無個性でもヒーローを目指して……   作:ユンケ

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お久しぶりです。ユンケです。

本棚の整理をしていたらヒロアカを読み直して書きたくなって、衝動的に書いてしまいました。

他の作品も気が向いたら書いていきたいですが、暫くはこの作品を宜しくお願いします


プロローグ

 

 

事の始まりは中国軽慶市にて発光する赤子が生まれたというニュースだった。以後世界各地で様々な超常は発見されるも原因も判然しないまま時は流れる。

 

時が流れるにつれて超常は日常に、架空は現実に変化し始める。

 

世界総人口の約八割が何らかの『特異体質』である超常社会となった現在、架空の世界で人気であるヒーローが職業として脚光を浴びていた。

 

 

 

これは普通の体質の少年がヒーローを目指す話である。

 

 

 

 

 

ーーー無個性のお前がヒーローになれる訳ないだろーーー

 

ーーートップクラスのヒーロー2人から生まれたのがコレかよーーー

 

ーーー失敗作なんか生むなんて残念だーーー

 

物心ついた頃から言われ続けた。見知らぬ大人から何もしてないのに蔑まれ続け、幼稚園でも蔑まれ、小学校でも蔑まれ、全てが嫌になっていた。

 

しかし……

 

ーーー個性の有無で人の息子を失敗作呼びするな!お前らを名指しして引退するぞ!ーーー

 

ーーー個性があろうかなかろうが私達の大切な息子よ!ーーー

 

ーーー諦めるの?不思議、最初の無個性ヒーローになれば良いだけよーーー

 

両親と大切な幼馴染の言葉に支えられて立ち直れた。

 

しかしいつまでも腐ってもいられない。無個性である事実は変えられないが、それ以外の点で他の連中を超えれば良いだけだ。

 

なってやる。世界最初の無個性ヒーローに。なって両親が俺を産んだことが間違いでない事を証明してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ行ってくる」

 

「お気をつけて。旦那様と奥様は今日は遅いとのことです」

 

「わかった」

 

家のメイドに挨拶をしてから学校に向かう。そして繁華街を歩いていると近くのコンビニのドアがぶち破れて、左手脇にレジを持っている見た目がゴリラの男……ヴィランが出てきた。

 

「どけ!邪魔だ!」

 

ゴリラヴィランは通行人を投げ飛ばしながら逃げて俺の方に近寄って、俺も殴り飛ばそうとしてくる。

 

だから俺は身を屈めて回避して、脇にあるレジに蹴りを放ち、ゴリラヴィランの手元から離す。

 

「テメェ!ぶっ殺す!」

 

ゴリラヴィランはキレて拳を連続で振るってくるが力任せなだけで動きは単調なので左右にステップして回避する。

 

痺れを切らしたゴリラヴィランは両腕を同時に振り下ろしてくるのでバックして回避する。

 

両腕が地面に当たり、アスファルトが砕けるがそれを気にせずにジャンプして奴の両腕に乗り、再度ジャンプして……

 

「ふっ!」

 

「ぐふっ!」

 

そのまま踵落としを頭に決める。ゴリラヴィランは呻き声をあげて、やがて仰向けに倒れて仰向けになっては気絶する。それを確認した俺はレジを持ってコンビニの入り口にいる店員に渡す。

 

「どうぞ。蹴り入れたんで傷はついてますが」

 

「い、いや。それは良いんだけど「そこの君!ヴィランを倒したらしいが資格未保持者が個性を使うのは厳禁だ!」み、みたいだよ」

 

背後から声をかけられたので振り向けば複数の警官がいた。一部は移動式牢でゴリラヴィランを捕まえていた。

 

「個性を使ってません。俺は無個性なんで」

 

俺は保険証を財布から抜いて渡す。警官に渡す。保険証には個性が記載されているが俺の保険証には……

 

「個性無し……君本当に無個性なの?」

 

「だからそう言ってるじゃないですか?疑うならマイナンバーカードも見せるんで照会して良いですよ」

 

マイナンバーカードも渡す。すると警官の片割れがタブレットを操作するがやがて驚きの表情を浮かべる。

 

まあ今の時代、個性を持ってるのは当たり前で無個性は絶滅危惧種だからな。

 

「紫炎龍牙……本当に無個性です!」

 

「そ、そうか。それは早とちりしてしまった。けど一応事情を聞かせてくれ。そんなに時間はかからない」

 

「わかりました」

 

俺は頷いて警官の質問に次々と答えていく。まあいきなりコンビニ強盗をしたヴィランに襲われたから返り討ちにしただけだから直ぐに終わるだろう。

 

 

 

 

案の定、コンビニの監視カメラを確認して貰えば事実である事がわかり、20分もしないで解放して貰えた。

 

俺は警官と別れてバスに乗って自身の通う学校に向かうが……ギリギリ間に合うかどうかだろう。

 

そして暫く乗っていると電子音がポケットから鳴るので携帯を取り出すと……

 

 

ねえねえ!龍牙君、さっきコンビニ強盗を倒したらしいね。ネットで話題になってるけど凄いね

 

2歳歳上の幼馴染にそんなメールが送られてきたのでSNSを見れば、『中学生、コンビニ強盗を撃退!』って動画がバズっていた。どうやら誰かが録画をしていようだ。

 

(しかしそうなるとあの馬鹿が五月蝿そうだな……)

 

同じクラスには俺を毛嫌いするヴィラン予備軍の男がいるからな。これを知ったら絶対に突っかかってくるのは明白だ。

 

嫌な予感を感じながらもバスに揺られながら市立折寺中学に向かう。

 

そして目的地に近いバス停で降りて学校に入り、自身が所属する教室に入ると……

 

「テメェこのクソモブ!随分と目立ってんじゃねぇか……!」

 

案の定、ヴィラン予備軍こと爆豪勝己が怒りに満ちた表情で胸倉を掴んでくる。

 

「知るか。目立ちたくて目立ったわけじゃねぇよ。つかさっさと離せ。離さないとまたボコボコにするぞ」

 

中2の時も同じクラスで無個性の俺を見下してきたので、適当に流したら更に執拗に絡んできたので総合格闘技の試合という形でボコボコにしたのだが、それ以降更に敵意を抱かれて勝負を挑むようになってきた。

 

何回もボコしても勝負を仕掛ける根気は認めるが、その根気は別の場所で活かせや。

 

「っ!上等だ!ゴラァ!ぶっ殺す!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

爆豪がキレると同時にチャイムが鳴る。

 

「クソが!昼休みに面貸せや!」

 

爆豪は苛立ちながら俺の胸倉から手を離し自分の席に着くので俺も自分の席に着く。全く……アレがヒーロー志望だから世も末だな。

 

いや、マジでヴィランの方がお似合いだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、お前らも3年という事で!本格的に将来を考えていく時期だ!」

 

朝のHRにて担任の先生がそう口にするが、大体皆の将来は同じだろう。

 

「今から進路希望のプリントを配るが……大体ヒーロー科志望だよね」

 

『はーい』

 

進路志望調査書を投げながらそう口にする先生の言葉に皆が個性を使うが、原則個性の使用は禁止だろうに。

 

「うんうん。皆良い個性だ。でも校内で個性発動は原則禁止な」

 

「せんせー!皆とか一緒くたにすんなよ!俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんざ行かねーよ!」

 

「だろうな。お前は底辺以下のヴィランがお似合いだ」

 

「あぁ?!テメェもう一回言ってみろよ!」

 

しまった。さっきの一件もあって思わず本音を出してしまった。

 

「済まん爆豪。俺はヒーロー志望で嘘をつけないんだ」

 

「つくつぐテメェは俺の神経を逆撫でしやがるな!没個性以下の無個性が!」

 

爆豪を睨みながら罵倒してくるが10年以上無個性ネタで馬鹿にされていた俺からしたら何のダメージにならない。

 

「その無個性に勉強でも格闘技でも一回も勝てないお前はなんだろうな?」

 

「あぁ?!個性を使えばテメェなんか屁じゃねえよ!」

 

「個性を使えば……良い言い訳だな。無個性の俺からしたら使えないから羨ましいよ」

 

「……殺す!」

 

「ヒーロー志望が殺すなんて言葉を使うなよ……あ、先生。俺の志望ですが、2年最後に出した時と同じで第一が雄英、第二に傑物、第三に士傑でお願いします」

 

「あぁ?!」

 

俺の言葉に爆豪の額に青筋が増える。

 

ランクで判断したら士傑を第二にするべきだが、あそこは関西にあり1人暮らしをする必要がある。つまりプロヒーローである両親の下の特訓が出来なくなるので、割と名門の傑物を第二に志望をしている。

 

「マジか?全部ヒーロー科じゃ名門じゃねぇか」

 

「紫炎なら意外と行けそうだな」

 

「いや、流石に無個性じゃ厳しいんじゃね?」

 

「でも爆豪より強いし……」

 

そんな声が聞こえてくる。まあ俺が体育館で爆豪を叩き潰しているのを見ている人も多いからな。

 

「テメェ……ふざけんじゃねぇよ!史上初唯一の雄英進学者を目指している俺の将来設計にケチをつけてんじゃねぇよ!他を受けやがれ!」

 

随分と安い将来設計だな。というかコイツが雄英希望……こんな1日10回は殺すって叫ぶ馬鹿がヒーロー科最高の学校を目指すなんて世紀末だな。

 

「お断りだ。そもそも無個性が受験しちゃいけないルールはないし、お前に俺の受験希望を強要する権利はない……ですよね先生」

 

何度も受験要項を見たが無個性の受験の制限はなかった。

 

「無いな。よってお前や緑谷にも受験資格はあるな」

 

そんな風に言ってくるが、緑谷だと?

 

「緑谷?緑谷じゃ無理だろ」

 

「紫炎ならまだしもよ、いつも爆豪にビクビクしている緑谷じゃ落ちるだろ」

 

緑谷とは同じクラスにいる緑谷出久だが、俺と同じように個性を持っていない奴だ。ヒーローを好いてるのは知っていたが、ヒーローを目指しているとはな……虫唾が走る。

 

「あぁん?!テメェもかデク?!下らない冗談言ってんじゃねぇよ!」

 

と、ここで爆豪が俺から緑谷に怒りの矛先を向ける。緑谷と爆豪は幼馴染らしいが、爆豪は俺以上に緑谷に絡んでいる。

 

「じょ、冗談じゃないよ。本気で……」

 

イラッ……

 

俺は緑谷の言葉に苛立ちが生まれる。本気だと?

 

「本気?だとしたらテメェの頭が終わってるな!テメェに何が出来るんだよ?!」

 

俺がイライラする中、爆豪は更に挑発する。

 

「わ、わかってるよ。わかってる……けど……やっぱり……結局のところは、やってみないとわからない「緑谷、黙れ」……っ!」

 

俺は緑谷の発言によって苛立ちが限界を迎えて、怒りに満ちた声で緑谷を黙らせる。

 

「さっきから聞いてれば本気だのやってみないとわからないだの……そんなのは本気でやった奴が言うセリフで、何も努力してないお前がそんな言葉を口にするな」

 

「何の努力もしてないって……そんな事は「だったら今すぐ俺の横に立て」えっ……?」

 

緑谷は戸惑いながら俺の横に並ぶ。

 

「爆豪。今から俺と緑谷の肩を思い切りどつけ」

 

「え?!な、何でそんな……!」

 

緑谷が戸惑う中、爆豪は何を思ったのか無言で近寄り両手で俺達の肩をどつく。

 

「ぐっ!」

 

俺は微動だにしないが緑谷は背中から床に倒れて涙目になっている。そんな緑谷を見て俺を口を開ける。

 

「本当にヒーロー目指して努力してるなら、今ので倒れて涙目になってるんじゃねぇよ。お前の鞄を見る限り、オールマイトに憧れているみたいだが、オールマイトはヴィランを前にそんな無様な姿を見せねぇ」

 

ヒーローは様々なジャンルで活躍しているが基本的に弱気な面を見せてはいけない。一方今の緑谷には弱気な面しか見えない。

 

「俺達無個性は4歳の時点で他の連中より出遅れてるんだし、ヒーローを目指すなら誰よりも努力しないといけない。ウォッシュみたいに子供に好かれるヒーローになりたいならお笑いなどの勉強を、ランチラッシュみたいに人の腹を満たすヒーローになりたいなら調理の勉強を、プッシーキャッツみたいに災害救助ヒーローになりたいなら山の気象や簡易治療の勉強など、勉強する事は山ほどある」

 

ヒーローと言っても様々な種類があるので、なりたいタイプのヒーローの勉強は大切だ。トップクラスを目指すなら尚更だ。

 

「そしてオールマイトみたいな戦闘系ヒーローになりたいなら戦闘能力を高める努力をしないといけない。もちろん無個性である以上大火力は無理だろう。しかしそれでもサポートアイテムの研究や身体能力の向上など疎かにしていけない事は沢山ある……で?お前は何をやってるんだ?ノートにヒーローの事を書くだけか?」

 

「そ、それは……」

 

「そんなのは趣味で努力じゃない。本気でオールマイトみたいなヒーローを目指すなら無個性と判断されてから直ぐに勉強と運動をするべきなんだよ」

 

どんなヒーローでも戦闘を想定しているので、ヒーローを目指すなら基礎能力を高めるのは当然だ。無個性なら個性持ちの数倍努力しないといけない。

 

「別にお前がどこを受験しようがお前の人生だから文句は言わない。が、俺の前で本気とかやってみないとわからないみたいな戯言を2度と口にするな。不愉快だ」

 

しかしコイツはノートにヒーローの情報を書いてる以上の事はしていない。それでも本気でヒーローになろうとしている。

 

両親が俺を作った事を間違いでないと証明するためにも死んでもヒーローになると決めた俺からしたらコイツの発言は不愉快でしかない。

 

「……朝のHR中に騒いで失礼しました。HRを続けてください」

 

俺は先生に一礼して着席にするが、空気が重くなってしまった。

 

内心反省する中、先生は静かに話を進めるが、朝から不愉快な気分になってしまった。

 

 

 

 

 

 

……そういや今日は彼女がウチに来るし、癒してもらうか。





 
キャラ紹介

紫炎龍牙

プロフィール

身長 179cm
 
体重 72kg
 
誕生日 5月5日
 
個性 無し
 
好きなもの カレー 努力家な奴
 
嫌いなもの ピクルス うるさい奴 現実を見れない奴
 
特徴 
 
両親共にヒーローで父親がNo.12ヒーローで母親がNo.20ヒーロー

幼少期から第三者から迫害されていた為、メンタルは強固
   
格闘術、ナイフ術、パルクールなどを習得して、医療知識や簡易的な治療技術も勉強している。
 
2歳年上の幼馴染にして心の師匠がいて大事に思っている
   
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