DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
メダルおじいさんの家を出て、ソフィーが話しかけてきます。
「何と言うか……胡散臭い人だったわね」
「だな」
ソフィーの言葉に、スラきちが同意します。
「でも、景品はちゃんと貰えたよ?」
「それは、そうだけど……」
キットの言葉にソフィーは一応納得します。
スラきちは、メダルおじいさんから貰った袋の中身が気になります。
「ところで、中身はなんだったんだ?」
「私も気になる」
「見てみるね。……木の実と種が入ってる」
「はぁ?!」
キットが中身を見ると、ソフィーが驚いた声を上げます。
「景品って、子供のお駄賃なの?」
「う~ん……いや、もしかして」
キットはその木の実や種をリングに収納します。
そして、アイテム欄を見て、ニヤリと笑います。
「なるほどね」
「どうしたんだ?」
「何かわかったの?」
キットの反応を見て、2人が聞いて来ます。
「今回貰った物は、食べさせたらステータスを上げるタネやきのみが、1種類ずつ入ってる」
「それって、結構珍しい物じゃない!」
「マジか!」
キットの言葉に、スラきちとソフィーが驚きます。
「これは、5枚集めた時の景品も楽しみだね」
「なぁなぁ! 早速使ってみようぜ!」
「誰に使うの?」
「そうだね。皆のステータスを見て、決めるかな」
キットはメニュー画面を見ながらドーピングアイテム系を、誰に使うか決めて行きました。
神殿に行き、昨日と同じように特訓をします。
夕方まで特訓をして、牧場に帰る頃には皆(精神的に)疲れていました。
「体力は有るのに、何故か怠い……」
「こっちは両方辛いわよ……」
「お疲れ様」
牧場に戻り、牧場での作業をして、エレナの夕食を楽しみます。
「うめぇ!」
「疲れた体が癒されていく気がする~」
「大変だったんですね」
ソフィーとスラきちの様子を見て、エレナが呟きます。
キットは誤魔化すように、今日の事を話します。
「あの紙に書かれていたことは本当でした」
「それで、景品を貰えたんですか?」
「はい。今後が楽しみです」
「私、今でも胡散臭いと思ってるわ」
「俺も」
「まぁまぁ」
ソフィーとスラきちの言葉に、キットは苦笑しながら言います。
食事が終わり、キットとソフィーが帰ります。
エレナに渡すゴールドは、袋に小分けして1個ずつ様子見しながら渡したので。気絶はしませんでした。
今回は誰も連れて行かないことに、スラきちが質問します。
「今回は誰も連れていかないのか?」
「うん。明日に備えて皆の英気を養おうと思ってね」
「なるほどな」
キットの答えを聞いて、スラきちが納得します。
エレナがキットに言います。
「明日の大会がんばってくださいね。私も応援に向かいます!」
「はい。全力で挑みます」
「それじゃ、行くわよ」
ソフィーは『ルーラ』を唱え、キットとソフィーが光と共に消えます。
キット達は、小屋に戻って来ました。
ソフィーが聞いて来ます。
「それで? 今日は連れて来なかったけど、どうするの?」
「英気を養うは本当だよ。それとは別に事情があるんだけどね」
「何よそれ?」
キットの事情をソフィーが聞きます。
キットはうんざりした顔で言います。
「くだらない事だよ。家族に無能アピールするために、家にいるだけだよ」
「ああ……なるほどね」
キットの答えを聞いて、ソフィーは嫌な顔をして納得します。
そんなソフィーに対して、キットが言います。
「あれなら、ソフィーだけでも何処かに遊んできても良いよ。誰にも見えないし、あの家にいるとストレスがやばいよ?」
「気持ちは凄く有難いけど、キットを残して私だけ遊んでるなんて、逆に罪悪感でストレスになりそうよ」
「あ、はい」
キットは納得して、これ以上言わないようにします。
家に戻り、気持ちを落ち着かせながら1日を過ごします。
夜になり、部屋に戻って、キットはベッドに倒れ込みます。
「あ~……疲れた」
「本当ね」
ベッドに倒れたキットに、ソフィーも同じ気持ちで自分の寝床に行きます。
「明日に備えてさっさと寝ようか」
「そうね。ところでさ、明日の大会の自信はどう?」
「ん?」
ソフィーに聞かれて、キットは少し悩んだ後答えます。
「ん~……そうだな。勝てると良いなって気持ちかな」
「あら? 自信なさげね」
キットの反応に、ソフィーが意外そうに言います。
「そうでしょ? 絶対勝てる、なんて相手が分からないのに言うのは、何も知らない自信家か、策略を練っている天才軍師様だけだよ」
「な、なるほど」
「俺はそのどちらでも無いから、出来ることと言えば、負けない様に皆を信じて指示をしっかりすることだけだよ」
「そ、そう」
キットの言葉に、特に何も言えなくなるソフィー。
「それじゃ、おやすみ。ソフィー」
「おやすみ。キット」
2人は、眠る事にしました。
翌朝、キットは何時もの洗濯を終わらせて、ソフィーと小屋に行き、ジュモクの国に来た。
牧場に到着したら、エレナに挨拶するために家に向かう。
キット達が来たのが分かったエレナは、2人を家に招き入れて朝食を共にする。
朝食が終わり、スラきちが聞いてくる。
「キット。大会は午後からだけど、それまでどうするんだ?」
「そうだな……」
キットは少し悩んだ後、スラきちに言います。
「午後まで今回の大会に出る予定の4人と戦いの相談をしようか」
「わかった!」
キットとスラきちは牧場の方に向かうことにした。
ソフィーがキットに言います。
「私はエレナさんのお手伝いしてるわ」
「お願いね」
ソフィーと別れて、キットは今回大会に出る、スラきち、スラリン、ロジャー、ゴロウと一緒に話し合い始めます。
話し合いや、軽く運動をして時間を知らせる鐘が聞こえて来ました。
「そろそろ行くか?」
「そうだね。皆、行くよ!」
「ぴぃ!」「キキ!」
「はい!」
キット達はエレナとソフィーに合流して、Fランク道場に向かいました。
道場に着くと、そこそこの人が居ました。
「意外と人がいるんだね」
「こいつらも対戦相手なのか?」
「私やエレナさんみたいに観客なんじゃない?」
「ほわ~……」
スラきちの疑問に、ソフィーが答えます。
エレナは緊張しているのか、少し戸惑っています。
キットは受付のアンリの所に向かいます。
「アンリさん。こんにちは」
「はい。キット君、いらっしゃい。マスター証を出してくれるかな?」
「わかりました」
アンリに言われて、キットはマスター証を出して、アンリに渡します。
アンリが確認します。
「はい、確かに。コレは大会が終わるまで預かっておくね。このまま君達は闘技場の方に行ってね」
「わかりました」
キットは、アンリの指示に従い、闘技場のある扉に向かいます。
「キット。私達は客席の方で見ているからね」
「皆さん、頑張ってください!」
「はい。応援よろしくお願いします」
ソフィー達と別れて、キット達は闘技場の方に行きます。
闘技場に入ると、戦いの台の近くに他の7人のマスターとモンスターが居ました。
スラきちがそれを見て言います。
「アレが今回の対戦相手か……どんな奴らなんだろうな?」
「油断しちゃだめだよ」
「おうよ」
キット達もそのマスターが居るところに向かい、同じように待機します。
しばらく待つと、ダンが現れました。
マスター達の前に来ると、大声で言います。
「全員、注目!」
ダンの言葉に従って、全員が見ます。
「これより、Fランク大会を開催する! 名前を呼ばれた者達は速やかに上がる事!」
ダンの宣言により、Fランク大会が始まるのだった。
ダンは最初の組み合わせの名前を言った。
名前を言われたマスターの2人と、そのモンスター達が闘技場に上がった。
「おお! 始まったな!」
「うん。しっかり見なくちゃね」
「おう!」
戦いが始まり、しばらくして、勝者が決まった。
2人のマスターが降りて来て、次の名前が呼ばれる。
「第2試合。マスター「エミール」とマスター「キット」」
「お、キット! 呼ばれたぞ!」
「うん。皆、行くよ」
キットは闘技場に上がり対戦相手を見ます。
相手はキットより少し年上で、キットを見てにやにやしています。
「なんか、ムカつく……」
「落ち着いて。いつもどおりにいくよ」
「おう!」
ダンが2人の準備が整ったのを見て言います。
「それでは、試合開始!」
キットの最初の試合が始まった。
敵はドラゴンキッズが2体とコドラが2体だ。
キットは指示を出します。
「まずは、ドラゴンキッズから倒して!! ただ、スラきちは呪文じゃなくて攻撃で!」
「ん、了解だ!」
「ぴぃ!」「キキ!」
「承知!」
スラきちとスラリンが別々のドラゴンキッズに攻撃をして、ひるんだ隙にロジャーとゴロウが追撃をして、倒した。
残ったコドラ2匹が攻撃してきます。
スラきちとスラリンを狙ってきますが、素早く回避します。
「「ぎゃう!」」
「甘いんだよ!」「ぴぃ!」
そのまま反撃に全員で攻撃して、あっさりと倒します。
相手モンスターを全員倒した。
「そこまで! 勝者「キット」!」
「やったぜ!」
「よし!」
まずは1勝して喜ぶキット達。
そのまま降りて、次の試合に呼ばれるまで待機します。
スラきちが、先ほどの試合について言います。
「見たかよ? 相手のマスターの顔。すっげぇ悔しそうだったぜ」
「たぶん、スラリンとスラきちを見て、油断したんだと思う。でも俺達の戦いを見て、次の試合から油断は無くなると思うから気を付けてね」
「お、おう!」
キットの返答を聞いて、スラきちは気を引き締めます。
試合が進み、キット達の番になりました。
「第5試合。マスター「クルス」とマスター「キット」」
「よし! 行くぜ!」
「うん」
キット達は闘技場に上がり、対戦相手を見ます。
青年はキット達をしっかりと見ています。
「今度は、嫌な顔してないな」
「だね。それだけ警戒してるんだ」
「わかった」
ダンが試合開始の合図を言う。
「それでは、試合開始!」
戦いが始まった。
相手はおおきづち、とげぼうず、おばけきのこ、プークプックだ。
キットは皆に指示をする。
「スラきちは呪文攻撃、スラリンもおばけきのこにメラを、ロジャーとゴロウでおおきづちととげぼうずを攻撃!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」
「承知!」
キットの指示を聞いて、全員が動きます。
まずはスラリンが攻撃します。
「ぴ! 『メラ』」
「ぴぎ!」
スラリンのメラがおばけきのこに命中して、ダメージを受けます。
すかさず、スラきちが呪文を唱えます。
「行くぜ! 『ベギラマ』」
スラきちは、レベルが上がったことでギラが進化して、ベギラマを使えるようになった。
ギラよりも激しい炎が敵を襲う。
敵全体にダメージを与えて、先にダメージを与えていたおばけきのこを倒した。
そして、ロジャーとゴロウも攻撃をします。
「キー!」「せい!」
「ムゥ……」「ムグ……」
おおきづちととげぼうずを倒した。
残ったプークプックは慌てています。
「プ?! プピ?!」
プークプックは攻撃を躱す為に、『みかわしきゃく』を使った。
キットは指示を出します。
「スラリン、デインでトドメだ!」
「ぴぃ! 『デイン』」
「プー!!」
スラリンはデインを唱えて、光のエネルギーがプークプックを襲った。
プークプックを倒した。
「そこまで! 勝者「キット」!」
「いよっしゃあ!」
「ふぅ……」
キットは安堵の表情をした。
対戦相手は、キット達を見て驚いた表情をして拍手をして下りて行った。
キット達も下りて行く。
「後、1勝で優勝だな!」
「うん。だけど油断しないように、最後まで全力で行こう」
「おうよ!」
キット達は自分たちの相手がどちらになるのか、しっかりと観察を始めました。