暴虐の魔王スペックの転生者と一番星の生まれ変わり。 作:混沌の青魚
生前の記憶、というものがある。
所謂黒の企業の戦士というもので、およそ5年ぶりの三連休という天国を満喫するべく、沖縄へと旅行へ行ったらなぜか異常繁殖していた羆に生きたままむさぼり食われたのが最後の記憶。
……本来は生息していない場所に、なぜ異常繁殖していたのかなどはどうでもいい。
重要なのは、俺はその後、神様に出会い、転生することとなったという事実だけ。
神様曰く、『転生特典なんてものをつけようと思う。望むものはあるか?』と。
そして俺は答えた、『暴虐の魔王、そのスペックを持って転生したい』と。
今思い返せば、なぜ俺はどこの世界に転生するかすら知らされていない状態で、そんな物騒にすぎる力を持って生まれ変わったのか。
きっと、生きたまま大量の羆に喰われたことで頭がハイになっていたこともあるだろうし、なによりも転生特典に合致した世界へ送り込まれるのだろう、という根拠のない自信のようなものもあったのだろう。
神様も、『え、良いの?それで……』なんて言ってたし、なんか渋い顔もしてた。
それでも力強く頷いてしまった俺は、呆れた様子の神様に見送られ、大きな便器の中を潜り転生した。
きっと俺は、生涯を後悔したままで終えるのだろう。
舞台は現代日本?『推しの子』世界。
どうやら俺は、赤子の時分に児童養護施設の前に捨てられていたらしい。
名前は
やはり望んだだけあって、この身体には膨大な魔力、そして滅びの力が眠っているようだった。
しかし今のところは、眠っているだけ。
恐らくは鍵のようなものがあって、それを自覚、あるいは探し見つけることで開くのだろうと推測する。
なので乳児期〜は、普通に赤子としての生(オギャバブランド)を楽しみ、幼児期〜は、前世からの憧れであった、結婚を約束した美少女幼馴染なんて伝説の存在を作るために活動した。
結果?聞くなよ。
……惨敗、だった。
別に容姿が悪いわけでも、コミュ力がゴミスペックなわけでもなく、ただただ、大の大人ですら頭を垂れてしまいそうなほどのカリスマというのか、なんなのか分からないが、とにかくそんな感じのが滲み出ているらしく、みんな怯えちゃってるらしいのだ。
そんな俺を不憫に思ったのか、院長(60代のおばあちゃん)は俺を殊更に愛してくれた。
そんな俺に転機が訪れたのは、とある瞳に星を宿した少女が、犯罪を犯した母親が出所するまでの期間、施設へと預けられた時のことだった。
最近、推しの子にドブリと浸かり、なんとか星野アイを生存させようと考えた末、このような駄作を生み出すこととなりました次第。