ていうかこの時代のアスナ(♂︎)、若干冷たくてすごく感じの悪い人になっちゃった。ファンの人ごめんなさい……。ちゃんと。ツンデレにはするっ!アルゴさんは女性のままです。なんだろ。良き相談相手みたいな立ち位置。唯一の良心です。
「……んっ。……ここは」
「あ、起きた? 全く無理しちゃだめだよ?」
「えっと……ここは」
私は目覚めたらどこかの家? の中にいた。そしてベッドの上で寝かされていた。
「ここ? ここはね。僕たちの今の拠点。モンスターに倒されそうになってるところを助けたんだ」
「助けた?」
「うん。あ、ここに連れてきたのは僕じゃないよ。そもそも、僕が来た頃にはもう戦闘終わってたし」
どうやら、目の前にいる彼女? は誰かとパーティを組んでるらしい。となると、あの時……。
「……黒い服を着たプレイヤーが……黒い服?」
まって。黒い服を着たプレイヤー?? まさか。ここに連れてきたのって。
「ミト!!」
あぁ。やっぱりそうだ。
「知り合いだったのキリト」
「うん。前のベータテストの時に一緒にパーティ組んでてて」
キリト。ベータテストの時には【黒の剣士】なんて言う2つ名がついていたプレイヤー。私と同じくいわゆる【ネナベ】をしていた。どうして、お互いが女子だってわかったかは忘れたけど、実は時々リアルで遊んでたりしていた、女の子のゲーム友達。
「良かったァァ! 生きててよかったよ!」
「わーわー。泣かないの。キリトはすぐ泣くんだから。よくベータテストで10層まで攻略できたわね」
泣きながら抱きついてくるキリトの背中をポスポス撫でる。全く。この子、強いのにちゃんと中身は女の子なのよねぇ。そこが可愛いんだけど。
「トランス状態に入ってたから……。でもほんとに心配したんだよ?」
「ごめんね。ありがと。キリトも生きてて良かった。それで横の子は?」
「あ、ごめんね。この子はユウキ。今私とパーティ組んでるんだ」
「ユウキだよー。よろしくね! えっと」
「ミトよ。キリトの友達なら歓迎するわ。よろしくね」
「うん! よろしくねー」
1個したくらいかな。キリトと仲良く話せてる感じ、男の子って言うわけではなさそうだし。
「そういや、あの【細剣】使いの人は?」
「あー。またダンジョン行っちゃったよ。止めたんだけどね」
「なるほど。……ってなにやってんのあの人!?」
……ん? 細剣使い??
「ねぇ。その人って男性だったりする?」
「そうだけど? え、ミト知り合いなの?」
「…………。知り合いよ。腐れ縁だけどね。ライバル? みたいな感じ。でも、途中から行動は別だから。……あいつ、なんか焦ってる感じしたし」
「はい、ミト。ホットミルク。もう12月だからさ。とりあえずこれでも飲んで。美味しいよ」
「ありがと」
……甘い。これ、キリトが好きそうな味。
「そのホットミルク甘くない?」
「そうね。キリトが好きそうな味」
「え。私ってそんなに甘党?」
「たしかに。キリトって甘党だよね。前だってカフェでパフェ頼んでたし」
「甘いのには弱いから……」
この2人、やっぱりリアルの知り合いなんだ。
「ふーん。ユウキはあんまり食べないの?」
「甘いのは苦手」
「そういうところは男の子だよね」
「別にそれは関係なくない?」
……男の子? 男? え。男?? ん????
「……男? え。え??」
「あ、僕男だよ?」
「えぇぇぇぇぇ!?」
見えない見えない。男に見えない。えっ。嘘。男?? ちょっと。え??
「あんた、男の友達いたのね。私が言えたことじゃないけど」
「いや居るよ?? ていうかよく話してた幼なじみが彼」
「あ、そういう事ね。なるほど」
色々なんか話が噛み合わないって思ってたのよねぇ……。そういう事なのね。なるほど。
「あ、ミト」
「どうしたの? キリト」
「今からお風呂入るけど、一緒に入る?」
「入る!!」
お風呂? そんなの、入るに決まってるじゃない。それに、久しぶりに会えた友達とだし。
「後で客人が来るからユウキはその準備してて欲しいかな。ミトはとりあえずどうする? 泊まってく?」
「そうね……。今日は素直に好意に甘えさせてもらうわ。ありがと」
「分かった。じゃあ私達は入ってくるから」
「ん! 分かったー。ごゆっくりー」
「やっぱ居た。【細剣】使いさん」
僕は2人がお風呂に入りに行った後、準備を済ませて独りで外に出た。理由は1つ。……彼がいる気がしたから。と言っても宿からは少し離れた距離にあるからちょっと時間かかったけどね。
「……。俺に何か用」
「相変わらずクールだねぇ。ミトが心配?」
「別に。ミトは強いし、あんたらもかなり強いんだろ。このゲームで多分トップクラスのプレイヤーだろ。あんたら」
「まぁね。……で、言ってたよね。このまま戦い続けたら死ぬって」
「…………。俺は早くこのゲームをクリアしないといけないから。時間が足りない」
「そりゃ確かにそうだけどさ」
僕が初めに感じた感覚は【ストイック】だ。多分誰よりもこのゲームを早くクリアしようと思っているプレイヤー。きっとキリトも同じことを思ったと思う。
「その顔を見る感じ、ミトのことは心配だったようだけど」
「
「あの時別にってすまし顔で言ってたのに」
あとツンデレ。多分ツンデレ。それに、本当にミトさんに対して恋愛感情を持ってる訳でもなさそう。
「もういいか。今から宿に戻るつもりだったんだが」
「ごめんね。見かけたからつい声掛けちゃった。あ、そういえば近々第1層のボスを倒すための会議が行われるはずだから、興味があったら行ってみるといいよ」
「…………」
彼は何も言わずにその場を去っていった。……ほんとにクールって言うかなんて言うか。……やっぱりなんか、焦ってる感じはする。
「なんか。また会いそうな気がする」
「……気持ちいい。お風呂なんて何日ぶりかしら。いや、このゲーム始まって1回も入ってない気がする」
「このゲームだったらお風呂入る必要無いもんね。でもさ、やっぱり気分に違いが出てくるよね。なんていうか、元気が出る! みたいな」
心做しかキリトが嬉しそうな顔をしている。この子の笑顔で一体何回心が和やかになったか。ほんと癒し。
「あんたはずっと笑っててくれればそれでいいわ」
「やめてよ。頭撫でないで。そんな子供じゃない」
「そう言いながら抵抗はしないのね」
「別に嫌だとは言ってない」
あら。猫??
「そういや来客って?」
「ん? アルゴ」
「あー。鼠の情報屋さんの」
「そーそー。買い取って欲しいものがあったから買い取ってもらう」
アルゴはベータテストからいる私とキリトの共通の友人。キリトはリアルでも知り合いらしい。昔、病院にいた時に知り合いになったとかなんとか。まぁそこら辺は深くは言及はしないけど。MMOじゃ珍しい女性プレイヤーだったから自然と仲良くなれた。
「今思えば、女性プレイヤーやっぱ少ないわね」
「仲良いのだいたい男性プレイヤーだからね。同性で仲良いのミトとアルゴくらい」
「仲良いの……ね」
「え。勝手に思ってただけ?」
「そんな事ないじゃない。そうじゃなかったら一緒に遊んでないわ」
「良かったー。そういえば、細剣使いさん? とはどういう関係なの」
「言った通りよ。ただの友達。腐れ縁よ」
「ほんとに? 彼氏さんとかじゃないの?」
彼氏? あいつが? いや。…………無いわね。絶対無い。
「うわ。凄い苦虫を噛み潰したような顔してる」
「あの口数少ない感情読めない男の? 有り得ないわ。だいたい彼女だったら真っ先に助けに行くわよ?」
「仲悪いの?」
「良くもなければ悪くもない。普通よ。ていうか、2人がおかしいわよ?」
「ん?」
「あーだめだ。何も分かってないって顔に書いてる」
「え」
ほら。何も分かってない。……ほんとに大丈夫? この子。連れ去られたりしないわよね。
「あんた、飴とかで釣られないでね?」
「釣られるわけないじゃん。子供じゃあるまいし」
その、【フンッ】ってしてる顔。自分でチョロいって自覚してないでしょ。
「……それにしても 」
「それにしても……ん? ひゃん!」
「あんた。……またおっきくなった?」
「なってない!」
いや。いやいや前見た時より流石に重さが違う。
「Bよね。前会った時」
「あの下着、もうきつくて使ってないよ?」
「やっぱ大きくなってるじゃない!? 何。Cになったの?」
「正確には測ってないけど」
「……身長分の養分、全部胸に行ってるんじゃない?」
「私は身長が欲しいのに……。ていうかいつまで揉んでるの」
「いや。……マシュマロみたいだったから。はぁ……。なんか色々な面であんたには勝てる気がしない」
「勉強ではミトの方が良いじゃん」
「あんたはなんの勉強もせずにあの頭の良さだからね? とんだチート保持者よ全く」
天は二物を与えずとは言うけど。この世界にはほんとに例外の中の例外もいるもんね。
「男の人って、おっきい方がいいのかな」
「え。何。あんた、好きな人いるの?」
「ん? いない」
「じゃあ急になんで聞いたの」
「時々クラスの人が見てくるから」
「良し。後で名前教えなさい。社会的に殺してくる」
「やめて!! 死人出さないで!?」
「まぁ、半分冗談だけど」
「半分は本気なんだ」
そりゃね。
「ユウキにはその話、しない方がいいわよ」
「? 分かった」
ほんとに分かってるのかしら。この子……。
「ちょっ。ミト? どうしたの。急に抱きついて」
「なんかあったらすぐに言うのよ。私はキリトの味方だから」
「もー。大袈裟だなぁ」
「大袈裟って。……心配なのよ」
「そう言いながら胸揉まないの。たく」
残念ね、男子たち。これは女子の特権だから。
「私だって負けれないのよ」
「どうかしたの?」
「なんでもないわ」
この時間だけは誰にも邪魔させない。この時間は私の癒しの時間なんだから。
「キーちゃん。両手に花だナ」
「それ、ユウキに言うセリフでしょ」
まぁそのあとなんやかんやあって、アルゴが来る時間になった。と言っても上がった時、偶然ユウキが帰ってきてちょっと裸見られそうになったくらいだけど。
「ユー坊がいるのは分かってたが、ミーちゃんもいるとは思わなかった」
「どうも。久しぶり」
「久しぶりダナ。じゃあ話と行こうか」
「まぁ大したことじゃないけどね。まずこれ、今日約束してた物」
私はアイテムストレージを操作して、1本の剣を取り出す。
「ロングソード。さっき中ボスが落としたヤツ」
「これって私が襲われてたやつのドロップ品?」
「そ」
「キリト見つけるのはやすぎるよ。めちゃくちゃ焦ったんだからね?」
「ごめんごめん。で、どれくらい?」
「8000ダナ。レアドロップだからそれぐらい」
「ん。じゃあそれでお願い」
「まいど」
まぁこのロングソードを売るのは本来の目的では無いからね。
それはアルゴも分かってる。
「ま、これが目的じゃないことは分かってる。……情報だナ?」
「いやー。話が早くて助かるよ。だってアルゴは情報屋だもん」
「そうだな。……会議の日にちカ?」
「そ。会議が何日に行われるか。それが知りたい」
第1層攻略会議。実際に行われることは知っているけど、明確な日時は分かってない。だから、この日時を知っておきたい。
「だ、駄目かな?」
「駄目とは言ってないダロ。……んーそうだな。キーちゃんは可愛い妹分だからナ。【このゲームをクリアする】っていう代金でどうだ?」
「……。当たり前じゃん。交渉成立?」
「あぁ。そうだナ。いつもはオドオドとかポヤポヤしてるのにこういう時はギラついた目になるんだよナ。お前」
「え?」
ギラついた目??
「いつもポヤポヤしてないし」
「オドオドは否定しないんだ……」
「ポヤポヤは否定しなくていいわよ」
「うるさい! そこ二人!」
「相変わらずの人たらし……。来週のこの日。それが会議の日だ」
来週……。つまり来週中には第1層をクリアさせるってことか。
「……うん。わかった。ありがと! アルゴ」
「お易い御用だ。それに、オマケにこのロングソードも手に入った。これを売ったらまた金になるからし」
「相変わらずだなぁ」
「じゃあな。キーちゃん。ミーちゃんはまた明日。ユー坊はキーちゃんの事頼んだからナ」
「任せてよ!」
「じゃあね。アルゴ」
アルゴが宿から出ていく。それを見送って私は自室に戻る。ホットミルクを飲みながら私はひとつ考え事をしていた。
「……あの人、来るかな」
アスナ(♂︎)さんの身長は177cmくらいをイメージしてます。高身長イケメン……。目の保養かな??ありがとうございます。名前も男みたいに変えてます。アスカって。
この世界線のミトとアスカはクラスメイト、友達って感じの関係性です。可もなく不可もなくっていう感じ。アスカさんがゲームを始めた理由も『なんか、親に反抗してみたかった』みたいな理由です。思春期〜〜〜。