩暈がした。こうなったら浅倉との戦いは秒読み段階である事は明白だ。

 

 

「取り敢えず須藤さんに連絡を……え」

 

 

須藤や北岡に相談しようと考えた矢先……楓は信じられないモノを見るのだった。

 

 

 

◆◇

 

 

 

一方で須藤が居る警察署では大騒ぎとなっていた。

 

 

「浅倉威が脱走だと!?」

「一体どうやって!?」

「今はそんな事はどうでも良い!早く奴を捕まえる事が先決だ!」

 

 

署内は蜂の巣を突いた様な大騒ぎだ。厳重な警備が敷かれていたにも関わらず凶悪犯の脱獄を許してしまった。それは警察の威信にも関わる事であると同時に凶悪犯が世にのさばってしまった事で更なる被害者が生まれるかも知れないからだ。

 

 

「須藤、お前も来てくれ。浅倉を逮捕したお前が居るなら心強い」

「はい」

 

 

そんな中、須藤は上司から浅倉逮捕の為に来て欲しいと要請を受けた。今の須藤は嘗ての警察官らしい心を少なからず持ち合わせている。浅倉逮捕の為なら出るのは当然である。

 

 

「浅倉が新宿方面で見たと目撃情報が!」

「よし、出動だ!それと北岡弁護士にも護衛として警察官を配置しろ!」

「「ハッ!」」

 

 

浅倉の目撃情報があった事で事態に進展が見られた。そして浅倉を再び逮捕する為に須藤を含め刑事達は動き出した。

 

 

 

 

◇◆

 

 

一方その頃……

 

 

「美味ぇな……」

「ど、どうも……」

 

 

楓は浅倉とエンカウントを果たしていた。浅倉は楓が買ったコンビニのオニギリを頬張りご満悦になっている。

何故この様な事態になったかと言えば楓の学校からの帰り道は下宿先の花鶏と北岡弁護士事務所の間に位置する。つまりこのエンカウントは学校帰りの道と浅倉が北岡の弁護士事務所に向かう道が重なっていた事に起因する。

勿論、そんな数奇な運命は楓は知らないし、嫌な予感がした矢先に浅倉にエンカウントするなんて想像する由もない、

 

浅倉の顔を見た楓は悲鳴を上げそうになったが浅倉の腹から「グゥゥ」と腹の虫が鳴った事で楓は思わず買ったばかりのオニギリを袋から取り出して差し出した。

それにより浅倉は楓を襲う事よりも目の前のオニギリに釘付けになったのだ。

 

 

「でも……これからどうしよう」

 

 

オニギリに夢中になっている浅倉に聞こえないくらいの小声でボソッと楓は呟いた。

実際問題、どうしようもないのだ。

 

 

 

 

 

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