テトサイド
んー、物語の書き出しって難しいよね。
昔々、あらゆる武力行使が禁じられ、全ての争いをゲームで決める世界がありました……こんなところかな?
ある日、その世界に異世界からやってきた青年が位階序列最下位のイマニティの国に招かれました。彼は窮地にあったイマニティ最後の国を他種族から守り、王になりました。
全てはkの時から始まった……っと。
これは最も新しい神話のプロローグ。
イマニティ最後の王国の王城。その王室のベッドで毛布を被る光を反射しないくすんだ白の髪にこの国では誰も着ないであろう浴衣を軽く肌蹴させる青年。
何を隠そう彼こそイマニティ最後の国エルキアの王。
『130』こと哀川零。十八歳・ドS・唐変木・ゲーム廃人・快楽主義ならぬ娯楽主義。
……さようなら人類。
【完】
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ノーサイド
王室の扉の前に目の下に大きなクマを携えたステフが立っている。
「ふ、ふふふ……今日こそ天罰の時ですわ」
昇ったばかりの太陽の光が徹夜明けの目に染みるのを我慢し、ドゴン!ドゴン!
王室の扉に蹴りをノック代わりにぶち込んだ。
「レイ!起きてますわよねっ!もう朝ですわよっ!」
いきなり入ってきたステフに布団から頭を出し零は言う。
「うっせえよ!起きてなかったのに今ので目が覚めたわ!」
「仕事を全部私に押し付けて御自分はベッドでお寝んねですか?いいご身分ですわねっ!」
「そりゃあ、俺は王様って身分だからな」
「そんなんでこのエルキアを救えるんですの!?」
「誰も救うなんて言ってないぞ。お前らがどうなろうが知らん」
「貴方言いましたわよね!?全世界を倒すって!」
零はいい加減ベッドから喋るのが億劫になったのかベッドから出てステフの前に立った。
「言ったが、だからと言ってこの国の内政するなんて一言も言ってねえだろうが」
テトが書いていたが零の浴衣は肌蹴ている。彼に惚れているステフが見るとどうなるか?
「うっ!?」
結果は明らかでステフは顔を真っ赤にして俯いた。
「で、何か他に言いたいことあんのか?」
それに気付かず零はステフとの距離を詰める。
「うぅっ!」
ドテン!
「いたぁ、……ふぃー…朝だからってベッドから引きずり降ろさなくていいじゃないぃ……ZZZZZZ」
「「てめえ(あなた)はまだ寝るのかっ(んですのっ)!?」」
あんだけ大きな声で言い合っていたのにその中で目を覚まさず、零が離れたことによって引っ張られるようにベッドから落ちたクラミーに関心しながら二人は同時に叫んだ。
零は諦めたようにクラミーは放置して話を変えるように言う。
「つーか、やっぱり浴衣にベッドは会わねえな。後で職人に日本家屋でも作らせてそっちに移り住むか」
「正気ですの!?ここ王室ですわよ!」
「国王の俺が住めばそこが王室だ。ここお前の爺さんの部屋だったんだろ?お前が使えよ」
いきなりとっぴょうしもない意見を出す。まさに暴君。
「はあ、レイ!勝負ですわ!」
流石に堪忍袋が切れたのかトランプを向け言い放つ。
「いいよ。何を賭けるんだ?」
「へ?」
ゲームに乗らせる為に色々と考えていたステフはあっさりとOKする零に拍子抜けする。
「ステフごときに負ける訳無いし、渋るかよ」
カチン
「私に負けたらレイには真人間になってもらいますわ!」
零をビシィッ!!と指指し言い放った。
「面白い。『十の盟約』使えばそんなことが出来るのか」
行動の制限をクラミーに対して行ったが精神への強制を意図的に行っていない零は新しい使い方を模索する。
「ま、いいや。どうせ勝つし。ゲームは何だ?」
「『ブラック・ジャック』ですわ」
「はあー」
正気か?という視線を零はステフに向ける。
「え、あれ?ちゃんと勝算のある勝負ですわよっ!?ディーラーは私がやるのでレイはイカサマ出来ませんし、しても私がバラして勝てますわ!純粋な運の勝負なら勝率は五分五分じゃありませんの!」
「マジかー」
しかし、とうとう零は残念な可哀想なものを見る目でステフを見る。
「ば、馬鹿にして……み、見てなさい!アッシェンテ!」
「冗談じゃないのねアッシェンテ」
「あ、そういえば私が賭ける物はn「別にそんなん勝負終わってからでいいだろ。ゲーム中になんか決めとくから」……こ、この!」
(お、落ち着け私。これは正気ですの!純粋な運?五分五分?忙しい中徹夜で練習してきたイカサマを使えばこっちの物ですわ!)
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130サイド
「なあ、ステフにクラミー。子作りってどうやんだ?」
テーブルに着いている俺の横で見物している二人に尋ねると返答の代わりに絶対零度ばりのにらみつけるを返してきた。
防御力下げるだけのはずなのに低確率で即死って何そのチート。泣かすよ?
「……イマニティの未来を背負っている方に言いたくありませんけど……とうとう頭をおかしくしてしまったんですの?」
「ステフ、それじゃあ今までは正常だったように聞こえるわよ」
何時の間に仲良くなったの君等?
「おいおい、俺は正常だぞ」
「正常な状態でそんなこと聞いてるのが異常なんですのよ!」
「はあ、子作りは『十の盟約』に触れねえのかって聞いてんだよ!」
「ああ、そういうこと。でも、何故それを今、質問するのかしら?」
俺の言い分にクラミーは何が言いたいのか理解したっぽい。
「余りに退屈過ぎてふと思いついた。でも結構深刻じゃね?」
「……レイの世界では卵から生まれてくるとかそういう訳じゃないんですわよね?」
「当たり前だ。こちの国は法で縛っていたが殺傷、窃盗、強姦となんでもありだったからな。それが無理なこの世界じゃどう繁殖してんだよ?」
「……もう一つ確認取りますけど、それは私に対する後悔恥辱プレイの類ではないんですのよね?」
「この世界ってエロゲねえよな?そんな単語エロゲ内でしか見たことも聞いたこともねえんだが。はあ、別にクラミーでもいいんだけど」
「お断りよ」
クラミーは我関せずと顔を逸らす。
「はぁ、私もお断りしたいですけど説明しますわ」
なにか諦めたように言う。
「何を以って権利侵害となるかというと権利侵害にあたる害意ある行動はキャンセルされますの」
「は?……頭ん中を覗かれてるってわけ?」
「まぁ、そういうことですわね」
ファンタジーだからって何でもありが行くところまで行ってんな。
「ですので『十の盟約』以降、法律の大部分は形骸化しましたわ。実行出来たら相互同意か過失によるものということになりますわ」
ああ、なるほど。つまり、子作りは権利の譲渡ってわけね。
「確かに全ての致傷行為禁じちゃ医療行為も無理だしな」
ルールがあろうと無かろうと世界ってのは勝手に廻る物だね。
「ま、いい暇潰しになったわ」
そう言ってテーブルの向こう側の三人を見る。
パンツ一丁のメタボ気味のおっさん三人が並んでる。
周りの観客は哀れそうに元貴族の三人を見ている。
「いつまでそこ座ってんの?帰れば?」
この三人は全財産(土地、資産、利権、家族etc)を賭けたバカでものの二時間ですったのだった。
「ば、馬鹿な。それでは我々に何も残らんではないか!」
「ここ、このような横暴が許されてたまるか!」
「負けを取り返さないと服さえないのだぞ!」
はあ、と溜息をついて言う。
「鏡見てみろ。馬鹿が映ってから。だいたい横暴も何もここまで誰もしようと思ってなかったわ。服しか残らないレベルで賭けたのてめえらだろうが」
この発言に納得せず言葉を続けようとする三人に言う。
「つーか、三人組んでイカサマ見逃してやってるんだ。続けてもいいが次はお前等自身を賭けろよ。その格好のまま案山子の代わりにカラス避けとして使ってやっから。飯は稗と粟でいいよな。そのだらしない腹もちったあマシになるだろうし」
三人は顔を青ざめ、口を閉じる。
かくして、農業改革反対派筆頭の大貴族は破産した。
そして、彼等が扇動して起こしていたデモも収束した。
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テトサイド
確かに人として欠陥を持つ彼だが、
確かに終わりきった彼だが、
確かに行く所もで行ききった彼だが、
救世主にも魔王にもなりうる彼なのだ。