なので史実と変わってても怒んないで下さい(懇願)
煌めく。断続的に、至る所で。
きれいだ。これが、戦争じゃなければ良かったのだが。
ボルトを引いてチェンバーに弾薬を装填する。
「彼処だよ」
「ん。」
スコープの倍率を調節して、構え直す。
引き金を、引く。
ボルトを引く。
・
・・
・・・
僕はその日、手記を見つけた。名前の欄は雨に濡れて、褪せてしまっていた。
手記を止めているボタンを外すと、筆記体で書かれたアルファベットが目に飛び込んできた。
やけに達筆だ。
5月4日から書かれているようだ。
5月4日。(快晴)
雨も少なくなり、過ごしやすくなってきた。
こんな日には、サイクリングでもしたくなる。
明日、私は徴兵される。
・・・行きたくない。
・
・・
・・・
明日か。
せめて、同僚はいい人だと助かるんだが。
どんな銃を扱う事になるんだろう。ライフルなら生き残れそうだけど。
ふっ、と。窓越しに外を眺める。
青色にまばらに雲が浮かび、左へ流れて行く。
清々しい昼だ。ピクニック・・・いや、平原は虫が多いな。
サイクリングだ。サイクリングがいい。
自転車で、清らかな風を感じながら、隣町のカフェまで行くんだ。
うん。素晴らしい。
でも、それをするわけには行かない。明日、戦争に行く準備をしないといけない。
目の前の、ついこの間買った手記に、「・・・行きたくない。」と綴り、自室の席を立った。
・
・・
・・・
僕は、その手記を自室に持って帰ってしまった。
家にあると言うことは、多分、家内の誰かの持ち物だろう。
ただ、僕はこの手記に、なにか運命的な何かを感じたんだ。
きっと、人生に必要な事が書かれている。僕には必要な、何かが。
そう思いながら、次のページを繰った。
5月5日。(雲が少し多い。晴れ)
昨日は快晴だったのに、少し天気が怪しくなってきた。
心情描写で、天気と心情をリンクさせる。たとえば、悲しいシーンなら雨を降らせたり。
そんな、自分の心情と天気が少し似ているようだと思った。
自分は生き残れるだろうか。
・
・・
・・・
トラックが悪路を走る。体がゆすられる。
手記を書くのもままならない悪路だ。
そう言えば、今日は少し雲が多い。昨日はサイクリングにぴったりの天気だったのに。
「ねぇ、貴方女の子?」
「え?そう、だけど。」
「やっぱり?体格が男子っぽくないもんねぇ」
なんだこの人。よくもまあそんな気軽に話しかけられるもんだ。
「でも、顔だけなら男の子っぽいかも?・・・中性的な見た目ね。」
「あぁ・・・えーっと、名前は?」
「私?」
あんた以外いないだろ。
「私は、ラント。貴女は?」
「私はフォーン。よろしく。」