再び気絶したノレアは幸い今度は長時間意識を失うことはなかったものの、再び目を覚ました彼女の目からは光がほとんど消え失せてしまっていた。
心配そうに見つめる五人をよそに、ノレアはベッドから上半身を起こすと、ゆっくり問いかけた。
「……確認なんですけど、アスティカシア高等専門学校って知ってます?小惑星帯にあるんですけど」
ミリアリアたちは顔を見合わせると、全く心当たりがないという風に顔を横に振った。
「……ううん、ごめんね。聞いたことない。そこが、えっと……」
「……ああ、名乗っていませんでしたね。私はノレア。ノレア・デュノク。地球出身のGUND-ARM、モビルスーツ『ガンダム・ルブリス・ソーン』のパイロットです」
『!?』
五人はGUND-ARMという全く聞き覚えのない単語に困惑した後、その後にノレアが放った彼女が『モビルスーツのパイロットだ』という言葉に驚愕した。幼く、一見戦う人間には見えない彼女がモビルスーツのパイロットとして鉄火場に飛び込むとは到底思えなかったからだ。そして、そこまで考えた時、彼らの中に一つの疑問が浮かんだ。―今の地球軍、地球連合軍にモビルスーツはないのでは?、と。
「の、ノレアさんは地球軍なの?」
カズィの疑問に、ノレアはゆっくり首を振って否定した。
「……いいえ。折角です、私の全てをお話します。私が犯してきた、全てを」
ノレアはそこから、ゆっくり時間をかけて五人が理解できるよう、己の一生を語り終えた。……『地球の魔女』としてしでかしてきたことを。
ノレアが語る内容はどれも重く生々しい血塗られた内容で、戦争とは縁遠い中立国のオーブのコロニーに居る五人にとっては刺激が強く、カズィやミリアリア、キラは顔が青ざめてしまっており、サイやトールも顔を引きつらせてしまった。だが、その一方で己の罪を淡々と語るノレアに心を締め付けられ、彼女を責めようという気持ちはどうしても沸いてこなかった。彼女の見た目もそうだが、ナチュラルとコーディネイターの対立を知っているためスペーシアンとアーシアンの対立構造をある程度理解でき、彼女の境遇からあまり責められなかった。
「……これが私が成してきたことです。……私は罪深い人間です。多くの命を奪った『魔女』です。平和な世界に暮らすあなたたちからすれば、私は醜い怪物に見えることでしょう」
最後の最後に、ノレアの心には希望が灯ったはずだった。だが、全く知らぬ異世界に来てしまったことと……彼の前で死んでしまったことを無意識に理解しているからか、ノレアは無気力になりかけてしまっていた。
「……確かに、僕たちにはノレアさんのことはまだ理解できない。だけど―」
「え?」
キラはノレアと真っすぐ目を合わせこう告げた。
「僕たちもノレアさんに理解してほしい。だから―ここにいない?」
「は?」
To Be Continued...