黒の剣士の鬼殺譚   作:楓琳(pixiv名は"花")

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1,000UAありがとうございます、とてもとても嬉しいです。感謝カンゲキ雨嵐です。

そういえば、一話ごとの文字数って2000〜3000の少ない方が良いです?5000〜くらいの多い方が良いです?
教えていただければ幸いです。


第四話 初電車、それから菊と藤の初対面

青年は自分の言いたい事が言い終わり満足したのか、口を閉ざす。

和人が問いただそうと口を開いたが、また別の声が聞こえた。

 

「えー君、早く乗って乗って~~!!

出発しちゃうよ~~?」

 

「和人さ~~ん!!

出発しちゃいますよ~~~!!!」

 

それは、青年と和人を呼ぶ汽車からの声だった。

 

「分かったよ、悠那。今行く。」

 

「っ、炭治郎、分かった……。今行く……」

 

青年は、自分の事をえー君、と呼んだ少女に微笑みと言葉を返して汽車へと乗っていった。

和人も、炭治郎に答えて汽車へと乗り込む。

 

「うまい!!!!!」

 

「はぁ……」

 

連結扉を開けると響くその声に和人はため息をつく。目を離さなければよかった……、と。

 

 

「うまいっ!」

もぐっ。

 

「……、うまいっ!!」

もぐもぐっ。

 

「………、うまいっ!!!!!」

 

自分の席の傍らに空の弁当箱を大量に重ね、ぱくりぱくりと手に持った弁当の中身を口に入れる炎のような髪をして、炎のような羽織を羽織った鬼殺隊の青年が周りの乗客の注目を集めながら座っていた。

 

ちなみに、積み上がらなくなった空箱は添乗員がわたわたしながら袋へと詰めていた。

 

「……、はぁ……。杏寿郎、みんな見てるし炭治郎たち来たから食べるのやめようぜ。」

 

どっこいしょ、と言いたげな感じで青年の正面に和人は座ってそう告げる。

 

「うま……、和人か!!!遅かったな!!」

 

「まぁな、色々あって。で、なんでこんなに積み上がってんだ?」

 

「和人や少年達を待っていたら腹が減ってな!!!先程頼んだのだ!!!」

 

「あ……そう……。待たせて悪かったな……。」

 

「うむ!!!大丈夫だ!!!!!」

 

人一倍耳が良く、その感情までも音で聞きわける善逸にはうるさすぎるのだろう、手で耳を塞ぎながら炭治郎に尋ねる。

 

「いや、うるさ……声でか……変な人だな……、この人本当に柱なの?ねぇ、たんじろぉ……」

 

「うん、たぶんそうだと思う……。」

 

 

「あぁ、炭治郎たち。放置してて悪かったな。この辺に座ってくれ、適当に。

 

この髪色も声もうるさいのは炎柱、煉獄杏寿郎。

全体的にうるさいけど腕は確かだよ。

 

……杏寿郎。手を止めろ、手を。」

 

 

ぽんぽんと、自分の隣を叩きながら立ちっぱなしだった炭治郎たちへ思い出したかのように声をかけ、いまだに箸を動かす杏寿郎を紹介する和人だった。

 

ガタン、ゴトン、と汽車が動き出す。

スピードが上がりきると、その窓から見える景色は飛ぶように変わる。

それを見た伊之助はばびゅん、という効果音が付きそうなくらいの速さで窓を開けて飛び出そうとする。

 

「うぉおぉぉ!!!はえぇはえぇ!!!はっえぇぇぇ!!!!よし、俺ちょっと外出て競争してくるわァ!!!」

 

それをいち早く見つけた善逸はその脚力を存分に活かして、伊之助を羽交い締めにして叫ぶ。

 

「うわぁぁあぁぁ!!!バカバカバカ!!バカなの?!?!何してんだこの猪!!死ぬから!!!任務以前に死んで終わるからやめろばかやろぉぉ!!」

 

 

 

 

「切符、切符を拝見します……。」

 

がらりと連結部分の扉が開いて出てきたのは切符切りを握って顔を俯かせる車掌だった。

 

「はぁん?キップゥ?」

 

「さっき小さいの受け取っただろ!!

アレ渡すの!」

 

「!!!!そ、そそそそそんなの言われなくても分かってるぜ!!」

 

善逸はとぼける伊之助にそう伝えて自分も取り出して渡す。伊之助はあたかも分かっていたかのようにそう叫び、腰布に挟まれた切符を取り出して車掌へと渡す。

 

切符を受け取った車掌は静かに呟き、ぱちりと切符を切った。ぱちんぱちんと、炭治郎たちのも切られていく。

 

「切符……確認……しました……。」

 

 

 

彼らの意識は落ちていく。

 

どぷり、意識せぬまま夢の中へ。

幸せな幸せな夢の中へと沈んでいく。

 

落ちていく、堕ちていく。夢の中へ。

 

もう、目覚める事は出来ないよ。

 

 

 

 

一方その頃、産屋敷邸にも客が来ていた。

 

「はじめまして、鬼殺隊創設者産屋敷家が97代御当主殿とその御家族様。 私、内閣総理大臣秘書の菊岡誠二郎と申します。 この度は、総理大臣とご盟約を結び頂きたいと思い参りました。」

 

この当時は珍しいスーツの似合うメガネで長身の男は、頭を上げぬまま言う。

 

「な、何を仰っているの?鬼殺隊なんて知りません……、御館様……?!」

 

極秘情報をぺらぺらと話す男に向かってそう告げるあまねを産屋敷耀哉はそっと片手で止める。

 

「良いんだ、あまね。 彼は来たるべくして来てくれたんだ、ありがとう、誠二郎。 政府の重鎮である君が一人で護衛も付けずに来てくれた事、本当に感謝しているよ。 和人にも後でお礼を言わなくてはね。 」

 

「空、柱さま……?! 」

 

妻であり当主を支える役割を持つあまねは、空柱である和人の名が出てきた事に驚く。

 

「うん、和人は前々から協力者ぐらいは作っておいた方が後のために良いと言ってくれていてね。 自分で探してきてくれたんだ。 それが君だろう? 誠二郎。 」

 

「えぇ、キリトくんとは旧知の仲ですので。 僭越ながら、耀哉殿と呼ばせていただいても? 」

 

「ふふ、構わないよ、誠二郎。 私も君のことを名前で呼ぶからね。 」

 

 

作り笑顔どうしの会合はしばらく続く。

 

 

一方また戻って無限列車での任務組。

 

いまだ、夢から覚める者はいない。

 




うーん、菊岡さんの胡散臭さが滲み出てればいいなぁ。
菊岡さんの"キリトくん"呼びに感化された御館様は和人と二人きりの時にこっそり呼んで和人に驚かれる未来が待ってます。

今日のキャラ紹介はお休みです(ごめんなさい)
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