DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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森の祭壇での攻防戦

 オークは集まってきた、森のモンスター達に指示を出します。

 

「ウシロニイル、ガキヲ、ネラエ!」

「させるかよ!」

「キット君!」

 

 オークの指示で、森のモンスター達はキットを狙います。

 皆で、キットを守ります。

 

「食らえ! 『ギラ』」

「チィ……アノ、スライムガ、ヤッカイダナ」

 

 スラきちの呪文で、沢山のモンスターを攻撃してる様子を見て、オークがイラついています。

 そして、武器を構えると、スラきちに襲い掛かります。

 

「ヌウン!」

「いで!」

 

 突然のオークの攻撃に、スラきちがダメージを食らいました。

 

「スラきち! 今、やくそうを使うね!」

「いてて、油断してた」

 

 キットは、スラきちにやくそうを使います。

 他の皆も、森からやってくるモンスターを倒していますが、その数の多さに押され気味になって行きます。

 その様子に、ソフィーが焦って言います。

 

「このままじゃ、ジリ貧よ!」

「わかってる……何か手を考えないと」

 

 次々とやってくるモンスターに焦るキット。

 その様子を、オークが楽しそうに言います。

 

「モトモト、チカクノ、ムラヲ、オソウタメニ、アツメテイタンデナ。カンタンニハ、ナクナラナイゾ」

「近くの村……? まさか!」

 

 オークの言葉に、ロルドが自分の村の事だと気付きます。

 このままだと、自分の村が大変なことになると判断しました。

 

「キット君!」

「わかっています。ただ、この状況をなんとかしないと……」

「くぅ!」

 

 頼みの綱のキットも、モンスターの群れに、防戦するしかありません。

 ロルドは、このままじゃ死ぬことに、恐怖を覚えてしまいます。

 

(嫌だ! 死にたくない! キット君、何か無いのかい?!)

 

 キットのお陰で、戦えるようになっていたので、無意識の内に頼りっきりになってしまったロルド。

 そして、そんなキットが危険な状況になったので、弱気になってしまいました。

 

(誰か……助けてくれ)

 

 ロルドが、助けを願っていたら。

 

「うきゃ! うきゃきゃきゃ! うきゃ!」

「へ……?」

 

 先ほど仲間になった、ぷんぷん丸が独り、叫びながらモンスターの群れに突っ込みます。

 突然の行動に場が混乱します。

 

「ぷんぷん丸、何を?!」

「ぷんぷん丸君?」

「うきゃ! うきゃ! うきゃきゃ!」

 

 ぷんぷん丸は、持っている剣と盾で音を鳴らし、こっちに来いよと、モンスター達に挑発をしています。

 その様子に、モンスター達の敵視がぷんぷん丸に向きます。

 

「オイ! ナニヲシテイル! ネラウノハ、ガキノホウダ!」

「うきゃ! うきゃ! うきゃ!」

「ぷんぷん丸! 危ないよ!」

 

 オークも焦って命令しますが、森のモンスター達はぷんぷん丸を狙います。

 その様子を見て、ロルドは考えます。

 

(無謀すぎる……あのままじゃ、死んじゃうだぞ?! 怖くないのか?!)

 

 ロルドはぷんぷん丸の行動を、考えます。

 

(何故だ……? キット君を守る為なのか? 違う! 彼がオークを倒せると信じている。だから集中できるように囮になったのか!)

 

 その行動は、仲間を守る為に立ち向かう、自分の目指している勇者の様でした。

 

(それに、引き換え俺は……自分より小さい少年に頼りっきりになって……)

 

 自分の先ほどまでの行動を思い起こし、とても恥に思いました。

 そして、改めてキットの方を向きます。

 キットの様子は、無謀な行動をするぷんぷん丸を止めようと、必死です。

 

(そうだ! 俺が出来ることをするんだ!)

 

 そして、ロルドはキットに声を掛けます。

 

「キット君!」

「はい?!」

「君はこのまま、オークを倒すんだ!」

「ロルドさん?!」

 

 突然のロルドの指示に、キットは戸惑います。

 そんなキットを無視して、ロルドは続けます。

 

「俺はこのまま、ぷんぷん丸君と一緒に、森のモンスターを引き受ける!」

「な! 危険ですよ!」

「ああ、危険だ! だが、このままだと全員やられてしまう!」

「それはそうですが……」

 

 突然の事に、渋るキットをロルドが言います。

 

「仲間を頼る。君が言ってくれた言葉だ」

「!」

「俺達は君がオークを倒すと信じている! だから、君も俺達が役目を果たせることを信じてくれ!」

「……わかりました。本当に気を付けてくださいね!」

「ああ、なるべく早くオークを倒してくれよ!」

 

 そういって、ロルドはぷんぷん丸と共にモンスターの群れに突っ込みます。

 その様子を見て、キットは袋を取り出して、指輪から道具を取り出し袋に詰めてから、ソフィーに投げ渡します。

 

「ソフィー、コレを!」

「わっぷ! 何コレ?」

「いろいろ道具入っているから、ロルドさんの援護をお願い!」

「了解!」

 

 ソフィーはキットの指示を聞いて、ロルドに付いていきます。

 そして、オークの方を向いて皆に言います。

 

「皆! ロルドさんとぷんぷん丸を助けるために、こいつを倒すよ!」

「おう! 新入りに負けられないぜ!」

「ぴぃ!」「キキ!」「チュウ!」

 

 皆が気合十分でオークに戦いを挑みます。

 ロルド達の挑発を受けなかった、2体のおおきづちと共に、オークがこちらを見ます。

 

「タカガ、2タイデ、トメレルト? スグニ、シンデ、キサマモ、スグニ、オナジバショニ、オクッテヤル」

「それは、どうでしょうね? ロルドさんは勇者を目指してる人ですから、案外と全部倒すかもしれませんよ」

「ワラワセルナ!」

 

 オークが再度、襲ってきました。

 オークはおおきづちと一緒に、攻撃を仕掛けてきた。

 

「ぬお?! 同時攻撃かよ!」

「ヌウン!」

「いで!」

 

 スラきちはおおきづちの攻撃を避けることはできたが、続くオークの攻撃をくらいました。

 

「スラリン、スラきちを回復して!」

「ぴぃ!『ホイミ』」

「助かったぜ!」

 

 スラリンの回復呪文で、スラきちが回復します。

 それを見て、オークの怒りが増します。

 

「チィ! ネラウナラ、アッチノ、スライム!」

「やらせるか! 『ギラ』」

「グゥ!」

 

 スラリンに狙いを向けようとしたオーク達を、スラきちの呪文が襲います。

 キットは続けて、指示を出します。

 

「ロジャー、ピンキー。取り巻きのおおきづちを倒して!」

「キキ! 『ドルマ』」「チュ!」

 

 スラきちの呪文と、ロジャーとピンキーの攻撃でおおきづちを倒しました。

 その状況にオークは焦ります。

 

「ナニヲシテイル! ウシロノ、ザコヲ、ハヤクタオシテ、コッチニコイ!」

 

 オークが叫びますが、その声に答えるものは居ません。

 その様子にオークが狼狽します。

 

「バ……バカナ!」

「よし! 皆、総攻撃だ!」

「おう!」「ぴぃ!『メラ』」「キキ!『ドルマ』」「チュウ!」

「フザケルナ!」

 

 オークを全員で攻撃します。

 それに抵抗するように、オークも負けじと反撃をしますが、多数に無勢なので、どんどん不利になっていきます。

 

「クソ! ホ、ホイ……」

「させるかよ!」

「グハ!」

 

 得意の回復呪文を満足に唱えらず、そして……

 

「コンナ……コンナ、ザコドモニ……」

「相手の強さを見誤った、貴方の負けです。皆!」

「バカナ……ガハ!」

 

 全員の攻撃を受けて、オークは倒れます。

 オークを、倒した。

 

「よっしゃ! 俺たちの勝ちだぜ!」

「ぴぃ♪」「キキ♪」「チュウ♪」

 

 スラきち達は勝利に喜んでいます。

 しかし、キットがそれを止めます。

 

「皆! まだだよ。ロルドさんとぷんぷん丸を助けないと!」

「って、そうだった!」

 

 キットに指摘されたので、2人が戦っている方に向かいます。

 そこには、地面に倒れこんでいる、2人の姿がありました。

 

「ロルドさん! ぷんぷん丸!」

「やべぇ……スラリン! 回復呪文をしてやれ!」

「ぴぃ『ホイミ』」

 

 2人を見たキットは、急いで駆け寄り、スラきちはスラリンに回復呪文の指示をします。

 

「ロルドさん、ぷんぷん丸。しっかりしてください!」

「う……やぁ、キット君……勝てたんだね……」

「よかった、生きてる……」

「あたりまえでしょ」

 

 弱っていますが、生きていることに安心したキット。

 それに対してソフィーが後ろから声を掛けてきます。

 

「ソフィー! 何処に行って……それは?」

「やくそうよ。アンタ達がオークを倒したら、モンスター達はすぐに撤退していったわ」

「そっか。間に合ったんだね」

「まぁ……そうね」

 

 微妙な表情でソフィーが呟きます。

 その様子に、疑問を覚えたキットが聞きます。

 

「どうしたの?」

「えっとね、確かにモンスターの数は凄くて、最初の内は私もアイテムを使って援護していたのよ」

「うん」

「でもね、敵は連携なんてまったくしなかったから、同士討ちも起きて、敵同士で喧嘩を始めちゃってたの」

「はい?」

 

 その事を聞いて、状況を飲み込めないキットは聞き返します。

 

「なら、2人はどうして、こんなになっているの?」

「その喧嘩に巻き込まれて、攻撃を避けるのに体力を消耗した感じね」

「なにそれ……」

 

 キットは思わず、呆れて呟いてしまいました。

 その事を裏付けるように、スラきちが言いに来ます。

 

「ぷんぷん丸のやつ、疲れて眠っているぞ~」

「ほらね?」

「……」

 

 安堵と呆れの、何とも言えない気持ちになったキットでした。

 

 

 

 少し休憩して2人が回復したので、祭壇の水を汲みに戻ってきました。

 そこには、オークが倒れているのでした。

 それを見て、ロルドが恐怖を覚え言います。

 

「消えてない……ぷんぷん丸君みたいに起き上がるのか?」

「そうなったら、キット、どうするの?」

 

 ソフィーがキットに起き上がったらどうするか聞いてきます。

 キットは悩んでいます。

 

(仲間にする? でも、さっきまでの発言からして危険な相手だし、リスクがデカいな……見逃すもの、ロルドさんの村を危険にさらすだけだ……ここは一思いにトドメを……ん?)

 

 倒れて動かないうちに、トドメを刺すことを決めてオークを見ると、顔の近くに黒い石のような物を見つけました。

 その黒い石は、禍々しい気配を放っています。

 その事をソフィーに聞いてみます。

 

「ソフィーさん、ソフィーさん。あのオークの顔辺りにある、黒い石はなんでしょうか?」

「黒い石? ……うわ! 何あれ?!」

「どうしたんだい?」

 

 キットに言われてソフィーが見てみると、その禍々しさに驚きます。

 ソフィーの驚きに、その気配を特に感じないロルドが聞いてきます。

 

「黒い石? あれかな? とって来ようか?」

「やめなさい!」

「たぶん、危険な物だと思いますよ」

「ごめんなさい……」

 

 危険性を理解できないロルドの行動を2人が強めに止めます。

 モンスター達も、アレの気配を感じて近づきません。

 

「それで、ソフィーにも判らない物なんだけど、どうしよう?」

「どうしようって、あのままじゃ不味いけど、触りたくないし……」

「だよな……」

 

 キットが悩んでいると、スカウトリングに違和感を覚えてきます。

 

(なんだ? 指輪が温かくなってきた?)

 

 スカウトリングが熱を持ってきます。

 そこで、リングを付けている指を黒い石に向けると、さらに強くなってきます。

 

(近づけってことなのか? 怖いんだが……)

「キット? どうしたの?」

 

 キットの行動に、ソフィーが心配して聞いてきます。

 キットはスカウトリングの状況を説明します。

 

「あの黒い石にこの指輪を向けると、反応してるんだ」

「それ本当なの?」

「実際熱くなってるし、もしかしたら何かあるかもしれないし、近づいてみるよ」

「本気なの?!」

「だ、大丈夫なのかい?」

 

 キットの発言に2人が驚いています。

 キットも怖いはずなのに、何故か大丈夫な感じがします。

 

「大丈夫だと思うけど、もしも僕が変わったら、皆で僕を止めてね」

「ちょっと?!」

「キット君?!」

 

 キットは、スカウトリング着けてる指を、恐る恐る黒い石に近づけます。

 そして、10センチくらいになると、スカウトリングに黒い石が吸い込まれていきました。

 

「うお?!」

「ちょっと大丈夫?!」

 

 その様子を心配してソフィーが近づいて来ます。

 キットは自分の体に変化が無いか、確かめてからソフィー達の方を向きます。

 

「……今のところは変化無し」

「本当なの?」

「指輪も変わった所は……道具欄の大事な物の所に今の石が入ってる」

「それは大丈夫なの……?」

 

 キットはスカウトリングを触り、画面を見ると、道具欄にマークが付いています。

 道具欄の大事な物の所に、名称不明の物体と書かれていて、触れてみると先ほどの石でした。

 

「名称不明。効果も不明。とりあえず、様子見だね」

「可笑しくなったら、すぐに言いなさいよ」

「キット君。君はもう少し自分を大切にした方が良いぞ」

「心配してくれて、ありがとうございます」

 

 キット達はとりあえず、石の事は様子を見ることにしました。

 そして、オークの方を向きます。

 

「さてと、このオークにトドメを刺そうか」

「良いのかい?」

「こいつはロルドさんの村を襲おうとしていたんですよ? そんなモンスターを見逃すのも危ないですよ」

「そ、そうか」

「仕方ないわね」

「! キット!」

 

 オークの危険性をロルドに説いて、トドメを刺そうと説明してる時に、オークの様子を見ていたスラきちがキットを呼びます。

 オークを見ると、気がついたのか起き上がろうとしています。

 

「皆! 戦闘準備!」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」「チュウ!」「ぎひ!」

「わかった!」

「気を付けなさいよ」

 

 オークがゆっくりと起き上がってきます。

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