DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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脱出と最後の試験

 光が消えると、そこは石造りの四方を囲まれた部屋でした。

 

「ついたのか?」

「そのはずだけど……あ、目の前になんかスイッチが付いてる」

 

 目の前の壁にそこそこ大きなスイッチがついています。

 

「押してみるね」

「気を付けてね。キット」

 

 恐る恐る押すと、大きな音を立てて目の前の壁が横にスライドしていきます。

 そして、現れたのは此処に最初に入った階段と入り口の扉でした。

 

「すごい仕掛けだな」

「やった。ちゃんと出口に着いたみたいね」

「いやー大変だったぜ」

 

 ソフィーとスラきちが、出るために入り口の扉の向かいますが、キットが階段の方に行きます。

 

「キット?」

「何してるんだ?」

 

 声を掛ける2人にキットは衝撃なことを言います。

 

「2人共。もう一周行くよ」

「「へっ?!」」

 

 突然の事で2人は動揺します。

 

「もも、もう一周ってなんでよ?!」

「そうだぞ! クリアしたんだから、必要ないだろう」

「必要あるよ」

 

 二人に説明するようにキットは言います。

 

「まず、ピンキーの加入が最後だからスキルポイントも無くて特技0だし。今回の戦いでスラリンがホイミ覚えたからね。これで長く戦えるよ。それにボス戦前の回復のしてくれる柱が、もう一度使えるかテストしてみたい。もし、もう一回入って使えるの様なら、皆のレベルを今後に備えて高くしておきたい」

「「……」」

 

 長々と説明するキットに、二人は絶句しています。

 他の3匹はよくわからないのか、黙ってみています。

 

「というわけで、早速行こう」

「ちょ、マジかよ!」

「ま、待ちなさいよ!」

「ぴぃ!」「キキ!」「チュウ!」

 

 キット達はまたダンジョンに挑むために階段を下って行きました。

 

「良く来たな、新たな……じゃない?!」

「対戦、よろしくお願いします」

 

 先ほど別れたばかりの、マスターがまた現れて驚く、さまようよろいでした。

 

 

 

 キット達が建物に入って、長い時間が経ちました。

 扉の方をジッと心配そうに兵士が見ています。

 

(おかしいな……?そんなに長いダンジョンじゃないのに。まさか中で怪我して動けなくなっているとか?!)

 

 心配になって、中に入って捜索しようか悩んでいるとノッカーを叩く音が聞こえました。

 

「待ってて!すぐに開けるね!」

 

 兵士は扉を急いで向かい開閉しました。

 中から、元気そうなキットを見て安心しました。

 

「良かった、傷はなさそうだね。長い間出てこないから心配したよ!」

「ご心配おかけして申し訳ありません。無事にクリアしました。あ、ペンダントお返しします」

「あ、うん」

 

 兵士は受け取ったペンダントを調べています。

 

「あの?」

「ペンダントの方は問題なさそうだね。それにしても随分入ってたけど、なんでだい?」

「次に向けて、仲間達のレベルを上げていました。今の口ぶりからですと、ペンダントに何か仕掛けが?」

 

 キットの言葉に、兵士が答えます。

 

「うん。君達が全滅したのを判断したら、このペンダントが自動的に、ここに転送してくれるんだ」

「そんな仕掛けがされているんですか」

「安全なためだよ」

 

 それを聞いてキットは、兵士にお礼を言います。

 

「何から何まで、ありがとうございます」

「私はここの警備してるだけだよ。礼は、このペンダントを作った、昔の偉人にでも行ってくれ」

 

 そう言って今度はキットの連れているモンスター達を見ます。

 

「へぇ、凄いね。ここで一気に3体も仲間にするなんて。何故か微妙に元気がないのが気になるけど」

「少し疲れているだけですよ」

「そうなのか」

 

 兵士は特に気にすることも無く続けます。

 

「それじゃ、ここで手に入れた証を闘技場の受付に渡してくるんだよ」

「はい。それでは行ってきます」

「君がモンスターマスターになれることを信じているよ」

 

 兵士に応援されて、キットは心が軽くなりました。

 そんなキットとは対照的に皆が呟きます。

 

「まさか、あの後、4週もするとは思わなかったわ……」

「ソフィーは途中から、階段の前で待ってただけじゃねぇか……あのさまようよろいなんか、3週目になると無言で構えるだけになってたぞ……」

「いくらなんでも、そこまで倒されたらイラっと来たんでしょうね……」

「ぴぃ……」「キキ……」「ちゅちゅ……」

 

 行き成りのレベリングにキット以外の皆は肉体的、精神的両方の疲労が大きいようです。

 キットも肉体的に疲れを感じていますが、むしろテンションが高いです。

 

(このぐらい鍛えれば恐らく次の試験も楽に突破できるはずだ)

 

 キットは、次の試験の内容を知らないはずですが、確信している感じです。

 そして、闘技場に歩いて行きます。

 

 

 

 キット達が闘技場に来たのを見て、マッチョマンが意外そうに声を上げます。

 

「意外と時間が掛かったわね? そんなに難しかったかしら☆」

「ははは。まぁ、いろいろとね」

 

 キットは、笑って誤魔化しながら金属プレートを渡します。

 

「これでいいんですよね?」

「ええ☆ ばっちりよ☆」

「それで次の試験は?」

「あせらないの☆ 今説明するわ☆」

 

 そう言って町の地図を広げると街の西の中心を示します。

 

「ここに、1つの道場があるのよ☆」

「はい」

「ここに行って、この書類を道場主に渡せば、教えてくれるわ☆」

「また移動するのね。はい。見極めに必要なんですね。ごめんなさい」

 

 ソフィーの愚痴にマッチョマンが笑顔でソフィーを見ます。

 それを感じたソフィーはすぐに謝罪しました。

 

「それじゃ、がんばってね~☆」

「行こうか」

「うん」

 

スラきち達が待ってる所に戻ると、眠そうなのか舟を漕いでます。

 

「起きろー皆。移動だぞー」

「んあ?!」

「アンタ以外、皆疲れているのよ。少し休ませたら?」

「む……」

 

 キットは少し悩んだ後、頷きました。

 

「わかった。ただ、ここじゃ迷惑になりそうだから、どこか休憩できそうなところでね」

「おう!ソフィーありがとな!」

「どういたしまして」

 

 キット達は何処か休める場所を探すために移動は始めます。

 

 

 

 道場へ行く道中で、串焼きの屋台を見つけたので購入し、座れる場所があったのでそこで食事と休憩をしてます。

 

「思ってた以上に腹が減ってたみたいだ」

「当たり前でしょ」

 

 串焼きをペロリと食べて呟くキットに、ソフィーがツッコミをいれます。

 ソフィーも串焼きから、串を取って貰って食べています。

 そんな姿をキットが見ています。

 

「なによ?」

「いや。妖精って肉とか食べるんだなーって」

「これでも人間の世界に長く過ごしたからね。……意外と結構美味しいわね、コレ」

 

 そう言ってソフィーは食べています。

 ちなみに、スラきち達は魔物のエサを食べています。

 

「皆は本当にそれでいいの? これも美味しいよ」

「おうよ。エレナの飯を楽しみにしているんでな」

「なるほど」

 

 こうして皆が休憩をして、改めて道場へ向かうのでした。

 

 

 

 教えて貰った場所に着いたキットは呟きます。

 

「ここが道場?」

「看板にはそう書かれているわよ」

 

 キットが想像していたのと違い、何方かと言うと普通の建物です。

 看板には『Fランク道場』と書かれていました。

 

「さっそく、中に入ってみようぜ」

「そうだな」

 

 スラきちに言われて、中に入ってみると、正面に両開きの扉があって、すぐ横に受付がありました。

 受付の人がキットに言います。

 

「ごめんなさい。今日はもう戦闘は終わったのよ。また明日来てくれる?」

「あの、闘技場の方でこちらにコレを渡せと言われました」

 

 キットは、受付の人に羊皮紙を渡します。

 

「あら? あらあらまぁまぁ、貴方新しいマスターなのね。少し待っててね」

 

 そう言って受付の人はすぐ後ろの扉を開けて、奥の方に行きました。

 少しすると扉から、大人の男性が現れました。

 

「この子がそうなのかい?」

「そうです。ダンさん」

 

 ダンと呼ばれた男性はキットに挨拶をします。

 

「初めまして、試験官兼、この道場主のダンだ。よろしくな」

「キットです。本日はお願いできますか?」

「もちろんだよ。すぐに準備するよ。アンリさん、彼等を案内してくれ」

「わかりました。キット君、こっちよ」

 

 キットは、アンリの案内で入口正面の扉の方に入りました。

 そこは周りに地面に観客席らしき物で囲われた、小さな闘技場の感じです。

 

「足元に気を付けてね。一段下がっているから」

「あ、はい」

 

 言われてキットはその場所の中心に向かいます。

 

「そちらのお嬢さんは危ないから離れていてね」

「わかりました。キット、私観客席で応援してるから頑張ってね」

「ありがとう」

 

 キットが中心につくと入ってきた扉からダンがモンスターを連れて現れました。

 

「待たせたね」

「いえ、大丈夫です」

 

 ダンの連れているモンスターは、スライム。ドラキー。アントベア。ホイミスライムの4匹でした。

 

「それじゃ、試験を開始する。ルールは簡単だ。全滅したら負け。マスターを攻撃しても負けだ」

「分かりました」

「まぁ、そこまで気負わなくても大丈夫だよ。君ならクリアできるよ」

「はい、全力で行かせてもらいます」

「よろしい。アンリさん合図をお願いします」

「わかりました」

 

 呼ばれたアンリは右腕を上げました。

 

「それでは、両者構えて」

「皆行くよ」

「おう」「ぴぃ」「キキ」「チュ」

「始め!」

 

 アンリの合図と共に試合が始まります。

 そして、キットが指示を出します。

 

「全員、ホイミスライムに集中攻撃! その後はピンキーがすなけむりをして、スライム、ドラキー、アントベアの順番で倒して!」

「了解。行くぜ!」

「へぇ」

 

 キットの指示を聞いて、ダンは感心しています。

 スラきちとスラリンとロジャーの攻撃で、ホイミスライムを撃破完了したので、ピンキーはすなけむりをします。

 すなけむりを受けたスライムとアントベアは攻撃を外してしまいます。

 そして、次にスライムをスライムコンビが倒し、ドラキーをロジャーが叩き落して、ピンキーが倒します。

 そして、残りはアントベアだけになりました。

 この状況を見て、ダンはとても楽しそうにしてます。

 

「これは、すごいね」

「皆、最後だよ。いっけー!」

 

 その掛け声でアントベアはなすすべなく、倒されてしまいました。

 こうして、キットの最初の対人戦は圧勝で終わったのだった。

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