ガンダムビルドファイターズG   作:ボルメテウスさん

12 / 36
ドリルシューティング

戦況は、未だに変わっていない。

既にこの状況では、分かりきっている事だった。

 

「おい、ハヤト、なんとかできるのかっ」

「あぁ」

 

こちらに問いかけるベンケイの声に対して、俺は淡泊に答える。

そんな事よりも、俺の中には、奴のリョウマのアシムレイトの異常性についてを考えていた。

機体と一体化する事ができるアシムレイト。

それは一種の自己催眠である為に、本当の意味でガンプラと一体化する訳じゃない。

だが、奴は、ゲッターを通じて、俺の心を感じ取った。

合体する機体だからこその特性なのか。それとも、奴の異常までのアシムレイトによって引き起こされたのか。

自分の中の好奇心が抑えられない。

 

「ははぁ、余裕ですなぁ、ハヤトさんはぁ、だが、私の姿を見つけられるのかなぁ」

 

そう、俺が思考にふけっていると、奴の声が聞こえた。

まったく、本当に忌々しい。

 

「五月蠅い、こっちは今は忙しいんだよ」

「それは、私を見つける事ができないからかな!」

「お前を見つける事なんて、容易いんだよ」

 

それと共に、俺はゲッター2を操作する。

以前から、ゲッターの操作。

これは俺が1人で行った時と、リョウマを含めた3人で行った時とは大きく違う。

まるで、俺の思い通りに動くようにゲッター2は簡単に動く。

リョウマの異常なアシムレイト。

それは、奴がゲッターを通じて得た俺の動きを反映させた結果だろう。

だからこそ、ゲッターに乗るパイロットが質が高ければ、高い程、その力は強くなる。

 

「ドリルストーム!」

 

その好奇心と共に、ゲッター2のドリルを回転させる。

それによって、俺を中心に風を舞い起こす。

それは、まさしく、台風と言えるだろう。

 

「この程度の風で、私の動きは止められませんぞ!」

「お前の動きなど、見る必要はない」

 

これは動きを止める為の行動ではないからだ。

ドリルハリケーンで引き起こした風を通して、ゲッター2の周囲に粒子が集まる。

それは常人では決して見る事ができないが、俺には、それが見る事ができる。

かつてのネメシスの最高傑作と言われたアイラ・ユルキアイネンと比べたら、俺が見える範囲はあまりにも少ない。

それが、おそらくは才能だろう。

だが、このゲッターは、俺の才能を最大限に発揮させる事ができる。

 

「・・・」

 

風によって、舞い上がる粒子。

それは、俺に、全てを教えてくれる。

 

「これで、終わりだぁ」

「あぁ、そうだな」

 

奴がこちらに襲い掛かってきた瞬間、俺は僅かな動きで避ける。

同時にアームで奴を握り絞める。

 

「なにっ」

「この台風の中は、俺の空間だ!」

 

こちらが掴んだ事に対して、驚きを隠せない奴に対して、そのまま俺は空へと吹き飛ばす。

奴は未だに姿が見えないが、関係ない。

俺はそのまま、ゲッタードリルを、真っ直ぐと宙に向ける。

 

「ドリルミサイル!」

 

それと共に、奴へと真っ直ぐとドリルミサイルで貫く。

そのまま、爆散する。

 

「俺に、見えない物はない!」

 

それによって、対戦は終わりを迎えた。

 

「ハヤト、お前、一体どうやって、敵を」

「ふっ、さぁな」

 

俺はそれだけベンケイに言う。

どちらにしても、この事を話しても、信じないだろうな。

 

「お前なぁ」

「別に良いじゃないか、ベンケイ。卑怯な事はしていないんだったら、それで良い」

「リョウマ」

 

そんな俺を前にして、リョウマが言う。

こいつは、まるで分からない。

これまで、俺の前では見た事のない奴だ。

奇妙な奴であるという事は変わりない。

だが。

 

「まぁ、悪くはない」

 

それは、ガンプラマフィアの時にも、あの研究所で過ごした日々よりも、今の日々が満足しているからだろう。

そんな思いに、俺は笑みを浮かべる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。