ローレルさんいいよね…良い…
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ことわざに火事場のバ鹿力というものがある。人はいざとなるとすごくすごい力を発揮すると言う類のものだ。今自分はそれに近い状況で一枚の紙と向き合っている。こんな集中力で紙と向き合うなんてトレーナー試験の時以来じゃないだろうか?それほどまでに覚悟をしなければコレとは向き合えない。机の向こうで愛バのサクラローレルも固唾を飲んで見守っている。彼女の手には一冊の雑誌。全てはそれから始まった。
「トレーナーさんはウェディングドレスと白無垢のどちらがお好みですか?」
トレーニングを始める少し前、突然ローレルがこんな質問をしてきた。
「いきなり何の話だい?」
「結婚式で私が着るとしたらどちらがいいですか?という意味ですよ」
なるほど?いきなり何事かと思ったがそういうことか。ローレルは時々こちらをからかうというか試すようなことを言ってくる。今回もそういうことだろう。そう言えば二人で教会のレッドカーペットを歩いたこともあったな…
「そうだなあ、ローレルならドレスの方が似合うんじゃないか?白無垢も素敵だとは思うけど」
「もう!しっかり選んでくださいよ!隣にはトレーナーさんが立つんですよ?」
おっとそう来たか。イタズラが成功したように微笑むローレルを見て思う。どうやらいつものが始まったようだ。こうなるとこちらは大体やられっぱなしとなる。だが長い付き合いで慣れたもの。ひとつのコミュニケーションの形だ。
「そう言われるとしっかり選ばないといけないな。参考までにどうしてそんな質問を?」
「Parce que je t'aime bien.」
「こらこらそういうことを軽率に言うものじゃないぞ。君はただでさえ魅力的なんだから。」
簡単なフランス語はローレルのおかげで多少わかる。今のは”あなたが好きだからです”。だ。言われっぱなしでもなんなのでこちらも軽口で返すが、
「ふふっトレーナーさんったらお上手ですね。でも他の人になんてこんなこと言いませんよ?」
この通り流されてしまう。ローレルの方がこういう言い方が得意なのは出会った頃からだ。フランス流というやつかな?
「それにしても突然どうしたんだ?いきなり結婚衣装の話なんて?」
「実はですねこういう雑誌がクラスで流行ってるんです」
そう言ってローレルが見せてきた雑誌はいわゆる若い女性向けの雑誌、特集は結婚式の様式か。
「なるほどそれに影響されたと。」
「はい、それでトレーナーさんは私にウェディングドレスを着て隣を歩いてほしいということですね?」
ウェディングドレスのローレルを改めて想像する。うむすごく似合ってるな。それに元々のローレルな美しさがより引き立つ。おまけに一度教会を歩いたことが印象的でよりイメージしやすい。そして一番思ったのは
「そうだな…誰にも渡したくないな…」
「トレーナーさん…?」
今自分は何を考えていた?ローレルが知らない男と教会を歩いているのを想像して…
嫉妬したようだ。
「トレーナーさん…今のって…」
「ああ…いやすまない!あまりにもローレルが似合ってるだろうなと思ってな。隣にいるヤツを羨ましく思ったみたいだ…はは」
いかんいかん。ローレルはまだ学生で現役選手だ。いくら美人で優しくてお茶目なところもある気量良しの…重症だなだいぶやられている…
「隣、歩いてくれないんですか?」
空気が締まる音がした気がする。
「私の隣、誰かに渡していいんですか?」
「ローレル…?」
「最初に私たち約束しましたよね?一緒に夢を追いかけようって。」
そうだ、そう言って一緒に走ってる最中だ。
「だいぶあの虹に近づきましたけど…もしあの向こうに行ったら…私たちはおしまいですか?」
「ローレル…それ以上は…」
「それって…寂しくありませんか…?」
いつか最初の約束をした時と同じことを言われてしまった。そうか…そう思ってくれているのか…ふと雑誌の表紙が目に入る。
「そうか…それならば…ローレル、その付録今あるのか?」
「え、付録って……!?あ、ありますよ…?」
「それ、貸してくれないか?今書くよ。」
「え!ほ…本当ですか…?だってこれ…」
「君にそこまで言わせて後には引けないさ、書くよその婚姻届」
この手の雑誌にはたまにあるとは聞いていたがまさか本物をここで書くことになるとはな。
こうして婚姻届を書いている最中というわけだ。半ば勢いで書いているところもあるがローレルが相手なら悪くない。ローレルはハラハラしながら見ているようだ。そうして数分。
「よし、書けたぞ。さあローレル、これが俺の覚悟だ。君を誰かに取られるのは嫌だと思ったんだよ。」
変なプロポーズだが不器用な自分には精一杯だ。なんせ即興だからな。
「あ…あの…その…」
ローレルが珍しくうろたえてる…もしかしてからかってただけで全然本気じゃなかった?やらかしたかなこれは…
「heureux…」
「ただびっくりしてしまって…トレーナーさんがそこまで本気だとわかって…よかったです。」
「でも!今はまだダメです!あの虹の向こうに行って、そして勝つまではこれは預かっておきますね!」
よかった、いつものローレルに戻ったみたいだ。そして大事な約束がもう一つ増えたな。
「それじゃあフランス語をもっと勉強しておかないといけないな」
「ふふ…例えばこういうのはどうですか?Je t'aime.」
やられた。やはりローレルに勝てる気はしないな。
今回はこちらの作品(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19972893)から
"トレーナー「担当に『覚悟を示して!』と言われたので、とりあえず記入済みの婚姻届を渡してみた」"
を少々改変してトレーナーさんの覚悟を示してみました。
実はローレルさんすごくすごい好きなんですよね。最初は例のサポカでブライアンちゃんキチなのかなと思っててそれはそれでありだなとは思ってたんですよ。そしたらどっちかというとトレーナーさんガチ勢でブライアンちゃんはより高みに行くために越えなければいけない背中だからもっと大きくなってね絶対叩き潰すからねというもっとヤバい勢ですごくすごい好きになりましたね。
まあ執着心とかつよつよ勢なんでアヤベさんやスズカさんとは違うベクトルで病んでくれそうなのもカワイイポイント高いですね。絶対トレーナーさん離さないからねとか言いそうじゃないですかカワイイですね。