DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
牧場に仲間達を案内した後、キット達は食事を始めました。
「よっしゃー! 飯だ!」
「スラきち、ってもう食べ始めている」
スラきちは、すでに自分のさらに盛り付けされた料理を、すぐに食いつきました。
その様子を、苦笑して皆が見ています。
「まぁ、気持ちは分かるけどね。キット、私達もいただきましょう」
「うん。エレナさん、いただきます」
「はい。今日も頑張って作りました」
エレナに挨拶して、キット達は食事を始めました。
「おいしい! 昨日よりも味が良いわ!」
「おう! しかも、具材も多いぜ!」
ソフィーとスラきちが、喜んで感想を言っています。
その言葉を聞いて、エレナは嬉しそうです。
キットの方を見ると、静かに食べています。
「よかった。キットさん、いかがですか?」
「ん。エレナさん、とても美味しいです」
「よかった。あまりに静かだったので、お口に合わなかったのかと」
キットが、2人を違う反応をしているし、昨日の事があったので、少し心配したエレナ。
その心配を払拭する為に、キットが答えます。
「いえ、美味しいので、早くお替りしないと、食いしん坊スライムに全部食べられそうだなって思って」
「ああ、確かにその恐れがありますね」
「なんだと?!」
「日頃の行いのせいよ」
こうして、皆が笑いあい、楽しい食事会は過ぎて行きました。
食事会が終わり、今日のあった出来事を、一部省いてエレナに話します。
「石板の世界は、そんな感じになっているんですね」
「おう、なかなかすごかったぜ」
最初の視界が晴れると森だったことを話し。
「そのロルドさん、勇者になれるかしら?」
「そこは、本人の努力次第ね」
森で会った、勇者を目指す男の話。
そして、Fランク昇格試験を合格した話になりました。
「キットさん。Fランクおめでとうございます」
「ありがとうございます」
「何か、お祝いをすればよかったのですが……」
「いえいえ、今日のご飯で十分ですよ」
エレナの言葉に、キットは十分だと感じています。
その様子を見て、スラきちが提案します。
「そうだ! エレナ、3日後にFランク大会があるんだけど、それに優勝したら、お祝いしようぜ!」
「なるほど! それはいい考えね、スラきち!」
スラきちの提案に、エレナは気合を入れました。
そして、キットの方を見てエレナが言います。
「キットさん。私、応援に行きますね!」
「あ、ありがとうございます」
エレナの圧に、キットは止める事はできそうにありません。
そして、少し考えてからキットは言います。
「それじゃ、お祝いをしてもらう為に、優勝を目指そうか、スラきち」
「よっしゃ! 楽しみだぜ!」
「私も楽しみなんだから、がんばりなさいよ」
こうして、今日あった事の報告会は終わりました。
日も落ちて来たので、キットとソフィーは帰る事にしました。
ですが、その前にやる事があります。
「エレナさん。スラリンとロジャーを連れて行きたいのですが、良いですか?」
「はい? キットさんの仲間なので問題ないですけど、こんな遅くに何方まで?」
「えっとですね……」
キットがどう答えるか悩んでいると、ソフィーが助け舟を出します。
「実は、キットの家の近くに、害獣がいるかも知れないから、念のための護衛を欲しいのよ」
「そうなんですか?!」
「ちょ、ソフィー?!」
ソフィーの嘘に、エレナが驚いています。
それについて、スラきちが疑問を言います。
「なんで、スラリンとロジャーなんだ? それこそ皆で行けばいいじゃんか?」
「だったら良いんだけどね。実はキットがモンスターマスターやっていること、家族に内緒なのよ」
「なんで何だ?」
「あ~……」
スラきちの疑問に、キットが悩んでいると、ソフィーが更に嘘を並べます。
「今日みたいに、キットって隠れヒーロー見たいなのが好きなのよ。だから、内緒に害獣を処理したいのよ」
「ぶははは! なるほどな!」
「ふふ、そうなんですね」
「あ、あははは……」
(ソフィー……覚えていろよ……)
ソフィーの言葉に、スラきちとエレナが納得して、キットが照れたように笑います。
そして、スラきちがさらに聞きます。
「マスターが内緒なのはわかった。でも、なんでスラリンとロジャーなんだ?」
「それは……キット、何でなの?」
ソフィーも、この質問に対しては分からないので、キットが答えます。
「やっぱり、誤魔化すのが1番楽だからかな」
「誤魔化す?」
「他のだと、大きすぎて家族にバレそうだし、スラリンとロジャーなら、頑張れば服とかに隠せそうだから」
「なるほどな」
キットの答えにスラきちは、ようやく納得しました。
「それでは、スラリンとロジャーを連れてきますね」
「よろしくおねがいします」
エレナが連れて来るために、牧場に向かいました。
少し待って、エレナがスラリンとロジャーの2匹を連れてきました。
「連れてきました、キットさん」
「ぴぃ?」「きぃ?」
エレナに、なぜ連れて来られたのか分からない2匹が、疑問の声を出します。
キットが、ソフィーの話に合わせて2匹に説明をします。
「というわけで、2人に着いて来て欲しいんだけど、良いかな?」
「ぴ!」「キ!」
2匹は、了解したという感じで鳴きます。
その様子を見て、キットはお礼を言います。
「ありがとう。それじゃ、ソフィー頼むね」
「オッケー。スラリンとロジャーはキットの近くにいてね」
ソフィーの言葉に従って、2匹はキットの側で待機します。
それを見て、ソフィーが準備します。
「それでは、エレナさん。また明日」
「またね~」
キットとソフィーが、別れの挨拶をし、エレナとスラきちがそれを返します。
「はい。キットさん、ソフィーさん、また明日」
「スラリン、ロジャー、がんばれよ!」
「ぴぃ!」「キキ!」
全員の挨拶が済んだので、ソフィーが呪文を言います。
「『ルーラ』」
光がキット達を包み込み、光と共に、キット達も飛んでいきました。