陰キャの俺、ヤンキー系Vtuberのガワを被ることに。 作:カツカレーうどんパンマン大盛
最初は就職活動が上手くいかないことで、なりふり構わずほとんど知らないVtuber事務所に書類を送ったことから始まった。
何が受けたのかはサッパリ分からないが、社長面接を経て採用通知が届いた。
そして、スーツにネクタイを締めて、出勤のために事務所に向かった。
「これが君の立ち絵ね」
「はい」
受け取った資料にはなんか改造バイクを乗り回すような、イカツイ感じの男が描かれていた。つまり、ガチガチのヤンキーだった。
「あの、俺ヤンキー要素とか上手く出来る自身が……」
そう言うと俺と同期の人達を担当してくれている社員さんが少し考えてから、納得したような顔をする。
「そういえば、君はVtuber自体あんまり詳しくないんだっけ。キャラクターと中の人、通称魂が一致していることなんて逆に珍しいからあんま悩まなくても大丈夫だよ」
「そうなんですか? 俺、声優の人みたいに、キャラクターの設定とかを演じながらゲームしたりするのかと思ってました」
「一応君のキャラクターについての設定とかは次の、次そこから次のページに纏まってるから、完璧じゃなくていいから把握しておいてね」
そんな適当で良いんだろうか? という内心の疑問は、顔に出ていたのかすぐに察知されてしまった。
「ああ、君の不安もなんとなーく分かるよ。ボロを出すんじゃ無いか? ってことなら……絶対に出るよ」
「出ちゃうんですか!?」
「そりゃリアルとキャラクターの設定は割と離れてたりするからさ、そういう差のようなものは出るよ。
そうだね、基本的な説明もだいたい終わったし、必要な書類も大丈夫……。この後時間ある?」
「えっと、時間は大丈夫です」
「なら、えーと……これ、会社のWi-Fiのパスね。それで、ここら辺の切り抜きとか見ると、ボロがとんでもなく出るってことが少しは分かると思うよ」
じゃあ、僕は次の打ち合わせがあるからと担当さんは行ってしまった。
「切り抜きか」
切り抜きが何かってことば知っている。配信の面白いところなどを短く抽出して短編みたいにする動画だ。
俺も目に付いたものをいくつか見た記憶もある。
その中で、先ほど紹介して貰った[
……凄い!
設定では平行世界の東京出身という設定らしいのに、直ぐに静岡在住って言っちゃってる!
叩けば出るようにボロが、設定と喋りの矛盾が発生している。のに、しっかりと面白い。
……俺に出来るんだろうか。
彼女は、俺の入った事務所の先輩で、事務所をでかくした立役者でもある。
とりあえず喋りの練習として、ハキハキと喋る喋り方という本を買って帰った。