ノーカオス・ノーブレイク   作:零崎哀識

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感想ください。
ステフが最後の方キャラ崩壊


VSステフ

コンコン

 

扉が控えめにノックされた。

 

控えめだったが目は覚めた。

 

正直まだベッドが恋しいのだが覚めてしまなたものは仕方ない。

 

お客さんの相手をしねえと。

 

「開いてるから勝手に入ってきて」

 

扉に鍵をかけるのは面倒だったからしなかった。

 

普通見知らぬ土地なら占めるべきなのだろうが略奪、殺傷が禁じられてるこの世界でなら鍵かけることよりいち早く眠りたかった。

 

「夜分遅くにすみません。ステファニー・ドーラという者ですわ。昼間の件で、お話を伺いたくて」

 

ああ、昼間の前国王の孫娘か。

 

「まあ、いいや。椅子余ってるから勝手にかけたら」

 

適当に椅子を勧める。

 

つーか、眠い。ケータイを開くと深夜1時を指している。

 

寝ちゃダメ?

 

数秒前の招き入れた自分を殴りたい。

 

目をつぶり、そう考えていると赤毛は用件に切り出した。

 

「昼間、すれ違いざまに『イカサマされてる』と言いましたわよね?」

 

「確かに言ったなあ。その格好を見る限り負けたなだろうけど」

 

片目を開け、赤毛の格好を見ると昼間の高そうなドレスではなく安っちい生地の服を着ている。

 

全てを失うそうだし服を賭けてもおかしくないか。

 

眠そうに(てか、実際眠い)どうでもよさそうに話を聞いていたらその態度にイラッときたようようで、

 

「ええ負けましたわよ!これで全部御終いですわっ!」

 

「うるせえよ。何?夜分遅くにすみませんってこの騒音問題に対する前謝罪かなんかだったの?」

 

どうやら俺の抗議と嫌味は耳に届いてないらしくテーブルを叩き、甲高い怒鳴り声が続く。

 

「イカサマしてることが分かったのならその内容まで教えてくれてもいいじゃいですのよ!それをバラせば勝てましたのに!」

 

『ゲーム中の不正発覚は、敗北とみなす』

 

つまりバレなければ敗北とみなされない。昼間俺も使った手だ。

 

「お陰さまで黒星ですわっ!これで次期国王になれませんわ!」

 

「はあ。イカサマが見破れないどころかイカサマされてることに気づかない察しの悪さ。折角教えてやったのに全損するまで賭けを辞めないカモによくある典型的タイプ。挙句の果てに親切に教えてやった俺に対してイカサマの内容を教えなかったせいで負けたと自分の敗北の理由を押し付ける恩知らずっぷり。つーか、イカサマしなくても直ぐに顔に出るこの短絡的思考の無能くらい黒髪なら勝ってただろうな。こんなのを産んだ血筋の前国王が代表って言うんだイマニティが負け込むのも当たり前か」

 

図星指摘からの徹底的なまでの罵倒。

 

これを受けた赤毛はギリッと歯を軋ませ、続いて怒りに顔を震わせこちらを睨む。

 

「……撤回……しなさい」

 

「断る」

 

「私はともかく、お爺様まで愚弄されるのは許せませんわっ!」

 

「許されなくて結構」

 

俺は嘲笑し、切り捨てる。

 

「単純、沸点が低い、感情が制御出来ない、自分のことが精一杯で相手を観察することもしない、現状に手一杯でゲームの終わりまでゲームメイク出来ない。お前、ゲームしない方がいいよ」

 

「黙って聞いてればあなたは!!」

 

椅子から立ち上がり身を乗り出す。

 

「文句があるならゲームをしよう」

 

赤毛の動きを言葉で止めた。

 

「指摘したようにお前相手じゃ普通のゲームをしたら俺が勝つ。お前、手先は器用な方か?」

 

「……え、あ、まあ」

 

「トランプタワーってあるだろう。ルールは簡単だ。制限時間3分でトランプを高く積んだほうが勝ちだ」

 

ただし、と付け加える。

 

「ハンデで俺は2分30秒までトランプに触らない」

 

「は?」

 

「つまり俺は30秒だけでいいって言ってんだよ」

 

圧倒的有利なこのルールに警戒を強める。

 

「1分貰っても良かったんだがそだとお前程度にはこれ位が丁度いだろう」

 

「っ!?か、賭けるのはなんですの?」

 

「お前が勝ったらお目の要求を全て呑もう。イカサマの内容を教えるし、前国王の墓前の前で土下座もするし、死ねって言うのなら死んでやる」

 

「このっ!」

 

(ダ、ダメですわ!このまま怒りに身を任せず冷静にならないと)

 

「わ、私が負けた場合は?」

 

「ま、チキンなあんたはそっちの方が気になるわな。些細な願いごとを聞いてくれ。ぶっちゃけ俺無一文なんだわ。なんとか五日間の飯と寝床は確保が出来たんだが、その先路頭に迷うことになんだよ」

 

「つまり、宿を提供しろということですの?」

 

俺はその言葉に笑顔で返す。

 

「ま、イカサマの内容が分かったところで次期王決定戦に出れねえから意味ねえし、こんな無駄なリスク背負う必要もねえもんなあ?別にやらなくていいよ」

 

分っかりやすい挑発にあえてステフはのる。

 

「……いいですわ、アッシェンテ!」

 

「カカッ、じゃあ、こっちもアッシェンテ」

 

トランプは盗賊から手に入れた2束を使う。

 

赤毛に1束渡す。

 

「そんじゃあ、よーい、ドン!」

 

「あなたは私を甘く見すぎですのよ!」

 

赤毛はトランプタワーを順調に立てていく。

 

予想外な光景に俺はは目を見開いて驚く。

 

「あいにくこういう作業ゲーは私の独断場ですわ」

 

そして、2分30秒。俺が開始する時間なのだが、赤毛の方は6段目が終わりに差しかかっている。

 

「ちっ!?」

 

焦りで上手く積み立てることがうまく出来ない。

 

「ふん!あれだけ大口叩いてこの程度ですの?」

 

「うるせえ!集中してんだから邪魔するな!」

 

残り10秒だが、二段目に行くことも出来てない。

 

「まあ、安心しなさい。イカサマの内容を教えることとお爺様の墓前での土下座だけで簡便してあげますわ」

 

そう赤毛が言ったところでドン!

 

俺はテーブルを叩いた。

 

パラパラと赤毛が立てたトランプタワーとトランプタワーと言えない俺のトランプは崩れる。

 

「はい。3分終了」

 

「ななな何してくれやがりますのよーーーー!?」

 

赤毛は俺に抗議をするが、

 

「いやあ、負けるのが悔しくてテーブルを思いっきり叩いちまった」

 

悪びれも無く言ってのける。

 

「こ、このぉ!」

 

「でも、相手の崩しちゃダメってルール無かったよなあ?」

 

「っ!?……ということは引き分けですわね。でも引き分けの場合はどうするんですの?」

 

赤毛は怒りを抑えて引き分けの場合の話をしようとする。

 

が、

 

「いんや。俺の勝ちだぞ」

 

驚きの事実を告げてやる。

 

「寝言は寝て言うものですのよ。どちらも0段じゃないですの?」

 

「俺はトランプタワーではなく、トランプを高く積んだ方が勝ちって言ったなだぜ。俺のほうが高く積んであるじゃねえか!」

 

俺はそう言ってトランプたわーに使うはずだった自分のトランプの束を指差す。

 

「そっちは随分とトランプタワーにつぎ込んだみたいだが、俺はまだ54-4の50枚の暑さがある。ちゃんとどんなに高くしても土台がしっかりしてないとな」

 

「くっ、うぅ」

 

唇を噛んでひざを折り、床に手をつく赤毛。

 

「そんじゃあ、敗者には些細な願い事を聞いてもろうか」

 

「分かりましたわ。いいですわよ。宿くらい「うん。違うよ」……はい?」

 

赤毛はぽかんと口を開ける。

 

「さーて問題だ。俺は些細な願いの内容を言ったか?」

 

「……はっ!?で、でも私は宿を提供しろってことか確認しましたわよ!?」

 

「確かに確認したなあ。でも俺はそれを聞いて笑っただけだぜ。肯定は一切していない」

 

「あ……ああ…」

 

俺の発言に赤毛は絶望する。

 

「では耳の穴かっぽじってよく聞け。お前、俺の物になれ」

 

完璧だ。まさか前回の話の目標であった不自由を無くすという目標が一話時間にして4時間27分でクリアしてしまうとは自分でも驚きのご都合主義っぷり。、

 

(お、俺の物になれ!?盟約を利用して告白してくるなんてなんて卑怯な人なですの!?でも、そんなところがす・て・きじゃないですわよ!!)

 

なんか壁に向かって頭ガンガン叩きつけてるけど触れないでおこう。

 

危ない人には関わらないほうがいいもんね……あれ俺の所有物だった。関わるしかないじゃん。

 

「え、えーっと新しいスタイルのヘッドバンギングしてるところ悪いんだけど。ステファニー・ドラだったか?長いからステフでいいか?」

 

「はい!」喜んで!」

 

え?何こいつ?なんでこんなにうれしそうなわけMなのドMなんですか?もしそうなら今すぐ捨てたい。でも家とか飯とかその他諸々がー

 

(いきなり愛称とか!やりましたわお爺様!この戦い私達の勝利です!)

 

「そ、そんじゃあステフ。明日お前の家に案内してくれるか?」

 

「構いませんが。何故ですの?」

 

(これはもしやあの有名な今日両親居ないの展開!?で、でもまだ私達には早いですわよー!)

 

「へ?そりゃあお前の家は俺の家にもなるわけだしな。まず場所知らないと」

 

(まさかの同棲ルートだと!?勝つる!これで勝つる!)

 

「分かりましたわ!!では、明日お迎えに上がりますわ!!」

 

そう言ってステフは勢い良く部屋を出て行った。

 

……外したいその笑顔。

 

この装備は呪われていて外すことが出来ない。

 

 

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