1万2000年後の地球へ   作:re-moo

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哺乳類と魚介類の接触

 軟体暦2017年 5月18日 ハイカラ地方 ハイカラシティ ハイカラ港

 

 

 世界最大規模を誇るハイカラ港は、いつも世界中からの貿易船や旅客船等などで賑わっていた。

 

 しかし、今日はいつもとは違い異様な空気がハイカラ港周辺を支配していた。

 

 

 

 遡ること2時間ほど前

 

 

 

 「何だあの船は?」

 

 「見かけないなぁ、上部に何か四角い箱みたいなのがあるし、一体何の船だろう?」

 

 

 ハイカラ港の職員や漁関係者、利用者、貿易関係者等など様々な人々が得体の知れない船に対して不信感を煽ったりするものや強い関心を抱くものまでいた。とにかく、現場は軽い混乱状態に陥っていた。

 

 その混乱も、その後に到着した警察によってしばらく封鎖され立ち入り禁止となったことでひとまず辺りは落ち着きを取り戻したのである。

 

 ただ、ハイカラ港を管理する指令塔では大混乱に陥っていた。

 

 

 「一体どうなってるんだ、何なんだあの船は!」

 

 「オクタリアンの攻撃か、だとするならあり得るかも知れない?」

 

 

 この世界では2年前にオクタリアンの襲撃を受けていた。

 

 当時、カラストンビ部隊の所属である3号が職務中の怪我でヒーロー活動が出来ないことをチャンスとみたオクタリアン側がタコツボバレーからハイカラ地方へ向けて大軍を率いて侵攻を開始した。

 

 そのときタコツボバレー周辺に観光に来ていた観光客や付近に住む地域住民に多大な死傷者を出す事態となった。

 

 このときに警察と少ないながら都市部を中心に活動する軍の首都防衛軍2個連隊が対応に当たるも、オクタリアンの保有する戦略タコツボ兵器に対抗することが出来ず首都圏への侵入を許してしまうことになる。

 

 この情報を聞いたアタリメ司令は、カラストンビ部隊に所属している全隊員1号、2号、5号に出撃命令を下し、侵攻中のオクタリアンを奇襲する形で首都圏からの追撃作戦を実行した。

 

 作戦は功を奏し、オクタリアン軍をタコツボバレーへと押し戻すことに成功した。その後は、怪我が完治していない3号が無理をしてまでオクタリアンへの攻撃を続けた。それからしばらくは膠着状態が続くも、体制を立て直した首都防衛軍とイカ軍部隊の8個師団の投入によって、タコ側はイカ側へ講和の申し入れを行う。

 

 この講話により、2か月間の短い戦闘は幕を閉じた。また、この戦争を「第2次大ナワバリバトル」と呼ぶ声もある。

 

 それ以来、イカ政府は全国民(全地球)の安全を保証するために、正規軍80万人だった兵員を840万人へと引き上げることを発表した。これにより、従来の都市部を中心とした防衛政策の見直しを行うことに成功したのである。

 

 

 そして、目の前に見える所属不明の大艦隊…この世界において、陸軍以外に軍種は存在せず、すべて陸軍の中で補われている。例えるなら、空なら「イカ軍航空隊」であるし、海なら「イカ軍海上隊」そして、宇宙なら「イカ軍宇宙隊」という形で存在している。

 

 だからこそ、目の前に現れた多数の艦艇は彼らの常識を覆すには簡単な事であり、造作もないことであった。

 

 

 「おい、イカ軍から何か連絡はあったか?」

 

 「いえ、一向に連絡はありません」

 

 「一度彼らに無線通信を試みてみようか?」

 

 「一応やっておきしょう」

 

 

 指令塔の職員が彼らに無線通信を行おうとしたその時、

 

 

 『我々は日本国国防軍海上自衛隊である。我々は貴港への入港を要請する』

 

 「ッッッツ!?」

 

 

 日本国?そんな国聞いたことがないぞ?それに、この世界で国なんてイカ国かオクタリアン国しかないはずだが…

 

 聞いたことのない国名に目前に広がる相手の大艦隊、、もはや彼らの要求する入港を許可しなければ、直ちに攻撃されるような状況であった。

 

 

 「入港を許可する。ただ、貴艦隊すべてを収容できないので、8隻までにしてもらいたい」

 

 『了解した。また、我々は貴国との会談を要望すると貴国の政府へと伝えてほしい』

 

 「わかった。外務局にこのことを伝えておこう。しばらくお待ちいただこう」

 

 『了解した』

 

 

 このことは、すぐ外務局の総局へと送られ、外交官や現場の職員を混乱に陥れた。

 

 しかし、彼らとてプロである。そのためか、すぐに気持ちを入れ替え外交官たちは日本国という国が待ち受けるハイカラ港へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×××× ×××× ×××× ××××

 

 

 「バッバカナッ!」

 

 

 そう吐き捨てる一台の電話。いや、これはただの電話ではない、、かつて…1万2000年以上も前に、ある博士によって生み出された自律型AIなのである。

 

 その名は、タルタル

 

 そんなタルタルは、今起こっている事に激しく混乱していた。

 

 タルタルが今聴いているラジオは、博士が大切にしていたものだ。それゆえか、この時代の電波と微妙に合わず、つながりはするが雑音が大きすぎて音声が一切拾えないことが日常であった。

 

 しかし、つい先ほどいつものようにラジオを付けてみれば、

 

 『ざざ…本……日本政府は、「今回の現象について、何らかの要因が重なり未来の地球へと転移してきたものと考えられる」と先ほどの記者会見で田岸首相が発表しました。また、国際連合の緊急総会の決定に基づいてアメリカと我が国が使節団として決定されました。使節団は現在、日本とハワイの間に出現した陸地へ向けて航行中とのことです。続いて次のニュースです。eスポーツ業界最大手と呼ばれるライラルゲームが…』

 

 

 無意識に持っていたラジオを落とす。

 

 

 「アリエナイ、ソンナコト」

 

 「ハカセがイルノカ、」

 

 「ドウシテ、ニホンガココニイルンダ?」

 

 

 混乱しているタルタルは語順がおかしくなるほどに取り乱していた。しかし、同時に「また博士に会うことができるかもしれない」と希望を持つ。

 

 

 「マッテイテクダサイ、カナラズアナタノモトヘムカイマス」

 

 

 地下深くにタルタルの声が静かに鳴り響いた。




地球国家が丸々スプラ世界に来るとか無いから、自分で作ればいいという結論に至った。

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