美少女探偵アイ   作:小魔神

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ちょっとだけ謎解き要素があります。


第1話

「犯人はお前だ!」

 

 目の前の美少女、もとい美少女探偵がいつものようにそう宣言する。

 彼女の助手でもある僕にとってはいつもの見慣れた光景だ。ただ、いつもと違うところが一つだけある。

 

「ぼ、僕ですかーーー!?」

 

 犯人として指名されたのが、全くの無実である僕だということだ。

 

 ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 話は少し遡る。

 今日も僕は、バイト先であるアイさんの探偵事務所に来ていた。探偵事務所と言っても、そこらのマンションの一室を利用しているので、側から見れば、女の人の家に足繁く通う変な人にしか見えていないことだろう。

 

「アイさーん。急に呼び出して、一体何ですか」

 

 整理されているようでされていない妙に散らかっている部屋で、僕は雇用主に呼びかける。

 

「やぁやぁ、助手君。よく来てくれたね」

 

 すると直ぐに返事が返ってきた。相変わらず、芝居がかった口調だけどこれが彼女のこだわりなのだから仕方ない。とにかく声をした方へ振り返る。今回は、一体何の要件で呼び出されたのやら。

 

「全く僕だっていそがーーー」

 

 振り返った先にいたのはアイさん。それは間違いない。ただ、何故か生まれたままの姿ではあったけれど。

 

「ちょ、アイさん。服は! 正気だけじゃなくて、ついに文明人としての自覚すら失ったんですか。そういう一線だけは超えないと思っていたのに」

 

 確かにアイさんはちょっと変わっているところはある。喋り方は変だし、年齢不詳だし、の割にはお金には困ってなさそうだし。でも、こんな痴女みたいな人ではなかった。精々、脱いだ服をそのままにしておくとかそんなレベルだったのに。

 もしかしてら頭でも打って変人になってしまったとか。いや、元から変人か。

 

 そうやってうんうん唸っていると、アイさんが呆れた声色で口を開く。

 

「普通、こんな美少女の裸体を見てそんな反応になるかい? 急に呼び出したんだからサービスの一つでもしてやろうと思ったのに」

 

「いいから、早く服来てくださいよ。それに僕がアイさんの裸体で喜ぶわけないでしょ」

 

「相変わらず、お堅い助手君だね」

 

 やれやれといった様子でアイさんが服を着る。服装はいつものインバネスコート、何でも探偵にとっての正装だそうだ。の割には、探偵の仕事以外でも着ているので、単なる好みなのかもしれない。ただ、アイさん自体がちんちくりん(本人曰く機能的)なので、ブカブカになってしまっている。もっとも、本人は全く気にしてはいないが。

 

 あと、僕は堅くない。あくまで普通なだけだ。

 

「で、アイさん。今日は何の用時で呼び出したんですか?」

 

 いつもの事務所兼アイさんの書斎で、ソファーに身を預ける。

 アイさんのこだわりなのか家具自体は中々良いものを取り寄せてるらしい。もっとも僕にはそこら辺の価値は分からないけれど。

 

「フッフッフ、知りたいかねワトソン君?」

 

「帰りますね」

 

 イラッとしたのでしょうがない。僕の座右の銘は自分に正直に生きること。だから、脚にしがみつく変人がいても気にせず歩みを進める。

 

「ちょ、待ってよ助手君。いつもの軽い冗談じゃないか。そ、そうだバイト代弾むから。ね、ね!」

 

 脚にしがみつく変人だとばかり思っていた人物が雇い主であったことを思い出す。

 そう、僕の座右の銘は人に優しく真摯であれ。こんな僕を雇ってくれる雇用主に対して不義理をするわけにはいけない。

 

 脚にしがみつく、アイさんを丁寧にソファーに座らせ、僕も対面のソファーに腰を据える。

 

「どうしたんですか、アイさん? そんな重大な事件でも起きたんですか?」

 

 一体、どんなことが起きたんだ。アイさんの手を煩わせるわけにいかない。例え、アイさんならすぐに解決することだとしても、時間をかけてでも僕が解決してみせる。

 決して時給欲しさに引き伸ばす訳ではない。

 

「切り替え早いな。そ、そうなんだよ、実はある依頼が来てね。まぁ、とりあえずこれを見てほしいんだ」

 

 アイさんが見せてきたのは一枚の紙切れ。

 そこにはこんな数字が書いてあった。

53.28.8.10.31.53

53 95 22.20.19.92.102.16 92 53 81-53 20 34.102.11.20

91 16 16= I×I

 

「これ何ですか、アイさん?」

 

「何って、助手君そんなことも分からないのかい。依頼書だよ。このスーツケースと一緒に今朝送られてきたんだ」

 

「この数字の羅列がですか。あ、暗号になってるんですね」

 

 確かに言われてみれば規則性があるようなないような。

 ただ、暗号というからには必ずパターンがあるに違いない。

 

「エクセレント! その通りだよ助手君。それじゃあ、早速解いてもらおうとするか。あぁ、安心してくれたまえ、既に私は答えを導き出したからね。頭の運動だと思って頑張ってくれ。時に助手君は理系だったかな?」

 

「一応、そうですけど」

 

「そうか、それなら問題ないな」

 

 理系であることがヒントになるのか? アイさんの口ぶりからはそう聞こえるけど。まぁ、とにかく色々考えてみるとするか。

 




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