仮面ライダー龍騎 ベルデIFストーリー   作:残月

3 / 26
初めてのファイナルベント

 

 

ベルデへ変身し、ミラーワールドへと赴いた楓はミラーワールド内の店から外へと駆け出した。店の中にボルキャンサーとシルバーロブスターの姿が無かったからである。

 

 

「いったい何処に……きゃあっ!?」

 

 

店の外に出てキョロキョロと辺りを見回しているとボルキャンサーとシルバーロブスターは同時に襲いかかって来た。交互にハサミ攻撃が飛んでくるのは恐怖以外の何者でもない。

 

 

「もう、デビュー戦が二体一って不利すぎるでしょ!」

【CLEAR VENT】

 

 

ベルデはVバックルから一枚のカードを引き抜き、左太腿に装備されているバイオバイザーにカードを読み込ませた。それと同時に機械音が鳴るとベルデの姿は透明になりボルキャンサーとシルバーロブスターは姿の消えたベルデに驚愕し動きを止めてしまう。

 

 

「隙あり!てりゃ!」

「ギシャアッ!?」

「ギャウッ!?」

 

 

ベルデは姿を消したままボルキャンサーの腹部に膝蹴りを見舞う。ボルキャンサーが咄嗟にハサミを振るったのでベルデは前方に飛び込む様に避け、更にシルバーロブスターの脇腹にエルボーを叩き込んだ。

ベルデはテレビで見た時の様に他者を翻弄する戦い方をしていた。と言うのも楓は前世は普通のOLであり今世も格闘技を習っていたものの普通の女子高生なのだ。それが非常事態だったのと変身出来た事でテンションが上がって勇ましく戦いに来たものの、いざミラーモンスターを目の前にすると怖くてしょうがない。

しかもボルキャンサーは仮面ライダーシリーズでも屈指のトラウマシーンなのだ。怯えるのも無理は無かった。

 

 

「こうやってダメージを与え続けてファイナルベントでトドメを……きゃあっ!?」

「キシャァァァッ!」

 

 

 

何度かダメージを与え、このままトドメのファイナルベントを……と思った矢先、ベルデは殴り飛ばされる。

シルバーロブスターは頭部の2本の触覚を伸ばし周囲を手当たり次第攻撃し始めたのだ。無差別攻撃に姿を消していたベルデは触覚に当たってしまい、クリアーベントも解除されて姿が丸見えになってしまう。

 

 

「痛っ!?このぉ!」

【HOLD VENT】

 

 

何度も触覚攻撃を当てられたベルデは新しくカードを読み込ませる。ホールドベントで召喚したヨーヨーの形状の武器のバイオワインダーである。

 

 

「この!とりゃ!」

「キシャァァァッ!?ギャラッ!?」

 

 

ベルデはバイオワインダーでシルバーロブスターのボディに一撃を与えるとバイオワインダーを伸ばし、触覚を絡め取った。更に絡め取った触覚を回し蹴りで叩き折る。2本の触覚を折られたシルバーロブスターはダメージも大きく怯んだ。

 

 

「今よね……よし、トドメのファイナル……キャァァァァァァァァァァッ!?」

【FINAL VENT】

 

 

仮面ライダーベルデの最強の必殺技デスパニッシュを発動させる為にファイナルベントのカードを読み込ませたベルデだったが悲鳴を上げながら宙を舞った。

 

楓は失念していた事だが仮面ライダーベルデのファイナルベントは召喚したバイオグリーザが長い舌をベルデの足に巻き付き、振り子の要領で相手に急接近して拘束した後に高速回転を加えた後に頭から地面に叩き付ける技である。

つまりは発動したら自身のタイミングで飛ばないとバイオグリーザの舌に足を絡め取られて宙を舞う事になるのだ。それを忘れていたベルデはタイミングを逃し、宙を舞って悲鳴を上げた。

対するバイオグリーザは当然ながら悪気はない。寧ろバイオグリーザはファイナルベントが発動したのだから自分の仕事をしたまでであり責められる謂れはないのだ。

 

 

「ふんにゅぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「キシャァァァッ!ギャアッ!?」

 

 

ベルデはバイオグリーザの舌に巻かれ前後不覚になりながらも必死に目の前の何かを掴んだ。バイオグリーザのサポートもあってかベルデはシルバーロブスターの身体をしっかりと捕らえ高速回転しながらもパワーボム形式でシルバーロブスターを地面に叩き付けた。

ダメージを負った状態でベルデのファイナルベントを食らったシルバーロブスターは悲鳴を上げながら倒れ、コアが出て来る。バイオグリーザはその出て来たコアを食べると満足そうに「キュイ!」と鳴いた後に姿を消した。

 

 

「よ、良かったぁ……なんとか勝てた……」

 

 

ヘナヘナと力が抜けペタンとその場に座り込むベルデ。傷付いたもののなんとか勝利をもぎ取ったベルデは安堵から全身の力が抜けてしまった。人外なミラーモンスターと初対戦だったのだから当然とも言えるが。

 

 

「これで……あ、ボルキャンサーが!?」

 

 

これで一安心……では無かった。あの場にいたミラーモンスターは二体。ボルキャンサーとシルバーロブスターの二体で最初こそボルキャンサーはこの場に居たがいつの間にかシルバーロブスターだけになっていた。ベルデはシルバーロブスターとの戦いに集中するあまりボルキャンサーの事を完全に忘れていた。

そして先程の光景からボルキャンサーが須藤と加賀を狙っていたのは明白だ。

 

 

「早く……戻らない……と……」

「いえ、それには及びませんよ」

 

 

すぐに立ち上がり、店に戻ろうとしたベルデだったが先程のシルバーロブスターとの戦いが終わって緊張の糸が切れてしまったのか足に力が入らずに立ち上がれずそのまま倒れてしまった。

早く行かなきゃという思いだけが先走るベルデだったが、カツーンコツーンと夜の深夜に鳴り響く足音にベルデは顔を上げる。

 

 

「う、そ……」

「私も……ライダーになりました。楓さん、これで私と貴女はお揃いですね」

 

 

ベルデの視線の先には蟹の姿を模した黄金のライダーが歩み寄って来ていた。蟹のライダー、仮面ライダーシザースは何処か嬉しそうにベルデにライダーになった事を告げたのだった。




仮面ライダーベルデ(楓ver)のファイナルベントはパイルドライバーからパワーボムに変わりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。