DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
おおなめくじと戦うために、キットは皆に指示を出していく。
「スラリンはメラ、ロジャーはゾンビ斬り、ゴロウとスラきちは奴の動きを封じて!」
「ぴぃ!」「キキ!」
「おう!」
「わかりました!」
キットの指示を受けて、皆が行動を開始します。
「ぴぃ! 『メラ』」
「ん~?」
スラリンの攻撃呪文が当たりますが、おおなめくじは反応がありません。
その事に、キット達は驚きます
「効いてないのか?!」
「嘘?!」
「キキー!」
ロジャーがゾンビ斬りでおおなめくじを攻撃しますが。
「キー!」
「ん~?」
「やっぱり効いてない!」
「そんな?!」
おおなめくじは攻撃が当たっても、特に反応がありません。
と、思っていたら……。
「あつーい!」
「「「今かよ!!」」」
おおなめくじは、先ほどスラリンから食らったメラの痛みを、今感じたので叫び出した。
その事に、思わず全員で突っ込んでしまった。
「調子狂うぜ、まったく……」
「痛ーい!」
「そうかよ! オラ! こっち見やがれ!」
痛みで声を上げたおおなめくじに対して、スラきちが叫んで気を引きます。
それを聞いたおおなめくじが、スラきちを見ます。
「これでも食らえ!」
「んあ~? なんだ~?」
スラきちは『まぶしいひかり』を放ち、おおなめくじの目を封じます。
それに合わせて、ゴロウも動きます。
「食らえ! 『ボミエ』」
「なんだ~?」
ボミエを食らい、おおなめくじの動きを遅くする事に成功する。
おおなめくじが、自慢の舌でスラきちを攻撃しようとします。
「食らえ~! あれ~?」
「へへ♪ どうやら、目に焼き付いた俺の姿を攻撃してやがる」
おおなめくじは、スラきちを攻撃したつもりだが、それは『まぶしいひかり』の所為で出来た幻です。
その隙に攻撃するために、キットが指示を出します。
「よし! スラきちはスクルトを、他の皆は攻撃を!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」
「承知しました!」
キットの指示を受けて、皆が攻撃を開始します。
「ぴぃ! 『メラ』」「キキ!」「せい!」
「んあ~?」
3匹の攻撃がおおなめくじに攻撃します。
痛がりませんが、ダメージは受けています。
「とぼけた顔しやがって……『スクルト』」
「痛ーい! なんかムカムカするよー!」
「あぶね?!」
おおなめくじは怒りで暴れながら攻撃して、スラきちがそれを躱します。
その様子を見て、ソフィーがキットに声を掛ける。
「ねぇ! あいつ目が見えてないし、ボミエで動きが遅くなってるから今のうちに逃げれないかな?」
「! 試してみるか。全員一時退却!」
キットの合図を受けて、全員がおおなめくじから逃走を開始します。
が、おおなめくじはその気配を察知したのか、キット達の逃げる方向を見ます。
「逃げるな~! と~う!」
「! おおなめくじが飛びました!」
「何?! 全員足を止めて、上を見ろ!」
ゴロウがおおなめくじが飛んだ事に気付いて叫び、キットはそれを受けて指示を出す。
上を見ると、おおなめくじがキット達の居る地点に降りてくる様子が見えた。
「全員回避!」
「急げー!」
キットの指示を受けて、急いで落下地点から離れます。
そして、おおなめくじが落ちて来た。
その巨体による落下は、すさまじい物で衝撃が起き、近くの物を吹き飛ばします。
何とか直撃を免れたが、衝撃波を受けてしまい、皆飛ばされてしまう。
「うわ! ……皆、大丈夫か?!」
キットは起き上がり全員の無事を確認する。
「俺は大丈夫だ!」「ぴぃ!」「キキ!」
「私も大丈夫です!」
スクルトのお蔭でダメージを少なくしたスラきち達が、キットに返事をする。
キットはそれを確認して、次にソフィーとカーラを探す。
「ソフィー! カーラさんは無事ですか?」
「……はい、なんとか……」
「ぷんぷん丸達が受け止めてくれたお蔭で大丈夫よ~……」
「よかった……」
控えのメンバーが、ソフィーとカーラを受け止めて無事のようだ。
キットは改めて、おおなめくじを見る。
「目が見えないのに何でだ?」
「恐らく気配を感じているのでしょう。我々が逃げる時に走る振動を地面から感じて、先読みしてその場所に飛んだみたいですね」
「やっぱり、逃げれないってことか」
キットの疑問にゴロウが答えます。
そして、おおなめくじがキット達の方向に向きます。
「まだ~元気か~ムカムカするのに~!」
「やっぱ、何とか倒すしかないのか……皆、行くよ!」
「おう!」「ぴぃ!」「キキ!」
「はい!」
キット達は改めて、おおなめくじとの戦いを始めます。
「うぎぃ!」「クケー!」「チュウ!」
「んあ~?」
しばらく戦闘が続いて、前線のメンバーのダメージが大きくなったので控えと入れ替えた。
入れ替えたメンバーで戦闘しながら、スラきち達を治療する。
「皆、大丈夫?」
「痛た……まだやれるぜ!」「ぴぃ……」「キィ……」
「マスター殿、治療ありがとうございます」
スラきちとゴロウは治療を受けて、まだ戦闘の意志はありますが、スラリンとロジャーがそろそろ限界に近そうです。
その事に対して、ソフィーが言って来ます。
「スラきちとゴロウは大丈夫そうだけど、このままじゃ全滅するわよ」
「分かってる。でも、逃げるとさらに被害が大きくなる」
「そうなのよね……」
「ど、どーしましょう?!」
キットのソフィーの話を聞いていたカーラが、焦った様子で聞いて来ます。
キットは、この状況を何とかするために考えますが。
「……駄目だ。良い方法が思いつかない」
キットは頭を抱えて悩みます。
その様子を見ていたソフィーが、キットに耳打ちします。
「……最悪の最終手段なら一応あるんだけどね」
「本当なの?! ソフィー」
キットはソフィーの最終手段を聞きます。
ソフィーは言い難そうに答えます。
「私の『神ルーラ』で、逃げ出すのよ。私のはキットのと違って、戦闘中だろうが何処でも使えるのよ」
「本当なの?!」
「ただし、問題は今戦闘してる子達は連れて行けないのと……」
ソフィーはカーラの方を一度向いてから、キットの方を向いて言います。
「キット以外の他の人間を連れて行けない事よ」
「それって、つまり……」
「カーラさんと、戦闘に出てる子は見殺しって事よ」
「な! それは駄目だ!」
キットがソフィーの提案を叫んで却下します。
キットがそう言うと思っていたソフィーは、続けて言います。
「私は、アンタのサポートで派遣されているのよ。このままアンタを死なすなら実行するわ」
「駄目だ! 皆を見捨てるなんて!」
できない、そう発言しようとした時、ぷんぷん丸が吹き飛んで来ました。
「うぎゃぁぁ!」
「ぷんぷん丸?!」
キットはぷんぷん丸に近づいて、治療を開始します。
それを見ていた、ソフィーが言います。
「キット、このままじゃ」
「嫌だ!」
「キットがいくら却下しても、私は実行するわ」
「ソフィー!」
キットとソフィーの言い争いが始まろうとした時。
「あの、私なら大丈夫ですよ?」
「カーラさん?」
2人の争いを止める形で、カーラが割って来ます。
カーラは震える声で言います。
「こ、コレでも1人旅は長いから、逃げる事はできますし。最悪、道具を使えば生き残る事はできますよ」
「でも、相手はあの巨体ですよ?!」
「なんとかなりますよ。たぶん……」
「でも……」
カーラの言葉に、キットがどうすればいいか悩んでいると、今度はゴロウが言います。
「カーラ殿。1つ良いでしょうか?」
「ゴロウ?」
「何でしょうか?」
ゴロウはカーラの前に行って、聞いて来ます。
「貴方がどうゆう目的でそれを使うかは聞かないで置きます。『においぶくろ』はお持ちですか?」
「ふえ?! え、あ、はい」
「ゴロウ。何するつもり?」
キットの質問に、ゴロウは答えず、ソフィーに聞いて来ます。
「ソフィー殿。貴方のルーラは戦闘中以外の者は全員飛べるんですね」
「そうだけど、アンタまさか?!」
「カーラ殿。『においぶくろ』の使い方を教えてください。私が囮になってる間に逃げて、ソフィー殿は呪文で皆を避難させてください」
「やっぱり……」
「ゴロウ! 駄目だ!」
ソフィーは納得した顔をして、キットが怒った顔でゴロウに言います。
しかし、ゴロウはキットの方を向くと、諭すように言います。
「マスター殿。このままでは皆やられてしまいます」
「それはそうだけど!」
「貴方は此処で死んでは行けない人です。私の様な者でも見捨てない精神は素晴らしいですが、生き残るにはそれも必要なのです」
「でも……」
「私を救ってくれた恩を、ココで返させてください」
「……」
ゴロウの言葉に、何も言い返せなくなったキットは黙ってしまいます。
その様子を見て、ゴロウはカーラに近づきます。
「カーラ殿。『においぶくろ』を」
「あ、はい」
カーラはゴロウに説明するためにカバンを探します。
キットは、必死に考えます。
(ゴロウが囮にならなきゃ全滅……でも、ゴロウを見捨てて生き延びても、それじゃ駄目な気がする……でも、何か手があるわけじゃない!)
キットは、カーラとゴロウのやり取りを眺めています。
(『においぶくろ』、確か開いたらモンスターを引き寄せる道具、アレを使ってゴロウが囮に……囮?)
キットは何かに気付いて、おおなめくじを見ます。
おおなめくじは暴れながら、戦闘をしています。
「んあ~! ムカムカする~!」
「チュウ!」「クケー!」「ピピピ」
(もしかしたら!)
キットはゴロウとカーラに方を向きます。
2人は説明が終わったのかアイテムの受け渡しをしようとしている。
「それでは、こちらを」
「わかりました」
ゴロウが受け取ろうとしたその瞬間。
「駄目!」
「ふえ?!」
「な?! マスター殿?!」
キットはカーラから『においぶくろ』を奪い取ります。
その事に、ソフィーが驚いて聞きます。
「キット、何してるの?!」
「悪いけど、ゴロウの作戦は却下だ」
「マスター殿……」
キットの行動に対して、ゴロウはため息を吐いて、キットに言います。
「我儘を言わないでください。このままでは全滅するのですよ!」
「嫌だね。我儘を言わせてもらうよ」
「マスター殿!」
ゴロウの叱責に対して、キットは反論を言う。
「自分を犠牲にして仲間を救うなんてそんな、カッコ良いマネはさせない。たとえカッコ悪くとも、全員が生き残れる道を足掻いてでも探すんだ」
「カッコ良いとか、悪いとか、今はそんな事を言っている場合では無いのですよ!」
キットの暴論を、ゴロウが怒り顔で怒鳴る。
キットはそれに怯まず、ゴロウに自分の考えを言う。
「俺はモンスターマスターを目指しているんだ。例え1回でも仲間を見捨てたら、この後の冒険で何時までもそれを引きづっていく。そうなると、俺は自分の理想のモンスターマスターに成れないんだ!」
「ですがこのままだと!」
「全滅する。それは分かっているよ。だから何とかするんだよ」
「でしたら……」
「俺が考え無しでコレを奪ったと本当に思っているのかい?」
「はい?」
キットの言葉に、ゴロウが疑問の声を出す。
キットはそれに答えず、休憩中の他の仲間の方を向きます。
それに気づいたスラきちがキットに言います。
「その顔は、何か言い手を思いついたのか?」
「うん。確証は無いけど、上手くすれば全員生き残る」
キットの言葉を聞いて、スラきちが笑顔で言います。
「そうか。それで俺は何をすれば良い?」
「待ってね。ロジャーとぷんぷん丸お願いがあるの」
「キー?」「うぎ?」
キットに呼ばれた2匹が返事をします。
「疲れているところ悪いんだけど、2人はメッキ―と交代して、おおなめくじの注意を引いてくれるのを頼みたいんだけど、頼めるかい?」
「キキ!」「うぎ!」
キットの言葉に、2匹は笑顔で返事します。
「ありがとう。それじゃ、メッキ―を呼んできてくれ」
「キ!」「うぎ!」
「注意を引くのが目的だから回避を優先でお願い!」
キットの指示を受けて、ロジャーとぷんぷん丸がおおなめくじと戦っているメンバーの所に向かいます。
それを見届けたキットは、次に控えのメンバーの方を向きます。
キットはまず、スラきちに確認をします。
「スラきちは、ベギラマはまだ使えるよね?」
「ああ。後、1回くらいなら撃てるぜ」
「よし!」
スラきちの確認を聞いて、キットが頷くとソフィーが聞いて来ます。
「そろそろ、何をするのか教えてくれない?」
「そうだね。ソフィーにも手伝って欲しい事あるし」
「はい?」
キットの言葉に、ソフィーが疑問の声を上げた。