仮面ライダー龍騎 ベルデIFストーリー   作:残月

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それぞれの思い

 

 

 

城戸真司は感動していた。

 

自身がライダーの運命に巻き込まれた事に困惑してはいたもののモンスターから人を守る為にライダーとなった。

しかし、仮面ライダーナイトである秋山蓮に「戦え」と一方的に襲われて満身創痍となった所で絶望感に浸っていた。

人を守る為にライダーになったのに何故、同じライダーに襲われ戦いを強要されているのか。混乱する頭では正常な思考が出来る訳もなく体から力が抜けていく。最早、これまでかと思われた時にナイトと同じ姿のライダーが自身を助けたのだ。するとナイトの姿をしたライダーは緑色のライダー、仮面ライダーベルデと姿を変えた。

 

声からして女の子だと思って助けられた事に不甲斐なさも感じていたがやはり女の子なのだ。徐々にナイトに押され始めていく自分が守らなきゃと考えた真司は飛び出そうとしたが金色のライダーが助けに入った。その金色のライダー、仮面ライダーシザースは自身やベルデよりも遥かに強く、ナイトを一方的に倒してしまった。

その後、ミラーワールド滞在時間に限界が来たので揃ってミラーワールドから脱出すると花鶏へと移動して二人を交えて話をする事になった。

 

仮面ライダーベルデに変身していたのは日向楓。仮面ライダーシザースに変身していたのは須藤雅史。二人は真司よりも早くにライダーとなりモンスターから人を守る為にライダーとなったのだと言う。自分が悩んでライダーになった理由と同じである事に感動した。そして楓が花鶏に住み込みでバイトをする事になると同時に今後は一緒にモンスターを倒していく事となった。

 

ライダー同士の戦いが運命だとは言われたがモンスターから人を守る為にライダーとなった。その思いを共有するライダーが二人も居て、まだ仲は悪いが蓮とも共に戦う事になったのは真司は嬉しかったのだ。

 

 

 

 

◇◆

 

 

秋山蓮は憤っていた。

 

恋人の小川恵里を助ける為にライダーとなったが中々他のライダーとは遭遇せず、最初に会ったライダーはお人好しを絵に描いたような馬鹿な男、城戸真司だった。真司にライダーになるべきじゃないと忠告はしたのだが、真司はライダーとなった。赤い龍を従える仮面ライダー龍騎は側から見ても警戒すべき力を持ったライダーとなった事は明白だった。だからこそモンスターと戦って消耗した龍騎を強襲した。

しかし、その企みは失敗に終わる後から来た二人のライダーに阻まれたからだ。しかもその二体のライダーは自身が望んだ様に願いを叶える為にライダーとなったのではなく、モンスターから人を守る為にライダーになったのだと言う。

 

ライダーは願いを叶える為にライダーとなる。だが出会った三人はなんの願いもなくライダーとなったらしい。それが蓮には我慢ならない事であったし、苛立ちの原因だった。

しかも楓が花鶏で住み込みのバイトをする事が決まった時には焦った。神崎結衣と共に過ごすと言う事は他のライダーの情報をいち早く得てしまうという事だ。ライダーバトルに有利になるという事だ。それだけは避けようと反対したが須藤から論破されてしまい、更になし崩し的に今後は協力してモンスター退治をする事になった。

 

戦うべき相手と協力するのは気に食わないが自身の戦いの経験とモンスターの強化の為にもモンスター狩りをしなければならないのも事実であり、更に共に戦うと言う事は他のライダーの手の内を知る事が出来るチャンスだと自身に言い聞かせて蓮は渋々同伴する事にした。

 

 

 

 

◇◆

 

 

神崎結衣は安堵していた。

兄である神崎士郎がライダーバトルを誘い、ライダー同士を戦わせようとしている事に不安を感じていたが城戸真司と秋山蓮。仮面ライダー龍騎と仮面ライダーナイトの戦いを止めてくれたのは自分よりも年若い高校生、日向楓と刑事という立場にある須藤雅史。

真司と蓮の戦いを止める術が無かった結衣にとっては二人は救世主に見えた。楓が自身の住むアパートが失われそうだと聞いた時は迷わず救いの手を差し伸べた。

 

ライダー同士は戦い合う運命だと聞かされたが楓、須藤、真司とライダー同士が戦う運命に逆らうライダーが三人。素直じゃないものの最後は手を貸してくれそうな蓮。四人ものライダーが揃っている状況ならモンスターの被害も減らせると結衣は心から安心していた。

 

 

 

 

◆◇

 

 

須藤雅史は様子を見ていた。

楓に倣いライダーとなった自身だが楓の事を完全にサポート出来ているかと言えば出来ていないと須藤は考えていた。自身は刑事としての仕事もあるし、ライダーとしての活動もある。須藤は率先してモンスター狩りをして楓の負担を減らす様にしているが楓自身がモンスター退治に出てしまう為に負担が出てしまう。バイトも出来る事なら住む場所ですら提供してやりたいがあまり楓に肩入れしすぎると社会人的な立場に問題が起きかねない。

悩んでいた矢先、仮面ライダー龍騎と仮面ライダーナイトの戦いが勃発した。楓が戦いを止めに行ったので須藤も戦いに行った。戦う気がない龍騎とベルデを一方的に打ちのめそうとするナイトに怒りを覚えて本当にライダーバトルから脱落させてやろうと須藤は割と本気で考えていたが楓がいる以上、そこには至らなかった。逆を言えば楓がいなければ須藤は蓮を倒していただろう。

そして戦いを終えた後の話し合いで楓は住む場所とバイトが結衣から提示され受け入れた。その事で須藤の悩みは一気に解決する事になる。

 

結衣は楓の住む場所とバイト先を紹介した恩人であると同時に神崎士郎の関係者だ。手荒な事はされないだろう。

真司は楓に馴れ馴れしいがあの態度が楓の助けになるなら多めに見る事にした。少しだけ楓を「ちゃん付け」で呼べる事は羨ましかったが。

蓮はまだ様子見と言った所だろう。あの強さならモンスター狩りで協力関係を結ぶなら悪い話ではない。だが楓を傷付けた蓮を許す気は毛頭ない。

 

 

 

 

◆◇

 

 

日向楓は浮かれていた。

ライダーとの戦い。住むアパートの取り壊し。バイトが決まらない。悩みを多く抱えていたが先日の仮面ライダー龍騎と仮面ライダーナイトの戦いの仲裁に入ってから一気に全部が解決したのだから。

花鶏で住み込みのバイトが決まったし今後は協力してモンスターを倒していく事が決まった。つまり自分一人と須藤だけでモンスター狩りをせずとも協力して戦える事で自身の生存確率を上げる事が出来たのだから。

真司や優衣との関係は良好だし、須藤も原作と違って良い刑事(と思っている)である事から心配する事があるとすれば蓮の事だろう。

TVスペシャルにおいてベルデを仕留めたのはナイトだ。更に初期の頃の蓮は自分の心を押し殺してでもライダーバトルをしようとしていた事から少々心配ではあるが信頼関係はこれから構築されていくだろうと楓は考えていた。

須藤や真司に手伝ってもらい、住んでいたアパートから花鶏へ荷物を全て移動させた楓は翌日にはバイトに励んでいた。時折、蓮が睨みに来ていたが須藤も同様に楓の様子を見に来ていたので少々気まずいものの概ね平和と言えただろう。

花鶏でバイトする事で仮面ライダー龍騎の世界に更に介入してしまう事に不安を感じていた楓だったがモンスター以外の事は何事もトラブルがない事に安心していた。

 

 

 

だから楓は油断していた。これから予想外の人物と遭遇してしまう事に。

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