黒の剣士(♀︎)の苦難   作:らびっとありす

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多分これ、女性向けなのかな。いや、私が女性向け好きなだけ?……逆ハーレムって良くてですね。

blは沼。主人公は総受けです(鋼の意思)


1.始まり

 ──2022/10【アインクラッド第1層:始まりの街】

 

「……きた」

 

 踏みつけるほどに、まるで本物だと錯覚してしまいそうな地面の感覚。青い空。聞こえてくるのは賑やかなBGMと自分以外のプレイヤーの声。続々と青いエフェクトが現れてはそれが人の形になっていく。目の前に広がるのは、ファンタジー世界を彷彿とさせる世界。

 

「帰ってきたんだ……この世界に」

 

 高い視線。【男】らしい手と足。声も現実の自分とは違う【好青年】を思い浮かべる声。間違いなくこの体は【男】の体。ついに……きた。この世界に帰ってきたんだ。

 

「さて。後はユウキを探すだけ。……あれ、どこにいるんだ……あっ」

 

 え。見た目、リアルのまんまじゃん。……うん。凄いわかりやすい。ていうかめちゃくちゃ見覚えがある。毎日朝からよく見る顔がそこにいる。

 

「ユウキ?」

 

「うわっ!? ……って誰? 僕、君見た事ないよ?」

 

「あっ。そっか。ちょっと待って……。あ──。あー。これでどう?」

 

「……え? え?? かず……は?」

 

「ネットでリアルの名前は出さないの」

 

「あいてっ。ご、ごめん。そうだったね。キリト」

 

 とりあえずこのままの声だったら女性って気づかれるからボイチェンして……よし。私、和葉もといキリトが女性アバターではなく男性アバターを使ってる理由は2つ。

 

 1つはリアルでは味わえない感覚を味わいたいから。まぁゲームだし。どうせなら自分の違う性別って使ってみたいじゃん? って言うゲーマー脳の思考回路。

 

 もう1つは舐められないようにするため。女性アバター使ったら昔、MMOで色々あったから後は出会い目的とかもいたし。……まぁそういうことが色々あったから女性アバターではなく男性アバターを使って、言葉遣いも男性に寄せている。

 

「ねぇねぇどうする? こっから」

 

「そうだね。……んー。とりあえず近くの狩場に行かない? オススメの場所あるから」

 

「おっ。良いね。行こいこ」

 

 ユウキとそんな話をしていると、後ろから声をかけられた。

 

「なぁあんたら。ちょっといいか?」

 

 ちょ。ユウキ、私の前に出なくていいから。

 

「いや。別にナンパとかじゃないからな!? いや。帰ってきたんだって聞こえたから、てっきりベータテスターなのかなって思って」

 

「あー。わ……俺はベータテスト参加者だ。彼は違うけど」

 

「……彼?」

 

「あ、僕は男だよ」

 

「…………え?」

 

 やっぱ初見はそういう反応になるよね。ユウキ、可愛もんね。

 

「で、どうかしたのか?」

 

「あーいや。テスターなら色々知ってるかなぁって思って。ご指導願いたいなぁ……と」

 

「そういうことか。いいよ」

 

「まじか! ありがてぇ!」

 

 どうせ今から狩場に行ってレベリングするつもりだったからついでだし。後ユウキ、笑わないで。いつもの私知ってるからって笑い堪えなくていいから。

 

「痛いっ!」

 

「行くぞ。笑うな」

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉ!! ってあれ。当たってねぇ」

 

「重心が前に行き過ぎてる。後、体は添えるだけで大丈夫。あとはシステムがどうにかしてくれるから。ソードスキルを頼って」

 

「お、おう!」

 

 かれこれ1時間近く狩場でレベリングをしている。目の前にいる男性、【クライン】っていうプレイヤーは社会人らしく、今日はこの日のために休みを取ったとのこと。……いやぁ、すごい熱量。いや私が言えることではないか。

 

「筋は悪くないんだよねぇ……」

 

「これでどうだ! ……うぉ。お、おぉぉぉ!! 行けた!!」

 

「ナイス。行けたろ?」

 

「言われた通りにやったらできたわ! サンキューな。これ、中ボスか?」

 

「んなわけないだろ。ドラ○エで言うスライムだ」

 

「まじで?」

 

「まじ」

 

 まぁ。初めてVRMMOやるなら手こずる気持ちは分かる。実際、私も初めはすごい操作に慣れなくて大変だったし。

 

「それにしてもよぉ。お前さんのツレ、ほんとに初心者か?」

 

「まぁ。ユウキは昔から天性の才能の持ち主だから……」

 

 昔からユウキはほんとになんでも上手くできてたなぁそう言えば。ほんとになんでも出来るんじゃないかな。彼。

 

「リアルでも知り合いなのか? ……あー。すまん。リアルの話はNGだったな」

 

「いや。別に大丈夫。そうだよ。リアルで幼馴染。リアルでもあんな感じで元気」

 

「毎日飽きなさそうだなぁ……くそぉ!! 俺ももう少し若かったら!」

 

「はいはい。もう取り返しのつかないことは嘆かない」

 

「……いや。でも初めてゲームで知り合いになれたのがキリト達でよかったぜ。ありがとうな。いやー楽しいなこれ」

 

「……おう」

 

 やっぱそうやって真正面で褒められると少し照れる。やめて。顔を覗こうとしないで。

 

「……お前、意外と可愛いな」

 

「んなわけねぇだろ!?」

 

「冗談だっ……ってユウキ!? なんでそんな人を殺しそうな顔してんだ!」

 

「離れる! 離れる! 全く。近いよ!」

 

「ユウキさん??」

 

 だからなんでユウキは時々そうやって他人を牽制するのさ。

 

「大丈夫だって。俺は野郎に興味はねぇよ。……ってなんでそんな苦虫を噛み潰したような顔してんだ?」

 

「ソウデスネ」

 

 ごめんなさい。私、男じゃないです中身。

 

「あ、フレンド交換しておこうぜ。どうせなら。なんなら始まりの街で仲間と後で合流するつもりなんだが」

 

「んー……」

 

「あ、別に無理ってわけじゃないぜ。また後でならそれでも」

 

「うん。ありがと」

 

「おう!」

 

 MMOは昔からずっと一匹狼みたいなプレイスタイルだった。ギルドも、入らずに。ユウキのおかげで人付き合いが出来るようになってきたとはいえ。苦手なことには変わりない。

 

「そういや何時までするつもりなんだ?」

 

「んー。弟にはもう晩飯作ってるから。……もう少ししたら辞めようかなって」

 

「僕も同じく」

 

「そっか。俺はそろそろ落ちるつもりだぜ。なんせ、pizzaを注文してるからな!」

 

「お、気合入ってるね」

 

「あたりめぇだろ! この日のために色々奮発したからな。ほんとにありがとな。2人とも。初めに2人に出会えてよかったぜ。今度お礼させてくれよ! 精神的に」

 

「機会があればな。またなんかあれば」

 

「じゃあねー! また遊ぼうね」

 

「おう! うっし……え。あれ??」

 

 すると、クラインさんの顔がさっきまでの顔と急変した。急変……というよりは、困惑している表情に近いかもしれない。

 

「どうした?」

 

「ログアウトボタンが消えてる。……いや、反応しない」

 

「「え?」」

 

「クライン? 嘘ついてるの?」

 

「嘘はついてねぇ……」

 

 どういうこと? 

 

「……うん。クラインが言ってることは本当みたい。消えてる」

 

「嘘!? どうしよ! キリト!」

 

 ログアウトボタンが消えてるって。これ、バグ?? バグにしてはあまりにも致命的過ぎないそれだったら。

 

「もしかして」

 

 こんなバグ、本当にバグだったらとんでもない。今後の開発や運営に大きな影響が出る。それにさっきまでちゃんとあったはずのログアウトボタンが喪失してるなんて。……まるで。

 

「……まるで【消された】ような気がする」

 

「え」

 

 現実のような世界。そう。ここは仮想世界。現実じゃない。現実に限りなく近い仮想世界なんだ。……。

 

「どうにかログアウトする方法はねぇのかよ!?」

 

「自発的ログアウトの方法はメニューを動かしてしかない。……ほかはナーヴギアをとる方法しかない」

 

「じゃあ、直葉に頼めば「無理だ。……ここの声は届かないし。そもそもまだ」……どうなってるのこれ」

 

「俺の。俺のマルゲリータがぁぁぁ!!」

 

「そんな呑気なこと言ってる場合!?」

 

「…………」

 

 ソードアート・オンラインの取扱説明書。確かそこには強制シャットダウンの方法は載っていない。……なんで載ってないんだ。もし仮に、ゲームに異常が発生した場合はログアウトできるようなシステムはあるはず。でも、このゲームには存在してない。……もしかして。

 

「……このバグは意図的? アーガスがこんなバグを修正しないはずがない」

 

 

「意図的? どういうことそれ」

 

「……このゲームは元々【誰かの箱庭の中】だって考えたら?」

 

「……え」

 

 とても嫌な予感がする。空中には体をうがつ様な鐘の音が鳴り響く。まるで何かの儀式が始まるような。そんな音が。

 

「なんだこりゃ!」

 

「クラインさん!?」

 

「キリト!」

 

「ユウキ!?」

 

 すると自分たちの体を包み込むように青いパーティクルが現れた。……このエフェクトは転移結晶を使った時と同じの……。

 

「強制……転移」

 

 

 

 

 ──2022/11【アインクラッド:第1層・始まりの街】

 

「あれ。ここ、草原じゃない」

 

「ここって。始まりの街じゃないか? ……おいおいどうなってやがるんだ」

 

 周りから声が聞こえる。「なんでログアウトできないんだ」「早く帰してくれ」「何をしているんだ」と。数多のプレイヤーの声。

 

「……ユウキ」

 

「大丈夫? キリト。大丈夫。僕が付いてるから」

 

 私は昔からこういう空気が苦手だ。人の感情とかには昔からすごく敏感だったから、こういう負の感情の集まりのような場所はすごく苦手。

 

「こういうの。嫌だよね」

 

「とても嫌な予感がする。……なんかとっても嫌な予感が」

 

「おい。上」

 

 誰かが言った。私は不意にその声につられて上を見た。すると、この仮想空間のあらゆる隙間から、赤黒い血のような泥が溢れだしてきた。空が赤一色に染まる。夕暮れのような綺麗な赤色じゃない。『WARNING』と言った【機械で使う言葉の羅列】

 

 確かにこの世界は現実に限りなく近いだろう。……でもこの世界はどこまで行っても仮想世界。所詮はゲームの世界だ。……そう思っていた。

 

「なんだ……ありゃ」

 

「赤色の……ローブ?」

 

 こんなことできるのは……たった一人しかいない。こんな『イカれた』所業ができるのは。

 

「……茅場。晶彦」

 

「ってことはGMか?」

 

『プレイヤー諸君。私の世界へようこそ』

 

 茅場晶彦。このゲームを作った張本人であり、きっとこのゲームを直接的に管理できる唯一の存在。声でわかった。彼しかいない。こんなことが出来るのは。

 

『もう1人は正体に察しが着いているようだね。私の名前は茅場晶彦。この世界を唯一コントロール出来る存在だ』

 

 神かよ……なんて言う脈絡の無い言葉をつぶやくプレイヤーもいた。いや、その考え方は間違っていない。だって、彼はまるで【自分が神様】のような立ち振る舞いをしているのだから。

 

『今、諸君のメインメニューからログアウトボタンが消失していると思う。これはバグではない。このゲーム【ソードアート・オンライン】本来の仕様である。繰り返す。これはバクではなく本来の仕様である』

 

 やっぱりそうだ。私が想像した通りだ。これはバグなんかじゃなかった。

 

「仕様……だと? ふざけんな!!」

 

『諸君は今後、自発的にログアウトする事は出来ない。また、外部の人間によるナーヴギアの着脱は不可能と考えてもらって構わない。もし、それを行った場合ナーヴギアが発する高出力マイクロウェーブが、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 

「んな事……出来んのかよ」

 

「……ナーヴギアの原理は電子レンジと同じ。人間が電子レンジに耐えれるわけない」

 

「んなめちゃくちゃな……」

 

「なら、電源を抜けばいいんじゃない?」

 

「無理。ナーヴギアには内蔵バッテリーがある 」

 

「詰みじゃんこんなん」

 

 あぁ……。そうだ。この状況は所謂王手なんだ。

 

『残念な事だか、私の警告を無視してナーヴギアを外した家族あるいは友人がいた。結果、そのナーヴギアを装着していたプレイヤー約【214人】のプレイヤーが死亡した』

 

「キリト。こんなのめちゃくちゃじゃん……」

 

「こんな理不尽、信じれられっかよ!!」

 

 手が震えている。自分の死がこんなゲームに握られているから? 自分が好きだったゲームに裏切られたから? 

 

 いや。きっと違う。死ぬのが怖いんだ。ただ普通に死ぬのが怖いんだ。

 

『この事は各種メディアが取り扱っており、繰り返し警告を行っている。ナーヴギアが外される可能性は低いだろう。諸君らは安全にゲーム攻略に勤しんで欲しい』

 

「こんな状況で……ッ!! 『なお、十分に注意して欲しい。今後、このゲームでHPが0になった場合、アバターの永遠消失。並びにナーヴギアが取り外された時同様に、諸君らの脳は破壊される』」

 

 …………あぁ。やっぱりそうだ。この男、とんでもなくイカれてる。頭のネジがもう無い。

 

『ログアウト手段はたったひとつ。このゲームをクリアする事だ。アインクラッド一層から最上層100層までを完全クリアする事。それで生き残ったプレイヤーはこの世界からログアウトする事が出来る』

 

「不可能だろ!! ベータテストじゃ、10層までが限界だったんだろ!?」

 

『アイテムボックスを見て欲しい。それは私からのささやかなプレゼントだ。これはゲームであって遊びでは無い。健闘を祈る』

 

 私はアイテムストレージを確認する。するとひとつのアイテムが入っていた。

 

「……手鏡??」

 

 その手鏡を見た瞬間、突然目の前が光で包まれる。

 

「キリト!!」

 

 

 

 

 

「…………なんなんだ、一体。おい、大丈夫か? ユウキ、きり……と?」

 

「うぅ……。眩しかった。ってあれ、誰?」

 

「いや。何言ってんだ? ユウキ。俺はクライ……。なんだこりゃ!? リアルの見た目じゃねぇか!?」

 

「あれ。みんな、見た目変わってる。僕だけ変わってないんだけど」

 

「お前、ほんとにリアルと同じ見た目だったんだな。……でキリトは?」

 

 見た目が変わった。いや、見た目が元に戻った。つまり、今の私の見た目は……。男性じゃなくて、【桐ヶ谷和葉】の見た目。

 

 周りを見渡すと罵詈雑言。スカートを着た男性や逆に私と同じ男性の服を着た女性。仮想世界は現実になる。

 

「『これはゲームであって遊びでは無い』」

 

 あの人が言ってたことは本当だった。

 

「それでユウキ。お前の裾を握ってるそのお嬢ちゃんは?」

 

「え?」

 

 …………。どうしよう。男の人とまともに話せない。

 

「……来て!」

 

「うわっ!!」

 

「ちょっ。お嬢ちゃん!?」

 

 とりあえず今はこの場から早く去りたい。とりあえず、静かなところに早く行きたい。

 

「……意外と大胆だなお……いてっ!! おい何んすんだよユウキ!」

 

「気持ち悪い。その顔をこの子に向けないで」

 

 ユウキさん? 

 

「いや。ちげぇよ!? 冗談言っただけじゃねぇか。……でユウキ、モデルの子か? すげぇ可愛い子だけど。……彼女?」

 

「なっ!? 違う! 別にそういう関係じゃない! まだ……っていうか」

 

「く、クラインさん」

 

「俺の事知ってんのか? まじで? も……いてぇ! 脇腹を小突くなってユウキ」

 

 なんか今日すごいユウキ荒れてる?? 大丈夫? 

 

「えっと。……キリトって言ったらわかる?」

 

「いや。んなわけねぇだろ。キリトって男……だった……。え? もしかして、キリト? いや。そんな訳……」

 

「ほんと……です」

 

 私は不意にユウキの後ろに隠れてしまった。

 

「ごめんなさい。さっきまで男だって嘘ついてました。本当は女性です」

 

「……いや全然気にしてねぇよ。なに、ネットじゃ普通だろそんなの。それに、お前がこんなに可愛いなんて思わなかったしな」

 

「なっ。いや。え、あの。……可愛いとか……その」

 

「クーラーイーン?」

 

「別に思ったこと言っただけじゃねぇか!? つか羨ましすぎんだろ。女の子の幼馴染とか。アニメの主人公かよ」

 

「羨ましくなんてないよ。……私なんて全然」

 

 2人ともすごいな。自分の思ってることとかちゃんと言えて。それに比べて私は

 

「キリト。そんな事言わない」

 

「ユウキ」

 

「私なんかじゃないだろ。聞いたぜ。ベータテストで唯一の10層到達者なんだろ? 充分すごいじゃねぇか」

 

 クラインさんがそう言いながら私の頭を撫でる。ユウキもそれにつられたのか同じように私の頭を撫でた。

 

「別に大丈夫だって。ユウキ。俺だって大人だからよ」

 

「別にそういう訳じゃない……。不意に撫でたくなっただけ」

 

「ありがとう……。えへ」

 

「それで。どうするの? キリト」

 

 あ。そうだ。ここに来た理由あった。

 

「えっと。その」

 

「まず、俺には敬語は使わなくていいぜ。別に大丈夫だ」

 

「え。あ、うん。わかり……わかった。クラインさ……クライン」

 

「別に無理しなくていいからな。ゆっくりでいい」

 

「とりあえず。私はこっからこの街を出ようと思ってる。MMORPGは狩場の独占もあるし。それに、この街に居続けたらいつかリソースは切れる。移動するなら早めに移動した方がいい。……だから、2人には私についてきて欲しいなって。私なら効率のいい狩場もクエストも知ってるから、序盤から効率的にレベリングも身支度もできるから。……あ、ごめんなさい。饒舌に喋りすぎた」

 

「……。わりぃキリト。誘いには乗れない。ダチと約束してるからな。あいつら、まだ広場にいるはずだし。すまんな。それにこれ以上お前に頼る訳にもいかねぇから」

 

「そっか。そうだよね」

 

「大丈夫だ! 俺だって元ギルドの頭だぜ? それに、途中で死ぬほどヤワじゃねぇよ」

 

 やっぱ強いな。なんていうか、後ろに誰かが付いてる様子が目に浮かんだ。

 

「かっこいいじゃん。クライン」

 

「あたりめぇだろ。誰だと思ってるんだ?」

 

「うん。あ、クライン。フレンド交換しとこ。いつでもメッセージ飛ばしていいから」

 

「あ、僕とも僕とも」

 

「おう」

 

「……ありがとう。ユウキは?」

 

「僕? ……聞かなくてもわかるでしょ? ついて行くよ。当たり前じゃん。幼馴染だし。それに好きな人を1人にできないし」

 

「……?」

 

「道のりはなげぇな……」

 

 え。なんの道のり? 

 

「えっとつまり?」

 

「キリトには僕が必要。でしょ?」

 

「そうだね。うん。分かった」

 

「つまり、ここでクラインとはお別れかな?」

 

「だな。今度はお前たちみたいに強くなってあってやるよ」

 

「その言葉、忘れないよ?」

 

「あたぼうよ」

 

 ……これが男の友情。そう言えばユウキが男の人と話してる様子ってスグ以外に見た事ないような気がする。

 

「キリト! ユウキ!」

 

「ん?」

 

「お前ら、結構可愛いじゃねぇか! 頑張れよー!」

 

「クラインもそのダサいバンダナ似合ってるよー」

 

「ダサいは余計だろ!?」

 

「……頑張ってね。応援してる」

 

「あぁ!」

 

 クラインが路地裏をぬけて走り出していく。残されたのは私とユウキだけ。

 

「善は急げ。……行こ?」

 

「うん」

 

 いつも見ている背中のはずなのにどこかすごく大きく感じた。

 

「……キリト。絶対帰ろうね」

 

「うん。まだ、やりたいこととか言いたい事いっぱいあるし」

 

「少しは泣いていいんだよ? かなり溜まってるでしょ」

 

「大丈夫。……大……丈夫」

 

「全く。大丈夫じゃないじゃん」

 

 ユウキが優しく私を抱きしめる。昔から彼はこうだ。私が何かを抱えてるのを早く察してこうしてくれる。

 

「……。怖かった。みんな怖かった」

 

「うん。そっか」

 

「でも。木綿季がいてくれるから大丈夫。君がいたら心強いから」

 

「ん。僕も和葉がいてくれるから頑張れるよ」

 

 ずるい。ほんとずるい。

 

「君ってやっぱりずるいね。よし。行こ?」

 

「だね。行こっか」

 

 地面を蹴り上げる、目指すは1つ。このゲームをクリアするために




映画の内容だそうかなぁ……。迷うね。このままだと、女性一人に対して男が増えまくる。そのように書いてるの私だけど。最高ですね

ユウキ君は身長、163cmくらいをイメージしてます。まだ成長期なんでこっから伸びます。身長差9cmは…オタクが死ぬ

次回、アスナさん(♂︎)登場かな?イケメン。APP17くらいありそう
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