A.S.122、プラント・クエタの襲撃に端を発した騒動は、多数の死傷者を出して幕を閉じた。その多数の死傷者の中に、死の原因となったGUND―ARM"ガンダム・ルブリス・ソーン”を駆る少女、『ノレア・デュノク』も含まれていた。
―怖かった。相方であるソフィ・プロネがパーメットの過負荷で死んで、生き残ってしまった自分はアスティカシア高等専門学校の一部屋に軟禁された。そこでは私たちを裏切って綺麗な所に行こうとしている裏切り者のスパイのニカ・ナナウラと、なぜか転がり込んできたペイルのエラン・ケレスと一緒に閉じ込められて、平静を装うとしたけど、とても無理だった。ソフィを失った怒りと悲しみと、憎いほど嫌いな二人と押し込められていたから、私の周りには信頼できる人は誰も居なくて。寂しくて、それからソフィが死んでしまったから次は自分だ、と怯えていた。
その後戦争が始まった後私は解放されて、渦巻く怒りをアスティカシアの学園にぶつけて、大勢殺した。…でもそこに、私を止めようとソフィの乗っていたルブリス・ウルで『エラン・ケレス』が現れた。彼は私を止めようと、初めて本音をぶつけてくれた。
…私は思わず否定してしまったけど、嬉しかった。生きていていいんだと、私を理解してくれる人はまだ居たんだと、ソフィが死んで以来凍っていた心が温かくなった。だから―――
C.E.71、オーブ首長国連邦が保有するスペースコロニー、ヘリオポリス。そこのカレッジの学生五人組、キラ・ヤマト、サイ・アーガイル、カズィ・バスカーク、トール・ケーニヒ、ミリアリア・ハウの五人が真っ暗になった中帰宅しようとしていると、キャンパス内に倒れこむ人間を見つけた。
「ねえ、あそこに誰か倒れてない?」
「どこ、ミリィ?」
「ほら、あそこあそこ」
ミリアリアが指さした方向には、ミリタリーチックな緑のコートを着込む、深緑の癖のあるボブヘアーの少女が倒れこんでいた。
「本当だ!おーい、大丈夫ですか?」
トールを先頭に五人が駆け寄り、キラが抱き起すと、その少女は気を失っていた。その少女の外見の幼さに、一同は息を呑んだ。
「ま、まだ幼いね…」
「どうする?もう遅いから、病院に連れていけないな」
サイがそう言うと五人は考え込んだ。少し悩んだ末に、キラが手を挙げようとしたが、それを遮ってミリアリアが告げた。
「この子、私が預かる。女の子だし、私が適任でしょ。トール、悪いけど今日は…」
「分かったよ。その子のこと頼むな」
ミリアリアはその少女をトールにおんぶしてもらい、住んでいるアパートに帰り着くと自分のベッドに寝かせた。ミリアリアはそっと、上から覗き込む。
「一体どこの子だろ、見たことないし…」
今は眠るその少女は、この世界で起きている戦乱に少なからぬ波紋を広げようとしていた。
5ノレに夢を見て、20話で儚く散って。どうにかして実現したい、という思いを抱いて。それで構想を練った結果、差別問題で共通点のあるSEED世界を舞台にしてノレアを成長させた後、もう一度水星の魔女の世界に放り込もうと考えました。この着想には、ノレアの声優様の悠木碧さんが主人公を担当されることが多いので、ノレアを主人公にしようと思ったのも影響しています。ノレアがどの『ガンダム』に乗るかはお楽しみに。では、また近日中に。