いかにルビに頼らないで描写できるか、自分を試していこうと思います。
呼んでくれたら嬉しいです、
ねぇ知ってる?
何を?
夜に外に出るとね……。
鬼、に喰べられちゃうんだって。
えぇ~~?
嘘だよそんなの。子どもを騙すための!
だよね~~~!!
そんな噂がある。
けして、嘘でも、冗談でもない。
これは、本当の話なのだ。
その《鬼》を闇夜に紛れて殺し、非公認非公式でありながら、人々の安寧を保つ組織がある。その名を_____、
鬼殺隊、と言った。
_____時は大正時代。
文明開化の鐘は鳴り終え、少しずつ街にも人にも洋風文化が増えてきた時代。
そして、藤の花咲き乱れる一つの屋敷にある一人の少年が担ぎ込まれたところから、話は始まる。
side 竈門 炭治郎
「やい、コラ、てめぇ!起きねえか!」
隠の人の声でハッと目が覚める。と同時に、痛めた顎がズキズキと痛みを持つ。それに堪えながら、周りを見回すと藤の花が咲き乱れていて。その前に、年齢も何もかもがバラバラの刀を携えた人達、11人くらいだろうか、が立っていた。
「起きるの遅せぇよ!柱の前だぞ!?」
隠の人がそうやって叫んでいる。
「はし、ら……?」
柱とはなんだ、そもそもここはどこだ。
……禰豆子。 禰豆子はどこに……!!!
「……どっかで見たと思ったら炭治郎か!
久しぶりだな。」
「え、桐ヶ谷、さん……? 」
きょろきょろと見回していたら、兄弟子にあたる桐ヶ谷さんが声をかけてきた。 どうしてここにいるんだろう。
「そっか、言ってなかったな。 改めて………。 俺は空柱、桐ヶ谷和人だ。 」
「よもや!! 桐ヶ谷の知り合いだったとはな! だが関係ない! 鬼を庇う者など、斬首一択! 御館様の采配を受ける件ではないな! 」
「斬首なら俺が引導を渡してやろう!! そりゃもう、派手派手になぁ!!」
(こんな可愛い子を殺すなんて胸が痛むわ、苦しいわ……!!)
「鬼に操られているのだろうか……南無阿弥陀仏……」
「そもそも俺は、冨岡の事を拘束しない時点でおかしいがな。 それに、知り合いなら桐ヶ谷も拘束すべきだ。 」
「この少年にも理由があったのでは?」
「そうだよ、鬼が憎かったりして入っているのに、連れているなんて……。何かほかに理由が……」
桐ヶ谷さんが、俺に話しかけたのを筆頭にざわざわとしだすその場。斬首、殺される?禰豆子を置いて?そんなの、だめだ。禰豆子、どこだ、禰豆子……!!
「というか、和人の事を桐ヶ谷って呼ぶのやめてって僕言った。」
金髪緑眼の男の人が頬を膨らませてそう呟く。
「そうだったな!!青薔殿!!すまない!!」
青薔……?あの人も"桐ヶ谷"なのか……?
「あぁ、どうしたの?」
「鬼、は、あの鬼は、俺の、俺の妹なんです!!」
「でも、鬼だよ?」
「妹は、禰豆子は、人を食べた事がありません!!これまでも、これからも、食べる事はありません!!それに……、2年間、眠って過ごしました!!」
柱の人たちの前でそう宣言する。
もし食べたとしたら、禰豆子の頸を斬って、腹を切るだけだ。
あの時、鱗滝さんに言われたように。
そう覚悟を決めた俺の鼻が、禰豆子の匂いと誰か、別の男の人の匂いを感じた。
「お、お待ちください!!その箱をお返しください、風柱様!!」
「食べた事がねえから、なんだってェ?
鬼は、鬼だ。食う食わねえなんざ関係ねぇよ。鬼は!!殺すだけだ!!!」
乱入してきた白髪の男の人____この人も柱なのか?____が禰豆子の入った木箱を空中に投げ、その勢いで抜刀、箱を突き刺した。
(えっ?えぇっ!?何してるの何してるの?!お庭が汚れちゃうじゃない!)
「っぐぅ!!」
「っ!!禰豆子ぉ!!!」
禰豆子の元へ行こうとすると、木の上に乗っていたネチネチした言い方をする蛇を連れた人が俺の上にのしかかってきた。
「っ、かはっ、ね、ずこぉ……!!」
「動くな。」
「伊黒さん、強く抑えすぎです。……炭治郎君。肺を圧迫されたまま呼吸を使うと、肺が破裂しますよ。やめてください。」
「肺が破裂?!良いじゃねぇか、派手で!破裂しろぉ!」
破裂しても、構わない。禰豆子を、助けるんだ……!!
「っぐ、ねず、こぉ……!!!」
俺の呻き声なんかに耳を貸さずもう一度つぶやくその人。
「鬼は鬼だ。喰わねえからなんだ。どんなに良い奴だろうと鬼は……、鬼なんだよ!!」
白髪の人が箱をもう一度突き刺す。
と同時に、禰豆子の呻く声も聞こえる。
「やめろ!!御館様がいらっしゃるぞ!!」
冨岡さんのその一言は、柱の人を驚かせた。
俺は、その隙をついて蛇の人の下から抜け出し、白髪の人に渾身の頭突きをした。そして、禰豆子の箱を奪い取り、そのまま叫ぶ。
「善良な鬼とそう出ない鬼の区別も付かないなら………、柱なんて辞めてしまえ!!!!」
「ぶはっ」
「ふふっ」
「んなっ」
「ッ、てめぇ……!!」
桐ヶ谷さんと桜餅色?の不思議な髪をした女の人の笑い声と、蛇の人の驚く声が聞こえた……気がした。
白髪の人から俺に向けられた殺意、視線をまっすぐに見つめ返す。
が、すぐにそれは治まった。
「御館様の、御成りです。」
鈴のなるような、どこか聞き覚えのある声がした。それと同時に不思議な匂いを感じる。
ハッとして周りを見回すと、柱の人達____桐ヶ谷さんや冨岡さん達は一斉に膝をついていて。俺も白髪の人に頭を下げさせられた。痛かった。
その後、なんやかんや合って禰豆子は存在する事を許された。禰豆子の命に、俺はもちろん、鱗滝さん、冨岡さん、桐ヶ谷さんの命が賭けられていた事を知って、みっともなく泣いてしまった。嬉しかった。禰豆子の事を信じてくれたと、分かったから。
……あの白い人____風柱の不死川実弥というらしい____にもう一度だけ頭突きしたかったけど。
認められた俺(と禰豆子)は、蟲柱の胡蝶しのぶさん、という人の鶴の一声で蝶屋敷という所に連れてこられた。
和人「俺たちについて軽く説明していくってよ。 え、1話だから俺から? 恥ずかしいなぁ……。」
《桐ヶ谷 和人》
・鬼殺隊空柱を務めるかつての黒の剣士。
結城家の婿養子に入ったので正しくは《結城 和人》。 御館様にはその事を伝えているけど、周知は面倒だし結城姓で呼ばれて反応できる自信が無いので桐ヶ谷姓のまま過ごしている。
・かつてのソードスキルを元にした空の呼吸で戦う。
担当鍛治は鋼鐵塚さん。