その子供”鷹の目”   作:天翼種@ジブリール

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(はじめに)





 キャラ崩壊やセリフ間違いや設定の違い、



 誤字脱字があると思いますが、



 温かい目で読んで下さると助かります。


 この話には後々一刀君も登場いたします。


 どうぞよろしくお願いします。



プロローグ

 

これは、一刀がこの世界に来る七年も前の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「堅殿~、堅殿は何処に居られるか~!!・・・・・・・・・おいそこのお主堅殿を見ておらぬか?」

 

 

薄紫色の髪をなびかせながら若いとは言えないがしかし綺麗ないでたちの女性は城の警備の兵に自らの主の居場所を迫る勢いで尋ね始めた。

 

 

「こ、黄蓋将軍っ!そ、孫堅様なら確か裏の修練所で孫策様の訓練の手ほどきをしていた筈です!」

 

 

普段は朝礼以外ではまず声すら聞けない様な将軍に声を掛けられた警備の兵は多少どもりながらも今日の記憶を全力で思い出しながら返事を返す。

 

 

「うむ、あい分かった。警備ご苦労、引き続き頼むぞ」

 

「は、はいっ!了解しました!」

 

 

思ったよりも大きな声で帰ってきた返事に黄蓋は苦笑いを浮かべながらも主がいる修練所へ足を進めた。

この警備の兵が他の警備の兵に自慢しボコボコにされたとかされなかったとか・・・・・・(笑)

 

 

 

 

 

 

「はあぁー!」

 

 

カン、ガン、カカキンッ!

 

 

「まだまだ甘いわよ雪蓮(しぇれん)!勘に頼りすぎるのはあなたの悪い癖よ!っと」

 

 

修練所内では二人の女性が木刀同士でぶつかり合っているにも拘らずまるで棍棒でしている様な鈍い音も聞こえれば金属で打ち合っているような音まで聞こえてくる。

一方の女性は木刀を打ち合わせながらも相手の動きを良く見て所作の出掛りを上手く潰しながら攻撃を繰り出していく。

もう一方は大人と呼ぶにはまだ少しあどけなさを残しながら先の女性の面影を思わせる相貌をしている。特に目の形や雰囲気は同じといっても良いと言える程似通っている。

少女は繰り出される攻撃の雨を動物のような野生の勘を頼りにこれでもかとかわしながら次の一手を打ち込める隙を窺っている。

 

 

「くっ!参ったわね~隙どころか攻撃する機会も無いんじゃジリ貧だわ・・・・ねっ!」

 

「甘ったれたこと言ってる暇があったら隙でも作ってみなさい!!」

 

「そ・・・れが・出来・・・・たら・・苦労しないわよ!!」

 

 

修練所は二人だけが使っているわけでは無かった。

もともと此処で稽古していた兵士達は二人の訓練が始まった途端蜘蛛の子を散らすように修練所の二人から一番遠くの壁沿いに逃げていった。

 

 

「ふ、二人が使ってる木刀って金属か何か入ってたっけ・・・・・?」

 

「いんや、今おまんが持っちょるやつと同じ木製や」

 

「床、べっこべこだけど何で木刀は折れないんだ!?」

 

「やはり孫堅様のご息女だな・・・・・・・あぁ壁に穴が・・・・」

 

「二人とも凄い美女であるのになぜトキメかないのだろうな」

 

「「「「「「その気持ちめっちゃわかる」」」」」」

 

「見た目は良くても中身があれじゃあn・・・・・・」

 

 

最後に話していた兵士は最後まで言い切る前に後ろの壁と共に飛んできた木刀で飛ばされた。

文字通り飛んだ。

 

 

「いろいろ聞こえてるわよ~無駄話する暇があるなら」

 

「私たちが稽古をつけてあげましょうか?」

 

 

いつの間にやら直ぐそばに来ていた二人は満面の笑みを浮かべ兵士達に詰め寄る。・・・・・後ろに般若のごときモノが見えるが・・・・・

 

 

(あぁ、死んだ)

 

 

この場にいる全ての兵士がそう思ったその時、

 

 

「堅殿~やっと見つけまし・・・・って何ですかな!この修練所の様は!!」

 

「げぇ!祭、なんで此処に・・・」

 

「何でも何もありませぬわ!今日は大事な会合があるとあれほど口をすっぱくして言ったであろうが!!」

 

「え、えぇ~そうだったっけ~・・・・」

 

「それが時間になっても来ないと公瑾が涙目で儂の所まで来よったから探してみれば・・・・・・忘れていながら修練所もこのアリ様・・・・・今日という今日は許しませぬぞ!!会合があるゆえお説教は終わった後にたっぷり待っておるから覚悟することじゃな!ほれ行くぞ!!」

 

「ちょ、ちょっと~痛い痛い!逃げないから耳引っ張らないでよ~」

 

「母様・・・ププッ・・・ご愁傷様」

 

「策殿」

 

「ひっ!は、はい!」

 

「策殿も同罪ゆえ今日の夜は寝れないと思ってくだされ」

 

「祭~違う意味に聞こえちゃうw」

 

「堅殿は黙っておれ!!」

 

 

黄蓋はそう言い残してこの場を去ろうとした。

先ほどまで死んだと思っていた兵士は黄蓋に死ぬほど感謝していた。

 

 

(やはり神は我らを見捨てなかった)

 

と、

 

「策殿、そこの兵士達も此処での訓練は修繕が終わるまで禁止じゃ。策殿にはお説教までに新たな罪状を増やさぬようおぬし達と稽古でもしていてもらおう。たまには強者と戦ってみるのも経験じゃ。策殿も全力とは言わぬがあまり手抜きで嘗められんようにしてくれ。では儂はもう行くぞ。ほれ堅殿さっさと歩くんじゃ!」

 

(神は死んだ!!)

 

 

上げてから落とすという精神的によろしくない形での死刑宣告が黄蓋から無意識に下された。

 

 

「わかったわ!・・・・・・・・ふふふっ、さぁ稽古、はじめましょ♪」

 

 

その後、その兵士達を見たものは居なかった(嘘)

 

 

 

 

 

 

会合は予定した時間より大幅に遅れはしたものの順調に進んでいった。

 

 

「ん?そういえば醜顔のやつは来ておらぬのか?」

 

「しゅうがん~?あぁそんなやつ居たわね。小さかった雪蓮(しぇれん)を見てぜひ嫁にとか言ってきた変態が」

 

「まあまあアレでも頭が切れるし顔も広くまだ使えるやつだ。そう言ってやるな堅殿」

 

「居ても居なくても変わんないし別に良いんじゃない?」

 

「いやなに此処から遠いが知り合いの村から昔年端もいかぬ子供が消えてな、奴の屋敷が近かったのをふと思い出しての。ちと聞いてみようかと思ったのだが・・・・・」

 

「子供が消えたぁ~?わたしそんな話聞いてないけど?」

 

「言っておらなんだか?まあ何分六、七年も前の話ゆえ儂もさっきまで忘れておっての」

 

「なんか怪しいわね・・・・・祭、ちょっと醜顔の屋敷まで行ってみてくれない?」

 

「なんじゃ急に」

 

「わたしの勘が何か良くないって言ってるのよ」

 

「また堅殿の勘か・・・・・・良くないときの堅殿の勘は恐ろしく当たるし行ってみるかの」

 

「よろしくね祭」

 

「会合を飲み会にせんで真面目に進めておくんじゃぞ!」

 

「分かってるわよ・・・・・・」

 

「目を逸らさんでくれ。はぁ、まあ行ってくるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でゅふふ~今日は何をしようかな~♪」

 

 

景色の良い丘に佇む大きな屋敷に併設されるように建てられた石造りの部屋に男は歌うようにとびはねながら向かっていた。

 

 

「まあすることは最後にはナニに成るけどそれまでどう楽しもうかな~でゅふふ~」

 

 

 

 

 

石造りの部屋には外からしか開かない扉と空気を入れ換えるための天窓のような穴、そして厠がわりの外につながるこぶし大の穴と毛布しかなく中には物心つく前から子供がそこにいた。

子供は日が出たら起きて一日に数回出されたものを食べ暗くなったら眠るという生活をしてきた。

睡眠と食事以外の時間は身の丈の倍以上もある高さの天窓からいつも空を見上げていた。

晴れの日も、雨の日も、曇りの日も、雪の日も・・・・・・・。

唯一の楽しみはたまに見える何か。何個集まって空を自由に飛んでいる。

 

 

 

 

さいきんになってごはんをくれるひとがからだをさわるようになった。

あるときはくまなくさわり、あるときはほっぺとかをたたき、あるときはくびなどにかみつく。

なにがしたいのかよくわからないがおへやがさんかいあかるくなったらなにかをしていく。

いつも出て行くときはすごくわらってでていく。なにがおもしろいのだろう?

たぶんもうすぐくるのかな?

 

 

「でゅふふ~今日も楽しませてよねぇ~」

 

ほら、いったとおりきたみたいだ。

 

 

 

 

「はあ~遠かった遠かった。まったくこんな遠いところに住むなど醜顔の奴の気が知れんわ」

 

 

孫堅に言われた通りやってきた黄蓋は醜顔の屋敷までの道を馬で駆けていった。

 

 

「じゃが屋敷のあるこの丘からの景色だけは良いの。お~い醜顔~・・・・・・・・・なんじゃ居らんのか?お~いあがらせてもらうぞ~」

 

 

大きな声で呼びかけてからずかずかと屋敷の中へ歩みを進めた。

 

 

「ん?なんじゃ屋敷のなかに大穴が空いてお・・・・穴というよりこれは通路なのか?」

 

屋敷の中を進んでいた黄蓋は奥の部屋の壁に空いている穴の中に通路を発見した。

黄蓋は護身用の短剣を取り出しながら奥へと進んでいくと先には自分の身の丈ほどの石造りの扉があった。

 

 

「・・・・・・らっ!・・・のやろう!・・・・・・・・・でゅふふふふ~~~~!」

 

(なんじゃ・・・何をしている。中の様子はよく分からぬが醜顔とあと一人・・・・確かめるしかないかの)

 

「醜顔!何をして!?・・・・・・・何をしておるか~~~!!!」

 

「なっ!こ、黄g・・・・ぐっはっ!」

 

「この!このばか者が!!!その子供に何をしたのか分かっておるのか!!」

 

「ビクッ!・・・・・・ビク・・・・」

 

 

黄蓋が扉を開いたら其処には信じたくない光景が広がっていた。

窓もなく、毛布しかない部屋に飛び散る血の跡、醜顔の下には一糸まとわぬ姿で子供が横たわっていた。身体には切り傷や打撲痕が無数にあり、その瞳は光を失っていた。

激高した黄蓋が放ったこぶしは一撃で醜顔の意識を飛ばしたが振り下ろされるこぶしが止まる事はなかった。死んでしまう手前で殴るのを止め横たわる子供に駆け寄る。

 

 

「おい!しっかりしろ!」

 

「・・・・・・・あなたはなにもしないの?なんでたたいてわらわないの?」

 

「なっ!?何もしない。大丈夫もうお主を襲うものはおらん」

 

「なんでおめめからおみずがでてるの?」

 

「そこまで!・・・・・・これは涙といって悲しいときや嬉しいときに出るものじゃよ。」

 

「そっか・・・・・・」

 

 

そこまで言うと子供は空が見える穴を見上げ動かなくなった。

眠ったわけでも死んだわけでもなくただ自然体でじっと空を見上げていた。

黄蓋は動かなくなった子供の出す雰囲気に驚くほかなかった。

目の前に居る。なのにその存在はひどく希薄でわが軍にいる隠密筆頭のような雰囲気にしばらく思考が停止していた。

 

 

「・・・・・・はっ!小僧名はなんと言う?」

 

「な?・・・・コレ?おまえ?・・・・・・このやろう・・・」

 

「そうか、後で名を付けてやろう。とりあえず其処のばか者と一緒に此処から出よう」

 

「でる?どこに?ここからでたらだめじゃないの?」

 

「よいのじゃ。いくぞ」

 

 

黄蓋に連れられ子供は外の世界に出て行く。

子供の物語が此処から始まる。

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