DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
休憩を終わらせて、キット達は先に進む事にします。
新たに仲間になったメッキ―を控えにします。
「ゴロウ。お願いね」
「分かりました」
街道を進んで行くと、道が二手に分かれています。
木の案内看板があり、右向きの矢印の形をした板と「この先、カルカの街」と書かれた板が付いています。
キットはそれを見て、気になったことを言います。
「左の道は何に繋がっているんだろう?」
「街で聞いた情報ですと、洞窟に繋がっていて、強いモンスターがいるそうです」
「なるほどね。それじゃ、矢印通りに右の道に向かいましょう」
「りょうか~い」
「おう」
キット達は、右の道を進もうとしますが。
「マスター殿。お待ちを」
「ゴロウ?」
「どうしたのよ?」
ゴロウがそれを止めてきました。
そして、地面を調べて、次に看板を調べ始めました。
「何か変なの?」
「この看板が刺さっている地面をご覧ください」
「地面を? ……穴が広がっている?」
「本当だ」
キット達が、ゴロウに言われたとおりの場所を見ると、看板の刺さっている部分の地面が、抜くときに手間取って左右に揺らしたように横に広がっていました。
それを見て、一度引き抜かれて、また刺されたと分かりました。
「これって、どういうことよ?」
「それは、あいつ等に聞くと良いでしょう」
「あいつ等?」
キットが、ゴロウに誰の事か聞こうとしたその時。
「ピー!」
「フラワー?」
「見つけたか」
いつの間にか空に飛んでいたフラワーが、突然鳴き出した。
ゴロウの、見つけたかの言葉を聞いて、何かを探していた事が分かります。
「あいつ等って、もしかしてさっきの盗賊団の事?」
「あのへっぽこ達?」
「はい。そこに居るのは分かっている! 出てこい!」
ゴロウが大声を上げて、フラワーに教えて貰った場所向いて大声で言います。
しかし、何も起こらなかった。
「出て来ないわね……」
「本当にいるのか?」
ソフィーとスラきちは見えないので、少し怪しんでいます。
その事に、ゴロウは呆れた声で言います。
「まさか、このままやり過ごすつもりか? ふむ、直接行くか……?」
「ゴロウ、少し待って。いい方法がある」
「良い方法ですか?」
キットは、盗賊団が隠れている場所に向かおうとしているゴロウを止めて、荷物を漁りだした。
そして、木の棒と丸い玉に長い紐が付いた物体を取り出します。
それを見て、ソフィーが聞いて来ます。
「何それ?」
「調合して作った煙玉。この紐に火を点けて、火が玉に触れると沢山の煙が出て、狼煙の代わりにもなる」
「へぇ、凄いじゃない」
「ただ、煙の量を増やすために色々組み合わせたら、催涙効果も付与されてしまった」
「だめじゃん!」
ソフィーのツッコミを聞き流して、キットは煙玉と木の棒をくっ付けます。
次に、メッキ―を呼びます。
「メッキ―。こっちに来て」
「クウ?」
キットに呼ばれたので、メッキ―は近づきます。
「この棒の部分を咥えてくれる?」
「クキ!」
メッキ―は、言われたとおりに木の棒を口で咥えます。
キットは次に、松明を取り出すと、スラリンの方を向いて。
「スラリン。火を点けて」
「ぴぃ『メラ』」
スラリンは、松明に火を点けた。
キットは、紐と松明を持って、メッキ―に言います。
「メッキ―。今から僕がこの紐に火を点ける。火が付いたら、すぐに今、口に喰われている物をフラワーが教えてくれた地点に落とすんだ。分かった?」
「クウ!」
キットの言葉を理解したのか、メッキ―は頷きます。
それを見た、キットは紐と松明を近づけます。
「それじゃ……行ってこい!」
「クウ!」
火が付いた瞬間、メッキ―は空を飛び、丘の方に飛んで行った。
そして、目当ての場所に棒付き煙玉を落として、戻って来た。
しばらくすると、煙玉が落ちた所から物凄い量の煙が出て来た。
「おぉ!」
「わぁ……凄い事になってる」
「確かに、狼煙に代わりになりそうだし、売り物にも使えそう。……催涙効果が無ければ」
「逃げる時の煙幕に使えるかと思ったけど、そもそも安全に起爆するにも時間が掛かるから、逃げながら使っても相手がその場に居ないから駄目だしなぁ……やっぱ、失敗作だな」
皆が思い思いの事を言っていると、煙の中から3体の影が飛び出して来た。
視界不良に催涙効果も相まって、丘から転がりながら降りて来たのは、先ほど襲ってきた盗賊団だった。
リカントが咽ながらもキット達を睨みつけて、叫んでくる。
「げほ! げほげほ! て、手前等……よくもやりやがったな!」「コゴホン!」「バフン!」
「居場所がバレたのに、素直に出てこないからだ」
「うるせぇ!」
ゴロウに指摘に、リカントは怒鳴った。
「こうなったら、行くぞ! お前等!」「コン!」「バウ」
リカントの合図で、サーベルきつねとワンダーフールがリカントの横に並ぶ。
「流浪の剣士! サーベルきつね!」「コーン!」
「凶暴な魔獣! ワンダーフール」「バウ」
「そして、俺様は! こいつ等を纏める盗賊団のリーダ! リカント様だ!」
先ほどと同じように自己紹介を始める盗賊団。
それに対して、ソフィーが呟く。
「知ってるし……。てか、シードッグが居ないじゃん」
「だな」
「シードッグはどうしたんですか?」
「……」
キットの質問に、リカントは黙り込み、少ししてから顔を赤くして言います。
「うるせぇ! うるせぇ! 手前等には関係無いんだ!」
(逃げられたな……)
(逃げられたのね……)
(逃げられたか……)
「何だ! その目は!」
キット達の憐れまれた目を受けて、リカントは増々怒りが上がっていく。
「もう許さねぇ! ぶっ倒す!」
「皆、戦闘準備!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」「うぎ!」
リカントの叫びを聞いて、キットが皆に声を掛けて戦闘が始まる。
「スラきちはアレを頼む、他の皆はワンダーフールを攻撃!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」「うぎ!」
キットの指示を聞いて、皆が行動を開始する。
先に動いたのはサーベルきつねだった。
武器を使った一撃をスラきちに当てる。
「コン!」
「あだ!」
「スラきち、大丈夫?!」
「問題ないぜ!」
スラきちはすぐに立て直して、前に出る。
「反撃だ!」
スラきちの言葉と共にジャンプの構えをして、仲間の皆が自分の目を守る。
それを見て、リカントが言う。
「馬鹿が! 同じ手を食らうかよ!」
「コーン!」「バウ」
リカント達も、同じ様に目を守る動きをする。
それを見て、スラきちがニヤリと笑う。
「馬鹿はお前等だ! 『スクルト』」
「何?!」
スラきちは少しだけ、飛び上がると呪文を唱える。
その事にリカントが驚いてしまう。
キットの仲間達の守備力が上がった。
「『まぶしい光』は初見の相手に、不意打ちで有効だからね。一度食らった相手なら対策されやすい」
「その対策を逆手に取って、相手の隙を生むってわけね」
「そういう事、皆!」
「ぴぃ!」「キキ!」「うぎ!」
「バグ?!」
キットの掛け声に合わせて、ワンダーフールを集中攻撃する。
効かないのに、同じ様に目を守ってしまったワンダーフールは防御も上手くできず倒される。
「バウ……」
「ワンダー?! くそ!」
リカントが自らの爪に氷の力を纏わせて、スラきちを攻撃してくる。
「痛! いけど、そこまでじゃねぇ!」
「ちぃ!」
防御力強化の呪文のお蔭で、ダメージを下げたのでリカントの攻撃を受けても、余裕のスラきち。
キットは次の指示を出します。
「スラきちは、攻撃呪文。皆はリカントを集中攻撃!」
「よし!」「ぴぃ!」「キキ!」「うぎ!」
キットの指示を受けて、全員が次の行動の準備を始める。
サーベルきつねが攻撃を開始する。
「コーン!」
「うお! って、な~ん~だ~?!」
「スラきち?!」
サーベルきつねの、魔法の力を乗せた攻撃を受けたスラきちが、突然動きが遅くなった。
「か~ら~だ~が~!」
「『ボミエアタック』か!」
「よくやった! サーベル!」
サーベルきつねの弱体化攻撃を成功させたことを喜ぶリカント。
しかし。
「ぴぃ! 『デイン』」「キキ! 『ドルマ』」「うぎ!」
「うがぁ! ぐう……」
他の皆の攻撃を受けて、何とか耐えるリカント。
そして、そのままスラきちに攻撃します。
「うらぁ!」
「ぐぅわ~!」
「スラきち?!」
「大~丈~夫!」
スラきちも、先ほどから集中攻撃を受けていますが、リカントの攻撃に何とか耐えます。
そして、お返しとばかりに反撃します。
「食~ら~え~! 『ベギラマ』」
「ぐわ!」「コーン!」
炎が敵全員を攻撃する。
その攻撃を受けて、リカントが倒れる。
「く、クソが……」
「よし! スラきち、今回復させるね!」
「お~う!」
リカントが倒れたのを見て、キットはメニューから『やくそう』を選択して、スラきちに使います。
傷が治っていくスラきちとリカントが倒されたのを見て、サーベルきつねが恐怖で下がります。
「コ、コン」
「さて、どうする?」
キットの圧力を受けて、サーベルきつねの行動は1つです。
「コーン!」
「あ、逃げた」
「まただね」
サーベルきつねは、戦意喪失して逃亡した。
盗賊団を撃退した。
「戦闘終了。皆、お疲れ様」
「おう! あ、戻った!」
「良かったわね」
スラきちの弱体化も解けて、普通の速度に戻った。
キットがスラきちの治療を終えると、リカントが起き上がった。
「ぐ……ちくしょうが……」
「また負けましたけど、どうしますか?」
「くぅ!」
キットの指摘を受けて、悔しそうにするリカント。
キットを睨みつけて。
「覚えてやがれ~!」
「さっき見た光景ね」
「だな」
リカントは、ワンダーフールを掴んで逃げ出した。
その事に対して、ソフィーが言って来ます。
「あいつ等、縛り上げて置けば良かったんじゃない?」
「スラきちの治療を先に終わらせてからにしようとしたけど、ミスったな」
「また、襲って来たらどうするの?」
「ん~……」
ソフィーの指摘に、キットは少し考えてから言います。
「まぁ、返り討ちにすればいいんじゃない? 人数はこっちが多いし、ゴロウが凄く警戒してくれるし」
「お任せください!」
「頼もしいわね……」
キットの緩い発言に、少し呆れながらもソフィーは納得します。
そして、後ろで見ていたカーラが言います。
「いや~キットさん達はとてもお強いですね」
「いえいえ」
「ところで、先ほどスラきちさんを治療する時、変な動きをしていましたが、アレはなんですか」
「あ~……」
(まぁ、見られたよな……)
気を付けていたが、やはり戦闘の行動や治療での行動でバレてしまった。
キットは少し考えた後、話します。
「他言無用でお願いしますね」
「はい! 商人は信用第一ですので。何なら契約書でも交わしますか?」
「そこまでしなくても良いでしょ。ソレを使えるのはキットだけだし」
「ほう」
カーラの言葉に、ソフィーが少し説明します。
キットはリングの事を説明します。
その説明を聞いたカーラがとても驚いた。
「持てる量は無制限。さらに、モンスター限定で使用時の手間がゼロ! なんて、凄いアイテムなんですか?!」
「上げませんよ?」
カーラの食いつきに、キットが守る様に手を隠します。
その事に、カーラが笑顔で言います。
「ええ、分かっていますよ。先ほどのソフィーさんの発言で、キットさんしか使えないんでしょ? 私が持っていても意味が無いでしょう」
「その通りよ」
「仮に使えたとしても、私自身は弱いのでソレを守り切る自信が有りません」
「まぁ、はい」
カーラの言葉に、キットは納得します。
そして、カーラが1つアドバイスをします。
「もし、同じ様に知らない人の前で何かする時は、嘘でも良いので呪文みたいな行動をするとバレにくいかもしれませんよ?」
「なるほど。参考にさせて貰います。ありがとうございます」
「いえいえ。護衛の代金だと思っていただければ幸いです」
「さすがね……」
カーラの発言に、ソフィーが少し呆れた。
キット達はまた街道を先に進む事にした。