DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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ちいさなメダルと増えた報酬

 神殿に戻り、受付で鍵を貰った後、森の石板を攻略をして、次に試練の石板を攻略してる時。

 キットの宝箱に対しての警戒行動が成果を出す時が来た。

 

「わ! ……うお!」

「きゃあ!」

「宝箱が動き出した!」

 

 宝箱はひとくいばこの擬態で、キットの大声で驚いて逃げるように動き出した。

 そして、逃げる時にアイテムをいくつか落として行きました。

 その様子を見て、ソフィーが呟きます。

 

「本当に宝箱に化けているのね。……全然分からなかった」

「ああ、ちょっとビビった」

「同じく」

 

 キットはひとくいばこが落としたアイテムを回収します。

 その中に、モンスターコインとは別の柄の金貨がありました。

 

「お! これはまさか」

「どうしたのよ?」

 

 キットが見つけた物に対して嬉しそうな反応をしたので、ソフィーが聞きに来ます。

 キットが持っている金貨は、星のマークが書かれています。

 

「何よコレ? モンスターコインじゃないし、ゴールドでも無いみたいだし」

「ちょっと待ってね。俺の予想が正しければ……」

 

 ソフィーの疑問に、キットは金貨をリングに収納して確認します。

 そして、アイテム欄に追加された名前を見て、確信します。

 

「やっぱり! 『ちいさなメダル』だ!」

「……何それ?」

 

 キットの答えを聞いても、ソフィーはよく分からないのか聞いて来ます。

 

「この『ちいさなメダル』を集めている愛好家が何処かに居て、その人に一定枚数渡すと、アイテムと交換してくれる……はず!」

「はずって、そんな物好きな人本当にいるの?」

「たぶん……」

 

 途中で自信を無くしていくキットに、スラきちが答えます。

 

「そういえば、国の何処かにそんな物を集めて欲しいって話を昔聞いた気がする」

「マジなの?!」

「スラきち、それは何処で見たの?!」

 

 スラきちの言葉に、ソフィーが驚き、キットが場所を聞きます。

 しかし。

 

「さすがに覚えてないよ」

「そっかー……」

 

 キットはスラきちの答えを聞いて落ち込みます。

 その様子を見て、スラきちが言います。

 

「でも、エレナなら何か知っているかも? 帰ったら聞いてみようぜ」

「そうだね。そうしよう」

 

 特訓が終わったら、エレナに詳しい話を聞くことに決めて、キット達は探索を続けます。

 ある程度モンスターコインが集まる頃には、スタミナとMPが少なくなって来ました。

 

「そろそろ戻らない?」

「そうだね。これ以上は危険か」

 

 ソフィーの提案を聞いて、キットはコインを入れる箱のある場所を目指します。

 箱の場所に着くと、集めたモンスターコインを入れて行きます。

 今回は枚数は多く、中には銀色のコインが数枚確保できました。

 

「報酬がどれぐらい増えるか、楽しみね♪」

「確かに♪」

 

 キットはコインを入れ終わると、箱を閉じます。

 目を閉じて、光が収まるまで待つと、宝箱が出現しました。

 宝箱を見て、その変化に気付きます。

 

「宝箱の装飾がさっきと変わってないかしら?」

「うん。少し豪華になってる」

「早く開けてみようぜ!」

 

 キットは、宝箱を開けてみます。

 ゴールドの入った袋とアイテム袋が2種類ありました。

 

「おお! ゴールドの袋がかなり重いぞ!」

「やったわね!」

「それとアイテムだけど、リングに入れたら『ちいさなこうら』が2つと『レッドの証』だ」

「こうらは素材アイテムだって分かるけど、証って?」

 

 ソフィーの質問に、キットが答えます。

 

「証を使うと、仲間モンスターに新しいスキルを覚えさせることができるみたいだ」

「なぬ! 俺も覚えることができるのか?!」

 

 キットの説明にスラきちが反応します。

 

「やってみるね。……駄目だ、使えないみたい」

「ちくしょー!!」

 

 期待を裏切られたので、スラきちは落ち込んだ。

 キットは慰めるように言います。

 

「でも、今回の特訓でレベルが上がって、新しい特技と呪文を覚えたじゃん」

「そうなんだけどさ……他のやつらと違うってなんかさぁ~」

「あ~……」

 

 スラきちの言葉に、キットは何も言えなくなりました。

 ソフィーが話題を変えます。

 

「今日は疲れたし、この辺で終わらせない? エレナさんにも聞きたい事あるからさ」

「そ、そうだね。そうしよう」

 

 ソフィーの提案に賛成して、キット達は試練の石板の世界から脱出しました。

 

 

 

 神殿を出て、道具の補充や、市場で食料を購入してから、エレナの居る牧場に戻って来ました。

 エレナは牧場の入り口に居て、出迎えをしてくれました。

 

「おかえりなさい。キットさん。ソフィーさん。スラきちもご苦労様」

「ただいま戻りました。エレナさん」

「エレナさん。ただいま~」

「お~う……」

 

 エレナはスラきちが元気が無いのが気になります。

 

「何か遭ったのですか?」

「ええっと、色々と……あ、新しくはなカワセミの『フラワー』が仲間になりました」

「ピピピ」

 

 キットはエレナに、新しく仲間になったモンスターを紹介します。

 エレナは頷き、スラきちに言います。

 

「分かりました。スラきち、皆を牧場に案内してあげて」

「お~う……お前ら、コッチだぞー!」

 

 スラきちは、エレナの言う事を聞いて、牧場に連れて行きます。

 その態度に、エレナはキットに聞きます。

 

「素直に聞いた……やはり何か遭ったんですね」

「その事も含めて、色々お話ししたい事が有るので、後で説明しますね」

「わかりました。中へどうぞ」

 

 エレナと一緒に、家の中に入りました。

 

 

 

 中に入って、食事の準備が終わる頃にはスラきちもやって来ました。

 食事の事で頭がいっぱいになったので、元気を取り戻ります。

 

「メシ~♪」

「はいはい。牧場の皆にも上げるから手伝ってね」

「おう!」

「僕達も手伝います」

「そうね」

 

 キットとソフィーも手伝い、終わらせた後食事を始めます。

 食事中にスラきちの元気が無かった理由を知りました。

 

「そんなことが有ったんですね……」

「ああ。一応他の方法でも覚えれないか試してみたんだけど、無理だったぜ」

 

 キットのリングのアイテム欄から直接使用以外にも、試してみましたが効果が現れませんでした。

 その事に対して、キットも不思議がります。

 

「最初はエレナさんから貸し出しだから駄目なのかと思いましたけど、何か違う気がするんですよね」

「う~ん……そういえば」

 

 キットの言葉で、エレナは何か思い当たる事が有った。

 

「私が10歳の誕生日の時に、父がスラきちを連れて来てくれたんですけど、その時に「このスライムは特別なんだぞ」って、言ってました」

「エレナさんのお父さんがですか?」

「はい。あ、父は元々はモンスターマスターだったのですが、引退して母と一緒にこの牧場を始めたんです」

「なるほど。特別なスライムですか……」

 

 今は居ないエレナの両親の事を、あまり詳しく聞かない方がよさそうだと判断したキットは、スラきちの方に話題を変えます。

 ソフィーもその事を理解して、それに乗っかります。

 

「ただの食いしん坊なスライムにしか見えないけど」

「なんだと!」

「まぁまぁ」

 

 ソフィーの言葉を聞いて、スラきちが怒ります。

 キットは話題を変える為に、別の事を聞きます。

 

「エレナさん。『ちいさなメダル』を集めている人の話を聞いた事ありませんか?」

「『ちいさなメダル』とは?」

「こちらなんですけど」

 

 キットはリングから、『ちいさなメダル』を取り出してエレナに見せます。

 エレナはそれを眺めて、思い出すように考えます。

 思い出したのか、エレナが話します。

 

「そうだ! 確か市場の掲示板で見ました!」

「掲示板ですか?」

 

 エレナに掲示板の事を詳しく聞きます。

 市場に大きな掲示板が有り、色々な人が連絡やお願い事などを書いた紙を貼る場所だ。

 夕方に市場に訪れた時に、そんな物があった事をキットは思いだします。

 

「そういえば、そんな物があった気がしたな……」

「明日の朝にも市場に行くので、その時にその紙を回収してきますね」

「ありがとうございます」

 

 エレナにお願いして、牧場での食事会は終わりました。

 

 

 

 食事を終えたのでキットは帰る事にしました。

 その時に、エレナにゴールドを渡します。

 

「エレナさん。コレをどうぞ」

「はい。わかっ……!」

 

 キットがいつもの感覚でリングからゴールドを出しますが、エレナの様子が変わりました。

 なぜか、固まってしまったのです。

 

「あの? エレナさん。大丈夫ですか?」

「もしも~し」

 

 ソフィーもエレナの顔の前に行って、手を振りますが反応が有りません。

 そして、エレナをよく観察して言います。

 

「……なんか、気絶してる」

「なんで?!」

 

 ソフィーの言葉を聞いて、キットは思わず突っ込んでしまいます。

 スラきちがため息を吐いて、エレナが気絶した理由を言います。

 

「そりゃなぁ……昨日までそんなに多くなかったのに、こんな大金を行き成り出されたらエレナなら気絶するぜ」

「あ」

 

 スラきちに言われて、キットは自分が机に出したゴールドの数を確認します。

 いつもモンスターを倒して稼ぐ量はそこまで多く無い。

 稼いだゴールドから、アイテムを補充した分を引いて、それから半分くらいにしたのを、リングのメニューから入力して出してエレナに渡します。

 つまり、キットは数値上でしか見ていないし、今まで少なかったので実感がなかった。

 だが、今回は試練の石板の報酬がゴールド稼ぎが一気に増えたのだ。

 そして、エレナに渡すゴールドの量も増えたのだが、その量が今まで質素の生活をしていたエレナに対して気絶してしまったのだ。

 

「しかし、立ったまま気絶って出来るんだ……」

「どうするの?」

「このままじゃ危ないから、エレナさんをベッドに移動させよう」

 

 ソフィーに言われて、エレナをベッドにベッドに移動させることにします。

 キットはスラきちに言います。

 

「俺じゃエレナさんを移動させることができないから、ゴロウに頼むか」

「だな。それじゃ牧場に行くか」

 

 キットとスラきちはゴロウを呼びに牧場に行きました。

 

 

 

 牧場に行き、ゴロウとついでにピンキーも呼んで、ゴロウに頼んでエレナをベッドに移動させます。

 そして、キットは帰る時に連れて行く仲間をゴロウとピンキーにします。

 

「2人共よろしくね」

「チュウ」

「了解しました」

 

 この2匹にした事に、スラきちが聞いて来ます。

 

「ピンキーはギリ大丈夫だと思うけど、ゴロウはデカくて駄目だったんじゃ無いのか?」

「実は家と別の拠点を見つけてね。そこならゴロウくらいの大きさなら問題なくなったんだ」

「なるほどな」

 

 キットの説明にスラきちは納得して、2匹を見送ります。

 

「ピンキー、ゴロウ。がんばれよ!」

「チュウ!」

「お任せを!」

 

 ゴロウとピンキーはスラきちの言葉に元気に返事をした。

 そんなやり取りをしていたら、ソフィーがゆっくりと飛んで来た。

 

「あ、ソフィー。エレナさんは?」

「駄目ね……しばらく起きそうに無いわ」

「そっかー……」

 

 ソフィーはエレナの様子を見ていたが、ショックが大きかったようで、起きなかったようだ。

 

「挨拶したかったんだけどな……」

「俺がエレナに言っておくから、気にすんな」

「おねがいするね。スラきち」

 

 スラきちにエレナの事を任せて、キットは帰る事にします。

 ソフィーの周りに集まり、ソフィーが呪文を唱えます。

 

「それじゃ、行くわよ。『ルーラ』」

 

 ソフィーの呪文で、キット達は元の世界に戻ります。

 

 

 

 キット達は小屋に戻って来た。

 

「ソフィー。悪いけど外の周りの様子を見てくれない?」

「わかったわ」

 

 キットに言われて、ソフィーは小屋の外に行きます。

 ゴロウとピンキーは小屋の中をキョロキョロ見ています。

 

「此処が……マスター殿の住居なのですか……?」

「チュウ……」

「まさか」

 

 ゴロウの疑問に、キットは否定します。

 キットは、市場で買ったゴロウとピンキーに合うローブを取り出して2匹に渡します。

 

「チュウ?」

「マスター殿。コレは?」

「この街にモンスターが居ると混乱が起きるから、このローブを着て誤魔化すんだ」

「なるほど。分かりました」「チュウ!」

 

 キットの言葉に従って、2匹はローブを来ます。

 次に、キットは大きな布とスコップを出します。

 

「ゴロウはこの布で、そこの遺体を包むのを手伝ってくれる? ピンキーはソフィーに確認して、人が居なかったらこの小屋の裏に穴を掘ってくれる?」

「遺体? ……なるほど、この匂いの原因はそれでしたか。分かりました」

「チュ!」

 

 2匹はキットの指示に従って、作業を始めました。

 遺体を包み、ゴロウが小屋の裏手に持って行きます。

 ピンキーと一緒に皆で穴を掘ります。

 穴を掘りながら、キットは説明をしました。

 

「なるほど。大体の事情は分かりました」「チュウ」

「うん。それで、エレナさんに秘密にしてくれる?」

「マスター殿の指示に従います」「チュウ」

 

 2匹は了解の返事をして、穴を掘り続けます。

 穴掘りが終わり、遺体を穴に入れて、上から土を掛けます。

 そして、木で作った墓標を立てます。

 キットはその墓標に頭を下げて言います。

 皆も一緒に頭を下げます。

 

「遅くなりましたが、お墓を立てました。貴方には昔お世話になりましたが、小屋をお借りするためにまたお世話になります。何時か恩を返せるまでここでお休みください」

 

 キットは顔を上げて、皆の方を向いて言います。

 

「それじゃ、今日の作業を始めようか」

「わかったわ」

「はい!」「チュ!」

 

 キットは皆の返事を聞いて、小屋に入ります。

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