結局あの後、ノレアはミリアリアの所に居候することを選んだ。キラ以外の四人もノレアを受け入れると決め、父にオーブの高官を持つサイがノレアのオーブの市民IDを手配してくれたのだ。ただ、ノレアはこの世界のお金を持っていないので、落ち着くまでの間居候としてミリアリアの家の家事を手伝っている。
手伝っているのはそれだけではなく、五人の所属するゼミにお邪魔して機械工学の簡単なものを学びながら、今この世界で起こっている『地球連合軍』と『ザフト』の戦争についても教えてもらっていた。
ノレアにとっても知らないことだらけであったが、その中でも衝撃だったのは『モビルスーツ』と『コーディネイター』の存在だ。
ノレアの居た世界ではビーム兵器が一般化されたモビルスーツが主流であり、様々な企業が競い合うようにして高性能なモビルスーツの開発を行っていた。
その中でも例外なのが、ノレアたちが乗っていた身体に致命的な負荷をかけるGUND-フォーマットした魔女のモビルスーツ『GUND-ARM』、ガンダムである。
―しかし、この世界ではプラントの開発したモビルスーツ『ジン』やその発展機が主流であり、火器の大半が実弾兵装であるという。対する連合が活用するのは、モビルスーツですらないモビルアーマーだ。
実際にキラたちに見せてもらった映像を見て、ノレアは元の世界のモビルスーツの戦闘と比べて、原始的な戦闘だという印象を抱いてしまった。
……そして、この世界で今も続いている戦争。その原因は、遺伝子操作を受けて様々な能力を強化された『コーディネイタ―』と遺伝子操作をしていない『ナチュラル』の種族同士の対立であった。ノレアの世界では地球に住む『アーシアン』と宇宙に住む『スペーシアン』の対立はあったが、その対立の性質は貧富の格差、経済的な側面が強い。荒れてしまっているのは、主に地球側だ。
―だが、この世界では違う。コーディネイターは優れた能力故にナチュラルを見下し、ナチュラルは劣等感からコーディネイターを化け物と蔑む。根幹に根付いてしまっている差別的感情であり、異邦人であるノレアは、第三者視点からこの様子を聞いたり見たりした結果、自分の中のスペーシアンに対する憎しみは果たして正しいのかと感じてしまうようになっていた。
(人が人を憎む、ただ能力が優れているというだけで……これって、何?経済的な格差とかそういう問題じゃない……。何か、可笑しい……)
この差別について、五人の内唯一のコーディネイターであるキラに聞いてみたことがある。『この世界に実際に生きる彼はどう思っているのか』、と。キラは、こう答えてくれた。
『……確かに、疎外感とか違いを感じさせられることはあるよ。でも、トールたちは僕を差別したりはしない。僕をただの友達として扱ってくれるんだ。だから、大丈夫』
実際彼らは仲が良かったし、彼らと共に過ごすうちにノレアはそういったことを考えるのを段々と止めて、世界に馴染むことに集中していった。
―そうして、ノレアは流れ着いてから二ヶ月が経とうとしていた。
お久しぶりです。水星の魔女最終回を見て構想を練り直していたのと、実は引っ越していていたので投稿が遅れました。申し訳ございません。
さて、次回からいよいよ原作突入です。ノレアの乗機は既に決定済みです。初期GATシリーズのバリエーション機、とだけ言っておきます。
構想としてはSEED編が第1シーズン、DESTINY編が第2シーズン、アドステラに戻ってやり直すのが第3シーズンとなっています。長丁場になりますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。では、また次回。