DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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異世界へ行ける神殿

 闘技場から精霊樹をぐるりと迂回して、神殿が見えてきました。

 その神殿には他のマスターなのか、モンスターを連れた人達がいます。

 

「ここか。すっげーデカいな!」

「確かに。4階建てくらいかな?」

「大きさ的には、闘技場の一回りかしら」

 

 3人は同じ感想を抱きました。

 スラきちが気合を入れています。

 

「ここから、別の世界への冒険が始まるんだな。ワクワクするぜ!」

「俺も楽しみだよ」

「とりあえず、中に入ってみましょうか」

 

 ソフィーの言葉で、キット達は神殿に入って行きました。

 神殿に入ると、まず長い受付カウンターが目に入り、職員が6人居て対応しています。

 ソフィーは別の所を見ていて、何か納得した感じで言います。

 

「行けばわかるってそういうことね」

「どうしたの? ソフィー」

「とりあえず、受付に行きましょ」

「わかった。皆行くよ」

 

 ソフィーに言われて、キット達は受付の職員の1人の所に向かいます。

 

「こんにちは」

「こんにちは。君は此処にはどんな用事なのかな?」

「ここを利用したいんです」

 

 キットは職員に、先ほど作ったマスター証を見せます。

 

「おや。モンスターマスターの方だったのか。失礼したね」

「俺達が居て気づかなかったのか?」

「スラきち、ストップ」

 

 怒るスラきちをキットが止めます。

 その様子に職員が謝罪をします。

 

「すまない。誰かの牧場関係者だと思ったんだよ」

「いえ。気にしていません」

「それはよかった。さて、君の名前は……キット君だね。少し待っててくれ」

 

 職員がマスター証を受け取ってそう言うと、書類らしきものを取り出します。

 そして、キットに尋ねます。

 

「名前と牧場だけ、ってことは、君はここの利用が初めてなのか」

「はい。そうです」

「そうなると、いろいろ準備がいるな」

「準備?」

 

 職員が書類を仕舞い、対応中と書かれた立札を出します。

 

「色々説明するのに、少し時間が掛かるんだ。その間にあそこにある「ルーラの石碑」に触れておくといいよ」

 

 職員が示したほうを向くと、石碑の上に青い光が浮いています。

 

「「ルーラの石碑」ですか?」

「そうだよ。石碑に触れると、「ルーラ」って呪文を覚えることができるよ」

「ルーラってマジか!」

「キット。早速行ってみましょう」

「了解」

 

 ソフィーとスラきちに促されて、キットは石碑の所に向かいます。

 

「触れるだけでいいのかな?」

「そうよ。別に危険はないわ」

「わかった」

 

 キットは青い光に触れると、その光はキットの体の中に入りました。

 少し驚きましたが、特に体に異変がありません。

 

「どうだ。覚えたのか?」

「特に変化なし?」

「それじゃ、指輪を触って、画面を確認してみなさい」

「指輪ね。了解」

 

 画面には新しく、「キットの特技」の項目が追加されていました。

 その項目を押すとルーラの文字が見えます。

 

「これでキットもルーラが使えるようになるわ」

「おお! やったな! キット」

「ありがとう。スラきち」

 

 2人で喜び合うあっているとソフィーが説明を続けます。

 

「この国の中を移動するのがとても楽になるわ」

「ってことは、エレナの居るところも早く行けるのか!」

「おお~移動時間が減って、効率的になるな」

「うえ?」

 

 キットの感想に、少し違和感を覚えたスラきち。

 ソフィーがさらに、耳打ちでキットに説明します。

 

(ちなみに、キットの世界でも使えるはずよ)

(本当か?)

(指輪の方に項目が追加されているのは、その証よ)

 

 キットは、自分の世界で色々出来そうだと考えます。

 そんな様子を見て、スラきちが聞きます。

 

「何してるんだ?」

「あ、えっとね」

「別に、私のルーラと違うって説明してただけよ」

「そうなのか?」

 

 スラきちをどうやって誤魔化そうか悩んでいたキットに対して、ソフィーは涼しい顔で説明します。

 

「私のは、古い方のルーラだからね。国と国で飛べるだけなのよ。キットのはもっと細かく移動できる代物よ」

「マジか! だから、移動に使わないんだな」

「そゆこと」

 

 ソフィーの誤魔化しに、キットが感心します。

 そして、職員がキット達を呼びます。

 

「キット君。準備が出来たから、こっちに来てくれないか?」

「ほら、行きましょ」

「おう」

「わかった」

 

 こうして、キット達は職員の前に行きました。

 キットが来たので職員は冊子を取り出します。

 

「それじゃ、キット君。コレをどうぞ」

 

 職員はキットに、冊子を渡します。

 

「これは?」

「これを見ながら説明するね。最初のページを捲ってくれ」

「はい」

 

 最初のページを捲ると、目次がありました。

 目次の最初は、この国の歴史と神殿の事についての説明の様です。

 

「その最初の部分は長いから要約すると、この神殿の力は精霊樹から与えられている物なんだ」

「なるほど。歴史とかは、暇な時に読んでみますね」

「ありがとう。それじゃ、次に此処の使い方を説明するね」

 

 キットは目次を見て、そのページを見ます。

 

「まず最初に、この受付に来て、マスター証を出してもらい、名前を書いて登録する」

「はい」

「そして私達が、空いてる部屋を確認して、その部屋に対応している鍵を渡す」

「なんで、鍵なんだ?」

「安全のためだね。別の人が入って来て巻き込まれたら、お互いに大変だからね」

 

 冊子にも、入ったら必ず扉は施錠すること、と書かれています。

 職員は続けます。

 

「中に入ったら、台座が在るからそこに石板を嵌めるんだ」

「嵌めたら行き成り飛ばされるの?」

「そこは大丈夫。嵌めると、光の玉が出てくるから、それに触れたら出発するんだ」

 

 冊子に注意事項として、部屋の中にいる人物の全員が飛んでしまうので気を付けること、と書かれています。

 

「その注意事項にある様に、部屋の中をちゃんと確認してね」

「わかりました」

「それじゃ、次は戻り方だ」

 

 キットは冊子を捲り、それを見て職員が説明します。

 

「戻り方は2種類。入ってきた所から戻るのと、先ほど覚えた呪文のルーラを使うんだ」

「なるほど」

「どちらを使っても、必ず自分が飛んだ部屋に戻れるから安心してね」

 

 冊子の注意事項には、全滅したら急いでルーラをしましょうと書いてあります。

 この事を訪ねます。

 

「全滅したら、自力で戻らないといけないんですね」

「そうだよ。別世界のモンスター達は、マスター自身も狙うから、注意が必要なんだ」

「なんだか、怖いわね」

 

 ソフィーが怯えた様子で言います。

 しかし、職員もしっかりと説明します。

 

「モンスターマスターになったからにはそこら辺は自己責任になるんだ。その辺りを理解したうえで、覚悟が必要なんだよ」

「キット、大丈夫か?」

 

 スラきちがキットを心配して声を掛けます。

 キットが気合を入れて言います。

 

「そのぐらいの覚悟がないと、立派なマスターになれないよ」

「よく言った」

 

 キットの言葉に職員は大きく頷きました。

 そして、笑顔で言います。

 

「まぁ、精霊樹の加護で、マスターを一時的に守ってくれるからルーラを唱える時間はあると思うよ」

「なんだよ。ビビらせやがって」

「でも、油断はしたら駄目だからね」

「わかりました」

 

 職員に言われて、油断しないように心がけるキット。

 そして、説明が続きます。

 

「次に帰ってきた時だね。先ほどの方法で帰ってきたら、精霊樹の力で、仲間達の傷の治療とか、戦闘不能になった者を復活してくれるんだ」

「なるほど」

「傷は仕方ないけど、戦闘不能はあんまりしてると、駄目なマスターだから気を付けてね」

「はい」

 

 キットの返事で職員は満足そうに頷きます。

 

「治療が済んだら、台座の側面の真ん中に丸い出っ張りがあるんだ」

「はい」

「その出っ張りを押すと、石板が外れて回収できるよ」

「分かりました」

 

 冊子の注意事項は、ちゃんと石板を回収して部屋を出ること、と書かれています。

 

「そして、石板を回収して、部屋を出たら扉を施錠して、ここに鍵を返しに来ること。これがここの使い方だ。わかったかい?」

「はい。いろいろ有り難う御座います」

「よしよし。それじゃあ、コレが君の鍵だ」

 

 職員に渡された鍵には『15』と書かれていました。

 職員が部屋の場所を教えます。

 

「その部屋の場所は左の通路を行った先の2階だからね」

「わかりました。それでは、行ってきます」

「気を付けるんだよ。危なくなったら、ちゃんと逃げるんだよ」

 

 職員に見送られてキット達は通路を進みます。

 スラきちがキットに言います。

 

「心配すんな、キット。俺達がちゃんと守るぜ!」

「ぴぃ」「キキ」「チュウ」

「皆ありがとう」

「ちょっと、私は?」

 

 その言葉にソフィーが聞きます。

 スラきちが言います。

 

「ソフィーは、なんか強そうだし、飛んで逃げれるから大丈夫だろ」

「なによそれ! 私はか弱い乙女よ!」

「まぁまぁ」

 

 2人の言い争いを止めながら、キット達は通路を進みます。

 通路を抜けるといくつもの扉があり、両方の端には階段も見えます。

 スラきちが、どの部屋か聞きます。

 

「キット。どの部屋なんだ?」

「職員さんは2階の15番って言っていたね。扉に数字が書かれているしすぐに分かるよ」

「それじゃ、行きましょ」

 

 1階の扉には01や02と大きく書かれていました。

 キット達は階段を上って、15番の部屋の前に着きました。

 

「ここだな!」

「結構大きな扉だね」

「大きなモンスターも通れるようにするためじゃない?」

 

 キットは、渡された鍵を鍵穴に入れて回します。

 鍵が開いた音を確認して中に入ります。

 中も広く、中央に台座が見えます。

 スラきちが台座に近づきます。

 

「この台座にその石板を嵌めるんだな」

「そのようだね」

「早速行ってみようぜ!」

 

 スラきちは、早く行きたいのか、キットを急かします。

 それに対してソフィーが注意します。

 

「まずは、色々確認してからでしょ。キット、ちゃんと施錠はした?」

「うん。ちゃんと閉まっているよ」

 

 キットは、扉の施錠を確認して、台座に近づきます。

 

「それじゃ、石板を嵌めるね」

「おう」

「どんな感じかしら」

 

 キットが石板を嵌めると、台座自体に淡い光が灯り、その光がどんどん上に昇っていきます。

 そして、台座の上に光の球体ができました。

 

「これに触れたら出発だ。皆、覚悟の準備は良い?」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」「チュ!」

「やばくなったら、ルーラでちゃんと逃げるのよ」

「了解。それじゃ、行くよ!」

 

 キットが光に触れた瞬間、部屋全体が光に包まれます。

 光が収まると其処には誰もいなくなりました。

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