DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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石板の世界からの帰還

 キット達は、ここに最初に来た場所の付近に戻ってきました。

 そして、ロルドが嬉しそうに言います。

 

「ようやく戻ってこれた。この先に進んで森を出れば、俺の村まですぐこそなんだ」

「この先?」

「あ~……こうなっているのね」

 

 ロルドは、自分の村までの道を示すように指を指します。

 そこには道が無く、大木で塞がれています。

 キットが首をかしげて、ソフィーが納得しました。

 そして、キット達に提案します。

 

「キット君、それに他の皆も、お礼をしたいから、俺の村に来てくれないか?」

「えっとですね……」

「大丈夫だよ! 確かにモンスター達の心配もあるかもしれないけど、俺が頑張って説得するよ!」

 

 キットの答えに、ロルドはモンスターが村に来るのは混乱が起こると思って、遠慮していると判断した。

 キット達が問題しているのは別の事なのだが、それをどう説明するか悩んで、答えます。

 

「いえ、お気持ちだけでも受け取っておきます」

「なぜだい?!」

「やっぱり、モンスターを連れて無用な混乱を起こすのは不味いですし、そして、ロルドさんは黙って、この森に来たんですよね?」

「それは……」

 

 キットの指摘に、ロルドが言葉を詰まらせます。

 それに畳み掛けるように言います。

 

「黙って森に来た、村の仲間がモンスターを連れて、しかもその操られていた親玉と一緒に来た。どんな説明しても理解が得られにくいかと」

「確かに……でも、君は」

「別にお礼が欲しくてやったわけじゃないんです。たまたま村を救う結果になっただけですよ」

「キット君……」

 

 キットの言葉に、少し悲しそうな顔をするロルド。

 そんなロルドを元気付けるように、キットが言います。

 

「どうですか? なんか、勇者ぽくないですか?」

「え?」

「静かに問題を解決して、静かに去る……これも1つの勇者の形みたいでかっこよくない?」

「キット君」

 

 その言葉に、ロルドは表情を変えて言います。

 

「ずるいな……君は、そんなこと言われたら何も言えないじゃないか」

「ごめんなさいね。でも、俺が目指しているのはモンスターマスターだから、そこは安心してください」

「ははは、それはどうも」

 

 そしてロルドは、納得した顔で言います。

 

「わかった。ただ、俺だけでもお礼を言わせてくれ。村を救ってくれて有り難う」

「どういたしまして。ロルドさん、お元気で」

「君達も気を付けて」

「体に気を付けなさいよ~」

「強くなれよ~」

 

 

 お互いに別れの挨拶をして、ロルドは大木の中に消えていきました。

 

 キットは、ロルドが消えた場所に手を当てます。

 ロルドのように擦り抜けず、そこには大木があるだけです。

 この事についてソフィーに尋ねます。

 

「ねぇ、ソフィー。コレって」

「ここまでが、この石板の領域なんでしょうね。これ以上は行けないって事よ」

「なるほど」

「まぁ、しょうがないさ。俺達も戻ろうぜ」

「そうだね」

 

 キットは、自分達の場所に戻るためにルーラを唱えようとしました。

 ふと見ると、ゴロウがロルドの消えた方向を見ています。

 

「ゴロウ。どうしたの? もしかして、道が見えるの?」

「はい、恐らくですが、私はこの世界の住人だからでしょうね」

「……戻りたくなったの?」

「いいえ、それはありません。ただ……」

「ただ?」

 

 ゴロウが、少し貯めてから言います。

 

「ロルド殿が強くなるのが楽しみだと、そう思っただけです」

「あ、はい」

「ご心配おかけして申し訳ありません」

「いや、武人なんだね」

 

 ゴロウの武人気質に、感心したキットはルーラを唱えます。

 

「それじゃ、行くよ! ルーラ!」

 

 キットが呪文を唱えると、光に包まれて消え……ずに何も起きません。

 その状況にスラきちが不思議そうに答えます。

 

「何も起きないぞ?」

「あれ? ルーラだよな」

「それは間違いない」

 

 キットが混乱していると、ソフィーがバツが悪そうな顔で言います。

 

「ごめん、言い忘れてた。キットの場合は、スカウトリングのメニューから発動になってるの」

「それを先に言ってくれない?!」

「本当にごめん」

 

 キットは顔が赤くなりながらも、メニューを操作して、今度こそルーラを発動させます。

 そして、光に包まれて、キット達が消えました。

 

 

 

 光が晴れると、そこは台座の間でした。

 

「戻って来たんだね」

「そうね」

「いや~なかなかの冒険だったぜ!」「ぴぃ!」「キキ!」「チュウ!」「ぎひ!」

「ほう、ここがそうなのですか」

 

 全員思い思いの感想を言って、人心地を付けます。

 いろいろありましたが、帰って来た安心間で一杯です。

 

「うお!」

「ちょっと、どうしたの?」

「体の痛みが消えたぞ!」

「精霊樹の回復の力なのかな?」

 

 仲間達全員のHPとMPが回復した。

 これには、皆が喜んでいます。

 

「おお、体の怠さが消えていく感じですね」

「ぴぃ♪」「キキ♪」「チュウ♪」「ぎひ♪」

「ああ、そうだな……て、嫌な予感が」

 

 この流れは、前にも似たようなことが会ったので、スラきちがキットの方を向くと、台座の近くにキットが居ました。

 その事に、ソフィーも気づいて言います。

 

「キット! さすがにもう一周はやめとかない?!」

「そうだぞ! 体力はあれだけど、精神は疲れているんだから!」

「え? ああ、うん。そうだね」

 

 キットは、2人の発言に驚きつつ答えます。

 

「大丈夫だよ。今回は他にやりたい事があるから、流石に行かないよ」

「そうか、良かった。……今回は?」

「それってつまり?」

「時と場合によっては、周回はあります。あ、この出っ張りだな」

「「マジかよ」」

 

 キットの発言に、2人が驚愕します。

 キットは、台座の出っ張りを押して、石板が外れるのを確認して回収しました。

 そして、部屋の入り口に向かいます。

 

「それじゃ、この鍵を返して、昨日のダンさんの所に向かおうか」

「了解」

「まぁ、周回よりマシか」

「マスター殿に従います」

 

 キット達は部屋を出て、扉に鍵を閉め、受付に鍵を返しに向かいました。

 

 

 

 鍵を受付に返した後、皆の要望で小休止を挟んだ後、ダンの居る道場兼格闘場に飛んだ。

 

「ルーラってかなり便利だな!」

「移動時間の削減は、正直ありがたいよ」

「それじゃ、中に入りましょうか」

 

 中に入ると、昨日とは違い、他のモンスターマスターらしき人物が、自分の連れているモンスターと会話しているのが見えました。

 キット達は、登録をしてもらう為に受付のアンリの所に向かいます。

 

「こんにちは」

「こんにちは。此処には登録に来たの?」

「はい。お願いできますか?」

 

 キットの返事に、アンリは笑顔で答えてくれます。

 

「了解。すぐに準備するから、マスター証を出していてね」

「わかりました」

 

 アンリに言われたように、キットはマスター証をカウンターの上に取り出します。

 アンリはマスター証を受け取った後、キットに書類を渡します。

 

「それじゃ、闘技場の方で説明を受けたと思うけど、ここに座右の銘を書いといてくれる?」

「はい」

 

 キットは言われたとおりに、書類を書いて渡します。

 

「ありがとう……これでいいの?」

「はい」

「……了解したわ」

 

 キットから返された書類に書かれている文字を見て、アンリは少し複雑な顔をして受け取りました。

 そして、次に別の書類を取り出します。

 

「それじゃ、次はコレを見て貰ってもいいかな?」

「はい。コレは……Fランク昇格試験?」

 

 キットが、渡された書類を見て疑問を言います。

 アンリが、その事を笑顔で説明します。

 

「それじゃ、説明するわね。まず、君はGランクのマスターになった。そこまではいいわね?」

「はい」

「それでこの証に、書いて貰った座右の銘と、ランクを刻印するんだけど、ついでに昇格試験を受ければ、そのままFランクで刻印できるの」

「はい?」

 

 キットは、アンリの言葉に、思わず疑問の声を上げてしまいます。

 

「キット君の気持ちは分かるよ。そんな面倒な事しなけりゃいいんじゃないかって」

「ええまぁ……」

「実際、私もなんでこんな事するのか分からないのよ。ただ、規則で決まっているの」

「規則ですか……」

 

 キットは、あんまり納得していない表情でアンリを見ています。

 すると、後ろから誰かが声を掛けてきました。

 

「まぁ、追加の適性試験だと思ってくれればいいよ」

「ダンさん。休憩ですか?」

「ああ、前半の分は終わったよ」

 

 アンリに聞かれて、ダンは答えました。

 ダンの言ったことをキットは聞きます。

 

「こんにちは、ダンさん。適性試験って?」

「こんにちは。その書類を見て貰ったら分かるけど、その試験って大会ルールを教えるためにやっているんだ」

「大会ルールですか?」

 

 キットは言われたとおりに、書類を見てみます。

 書かれた内容はこうでした。

 1(出場モンスターの数は、サイズで合計4枠まで。控え交代無し)

 2(アイテム使用は禁止)

 3(試合時間は1試合、試合用の砂時計が落ちきるまで。時間になったら審判の判断で勝敗が決まる)

 4(途中回復は無し)

 以上のルールを守り、連続で3勝すれば合格である。

 そして、下の方に名前を書く欄がありました。

 

「これが、大会ルールですか」

「そうだよ。他の昇格試験も同じ感じだからね」

「なるほど」

 

 キットは、少し考えた後、書類に名前を書いて、アンリに渡します。

 

「これでいいんですか?」

「お、早速やるんだね」

「はい。ちなみに何ですけど、もし負けた場合はどうなるんですか?」

「Fランクだと特にペナルティは無いよ。むしろ特典として、俺が特別授業をしてあげるよ」

「あ、はい」

 

 ダンが嬉しそうに言って、キットは負けないように頑張ろうと思った。

 

「それじゃ、俺は準備するから、中に入って待っててくれないか?」

「わかりました」

 

 ダンは、控室の方に行きました。

 キットは皆の所に戻ります。

 

「それじゃ、帰って来て早々だけど、戦闘準備だよ」

「聞いてたぜ。サクッとクリアしてやろうぜ!」

「ぴ!」「キキ!」「チュウ!」「ぎひ?」

「お任せを」

「それじゃ、私は、昨日みたいに観客席で応援しているわ」

「ありがとう」

 

 ソフィーと別れて、キット達は闘技場の方に向かいます。

 闘技場に入ると、昨日と違い、他のマスターと思われる人物がチラホラと見えます。

 キット達は、メンバーを考えます。

 

「それで、誰が出るんだ?」

「よーく考えたけど、今のままでいってみようかなって」

「ってことは、俺と、スラリンと、ロジャーと、ゴロウか」

「ぴ!」「キキ!」

「分かりました!」

 

 選ばれたメンバーは、気合十分で待ちます。

 そして、ダンが3組のモンスターを連れてやってきました。

 

「お待たせ、早速試合を始めて良いかい?」

「はい、よろしくお願いします」

「それじゃ、これよりFランク昇格試験を始める! 最初の組、前へ!」

 

 ダンの掛け声で、1組目のモンスター達が前に出ました。

 最初の相手は、はなカワセミ、はりせんもぐら、おばけキャンドル、モコッキーです。

 ダンが、腕を上げます。

 

「それでは、始め!」

 

 ダンが腕を振り下ろして言います。

 その合図を持ってキットは指示を出します。

 

「はなカワセミ、モコッキーの順番で狙って!」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」

「承知!」

 

 キットの指示を受けて、全員が攻撃を始めます。

 

「いくぜ! 『ギラ』」

「せい!」

 

 スラきちの呪文で全体にダメージを与えた後、オークの一撃がはなカワセミに当たり撃破しました。

 

「ぴ!」「キキ!」

 

 スラリンとロジャーも、モコッキーに攻撃をして、倒します。

 相手のモンスターの反撃が来ます。

 

「シャ!」「ケケ『メラ』」

「あだ! あつ!」

「スラきち!」

「大丈夫だ!」

 

 スラきちは、はりせんもぐらとおばけキャンドルの集中攻撃を受けますが割と余裕そうです。

 キットは次の指示を出します。

 

「なら、スラきちとゴロウは、おばけキャンドルを攻撃。スラリンとロジャーは、はりせんもぐらを呪文攻撃で戦って!」

「おう!」

「承知!」

「ぴ! 『メラ』」「キキ『ドルマ』」

 

 先ほどのギラと合わせて、キットの指示で残りのモンスターも倒しました。

 

「そこまで! 勝者、キットと仲間達!」

 

 ダンの掛け声で、1回目の試合を突破します。

 倒されたモンスター達に、ダンがアイテムを使い、回復をしてから、壇上から下がって行きます。

 

「昨日も思ったけど、さすがだね。それじゃ次の組、前へ!」

 

 ダンの掛け声で、次のモンスターが前に出ます。

 次のモンスターは、ドラゴンキッズ、リザードキッズ、ベビーパンサー、ばくだんベビーです。

 壇上に並びなおして、ダンが腕を上げます。

 

「それでは、次の試合、始め!」

 

 ダンの掛け声の後、すぐにキットが指示を出します。

 

「スラきちは攻撃呪文、他の皆はドラゴンキッズを集中狙い!」

「よし! 『ギラ』」

「ぴぃ!」「キキ!」

「承知!」

 

 キットの指示で、スラきちは呪文で攻撃し、追撃のスラリンとロジャーがドラゴンキッズを襲います。

 3匹の攻撃を受けて、ドラゴンキッズが倒れました。

 

「ふむ……ならば! せい!」

 

 ゴロウは、スラきちの呪文で1番ダメージが多い、ベビーパンサーを狙い、倒します。

 相手からの反撃が来ます。

 

「ビィ!」「シャ! 『ヒャド』」

「ぬう!」「キィ!」

 

 ばくだんベビーのいわなげがゴロウに、リザードキッズの呪文がロジャーに当たりました。

 

「大丈夫か?!」

「これくらい、余裕です」

「キィ!」

 

 2匹のダメージはそこまで無いようです。

 キットはそれを見て続けて指示を出します。

 

「なら、スラきちとゴロウはリザードキッズを攻撃、ロジャーはばくだんベビーに呪文攻撃、スラリンはスラきちに回復呪文を」

「ぴ! 『ホイミ』」

 

 スラリンは回復呪文を唱え、光がスラきちを包みます。

 

「ありがとう! いくぜ!」

「了解しました!」

 

 スラきちとゴロウの攻撃がリザードキッズを襲い、それに耐えられず倒れます。

 

「キキ! 『ドルマ』」

「ギビ!」

 

 ロジャーの呪文攻撃が、ばくだんベビーを襲いますが、ぎりぎり耐えられました。

 ばくだんベビーは、ロジャーに攻撃してきますが。

 

「ビィ!」

「キー」

 

 ロジャーはうまく飛んで躱します。

 

「よし! スラリンはゴロウに回復呪文。後は全員攻撃だ!」

「ぴ 『ホイミ』」

「感謝します! せい!」

 

 ゴロウは、スラリンの回復呪文を受けた後、ばくだんベビーを攻撃して倒します。

 

「そこまで! 勝者、キットと仲間達!」

 

 ダンの掛け声で2回目の試合も突破しました。

 これでキット達は、HPを満タンにさせて、最後の試合に臨むことができました。

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