おそらく秘密裏に作られたと思われるハッチから外に飛び出した、ノレアが搭乗するストライクダッシュ。だがその軌道はおぼつかなく、スラスター制御があまりにも不安定で真っすぐに飛ぶことすら困難に近かった。
「スラスターが制御できない、というか私の操縦にちゃんと反応しないッ……!OSが未完成なせい!?」
武装面はしっかりしていても肝心のメインの制御が未完成ではいつ撃墜されても可笑しくなく、死ぬわけにはいかないと電力節約のために切っていたフェイズシフト装甲をオンにした。
―灰色一色だった機体の色がオレンジと白色に染まる。……偶然にも、その機体色はかつての愛機に似通っていた。
「あの人が言っていたアークエンジェル……母艦はどこ!?」
この機体を託してくれた人の願いを果たすべく、アークエンジェルを探すノレア。―だがすんなり見つかる訳もなく、ザフトのモビルスーツ・ジンがストライクダッシュを発見し、重突撃機銃を連射してきた。フェイズシフト装甲が作動し、着弾によってエネルギーが減少し始める。
「ザフトに見つかった!?あぐッ!」
フェイズシフトとはいっても着弾した衝撃までは殺せず、クリーンヒットした衝撃を受けて歯を食いしばるノレア。
「武器は……あった、ビームサーベル!……やばっ!」
ハンガーに待機状態だったため携行武装が無く、何か武器はないかと探して両脚部側面に一本ずつ装備されたビームサーベルを見つけたノレア。―だが、その最中慣性でフラフラ飛んでいただけだったためジンに乗るパイロットはストライクダッシュを木偶の坊と判断し、重斬刀を抜いて切りかかってきた。
「こんなところで……死ねるかあ!」
ストライクダッシュは即座に左腕でビームサーベルを抜き、右腕で重斬刀を受け止めた後ジンを真っ二つに両断した。ストライクダッシュは爆発に巻き込まれまいとジンの上半身を蹴り飛ばし、ジンのパイロットは断末魔を上げて死亡する。
「はあ……はあ……やった……」
ストライクダッシュはビームサーベルをマウントした後、残されたジンの腰部にマウントされてた重突撃機銃を右手で奪い、ヘリオポリスに向けて飛翔する。
「アークエンジェルは、皆は……」
ノレアが未だ見つからぬ母艦やはぐれてしまった友人たちの安否を心配していると、港湾部に戦闘の光を見つけてメインカメラで視認した。
「あれは……モビルアーマーとザフトのモビルスーツ……地球軍の生き残りが居たの!?」
おぼつかないながらもその方向に向けて飛翔すると、モビルスーツがヘリオポリスに入っていき、モビルアーマーがそれを追撃して中に突入していった。
「ちょっと、中にはまだ皆が……!」
ノレアもそれを追って中に突入すると、モビルアーマーが被弾して吹き飛んでいくのが見えた。
「まずッ……!」
ストライクダッシュは止めを刺そうとしているモビルスーツ―シグーに向けて先程奪った重突撃機銃を使って何とか射撃するが、照準が上手くいかず命中しなかった。それでもシグーの注意を惹くことは成功したらしく、こちらに銃を向ける。
「これ以上……お前たちの好きにはさせない!」
ノレアはスラスターの出力を引き上げ、ストライクダッシュを力任せに直進させて体当たりをぶちかました。体勢を崩すシグー。そこに、体勢を立て直したモビルアーマー―メビウス・ゼロがレールガンを射撃した。体勢を何とか立て直してシールドでレールガンを防御したシグーは、二対一では不利と判断してコロニーのシャフトに穴を開け、ヘリオポリス内部に突入した。
「行かせるか!」
―すると偶然そこにはストライク一号機が膝立ちで待機し、そこを拡大するとキラ以外の皆とモルゲンレーテの作業服を着た見知らぬ女性がこちらを見上げていた。
「皆、良かった……はっ!?」
思わず安堵してノレアは気を一瞬緩めてしまったが、その隙にモビルアーマーは大破して吹き飛んでしまう。それを尻目にシグーは重斬刀を左腕で抜いて一号機に突撃していく。
「させるかっ……!」
ストライクダッシュはさせまいと突撃していくが、突然コロニーの内壁が爆発し、そこから戦艦が飛び出してきた。
「あれが……アークエンジェル……」
一瞬止まった時間。ストライクダッシュとシグーは同時に再び動き出し、ストライクダッシュは重突撃機銃を放り捨てて空いた右腕でビームサーベルを抜刀するとシグーに向けてふらつきながら突撃した。シグーはひらりと躱すと、標的をこちらに変えてマガジンを交換すると重突撃機銃を連射してきた。空いた左腕で防御し、フェイズシフトが作動してエネルギーが減っていくが先程よりも減る量が多い。
「こいつ、強化弾を!?だけど、まだやれる!」
そのままビームサーベルを振りかぶって全力で切りかかるが、システムが未完成な影響で軌道が安定せず、全て容易に回避されてしまう。
そこにアークエンジェルからミサイルがシグーに向けて飛来し、ストライクダッシュから離れて銃で迎撃する。一発は撃破されたが、残りのミサイルはヘリオポリスのシャフトに直撃し、シャフト内部のケーブルが引きちぎれていく。
「ちょ、コロニーの中で武装使う!?」
―悪事は重なる。一号機が発射したビーム砲によりコロニーに穴が開いてしまったのだ。
「ヘリオポリスに穴が……なんて火力……」
その穴から損傷したシグーは撤退していき、戦闘はひとまず終了した。
「終わった……」
ノレアは操縦桿を持ったままほっと息を吐く。
『聞こえるか105´!聞こえるなら着艦しろ!』
「はあ……了解……」
そこにアークエンジェルの艦長らしき人物から通信が飛び込み、ノレアは打って変わって溜息を吐くとアークエンジェルに向けてストライクダッシュを飛翔させた。
アークエンジェルでノレアは、コーディネイターに対する根強い差別感情を目撃する。
ノレアは今居る世界の本質を悟るが、息つく間もなく再び来襲するザフト。
彼らは、生き延びることが出来るか!
次回、機動戦士ガンダムSEED~片翼の再生~
”旅立ち”
再び飛び立て、ガンダム!
機体名:ストライクガンダムダッシュ
形式番号:GAT-X105'
武装:イーゲルシュテルン×2
アーマーシュナイダー×2
ビームサーベル×2
パイロット:ノレア・デュノク
ガンバレルストライカー開発のため予備パーツを使って組み立てられた二号機。カラーリングはオレンジと白色。一号機との差異は、両脚部へのビームサーベルの追加搭載と、腰部後方へのビームライフルマウントラッチ(MS戦の想定と、ガンバレルストライカーのレールガン、ガトリング使用のため)。
ストライクダッシュはメインがガンバレルストライカーなので、そのままだと格闘戦出来ないと困るのでビームサーベル追加しました。後、専用のマウントラッチないと不便だなと原作見てて思ったのでそちらも追加しました。