全日本ガンプラバトル選手権の予選決勝戦の会場。そのとある会場にて、その戦いは行われていた。
その決勝戦においての対戦カードは、甲子園に何度も出場している名のある学園であった。
本来ならば、彼らが出場するのは確実だった。
しかし、その戦いで、彼らは劣勢となっていた。
「どうなっているんだっ、あいつらはっ!」
ガンダムスローネを中心に改造した彼らの機体は、単体でも強い力を発揮するが、その強みは三位一体でのチームワーク。
元々、スローネが連携が得意な機体もあり、三人一組で戦うガンプラ甲子園において、その強さは圧倒的だった。
それが今では、リーダー機であるヤークトアルケーガンダム今では、一人だけとなっていた。
(くそっ!)
彼は焦りを覚えていた。
今までにないほどに、焦燥感を抱いていた。
原因は分かっている。
目の前にいる相手だ。
既に、相手のせいで、チームメイトは、撃墜されている。
「そこかっ!」
それと共に、敵に向けて、GNランチャーを放つ。
赤いビームは、真っ直ぐと、相手に向かって放たれる。
それによってできた赤い爆煙が漂う。
「やったかっ」
そう呟いた瞬間、爆煙の中から3つの影が現れる。
それは3つの飛行機であった。
赤、白、黄の三色の飛行機は、そのまま真っすぐとヤークトアルケーガンダムに向かって行く。
「チェーンジ!」
それを合図に、白と黄の二つの機体が合体する。
それによって、黄色の機体からは足が生え、白の機体からは腕が生える。
そして、黄色かった部分が赤く染まる。
その姿は、まさに人型に近い形態へと変わる。
しかし、それだけではない。
赤い戦闘機もまた、徐々にだが形が変わっていく。
それはまさしく鬼を思わせる耳を持つ頭部。
「ゲッター1・チェンジッ!!」
その名を叫ぶと同時に、変形が完了する。
そこにはまるで鬼のような姿となった巨人がいた。
それこそが、ゲッター。
このガンプラバトル世界選手権において、誰も見た事のないロボットであった。
「そんなゲテモノなんかにやらるか!」
「ゲテモノガンダムに、言われたくないぜ! ゲッタートマホーク!」
ゲッターが叫ぶと同時に、その手には片手持ちの重々しい斧。
その斧を持ちながら、ゲッターは、真っ直ぐとヤークトアルケーガンダムに向かって行く。
ヤークトアルケーガンダムは、それに対抗するように身の丈はあるだろうGNバスターソードを構える。
お互いに、ぶつかり合う二機。
激しい火花が散る中、ヤークトアルケーガンダムはその一撃を受け止める。
しかしその力は強く、受け止めたヤークトアルケーガンダムは後ろに押し返される。
それでも、なんとか踏ん張ったヤークトアルケーガンダムは、今度はこちらからと言わんばかりに、GNバスターソードを振り下ろす。
だが、ゲッターはそれに臆することなく、ゲッタートマホークで受け流す。
そして、ゲッターはそのまま回転しながら、回し蹴りを放つ。
しかし、それは読まれていたのか、ヤークトアルケーガンダムはバックステップをして避ける。
そのままゲッターは追いかけるように、ゲッタートマホークで追撃するが、それもヤークトアルケーガンダムは避けてみせる。
「ちっ……」
ゲッターもまさか避けられると思わなかったのか、舌打ちをする。
すると、ヤークトアルケーガンダムはまた接近戦に持ち込もうとしてか、GNバスターソードを構え直す。
「いい加減、しつこいぞ!」
そう言うと、ヤークトアルケーガンダムはGNバスターソードから牽制するようにビームを放っていく。
だが、ゲッターは、そのビームをゲッタートマホークで弾いていく。
その間に、ヤークトアルケーガンダムは一気に加速し、再び接近戦を挑もうとする。
しかし、ゲッターはそれを待っていたかのように、不敵に笑う。
そして、ゲッタートマホークを大きく振りかぶって……投げた。
ゲッタートマホークは一直線に飛んでいき、ヤークトアルケーガンダムに直撃する。
それによりバランスが崩れたところを逃さなかった。
ゲッタートマホークは、そのままブーメランのようにゲッターの手元に戻る。
ゲッターは素早くそれをキャッチすると、そのまま切りつけるように振るう。
それによって、ヤークトアルケーガンダムは両腕を切り落とされる。
さらに、その勢いのまま蹴り飛ばして距離を取る。
ヤークトアルケーガンダムは体勢を立て直すため、スラスターを使いながら移動をする。
しかし、それは罠だった。
ゲッターは素早く近づくと、今度はビームサーベルが備わった足で蹴る。
それを防ぐことができずに、そのまま蹴り飛ばされてしまう。
そして、その衝撃によりコックピットが揺れる。
だが、すぐに機体の姿勢制御を行う。
それと同時に、再びゲッターからの攻撃が来る。
今度は先ほどとは違い、拳による攻撃だ。
「ぐぅっ!!」
ヤークトアルケーガンダムのパイロットは思わず叫ぶ。
そのままヤークトアルケーガンダムを殴りながら、地面へと押し込んでいく。
それに対抗すべく、ヤークトアルケーガンダムも足に力を入れて押し返そうとする。
だが、その力はあまりにも違いすぎる。
徐々に押されていき、地面に叩きつけられていく。
このままではマズイと思ったのか、すぐに行動した。
「行けよ、ファング!」
その叫び声と共にヤークトアルケーガンダムが、GNファングが飛んでくる。
それに気づいたゲッターは、すぐに後ろへと下がる。
そんなゲッターを追うように、GNファングが追撃していく。
それに対して、ゲッターは身に纏っているマントを、身体を纏う。
「ゲッタービーム!」
そのまま、ゲッターは腹部から発射したゲッタービームをマント内で乱反射させることにより広範囲にゲッタービームを撒き散らす。
まき散らされたゲッタービームは、そのままGNファングを次々と撃ち落としていく。その光景を見て、ヤークトアルケーガンダムも負けじとGNファングを放ち続ける。
そして、お互いの攻撃が激しくなっていく中、ゲッターとヤークトアルケーガンダムの戦いは激しさを増していった。
そして、戦いは最終局面を迎える。
ゲッターがゲッタートマホークを構えて突撃する。
それに対し、ヤークトアルケーガンダムもまた、切り札であるGNハイメガランチャーを放つ準備をしていた。
「面白ぇ、やっぱり、これぐらいじゃないとなぁ!!」
それに対して、ゲッターのパイロットは笑みを浮かべる。
そして、両者は同時に動いた。
「馬鹿め、正面から突っ込んでくる奴がいるか!」
それと共にGNハイメガランチャーの光が、真っ直ぐとゲッターに襲い掛かってくる。
避ける事ができない程の巨大な光。
それに対して。
「本番前のお披露目だ! 食らいやがれ!!」
その叫びと共にゲッターの身体もまた光に包まれる。
それは、緑色のオーラを身に纏っている。
「シャインスパーク!」
ゲッターの叫びと共に、緑の輝きが放たれる。
そしてビームもまた、消えていく。
「なっなんだ、それはぁ!」
ヤークトアルケーガンダムは、そのまま絶叫と共に、光に包まれていく。
それと共に光が晴れると共に、ゲッターは、そのまま空を舞いあがった。
これが、全日本ガンプラバトル選手権において、後に伝説を残すゲッターの戦いの一幕であった。