「…」
「リョウマ君は、あれから」
「あぁ、かなり見ているよ」
そう言いながら、ラル達は、今のリョウマの様子を見る。
ニルスの勧めもあり、リョウマは、その試合の数々を見ていた。
その試合のほとんどが、イオリ・セイとレイジのコンビが出場する試合ばかりだった。
「あれから、どれぐらい」
「既に予選での戦いまでは見ているよ」
「そうなのか、だが」
それと共に、ラルはある事に気付く。
それは、リョウマの身体の変化に。
手には傷が出来ていた。
だが、それはビデオを見る前にはなかった。
だが、ラルは、それには見覚えがあった。
「あれは、レイジ君が練習した時と同じ傷」
正確な傷の数は覚えていないが、それは確かにあった。
予選開始前に怪我をしていた事を。
それと同じ個所に出来ていたからだ。
「これは一体」
「アシムレイトの応用ですよ」
「なに?」
その様子を、ココは冷静に呟く。
「アシムレイトは自己催眠の一つです。それはつまり、応用すればイメージトレーニングが本当のトレーニングと同じ成果を得られる可能性もあります。まぁ、それはスポーツにおいては難しいかもしれませんが、このガンプラバトルにおいては別です」
「確かに、理論的には可能だ。何よりもレイジ君とリョウマ君。二人の戦い方はどこか似ている。
だが、それは同時に」
「えぇ、危険でしょうね、私自身も、それを知っています」
「ならば」
「それを、止める事は、私には出来ませんよ」
そう、ココは言う。
「彼は、今、自分と同じ存在に目を向けている。その戦い方を吸収している」
「正直に言うと、私は君が恐ろしくて仕方ないよ」
「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しく感じます。
何よりも、私自身も既に作り上げていますのでね」
「まさか、既に完成したのか、真のゲッターを」
「えぇ」
その言葉と共にココは、その机の上に置いてあるゲッターを見せる。
その姿を見た瞬間、ラルは、冷たい物を感じた。
「これは一体」
そのゲッターは、これまでのゲッターとは明らかに違う。
いや、ガンプラと呼んで良いのか分からない。
これまでのゲッターは、確かにロボットの形をしていたが、明らかに違う。
様々な部分が違うが、ラルが最も目を向けたのは、その目だった。
SDガンダムなどでは目に瞳がある。
そのゲッターには、その瞳がある。
だが、その鋭い眼は、まるで全てを射抜く。
そう感じる程であり、思わず出たのは
「悪魔」
そう表現するのが正しかった。
「悪魔、えぇ、確かに。それは間違いないでしょう。この機体はまさしく悪魔でしょう。だからこそ、それを乗りこなす者はまさしく、悪魔を超える力を持つでしょう」
「ココ君、君は一体」
「私は、ただ見たいだけですよ。ゲッターの可能性を」