DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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2章~不思議な石板と勇者を名乗る少年
いろいろ変化した朝


 朝になり、キットはいつも起きる時間より遅く起きたことに焦りました。

 

「っは! 寝過ごした!」

 

 このままでは朝食に遅れてしまう。

 急いで洗濯を終わらせようと、部屋を見回していたら、小さな存在が目に入りました。

 

「あ、そうか。昨日の疲れで寝すぎたのか」

 

 自分のサポートの為に来てくれた、妖精のソフィーの姿を見て、昨日の事を思い出して安心したキット。

 ソフィーを起こさないように、静かに着替えを済ませ、洗濯物を籠に入れて部屋を出ました。

 いつもより起きるのが遅いので、使用人達に見られながら水場に移動して、洗濯を始めたキット。

 

「あ、やっと見つけた。おはよう。キット」

「おはよう。ソフィー」

 

 洗濯をしていると、ソフィーが起きて来てキットに挨拶します。

 キットも挨拶して、洗濯を続けます。

 その姿を見てソフィーが怒ります。

 

「昨日、キットが洗濯物を自分で取り込んでいたから、まさかと思ったけど。やっぱり自分で洗っているんだ」

「もう、慣れた」

 

 そういって、慣れた手つきで洗濯をするキット。

 何もしないのを居心地が悪いソフィーがキットに聞きます。

 

「何か手伝うことある?」

「それじゃ、干す時に手伝ってくれない?」

 

 いつもは足場を持ってきて苦労しているので、ソフィーの提案は有難いのです。

 

「オッケー。任せなさい」

「お願いするね」

 

 ソフィーの手伝いもあって、洗濯と干す作業を終わらせました。

 ソフィーはキットに聞きます。

 

「それで、すぐに出発する?」

「そうだね。お願いするよ」

「オッケー」

 

 そう言って、ソフィー呪文を唱えます。

 

「それじゃ、行くわよ『ルーラ』」

 

 2人は光に包まれて消えました。

 

 

 

 ジュモクの国の小さな牧場にまだ朝日が出てくる前に、1人の女性が起きた。

 昨日までとは違い、心に使命感と充実感があります。

 

「よし。まずは掃除だね」

 

 女性が掃除をしていると1匹のスライムが起きてきた。

 

「エレナ、おはよう」

「おはよう、スラきち。珍しいね」

 

 いつもは、エレナが起こすまで、爆睡しているスラきちも、早く起きてきたのだった。

 

「めずらしいね、こんなに早く起きてくるなんて」

「まぁな。体がウズウズして目が覚めたんだ」

 

 そういって、スラきちはやる気に満ちています。

 エレナは朝一で買い物をする為に出かける準備をします。

 

「それじゃ私は、朝ご飯の材料を調達してくるから、スラきちは他の皆の相手を、お願いしてもいいかしら?」

「おう。任せな!」

 

 スラきちがやる気を出しているのを見て、笑顔になるエレナ。

 そして、キットから託されたゴールドで買い物をする為に出かけることにしました。

 

 

 

 朝一で買い物を済ませて、食事の準備をしている頃、ドアを誰かがノックしました。

 

「エレナさん、おはようございます。キットです」

「エレナさん、おはよー」

 

 キット達が来ました。

 エレナは迎える為に、入り口の扉を開けます。

 

「おはようございます。キットさん、ソフィーさん」

「「おじゃまします」」

 

 エレナに招き入れて貰って、2人は家に入ります。

 エレナは2人を机に案内して、料理の準備に戻ります。

 

「今、食事が出来ますからね。もう少々お待ちを」

「何か手伝うことありますか?」

「大丈夫ですよ。最後の仕上げだけですから」

 

 そう言って、エレナは料理を作っています。

 そして、スラきちも家に入ってきました。

 

「エレナ。終わったぞ。お、キットにソフィー。来ていたのか!」

「おはよう、スラきち」

「朝から元気ね。おはよう、スラきち」

 

 スラきちは、2人に挨拶をして、エレナの方に行きました。

 

「お、うまそうな匂いがするぜ」

「摘み食いはさせないよ。もうすぐできるから待っててね」

「りょーかい♪」

 

 スラきちはキット達の所に移動しました。

 エレナが料理を完成させて、器を3つ持ってきました。

 

「お待たせしました。今日は豆のスープですよ。お替りは無いからね、スラきち」

「ありがとうございます」

「美味しそうね」

「イエーイ♪」

 

 キットは、エレナの分が無い事に疑問を言います。

 

「エレナさんの分がありませんけど?」

「私は後で頂くわ。他の子達に上げてからね」

 

 そう言って、スープの鍋を持って牧場の方に向かおうとします。

 その姿を見てキットは立ち上がり、エレナに手伝いがいるか聞きます。

 

「手伝いましょうか?」

「大丈夫よ。モンスターの世話は私の仕事なんだから、キット君は食べてて良いのよ」

「そうそう。エレナは好きでやってるんだから」

「スラきちは手伝ってもいいんだよ~」

 

 スラきちのセリフに、エレナの声が少し怒気を含んでいます。

 聞こえないふりをして、スラきちはスープを飲んでいます。

 

「では、お言葉に甘えます」

「はい。ゆっくり食べてってね」

 

 昨日の、自分が言った発言を、キットは思いだし、下手な手伝いは迷惑と思い出して、座りなおしました。

 食事が終わって、時間が余ったキット達は、家の掃除などをします。

 

「ありがとうね。キットさん、ソフィーさん」

「掃除は自分の家でやっているので、少し得意なんです」

「私は苦手だなー」

 

 そんなこんなで鐘が4つ鳴るのが聞こえました。

 

「キット。そろそろじゃない?」

「あ、もうこんな時間か」

「俺、他のやつら呼んでくるぜ」

 

 スラきちは牧場の方に向かい、昨日仲間にした3匹を呼んできます。

 エレナは、出かけるキットを呼び止めます。

 

「キットさん。待ってください」

「はい?」

 

 呼びかけに応じると、エレナから包み紙を渡されました。

 

「こちらをどうぞ」

「これは?」

「お弁当のサンドイッチです。少ないですが、お腹が空いたら皆で食べてください」

「ありがとうございます」

「ありがとうね。エレナ」

 

 エレナからお弁当を貰い、それを指輪の中に入れます。

 スラきちが、皆を呼んできてくれたので出発をします。

 

「それじゃ、エレナさん。行ってきますね」

「行ってくるわね」

「気を付けてくださいね。スラきち、頑張ってね」

「おう! エレナも楽しみに待ってなよ」

 

 エレナに挨拶をして、闘技場に向かいます。

 

 

 

 闘技場に着いたキット達は、気合を入れてマッチョマンの所に向かいます。

 

「いらっしゃ~い、キット君☆ 待っていたわ☆」

「こんにちは。今日はお願いします」

「それじゃ、まずはコレをどうぞ☆」

 

 そういって受付から渡された物は、昨日キットがダンジョンから入手した、金属プレートでした。

 その金属プレートを見ると、白い文字で、自分の名前と、所属している牧場の名前が書いてありました。

 

「受付さん。コレって……」

「エレオノーラ」

「はい?」

 

 突然、マッチョマンが誰かの名前らしきものを言います。

 

「キット君が、正式にモンスターマスターになった私からのご褒美よ☆ 私の名前を教えてあげる☆ 「エレオノーラ」って言うの☆ 気軽にエレでも、ノーラちゃんでもいいわ」

「わかりました。それで、エレオノーラさん。コレは?」

「あら、いけず☆」

 

 キットはエレオノーラの愛称部分を聞き流して、渡された金属プレートの説明を求めます。

 

「それは昨日、キット君が持ってきてくれた、金属プレートに、あの白い石を特別な染料にして書いた、マスター登録証よ☆」

「はい」

「それを見せれば、この国での身分を保証してくれるものよ☆」

 

 そう言われて、キットは改めてマスター証を見ます。

 そこには、空白が所々見えます。

 

「この開いている場所は?」

「上から、キット君のランク☆ 称号☆ 座右の銘よ☆ 座右の銘以外は、自分で変更できないからね」

「なんで、座右の銘だけなのよ」

「それはね☆」

 

 ソフィーのツッコミにエレオノーラが答えます。

 

「ランクは、マスター同士で戦う時に指針になる項目よ☆ まだ空欄なのは、闘技場に登録してないからよ☆」

「ここでは、登録できないんですか?」

「ここは、Cランク以上から登録できるわね☆ それ以下は、各ランクの闘技場兼道場で更新していくの☆」

「なるほど」

「ちなみに、最初のGランクの登録は、昨日のダンさんの所よ☆」

 

 そう言われて、ソフィーは口には出しませんがめんどくさそうな顔をしています。

 キットは疑問を投げかけます。

 

「ちなみにですけど、ランク登録はしなくてもいいんですか?」

「基本的に任意だからいいけど、いろいろ恩恵を受けれないからお勧めしないわね☆」

「例えば?」

「お店の品揃えがランクで変わったり、星降りの祠を利用できなかったりね☆」

「なるほど」

 

 その話を聞いてキットはダンの所に行く予定を立てます。

 続けてエレオノーラが説明します。

 

「称号は、その人がこの国で、どう呼ばれているかで決定されるわ☆」

「どう呼ばれているか?」

「例えばスライムばっかり使っていたら、「スライムマスター」なんて呼ばれるの☆ そしてそれを更新の時に記載されるわ☆」

「なるほど」

 

 キットは説明聞いて、自分がどんな称号で呼ばれるのか少し楽しみです。

 

「最後に座右の銘ね☆ これは更新の時に、担当に変更したいと言えば書類をくれるから、それに書いて渡せば変えてくれるわよ」

「なるほど」

「ちなみに、キット君はまだ無理だけど、ランクが上がればこのプレートの材質も、有料で変更できるのよ☆ 人によっては金色のプレートにしてる人もいたわ☆」

「へぇ……悪趣味」

 

 キットはこの金属プレートで十分だと思いました。

 

「注意事項として、この金属プレートは無くしちゃだめよ☆ 無くしたら再発行しないといけないんだけど、それも有料よ☆」

「分かりました。気を付けます」

「結構高いんだから、気を付けてね☆」

 

 そう言ってエレオノーラはウインクします。

 キットはダンの所に向かおうとして、止められます。

 

「ダンさんの所に行くのはまだ早いわよ☆ まだ説明が残っているわ☆」

「そうなんですか」

「ええ☆ と言うわけでこちらをドドーン☆」

 

 そういってエレオノーラは四角い箱を取り出しました。

 その箱には周りを(?)のマークが付いていて、上に穴が開いています。

 その箱をキットの前に持ってきます。

 

「それじゃ、この穴に手を入れて中のモノを1つ取ってね☆」

「はい」

「優しくね☆」

「怖いからやめてください」

 

 キットは言われるまま穴に手を入れると、中に四角い板が入っている感じがします。

 そして、1つ穴から取り出しました。

 色は白く、材質は石で出来てる感じで、何か絵が描かれています。

 

「あの、これは?」

「それは「不思議な石板」よ☆」

「不思議な石板?」

 

 ソフィーがエレオノーラに聞き返します。

 エレオノーラが地図を広げます。

 

「この闘技場の後ろにある精霊樹の裏手に、神殿があるの☆」

「神殿ですか」

 

 地図で精霊樹を挟んで、闘技場とその神殿が地図に書かれていました。

 その神殿の方をエレオノーラが示します。

 

「この場所に、その石板を持っていくとね、なんと別世界に行けるのよ☆」

「別世界ですか?!」

「そ☆ そこでは、最初に行った洞窟よりも、強くて、また種族の違うモンスターがいるわ☆」

「つまりそこで新たな仲間を見つけたり、今の仲間を強くできるってことですね」

「正解☆ でも、それだけじゃないわ☆」

 

 エレオノーラはキットの答えに楽しそうに答えました。

 キットが、それだけじゃないの続きを聞こうと思いましたが。

 

「それだけじゃないって何ですか?」

「それは行ってみてのお楽しみよ☆ まずは、神殿の人にマスター証を見せてみると良いわ☆」

 

 そう言って、楽しそうなエレオノーラにこれ以上聞けそうにないので、キット達は神殿を目指すことにしました。

 

「とりあえず、行ってみましょうよ。キット」

「そうだね。エレオノーラさん。いろいろ有り難う御座いました」

「うふふ☆ キット君、がんばってね~☆」

 

 笑顔で見送るエレオノーラに別れを告げて、キット達はスラきち達と合流して神殿に向かうことにしました。

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