「なんだ夢か……なんて夢落ちという手塚先生の言っていたタブーなんてことはない」
起きて辺りを見渡すと見慣れない風景ドラゴンが空を飛び、空に島が浮かぶThe異世界だった。
「人生はクソゲーだと何度も言ってきたが、ついにバグりやがったか。
……………………………………何それクソ面白そうなんだけど」
常人なら発狂するであろうこの状況を平然と受け入れ、娯楽と認識した『130』こと哀川零は異常だった。
「まずゲームで最初にやらないといけないことと言えば、持ち物の確認からだ」
えー、床に置いてあったゲーム機3台、タブレットPC1台、脚で操作していたキーボード、積まれていたダンボールが一つか。
「初期装備充実し過ぎだろ。勇者なんて基本的に錆びた剣、錆びた盾、薬草程度だぞ。あれ思うんだけど錆びた剣って斬れないしただの鈍器なんだし、錆びた盾で殴ったほうが強くね?」
俺の場合どこに繋げばいいのか分からんこのキーボードは鈍器にすればいいのか?
ダンボールに関して言えばこの大きさでこの重量だから中身は大体把握した。
今このダンボールの中身で必要なのはソーラーチャージャーか。
こいつは太陽光で充電したら接続せずとも蓄えること出来る優れもの。
適当に充電しときながら現在いるこの道っぽいところを進むとしましょうか。
この初期装備をダンボールに突っ込み脇に抱え立ち上がるとなんかThe山賊って格好の集団に囲まれていた。
「へへ……この道を進みたかったら俺等とゲームしな」
ごめんなさい。こういうときどんな顔をすればいいかわからないの。
だって、大の大人(山賊)が大真面目にする発言じゃねえもん。
俺の心の中の碇くんが笑えばいいと思うよと言っている。
そうういや落ちてる最中に『この世界は全てが単純なゲームで決まる』 とか走馬灯の自称神様がほざいてたなあ。と思いながら微笑んでいると何を笑われているのか分からない盗賊はなんか叫んでいる。
「まあいいや。この世界で山賊をやる理由を考えると大勢で自分達に有利なルールに持ち込むか徒党を組んでイカサマして一人をカモろってところか?まあ、いいよ。そのゲーム受けよう」
「そんじゃあ、賭ける物だがs「俺が負けたら好きにしていいぜ。奴隷のようにこき使うなり、売るなりして」……ん?」
要求しようとしていた脇に抱えている荷物以上の掛け金に盗賊はいぶかしむ。
「ただし俺が勝ったら一番近くの町への道案内、そこのあんたのローブが一番綺麗そうだな。そのローブいや面倒だから持ち物全部、この世界の情報についての質問に答えて貰おうかな。こっちは残りの人生全て賭けたてんだ。それくらいいいよな?」
別途したものの大きさにかこつけて度で会要求をする。
「お、おう。それで構わない。ゲームは「じゃんけんでどうだ?」……じゃんけんだと?」
またもや盗賊のリーダーの言葉を遮り、今度はゲームを提案する。
「そう。知ってるじゃんけん?グーが石でチョキが鋏、パーが紙ってやつ」
「馬鹿にするんじゃねえ!じゃんけんくらい知ってるわ!」
異世界だったので文化の違いでじゃんけんが存在するか不安だったが杞憂だったようだ。
「ここにいる全員でじゃんけんして負けた奴が抜けていく。最後の一人が俺だったら俺の勝ち。俺が途中で負けたらあんた等の勝ちでいい」
ルールを説明すると盗賊は少し考え、フッと笑った。
「そのルールでいいぜ。『盟約に誓って(アッシェンテ)』!」
「何そのアッチョンブリケみたいの?」
いきなり意味不明な宣言っぽいのをした盗賊に質問する」
「やっぱりてめえふざけてんだろう!。『盟約に誓って(アッシェンテ)』を宣言しねえとゲームが始められねえだろうが!」
馬鹿にされてると思い、山賊は激怒する。
「へー、そうなの。じゃあ、。『盟約に誓って(アッシェンテ)』」
山賊の碇もどこ吹く風で流し宣言する。
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
山賊の一人がグー、他の山賊と零はパー。
「おー脱落者は一人か。つーか、一発目からあいこじゃねえなんて珍しいな」
「次はてめえの番だ」
グーを出した山賊は抜けてもう一度構える。
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
またもや山賊の一人がグー、他の山賊と零はパー。
「またグー出した一人が負けか。お前らパー好きだな。何?お前らのグループはパーがトレードマークな訳?」
「そんな訳ねえだろうが!下らないこと言ってないで次の勝負行くぞ!」
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
山賊の一人がパー、他の山賊と零はチョキ。
「へー、確かにパーが好きって訳じゃねえようだ。わざわざパーに勝つチョキをみんな出した訳だし。真のパー好きは今三連続パーを出して負けちまった君一人ってことだ。誇っていいぜ。パー信者ってな」
「誰がパー信者だ!?」
今脱落した山賊は不名誉な称号に拒否を叫ぶ。
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
山賊の一人がグー、他の山賊と零はパー。
「お、他のみんなはパー信者の称号が欲しいようだぜ。でも駄目だなあ、さっき脱落した彼が真のパー信者だ。一度でもチョキなんかに浮気をした奴はパー信者の称号を得ることは出来ねえんだ。俺も我慢するからお前等も諦めな」
平然と不自然なこの状況を受け入れ、下らない冗談を言ってのける。
「て、てめえ気付きやがったな?」
「え?何に気付いたって?アイコンタクトで一人だけ負けの方に振って、じゃんけんを何度も繰り返すことで勝率を上げようとしてたってことになんか全く1ミクロンさえ気付いてないぜ」
アイコンタクトによって一人だけ負け側を作る。つまり、俺が負け側を出したらそのまま負け、山賊が出してない手を出せばあいこ、勝ち側を出せば一人退場。普通のじゃんけんの結果と余り大差が無いように思えるが俺が勝ち残るには山賊の人数分連勝しなければいけない。
まあ、だがアイコンタクトを読み取ってしまえば勝利側にいられる。即急に行ったアイコンタクトだ。どうしても分かりやすい物になってしまう。その程度読み取れない訳がない。
さーて、次の手はと……なるほど動くのが早いね。もう各々で考えて出すか。このままアイコンタクトを続けたら俺が勝ち続けるからな。
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
アイコンタクト無しでじゃんけんをしたら大抵の場合あいこになる。
何度もあいこが続いて山賊側から同時に3名の脱落者。
あせりがピークになってきたところで結果がグー山賊2人、チョキ零と山賊3人、パー山賊1人。
「てめえ!何やってんだよ!」
山賊のリーダーが今パーを出した奴を怒鳴りつける。
リーダーがグーを出してたのも怒りを上げる要因になっているのだが、先程から何度も出ているただのあいこなのにパーを出した一人に勝利を逃した責任を押し付けられる。
「おいおい、落ち着けってせっかくのゲームなんだもっと気楽にいこうぜ」
空気が悪いまま改善しない程度に適当になだめて、次のじゃんけんに持ち込む
「「「最初はグー じゃんけんポン!」」」
グー零と山賊2人、チョキ人1、パー山賊3人。
さっきと同じようなあいこでより一層空気が悪くなる。
同じようなあいこだが大きく違う点が二つ。
一つ山賊のリーダーがチョキを出したこと。そしてもう一つが先程の勝負でリーダーに罵倒された山賊がパーを出していた点。
「お頭だって人のこと言えないじゃないですか!」
「うるせえ!お前がさっきパーを出さなければこんなことにならなかったんだよ!」
「そうやっていつもいつも人のせいにして!俺はあんたのそういう所がいけすかなかったんだよ!」
「お、おい、落ち着けって」
「うるせえ!またお頭のご機嫌取りか?」
止めに入ろうとした山賊の一人をけなし、他の山賊も巻き込まれていき、とうとう山賊全員参加の収集がつかない勢いで口喧嘩がなされている。
パン!
手わ勢いよく叩き、注目を集め一瞬の静寂を得る。
「とっととじゃんけんを続けよう。ちなみに俺が勝った場合、二位だった奴に道案内兼荷物もちを任命しようと思っている。流石に隣を歩く奴が裸ってのも嫌だし、道案内兼荷物持ちには服位は返してやる」
この発言で山賊共がじゃんけんで俺にかつことよりもどう隣の山賊を落とすかということに重きを置くことになった。
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数時間後
あの後勝手に自滅していった山賊に勝利し、一番近くの町にまでついた。
「色々と質問しちゃって悪かったな」
「いえ、これで私は」
「そうそうこれ取っといてよ。売って金にでもすれば」
「ありがとうございます!」
2位だった山賊に使わないであろう山賊共の衣類を押し付けて町に入った。
道中、山賊に色々と説明させたが十の盟約とやらごこの世界でのルールらしい。
【一つ】この世界におけるあらゆる殺傷、戦争、略奪を禁止する。
【二つ】争いは全てゲームによる勝敗を持って決す。
【三つ】ゲームには、相互が平等だと判断したものを賭けて行われる。
【四つ】"三"に反しない限り、ゲーム内容、賭けるものは一切を問わない。
【五つ】ゲーム内容は、挑まれた方が決定権を有する。
【六つ】"盟約に従って"行われた賭けは、絶対遵守される。
【七つ】集団における争いは、全権代理者を立てるものとする。
【八つ】ゲーム中の不正発覚は、敗北とみなす。
【九つ】以上を持って、神の名のもと絶対不変のルールとする。
【十】みんな仲良くプレイしましょう。
十番目は絶対普遍じゃねえか。
どうせ仲良くなんて無理だろってことか?
めっちゃ皮肉が篭ってんじゃん。
でも、そういうの好きだぜ。