DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
試合が終わり、ダンが回復アイテムを使ってモンスター達を下げます。
「さすがだね。次に勝てれば君もFランクだ! 最後の組、前へ!」
ダンの掛け声で、最後のモンスター達が来ます。
最後のチームはぶちスライム、おおにわとり、ファーラットです。
最後のチームが並んだのを確認して、ダンが腕を上げます。
「それでは、最後の試合、始め!」
ダンの合図で戦いが始まりました。
キットはすぐに仲間達に指示を出します。
「皆、まずはぶちスライムとファーラットを単体攻撃で先に倒すんだ!」
「了解だぜ!」「ぴぃ!」「キキ!」
「承知!」
キットの指示でスラきちとロジャーが、ぶちスライムに攻撃します。
「食らえ!」「『ドルマ』」
2匹の攻撃で、ぶちスライムは耐えられず倒された。
ゴロウとスラリンもファーラットを攻撃しようとしたが先に動かれました。
「『バギ』」
「うお!」「ぴぃ!」「キィ!」
「ぐ!」
風の刃が全員にダメージを与えてきます。
スラリンとゴロウが反撃をします。
「『メラ』」「せい!」
ファーラットは攻撃を受けたが、まだ倒れなかった。
そして、おおにわとりが攻撃してきます。
「コケ!」
「ぬう!」
ゴロウにおおにわとりの攻撃が当たり、異変が起きます。
「なん、だ? 眠気が……zZzZ」
「ゴロウ?! そうか、『ねむり攻撃』か!」
ゴロウはおおにわとりのねむり攻撃を食らい、眠りの状態異常を食らってしまった。
キットは、落ち着くために深呼吸をして、次の指示を出します。
「スラリンはゴロウに回復呪文、ロジャーはファーラットに攻撃、スラきちはテンションを溜めるんだ!」
「分かったぜ!」「ぴ! 『ホイミ』」「キー! 『ドルマ』」
キットの指示に従って、皆が行動します。
ロジャーの攻撃呪文で、ファーラットは倒れました。
おおにわとりの攻撃が来ます。
「コケ―!」
「ぴぃ!」
おおにわとりがスラリンに攻撃をしますが、うまく躱します。
「スラリン、よくやった!」
「ぴぃ♪」
キットに褒められてスラリンは嬉しそうです。
そして、次の指示を出します。
「スラリンは防御、スラきちとロジャーはテンションを溜めるんだ!」
「お、おう!」「キキ!」「ぴ!」
キットの指示にスラきちが戸惑いつつ、皆が従います。
そして、おおにわとりが行動を始めようとした時。
「コッケー!」
「な、なんだ?!」
「テンションが上がった? 特性か!」
おおにわとりの『ときどきテンション』が発動して、テンションの乗った攻撃が来ます。
「コケ!」
「やばい! 寝ているゴロウに向かった!」
おおにわとりの攻撃が、眠って動けないゴロウに当たります。
「コケー!」
「zZ……むがぁ!」
「ゴロウ! 大丈夫か?!」
その一撃を食らって、目を覚ますことが出来たゴロウですが、ダメージも大きい。
キットは、心配して声を掛けます。
「大丈夫です! まだ、戦えます!」
「わかった。皆、反撃に行くよ!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」
ゴロウが起きたので、反撃の為の指示を出します。
「スラきちはギラ、ロジャーはドルマ、ゴロウは攻撃、スラリンはメラだ!」
「おっしゃー!」「ぴぃ!」「キキ!」
「承知!」
全員で一斉攻撃をします。
「食らいやがれ! 『ギラ』」「ぴぃ! 『メラ』」
「コケー?!」
スラきちの、テンションの乗った攻撃呪文とスラリンの攻撃呪文が当たり、おおにわとりが驚きます。
「キー! 『ドルマ』」
「コケ?!」
ロジャーのテンションの乗った攻撃呪文で、体勢を崩してしまい、その隙をゴロウが狙います。
「よくもマスター殿の前で醜態を晒してくれたな! ドリャー!」
「ゴケ!」
ゴロウの怒りの一撃が、おおにわとりに当たり、ついにおおにわとりを倒します。
「コ、コケ……」
「よし! 皆よくやった!」
「そこまで! 勝者、キットと仲間達!」
ダンの合図で最後の試合も突破します。
そして、ダンはキットに近づいて宣言します。
「3回勝利したことにより、キット選手のFランク昇格試験は合格である!」
「キット、やったぜ!」「ぴぃ♪」「キキ♪」
「マスター殿! おめでとうございます!」
「皆、ありがとう」
ダンの宣言を聞いて、仲間達と喜びを分かち合います。
そんな、彼らにダンは言います。
「おめでとう、キット君」
「ありがとうございます、ダンさん」
「それじゃ、俺はモンスター達の治療があるから、後の事はアンリさんの所に向かってくれ」
「わかりました。皆、行こうか!」
キットは仲間達を連れて受付の所に向かいました。
会場を出ると、ソフィーと合流します。
「キット、おめでとさん。これで、Fランクね」
「ソフィー、ありがとう。ダンさんに、受付に向かうように言われたからいくよ」
「オッケー♪」
受付に着くと、アンリが笑顔で待っていました。
「キット君、Fランク昇格試験合格おめでとう」
「ありがとうございます」
アンリに、お祝いを言われたので、キットはお礼を言います。
アンリは、マスター証を取り出すと、キットに渡します。
「これが、更新したキット君のマスター証よ、確認してね」
「ありがとうございます」
キットは、渡されたマスター証を見ます。
マスター証には、何も書かれていなかったランクの所が、Fと読める文字が刻印されています。
さらに、キットが書類に書いた、座右の銘の所にも文字が刻印されています。
「確かに、僕のマスター証です」
「よかった。それじゃ、次にこれを渡しておくわ」
「これは?」
アンリが取り出してきたのは、小さな袋と1枚の紙でした。
アンリが取り出した物の説明をします。
「これ等のアイテムは今回昇格したので、そのお祝いのアイテムよ」
「ありがとうございます」
キットは袋の中身を見ると、回復や冒険のお助けアイテムなど少ないですが、入っていました。
そして、紙の方を眺めていると、アンリが説明します。
「そっちのは、石板の交換所の引換券よ」
「石板の交換所ですか?」
「そうよ。石板系の入手方法の1つで、今回みたいに試験合格で引換券を貰えたり、石板の世界でも入手したりと様々あるの」
「なるほど、そうなんですね。今度行ってみます」
キットは袋の中に一緒に入れて、懐に入れる振りをして指輪に収納します。
そして、アンリが次の説明をする為に、資料を取り出します。
「それじゃ、次はEランク昇格試験を受ける為の条件を説明するわね」
「昇格試験の条件ですか?」
「そうよ。これから各ランクの昇格試験を受けるには、それぞれ決められた条件を達成する必要があるの」
「なるほど」
アンリが資料をキットに見せて説明します。
「Eランク昇格試験を受ける条件は2つ。1つは同ランクのマスターとの対戦回数が5回になる事。もう1つは、此処で定期的に開催されている、Fランク大会で優勝すること。この何方か1つを達成すれば、Eランク昇格試験を受けれるようになるわ」
「わかりました。1つ良いですか?」
「何かしら?」
キットは、アンリに質問します。
「その条件を達成して、Eランク試験に落ちた場合はどうなるんですか?」
「その時は、もう一度条件を達成すれば、再試験を受けれるようになるわよ」
「わかりました」
キットは、聞いたことを忘れない様に、後でメモをしようと思いました。
そして、アンリが聞いてきます。
「それで、どうしますか? 今日は無理ですけど、今登録するなら明日のマスター同士の対戦に参加できますよ」
「えっと、少し待っていただけますか」
「はい」
「あ、この資料お借りしてもよいですか?」
「はい。どうぞ」
キットは、受付から資料を借りて、皆の所に行きます。
皆に受付で聞いたことを、資料と一緒に説明します。
「と言うことなんだ」
「なるほどな。キットはどうするんだ?」
「早速登録して、他のマスターと戦ってみる?」
「う~ん……そうだな」
スラきちとソフィーの質問に、キットは少し考えてから答えます。
「大会の方に挑戦してみようかと思う」
「理由は?」
「今回の試験で、割とヤバい場面があったし、もう少し皆を鍛えたいんだ」
「俺は賛成だぜ!」「ぴ!」「キキ!」「うぎ」
「私も賛成です」
仲間全員がキットの考えに賛成します。
それを見て、ソフィーが納得します。
「皆やる気十分みたいね。それじゃ、早速登録してきたら?」
「了解。行ってくるよ」
キットは、受付の方に戻り、資料を返して言います。
「アンリさん。Fランク大会の方に登録したいのですが、良いですか?」
「お、挑戦者だね♪ 大丈夫、問題ないわ。次の開催日を確認するわね」
「お願いします」
アンリは、次の開催日を確認するために、書類を確認しています。
「次の開催日は3日後ね。時間は午後の方が開いているけどそれでいい?」
「はい、よろしくお願いします」
「了解。午後で登録しておくわね」
アンリは、書類を書くとそれを収納しました。
「それでは、アンリさん、また3日後に来ます」
「はい、忘れない様に気を付けてね」
キットは受付から離れて、皆の所に向かいます。
「それじゃ、そろそろ行こうか」
「おう」
「次は何処に行くの?」
「とりあえず、アイテムをいくつか補充して、今日の所はエレナさんの牧場に戻ろうかな。新しく仲間になった、彼らの紹介をしたいから」
「承知しました」「うぎ?」
キット達は、出発をしようとした。
しかし、その前にスラきちがキットに聞いてきます。
「そういや、証の座右の銘は何て書いたんだ?」
「あ、私も気になる」
スラきちの質問に、ソフィーも同じ気持ちで言います。
「ああ、見てみる? はい、どうぞ」
キットは、2人に見えるようにマスター証を見せます。
スラきちとソフィーがのぞき込みます。
「え~っと、「やられたら、倍返し」……なんだこれ?」
「あ~……なるほどね」
スラきちは、よく分からない顔をして、ソフィーは、意味が分かり、微妙な表情をしています。
その様子に、スラきちがキットに聞いてきます。
「何でこれにしたんだ?」
「詳しくは言えないけど、まぁ、家庭の事情ってことで」
「よくわからんが、悩みが有るなら相談に乗るぜ!」
「ありがとう。そうだね、そのうち話すよ」
キット達は、改めて道場から出発することにしました。
アイテムを補充を終えて、キットはルーラで、牧場まで戻ってきました。
「到着したね」
「エレナさんは、どこかしら?」
今回は、エレナが牧場の入り口で待ってはいなかったので、辺りを見回すとスラきちが何かに気付きます。
「ふんふん……旨そうなニオイがするから飯の準備だな!」
「あ、こら! 待ちなさい!」
スラきちが一目散に小屋の方に向かい、それをソフィーが追いかけて行きます。
その様子を眺めていた他の皆は、キットに聞きます。
「マスター殿。我々はどうすれば?」
「とりあえず、スラきちとソフィーを追いかけようか。ゆっくりとね」
「承知しました」「ぴ」「キー」「チュ」「ぎ!」
キットの言葉に従って、小屋の方に移動しました。
スラきちは、小屋に着くとドアを力強く開けます。
「エレナ! ただいま! 腹減った!」
「スラきち、おかえりなさい」
スラきちのその行動に慣れているのか、エレナは普通に返します。
それに続くようにソフィーも入ってきます。
「エレナさん、ただいま戻ったわ」
「ソフィーさん、おかえりなさい。ソフィーさんが戻って来たってことは……」
「エレナさん、ただいまもどりました」
キットの声が入口の外から聞こえて来ました。
エレナは、一旦鍋をコンロから外して、キットを対応するために入り口に向かいます。
「キットさん、おかえりなさい。新しいモンスターを仲間にしたのですね」
エレナは、新たなモンスターを見てキットに聞きます。
キットは、エレナに紹介をします。
「はい。オコボルトのぷんぷん丸とオークのゴロウです」
「これからお世話になります」「うぎ」
キットに言葉に続けて、2匹はエレナに挨拶をします。
「この牧場の経営者兼管理をしているエレナです。何かありましたら、スラきちに言ってくださいね」
「わかりました」「うぎ」
こうして、牧場に新たな仲間が増えました。
そして、エレナは食事の準備をする為に、スラきちに言います。
「スラきち。新しく入ったモンスター達に牧場中を案内してあげて」
「え~……」
エレナの指示に、スラきちが不満声を出します。
「文句言わないの。やってくれたら、ご飯を少しおまけしてあげるから」
「お前ら、俺が案内してやるぜ!」
「現金なやつね」
エレナの言葉に、スラきちはやる気を出します。
その様子をソフィーが呆れて言います。
「スラきち。僕も手伝うよ」
「お、ありがとうな。キット」
「なら、私はエレナさんの方を手伝うことにするわ」
「ありがとうございます。ソフィーさん」
キットとソフィーも仕事を手伝いながら、時間が過ぎて行きました。