7月に入りようやくフォルモーントが厩舎に帰ってきた。
3歳牡馬の成長分としては少々物足りなく感じるが平均よりも小さめの身体も一回り大きくなり気分転換になったのか放牧前に比べ随分と穏やかな様子になっていた。
既に馬主と話し合い決定した通り秋のクラシック最終戦菊花賞を大本命としてその前に2600mの1000万円以下(2勝クラス)北海ハンデキャップと菊花賞トライアルのセントライト記念を挟む予定である。
初の古馬混合戦となる北海ハンデキャップだがこのレースでは脚質をこれまでの追い込みから本格的に逃げに変更し、経験豊富な古馬と走らせることで青葉賞で経験の無さが浮き彫りになったフォルモーントをレースに慣れさせることが目的だった。
レースにはフォルモーントと同じく青葉賞で敗れたマンハッタンカフェの全弟であるニューヨークカフェも出走しておりニューヨークカフェが1番人気、フォルモーントが3番人気と6番人気のオープンエアーを除けばハンデの軽い3歳馬が上位人気に押されフォルモーントにも十分勝機があることを窺わせた。
調教も順調に進んでおり始動戦からいきなり白星で進むことも夢ではなかった。
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復帰戦となる北海ハンデキャップ当日は天気に恵まれ馬場状態は良だった。
パドックでは何人かの観客に写真を撮られたり名前を呼ばれたりしたがフォルモーントはいつも通り大人しくパドックを周回し暴れることなく宮原をその背に乗せ本馬場に入場した。
無敗で2冠を達成した同期のディープインパクトが現在進行中で巻き起こしているディープインパクトブームによって珍しい毛色でめちゃくちゃなレース運びをするフォルモーントにも注目が集まりG1未出走、重賞では惨敗の身でありながらほんの僅かだがファンができたようだ。
今回は余程のことが起きない限り自由にさせてやると初めから決めているので陣営の様子もこれまでに比べるとどこか気楽そうに見えた。
すんなりと収まりスターターがゲートが開くとフォルモーントは前前走のムーニーバレーレーシングクラブ賞のようにポンと好スタートを切った。
同じく好スタートを切ったトーセンレーサーに絡まれ一瞬かかったかのような素振りを見せたがフォルモーントの行き足の良さとトーセンレーサーの鞍上がポジションを下げたので後続とは5馬身程の差が開いた。
これまでのような抑えつけられての競馬ではなくなったからか、それとも誰にも競りかけられなかったからなのかフォルモーントは気持ち良さそうに先頭を走り約5馬身のリードを保ちながら4コーナーに入り追い込んだアップルアローとミキノマーベラスに迫られる形になりながらもフォルモーントは逃げ切った。
展開が味方したとはいえ2着のアップルアローに3馬身もつけるこれまでとは比べようがない快勝に陣営は驚くと同時にやっとまともにフォルモーントを走らすことができたと安堵した。