「それで、どうなんだ」
「総合的に言えば、ゲッターの戦闘能力は、以前よりも増しているのは、変わりないよ」
そう言いながら、ココは前回の戦いの結果をパソコンに纏めながら言う。
それに対して、ハヤトもまた同意するように言う。
「ならば、なぜ弱くなっているんだ?」
「そうだね、これは仮説に過ぎないが、良いかね?」
「あぁ、構わない」
ココの言葉に対して、ハヤトもまた頷く。
「アシムレイトは、一種の催眠状態である事は、君も既に知っているだろ。
ファイターが強い思い込みによるプラシーボ効果をかけることで五感をガンプラと一体化させる」
「それぐらいは知っている」
「リョウマは、普段は退屈して寝ている。それが、バトルを行う事によって、自身の五感をより強く一体化させる事ができた。
だからこそ、彼はおそらくは通常のアシムレイトよりも強くなっただろう」
「ならば、なぜあの時の戦いの出力は下がったんだ?」
「それは、単純に、寝ている時間が減ったからじゃないかな?」
「なに?」
それに対して、ハヤトは首を傾げる。
「あの戦いが終わった後、私はリョウマが何か行動をしていてね、気になって聞いてみたんだ」
「行動だと?」
「あぁ、自分の頬を指でね、笑顔の練習をしていたらしい」
「あいつがか?」
その答えに対して、ハヤトは驚きを隠せなかった。
「あぁ、どこかで交流した子供に笑顔が怖いと言われたらしい。
だから、それを直す為らしい」
「それだけで、弱くなるのか?」
「僅かな変化だよ。けど、今はそれだけだ」
ココは、そう見つめる。
「リョウマは、ガンプラバトルにのめり込めば、のめり込む程に強くなる。逆に現実に目を向ければ、その分、弱くなる」
「つまりは」
「現実に幸せを見つけ、そちらに向けたら、彼は弱くなる一方だ」
そう、ココはため息を吐く。
「それで、どうするんだ?」
「決まっているだろ、そんな事は」
そのハヤトの一言に対して、ココは笑みを浮かべる。
「リョウマは現実に目を向けている。だが、それでも未だに彼はゲッターの虜である事は変わりない。
ならば、ゲッターでさらに魅了するしかないさ」
「現実に目を向けているのをどうにかさせないのか」
「させないさ、それはつまり、ゲッターの魅力が劣っている事を認めているのと同じだ」
ココは、そう宣言した。
「ゲッターは常に進化する。
今も、私の中で新たなゲッターが想像される。それを可能にしたのは、他でもないリョウマだ。
だから、絶対に逃す気はないさ」
「まったく、ガンプラマフィアだった俺が言うのもなんだが、あんた、狂っているよ」
「褒め言葉として、受け取っておくよ」