DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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4章~旅商人と街道の盗賊
2つ目の石板の世界へ


 とある酒場で、男達が酒を飲みながら会話をしています。

 くだらない世間話や、周りで起きた出来事を笑いながら話している。

 そして、1人の男がある話をします。

 

「そういや、近くの街道の噂を知ってるか?」

「なんだ? 盗賊でも出るのか?」

「盗賊なら、何処でも出るよ」

「ちげぇねぇ」

 

 男の話に笑いながら耳を傾けます。

 

「なんでも、あの街道を利用した旅人や行商人が行方不明になってるんだとよ」

「それ本当かよ?」

「噂話だけどな」

「この街から出ない俺達には関係無い話だよ」

「ちげぇねぇ! ガハハハ」

 

 男達はまた酒を飲みながら、別の話題で盛り上がって行きました。

 

 

 

 朝日が昇ると同時に、キットはベッドから起き上がります。

 そして、いつも通りに洗濯を済ませて、小屋に行き、ソフィーと共に、ジュモクの国のエレナの家に着きます。

 朝の牧場の手伝いをして、朝食を頂きます。

 

「エレナさんの料理は何回食べても飽きが来ないわね」

「そうだね」

「ふふふ。ありがとうございます」

 

 ソフィーの感想に、キットが同調したので、エレナが礼の言葉を言います。

 そして、食事が終わると、スラきちが騒ぎ出します。

 

「よっしゃ! キット。早く行こうぜ!」

「スラきち、待ってね。もう少しで準備を終わらせるから」

「早くな!」

 

 新しい世界に早く行きたいのか、スラきちはキットの周りをうろうろしています。

 その様子を見たエレナが言います。

 

「そんなに体力が有り余っているなら、牧場の手伝いをしても良いんだよ? スラきち」

「あ~……そうだ! 俺、皆を集めて待っているぜ!」

「逃げたわね」

 

 スラきちは、急いで牧場の方に向かった。

 それを見たソフィーが、呆れた口調で言いました。

 

 

 

 キット達は準備を終わらせて、いつも通りエレナからお弁当を受け取って、神殿にやって来ました。

 受付を済ませて、台座の部屋に入ります。

 キットは、新しく貰った石板を取り出し、よく見ます。

 

「う~ん……」

「どうしたのよ?」

「早く行こうぜ!」

 

 唸るキットに、ソフィーとスラきちが聞いて来ます。

 キットは2人の質問に答える形で言います。

 

「ああ、ごめん。石板に書かれた絵柄を見てたんだ」

「絵柄を?」

「なんでだ?」

 

 キットの言葉に、さらに質問をする2人。

 キットは最初に貰った石板を取り出して、2人に見せます。

 

「ほら、最初の絵柄は森の絵で、行き先も森の中だったからさ」

「そういえばそうね」

「本当だ!」

「それで、今回も絵柄を見ればどんな場所か大体見当つくかなって思ったんだけど……」

 

 キットは、新しく手に入れた石板を2人に見せます。

 それを見て、2人が言います。

 

「これは、山か?」

「でも、結構地面が整備されてるように見えるし、何処かの道じゃないかしら?」

「やっぱそう思うよね?」

 

 ソフィーの感想を聞いて、キットも同じ感想を言います。

 その事に対して、スラきちが言います。

 

「それこそ、さっさと行ってみれば分かる事じゃねぇか」

「そうなんだけどさ。こんな感じで行く前に予想して、当たったらちょっと嬉しいじゃん?」

「わかるような……わからないような」

 

 キットの言葉に、ソフィーが同意するかどうか悩みます。

 キットはスラきちの言う通りに、石板を台座に嵌めます。

 石板から光の玉が出て来ます。

 

「それじゃ、行くよ」

「おう!」

「了解」

 

 キットは光の玉に触れて、石板の世界に向かいます。

 光が晴れると、左右を低い丘に囲まれて前に道が続いています。

 キット達は、周りを見回します。

 

「ついたのね」

「ここは……道なのかな?」

「恐らく、何処かの国の街道だと思います」

「そうなの? ゴロウ」

 

 ゴロウはしゃがんで地面を見ながら言います。

 その様子にソフィーが聞いて来ます。

 

「よく分かるわね」

「はい。よく見れば、人間の足跡と馬車の車輪の跡がありましたので、割と利用されているようです」

「ゴロウ凄いな」

「いえいえ。知っていただけですよ」

 

 ゴロウは照れながら言います。

 キットは前の道を見て言います。

 

「それじゃ、前に進む道しかないから、行きますか」

「おう!」

「わかったわ」

「警戒はお任せください」

 

 キット達は街道を進むことにします。

 

 

 

 少し進むとモンスターとの戦闘が始まりました。

 ドラゴンキッズ、スライムツリー、アルミラージ、おおがらすが現れた。

 キットは指示を出します。

 

「スラきちは攻撃呪文を、ゴロウはドラゴンキッズを攻撃、スラリンとロジャーは残ったモンスターを攻撃!」

「おう!」

「はい!」

「ぴぃ!」「キキ!」

 

 キットの指示を聞いて、スラきちが先に動きます。

 

「行くぜ! 『ベギラマ』」

「グギャ!」「ぴぃ!」「ブウ!」「カァ?!」

 

 火炎がモンスター達を襲い、おおがらすを倒した。

 続いて、ゴロウがドラゴンキッズを攻撃します。

 

「せい!」

「グギ……」

 

 ゴロウの一撃を受けて、ドラゴンキッズは倒れます。

 残ったモンスターをスラリンとロジャーが攻撃します。

 

「ぴぃ!」「キキ『ドルマ』」

「ぐび!」「ぴぎぁ!」

 

 スラリンの攻撃がアルミラージ、ロジャーの暗黒の攻撃がスライムツリーに当たり、それぞれ倒します。

 キット達は戦闘に勝利した。

 

「へ! 余裕だぜ!」「ぴぃ♪」「キキ♪」

「うむ」

 

 皆が戦闘が楽に終わったので、嬉しそうにしています。

 キットとソフィーも戦闘後の感想を言います。

 

「さすがね。特訓の成果も十分みたい」

「そうだね。皆凄いよ」

「へへ♪」「ぴぃ♪」「キキ♪」

「まだまだです」

 

 キットに褒められて、皆が嬉しそうです。

 ゴロウは、口では否定していますが少し誇らしいようだ。

 

「よし、先がどうなっているか分からないから、コレからは少しMPを節約しながら進もうか。ダメージの回復は、アイテムと控えのフラワーのホイミで済ませる」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」

「承知しました」

「頼むね。フラワー」

「ピピ」

 

 キットの作戦に従って、先に進むことにします。

 

 

 

 何回か戦闘をして、そこそこ余裕で勧められた時の事。

 不意に、ゴロウとロジャーが反応します。

 

「むぅ?」「キキ?」

「あら?」

「どうしたの?」

 

 キットは、2匹の突然の反応の理由を聞きます。

 

「今、人の声が聞こえました」「キ!」

「第1村人ね」

「どの辺り?」

「この先からですね」「キ! キキー!」

「ロジャー?」

「上に飛んで行った」

 

 ロジャーは高く飛ぶと、しばらく道の先を眺めています。

 そして、何か見つけたのか、鳴きだした。

 その鳴き声を聞いて、スラきちが驚いて言います。

 

「キー! キー!」

「キット! この先で人間が、モンスター達に襲われているって言ってる!」

「やばいじゃない、それ!」

「ああ! 皆急ごう! ロジャー、行くよ!」 

 

 キット達は走って、襲われている場所に急ぎます。

 急いで向かうと、モンスター達が人間を囲んでいました。

 キットはモンスター達に向かって叫びます。

 

「待て!」

「ああん?」

「おお! 助けが来た……って、子供やし! モンスターの群れもいる?!」

 

 襲われている、人物のツッコミをキットは無視して、相手に言います。

 

「今すぐその人を放せしてください。そうすれば、痛い目を見なくて済みますよ?」

「そうよ」

「なんだ? このガキは?」

 

 モンスターの一匹のリカントがキットを見て、言います。

 それを受けて、皆が相手を睨みます。

 

「け!」「ピィ!」「キキ!」

「ムゥ……」

「あん?」

 

 キットの後ろにいるモンスター達が、キットを見下したと見て怒りだします。

 それに対して、リカントは少し焦りますが、キットを見てやはり侮ります。

 

「はん! 人間の、しかも弱そうなガキに従っている、裏切り共が睨んだ所で全然怖くないぜ!」

「む……。訂正してください。僕が弱いのは否定しませんが、皆は弱くありません」

「嫌だな! おい! お前ら!」

 

 リカントが呼ぶと、その仲間が並びます。

 

「海の狂犬! シードッグ!」「ワン!」

「流浪の剣士! サーベルきつね!」「コーン!」

「凶暴な魔獣! ワンダーフール」「バウ」

 

 リカントの紹介と共に、何かしらのポーズをするモンスター達。

 

「そして、俺様は! こいつ等を纏める盗賊団のリーダ! リカント様だ!」

「我ら! 無敵の盗賊団!」「ワン!」「コーン!」「バウ」

 

 リカント達の名乗りを聞いて、キットは拍手をして言います。

 

「これは、自己紹介感謝します。僕の名前はキット。見習いですけど、モンスターマスターです。どうぞ、よろしくお願いします」

「あ、これはどうもどうも」

(なにこれ……)

 

 キットの丁寧な挨拶に、リカントも釣られて同じように挨拶します。

 そのままの流れでキットが言います。

 

「それでは皆さん。お疲れさまでした。また、次もお願いしますね」

「は~い。……じゃねぇんだよ!」

「ちぃ……駄目か」

「当たり前でしょ」

 

 キットは目論見が外れて残念がります。

 キット達の態度に、リカントが更に怒ります。

 

「手前等、ふざけやがって! 行くぜ! 野郎共!」

「わん!」「コーン!」「バウ」

 

 モンスター達が襲い掛かって来た。

 キットは皆に言います。

 

「皆、遠慮しないでガンガンやっちゃって」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」

「承知!」

 

 キットの言葉に従って、仲間達が前に出ます。

 そして、戦闘が始まります。

 キットは指示を出します。

 

「スラきち以外はワンダーフールを集中攻撃! スラきちは奴らは物理寄りだからアレを使って!」

「分かったぜ!」「ぴぃ!」「キキ!」

「承知!」

 

 キットの指示を受けて、皆が行動開始します、が。

 

「コーン!」

「ぴきぃ?!」

 

 サーベルきつねが先に、スラリンを攻撃します。

 その一撃に、スラリンが怯んで動けなくなります。

 その姿を見て、リカントが笑い出しました。

 

「ぎゃははは! いいぞ!」

「スラリン! 大丈夫?!」

「野郎!」

「お? なんだ?」

 

 スラきちが怒った様子で敵の前に出て、大きく跳ねます。

 それを見たゴロウとロジャーが目を守ります。

 

「食らいやがれ!」

「うお?! 目がぁぁ!」

「キャン?!」「ワフ?!」「ばう?」

 

 スラきちは敵の前に出て、体から強い光を放ちます。

 スラきちをじっと見ていた敵たちは、スラきちの特技『まぶしい光』を受けて、ワンダーフール以外が目をやられました。

 ワンダーフールは何が起こったのか分からず、首を傾げています。

 その隙をゴロウとロジャーが襲います。

 

「ぬん!」「キキー!」

「ばう?!」

 

 ワンダーフールはダメージを受けました。

 リカントとシードッグが攻撃して来ますが。

 

「ちぃ!」「ワン!」

「何処を狙っている!」

 

 ゴロウを狙った攻撃は、光に目をやられているので当たりません。

 

「ばう!」

「ぐぅ!」

 

 ワンダーフールだけ、食らってないので持ち前の武器でゴロウを攻撃します。

 

「ゴロウ?!」

「大丈夫です!」

 

 キットの声に、ゴロウが返事します。

 スラリンの怯みが回復して、キットは次の指示を出します。

 

「スラきちは攻撃呪文、他の皆はサーベルきつねを攻撃!」

「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」

「承知!」

 

 キットの指示を聞いて、皆が行動開始する。

 その気配を感じて、リカントがサーベルきつねに言いますが。

 

「くそ! サーベル、もう一回だ!」

「コーン!」

「甘いぜ!」

 

 サーベルきつねは、スラきちを狙いますが当たりません。

 お返しとばかりに、スラきちが呪文を唱えます。

 

「食らいやがれ! 『ベギラマ』」

「あっちぃ?!」「キャヒン?!」「ワキュ?!」「ばう?!」

 

 ベギラマの炎が敵を襲い掛かります。

 先ほど、集中攻撃を受けていたワンダーフールは倒れます。

 

「わふ~……」

「ワンダ?! くそ!」

 

 仲間を倒されて、リカントが焦った声を出します。

 そして、サーベルきつねに、スラきち以外の皆が襲い掛かります。

 

「せい!」「ぴぃ!」「キキ!」

「コーン?!」

 

 その猛攻に、サーベルきつねは倒れます。

 仲間が倒れた気配を感じて、リカントが焦ります。

 

「こうなりゃ……行くぞ! シードッグ!」

「ワン!」

 

 リカントの命令を受けて、シードッグは一緒に攻撃してきます。

 しかし、目をやられているので攻撃が当たりません。

 ゴロウを狙った攻撃は、避けられました。

 

「ワウ!」

「無駄だ!」

「理解してるぜ!」

「何?!」

 

 リカントはゴロウの横を抜けて、そのまま進みます。

 目をやられていますが、獣人特有の鼻を使い、キットの方に突っ込んでいきます。

 

「このまま、後ろのガキを捕まえれば!」

「キット?!」

「うわ!」

 

 リカントの狙いに気付いて、ソフィーが叫び声を上げます。

 キットは驚いて、尻餅をつきます。

 リカントがキットに手を伸ばします、が。

 

「捕まえ……! げどばが!」

「チュウ!」「うぎ!」「ピピピ!」

 

 キットの後ろで警戒しながら控えていた、ピンキー、ぷんぷん丸、フラワーの3匹がキットを守る為に、リカントを攻撃します。

 突然の攻撃にリカントは倒れます。

 

「バカ……な……!」

「ワウ?! ワ……」

 

 リカントが倒れた気配を感じて、シードッグが戦意喪失してしまった。

 そして、取るべき行動は1つだけです。

 

「わう~!!!」

「あ、逃げた」

 

 シードッグは、一目散で逃げて行った。

 思わず、ソフィーが呟いてしまった。

 

「一応、勝ちだね」

「最後は締まらなかったけどね」

 

 キット達は無敵の盗賊団を倒すことができた。

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