知性があるとか言いながら暴力振るうしか能の無い脳筋共(笑)
暴力禁止すっから少しはおつむがマシなところ見せろよwww
というのがこの世界のルールが決まった理由らしい。
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クエストの受注とかすることが多いRPGの酒場っぽいところは基本的に情報が集まるので来てみたのだが、予想以上に盛り上がってる。
多くの有象無象が囲んでいるテーブルには十代の少女が二人。やっているのはポーカー。
じゃんけんの時も思ったんだが文化が違っていたらゲームの起こりも発展も違う物になるはずだから似たようなものになることがあっても全く同じ遊び道具が出来るのが不思議なんだが。
少女等の話に戻るが、赤毛の方は質のいい服装しているが表情は焦り、困惑している。
黒髪の方は黒いベールに顔を隠し、軽く見える表情も完璧なポーカーフェイス。
黒髪の前には山となった、赤毛の前には数えるしかない金貨。
「なあ、何であんなに盛り上がってるんだあれ?」
昼間っから呑んでるおっさんの向かい側の開いてる椅子に座り、聞く。
「あ?知らないのか?異国からでも来たって人間の異国なんてもうねえか」
「うちの爺さんが大の人間嫌いで山に小屋建てて住んでたんだよ。爺さんがぽっくり行っちまったから降りてきたんだが十年くらい山に居たから都会の事情は詳しくないんだ」
適当な理由を口から出任せででっち上げる。
「マジで世捨て人じゃねえか。今、エルキアでは『次期国王選出』の大ギャンブル大会が行われてるんだよ」
「次期国王をゲームで決めるって全国王様は自分の子供が可愛く無いのかね?」
「仕方ないだろうな。国盗りギャンブルで人類種(イマニティ)は負けこんでこのエルキアの首都しか領地ねえんだ。なりふり構わず『次期国王は余の血縁からではなく人類最強のギャンブラーに戴冠させよ』なんて遺言出しちまうよ」
あの成り上がりで天下を取った豊臣秀吉でさえ自分の血縁に継がせようとしたのに前国王なりふり構わな過ぎだろ。
「つまりあそこの二人は次期国王候補ってところか」
「んー候補ってのは違うかもな。参加資格はイマニティなら誰でも参加出来るしな。ただあの赤毛の方のステファニー・ドーラは前国王の孫だ。国王になれなかったら全て失うから全てを賭けてでもって必死になってんだろうな」
全て賭ける気で残りの手持ちがあんだけってどんだけ負け込んでんだよ。マージャンの八連荘どころじゃねえぞ。
「ま、そんな訳で総当りのギャンブル大会をやってんのさ」
「総当たりなのか?」
「ああ、イマニティなら誰でもいいから名乗りを上げてどんなゲームでもいいから勝負して負けたら資格を剥奪、最後まで勝てば次期国王だ」
「ふーん。分っかりやすいねー。で、あんたは参加しねえのか?」
「ああ。俺はこっちの方がいいからな」
金がたんまり入ってるであろう麻袋をおっさんは指差した。
「なるほど。ひよったか。そりゃああの黒髪強そうだしせっかくの金を毟り取られるのも嫌だしなあ?」
「あんだと?」
綺麗に挑発におっさんはのってくれた。
「まあ、参加しなけりゃ後からなんとでも言えるよなあ?実はあの時やってれば俺が国王だったとか?(笑)」
「そこまで言うんならてめえは随分と自信があるみてえじゃねえか!やるか?」
おっさんはテーブルのトランプを掴んだ。
「別にいいが遊びでやるつもりは無いぞ?その袋の中身全部賭けろよ」
おっさんの麻袋を指差す。
「冗談じゃねえ!いくら入ってると思ってんだ!」
「変わりに俺は全てを賭けよう。むかついた俺の顔を殴るも良し。仕事を全て押し付けるも良し。売り払って金にするでも良し。これで掛け金は対等だと思うんだがどうだ?」
「正気かてめえ?」
「そもそも帰る場所もねえんだ。人生くらい賭けてやるよ」
「いいぜ。後悔させてやるよ」
「後悔はしない。勝つのは俺だ」
「「アッシェンテ!」」
種目はあっちのテーブルでもやっているポーカー。
「2枚交換だ」
おっさんは宣言通り3枚交換する。
「あっちのテーブルみたいに盛り上がらねえが楽しもうぜ。オールチェンジ」
俺は持っていた手札をテーブルを叩きつけた。
「へっ、あんだけ言っといてついてねえようだなあ?」
おっさんは下卑たる笑みを浮かべる。
「悪いな!フルハウス!」
Aが三枚、Jが二枚現れる。
「確かに悪い手札だな。フォーカド」
Aが四枚、10が一枚。
「Aがなんで七枚も存在すんだ!ありえねえだろうが!て、てめえ!イカサマじゃねえか!?」
「はあ?あんたの用意したトランプでどうイカサマしろと?したのはおっさんだろう?AとJを加えるなんてブラックジャックでも純正のブラックジャックが出る形だしなあ?」
おっさんがイカサマしていた可能性のほうが高いと指摘するとおっさんは慌てて言う。
「ち、違う!?俺はこんなイカサマなんて!」
慌てていたせいでおっさんはぼろを出した。
「こんな?つまり他のイカサマはしたってことか?確か『ゲーム中の不正発覚は、敗北とみなす』だったよな?自白ってことで俺の勝ちだよな?貰っていくぜ」
麻袋をダンボールに入れ、席を立った。
「……クッソ!」
そんな声が後ろのほうから聞こえてきた。
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何故Aが七枚も存在していたか?
そもそも俺があのおっさんの前に座った理由は盗賊からかっぱらったトランプと同じものを使っていたから。
そして、一番盛り上がっていた席で行われていたのはポーカー。この時点でゲームをする場合十中八九ポーカーをすることになる。
なので盗賊のトランプのAを4枚準備しておく。
あんだけ大見得きって手札の全交換。そして、テーブルに叩き付けたことによって目線は捨て札へ行く。
その隙に準備していたAを手札とすればいい。
あっちもイカサマ仕掛けてAを使ってきた時は一瞬焦ったが、最悪の俺の手札がファイブカードにならなかったことだけが救いか。
その穴も把握した状態で放置したんだけどな。
危険な橋を渡るのってスリルがあって面白いし。
カウンターに麻袋を置く。
「一人部屋これで何泊出来る?風呂と食事付きがいいんだけど」
マスターっぽい人に聞くと麻袋を一瞥して、一瞬考える。
「……食事付き風呂付きとなると一泊だな」
「ダウト。小賢しいこと考えてないで本当は何泊か教えてもらえる?」
マスターの発言を即座に否定する。
「なんだと?」
「貨幣価値が分からない田舎者だと思ってぼろうとするのは勝手だけど相手選んだ方がいいぞ。確かに貨幣価値は分からねえけどあんたが嘘をついてること位なら分かるぞ」
ついつい人を追い詰めている口元が緩んじまう。
「……ちっ。二泊だ」
「ダウト。また嘘をつく仕方ないから一ヶ月くらい居座らせてもらうかね。そんくらいはあるだろう」
「は、はあ!?ここに住む気か!?わ、分かった!三泊だ!これは本当だ!」
「そう。一週間に割り引きしといて」
「な!?」
「俺をぼろうとしたみたいに他の客からもぼってピンハネした金をポケット入れてんだろう?俺の一つ前の客からもぼってたし」
「な、ちょ、ど、どうして?」
「あんた酒場のマスターなだけで宿屋のマスターじゃねえだろう?」
そして、ここに来て一番の笑顔を向ける。
「さて、宿屋のマスターに告げ口したらクビ。客に教えてやれば暴動ものだよな?」
マスターの方も笑顔だが引きつっている。
「え、えげつねえな兄ちゃん。分かった五泊だ。もってけドロボウ」
「口封じ一人に対して一泊か。うん。ちょうどいい落とし所だな」
「三階の一番奥、右の部屋だ。はぁ……名前は?」
「130とでも書いといて」
満足げに手を振り階段に向かう。
そういや次期国王決定戦しっかり見て無かったな。
どう考えても赤毛の方が負けるだろうが、黒髪の方はと……なんだありゃ?
黒髪の方の手札を見させてもらったが偶然にも俺が先程出したAのフォーカード。
いや、偶然じゃねえか。初手でしかも左からスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順。分からない人も多いと思うがマークの強い順に並んでいる。
100%イカサマだが方法は……マジか。RPGっぽいからってそれがありってどう見破ればいいんだよ。
赤毛の隣を通る時に耳打ちする。
「イカサマされてんぞ(ボソ)」
「え?」
どうやらこちらへ振り向いたが無視して階段を登って部屋へ向かった。
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「ふう」
部屋につき一息。
五日間の宿は手に入れた。だがその先は未定。
こんなに物が足りないなんていつ以来だろうか?
元の世界では何でも手に入れることが出来た。
まあ、五日以内に考えればいいか。
今はうん。寝よ。