DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編   作:雨宮南雲

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ガレキの片付けで見つけた様々な物

 キット達が片づけを進めていると、メッキーが何か見つけたので呼ぶように鳴き出した。

 

「クケー!」

「何だ?」

「また、何か見つけたのかしら?」

「行ってみよう」

 

 キット達はその場所に向かうと。

 

「コイツは……」

「うわぁ……」

「そーいえば、そうだった」

 

 そこに居たのは、おおなめくじに食べられた吐瀉物塗れのリカントが倒れていた。

 それを見て、ソフィーが思わず呟く。

 

「汚い……」

「こら」

 

 ソフィーの発言に、キットが注意します。

 そして、キットは手を合わせて目を閉じて祈るようなポーズを取って言う。

 

「死者に対して、そんな事言っちゃだめだよ。せめて安らかに眠れますように……」

「いえ、マスター殿。コイツはまだ、死んでいませんよ」

 

 キットの行動に、ゴロウがツッコミを入れます。

 確かにリカントは微かに動いて、まだ生きているようだ。

 それに対してキットが。

 

「そうか。それじゃ、トドメを刺して楽にする?」

「なんでそんなに、コイツの死に積極的なのよ……」

 

 キットの発言に、ソフィーが呆れ顔で聞いて来る。

 キットはそれに対して、説明します。

 

「盗賊だから、このまま野放しにしてたら、また誰かに迷惑をかけるだろうし、今のうちに倒した方が良いでしょ」

「ふむ……」

 

 キットの説明に対して、ゴロウが少し考えてから言います。

 

「マスター殿。コイツを治療して起こしてもよろしいでしょうか?」

「えー……なんで?」

「少し聞きたい事があるのです」

 

 ゴロウの提案に、キットは少し考えて答える。

 

「んー……いいよ」

「ありがとうございます。それでは、『ホイミ』」

「うぐ……」

 

 ゴロウがリカントに回復呪文を掛けると、瀕死だったリカントがその余波で少し呻き声を上げた。

 そして、顔の血色が良くなった。

 それを見たゴロウが、リカントの上半身を起こして気合を入れて気絶から覚醒させる。

 

「ぬん!」

「んが?! な、なんだ?!」

 

 突然の衝撃にリカントが当たりを見回す。

 そして、後ろを見るとゴロウの顔があり、肩を掴まれているので驚いて飛びのいた。

 しかし……。

 

「てめぇ! 何をしやがぁ……あれれ?」

「突然起き上がって勝手に転びやがったぞ」

 

 リカントは飛びのいたが、体に上手く力が入らずそのまま地面に膝をついて倒れ込んだ。

 ゴロウは、リカントに対して落ち着いて説明をする。

 

「落ち着け。治療したとはいえまだ完全に回復した訳じゃないのだぞ」

「回復? 治療? 何を言って……」

 

 ゴロウの言葉に、説明を求めようとした時、なぜ自分が気絶したのか思い出した。

 突然の巨大なモンスター、そして、それに食べられてしまった事。

 その事を思い出してしまい、体が恐怖で震え出した。

 

「そうだ……思い出した。俺、あの化け物に食べられて……でも、生きてる?」

「マスター殿のお蔭で助かったのだ」

「感謝しろよな」

「助かった? ってことは、お前等、あの化け物を倒したのか?!」

 

 リカントは、驚いた様子で聞いてきた。

 それに対して、キットが暗い顔で答える。

 

「違うよ。運良く撃退できただけ」

「撃退?」

「ああ、運が良かっただけなんだよ……」

「キット……」

 

 それは自分に対して言い聞かせる感じの発言だ。

 キットは反省の意味を込めて話す。

 

「俺は調子に乗っていたんだ。今までの戦いに全部勝利してたから、負ける事はないって。もっと警戒するべきだったんだ。自分達より強い奴がうじゃうじゃいることに対してね」

「そんな事無いわよ。だって、沢山戦闘してレベルだって上げてきたじゃない」

「そうだぜ! だから今回も何とかなったじゃないか!」

 

 キットの発言に対して、ソフィーとスラきちが必死にフォローを入れようとします。

 しかし、キットは首を横に振って言います。

 

「それも油断の一因なんだ。此処の敵の強さがそこまで高く無いから、強敵に対しての警戒心が薄れていたんだ。その結果が今回のピンチに繋がったんだ」

「それは……」

「俺がちゃんとしていれば、皆を全滅の危機に晒さなかったんだ」

 

 おおなめくじを相手に苦戦し、下手したら全滅してた事実がキットの気持ちを落ち込ませる。

 そのキットに対して、ゴロウが言う。

 

「いいえ、マスター殿。私も同罪です」

「ゴロウ?」

「私も、自分が強くなり何処か驕りがあったかもしれません。危険の予兆は合ったのに、それに対して大丈夫だと思ったのです」

「そうだね。ゴロウやスラきちが、地面の異変に気付いていたね」

 

 キットは、少し前の事を思い出した。

 地面が変だとか、洞窟からモンスターが出てきているかも知れないとか、前兆はあったのだ。

 それに対して、キットが反省に顔を落とすと、ゴロウが言います。

 

「もっと、強く進言するべきでした。このまま進むのは危険だから止めるべきだと。そうすれば、マスター殿を危険な目に合わせなかったのです」

「それを言ったら、皆の警告を上手く理解できなかった俺の責任だよ。俺は皆のマスターなのに」

「そんな事ねぇよ! 俺も変だと思ったけど、危ないとは思わなかったし」

「ですが……」「だけど……」「でもな……」

 

 3人が其々お互いに自分悪いと言っている。

 それを見ていた、ソフィーが突然怒鳴ります。

 

「……ああもう! イライラするわね!」

「ソフィー?」

「何だ?!」

「ぬぅ?!」

 

 突然のソフィーの怒鳴り声に、思わず3人はたじろぐ。

 

「何時までもうだうだしないの! 誰が悪いだの、誰の責任だの、そんな1人の責任じゃなくて私達全員の責任でしょ! それでいいじゃない!」

「えっと……」

「大事なのは、今回の事を反省して、次こそは起きない様にする事でしょ! 違う?!」

「……次こそは起きない様にする。確かに……」

 

 ソフィーの言葉を噛みしめる様にキットは頷く。

 それを見て、ソフィーが続けて言う。

 

「確かに勝てなかったわ。でも、負けても無いわ。だって、死んでいないんだから、リベンジができるのよ」

「確かにそうだ」

「何時までも負けた事に対してグチグチ言ってないで、次は勝てるように前に進まなきゃね」

「そうだね。ありがとう、ソフィー」

 

 ソフィーの言葉に元気を貰ったキットはお礼を言います。

 そして、ゴロウとスラきちの方を向いて言う。

 

「次こそ失敗しない様に頑張るよ」

「私も、慢心を無くし精進を重ねて参ります」

「俺も頑張るぜ!」

 

 全員が次に失敗しない様に決意を新たに宣言します。

 そして、それを見ていたリカントが何故か泣いています。

 

「うおぉぉぉぉぉん!」

「何だ?! 何泣いているんだ?」

 

 思わずスラきちが聞くと、リカントが泣きながら理由を言います。

 

「今までのやり取りを見て、俺は感動したんだよぉ」

「そ、そうか……」

 

 理由を聞いて、スラきちは少し引き気味に言います。

 そして、リカントは一度涙を堪えて何かを決意したのか、キットに向かって言います。

 

「俺は決めた! 頼む! 俺もアンタの仲間にしてくれ!」

「断る」

「即答?!」

 

 リカントの頼みを、キットが即座に断ったので驚いてしまった。

 リカントは理由を聞きます。

 

「な、何故駄目なんだ?!」

「だって、君は盗賊でしょ? 悪党を仲間にするのは流石に断るよ」

「うぐぅ……」

 

 キットの理由を聞いて、リカントは思わず黙り込んだ。

 そこへゴロウが待ったをかけて来た。

 

「マスター殿。決断を出すを少しお待ちください」

「何? ゴロウ」

「先ほども言いましたが、コイツに聞きたい事が有るのです。よろしいですか?」

「ああ、言ってたね。いいよ」

 

 キットの許可を貰ったゴロウが、リカントを向いて聞いて来る。

 

「幾つか聞きたい事が有る」

「な、なんだ……でしょうか」

 

 リカントは言葉遣いを正してゴロウの質問に答える準備をする。

 

「貴様等が盗賊団を始めたのは何時から何だ?」

「えっと……俺達逸れ者が集まったのは、季節が2回巡るぐらい前だった気がする」

「逸れ者?」

 

 リカントの言葉に、キットが疑問を口にする。

 それを、リカントが説明する。

 

「元々俺は、群れに馴染めなくて1人旅をしていたんだが、同じ様な奴がいて意気投合して狩りをしながら生きていたんだ」

「なるほど」

「だけど、獲物も減って狩りで食って行くのがきつくなって、人間から奪う事を決めたんだ。それが大体、日が30回昇ったくらい前だな」

「意外と最近なんだ」

 

 リカントの話に、キットが少し意外そうにする。

 ゴロウが更に追及する。

 

「それで、人間を襲った回数は?」

「襲った回数は2回だ、です」

「少ねぇ! ……ちなみにその襲った人達はどうしたの?」

「食料を奪ったらそのまま無傷で解放した、しました。本当です!」

 

 リカントは、キットの目とゴロウの気迫を怖がって必死に弁明をします。

 その話を信じるかキットが悩んでいると。

 

「マスター殿。この話は本当だと思いますよ」

「そうなの?」

「はい。カーラ殿が言っていたじゃないですか。洞窟の危険なモンスターの噂は知っていましたが、盗賊が出る噂は無いと」

「そういえば、そうだったね」

 

 ゴロウの話にキットはカーラとの会話を思い出して納得します。

 そして、1つの結論を出します。

 

「つまり、此奴はまだそこまで悪い事をしてない、割と阿呆な奴って事?」

「まぁ……言ってしまえばそうですね」

「……余計仲間にしたくないんだけど、群れに逸れるって事は団体行動も苦手そうだし」

「むぅ……」

 

 キットの言葉に、ゴロウは何て言えば良いか悩みます。

 少し考えてから、キットに言う。

 

「ですが、戦闘能力は悪くないと思います。それにマスター殿の力に心酔しているので言う事は聞くと思います」

「う~ん」

 

 キットは、唸り声を上げながら悩む。

 悩んだ後、リカントの方を向いて言います。

 

「保留」

「はい?」

「仲間にするかどうか、一時保留にする。今はこのガレキの山を掃除するのが先だ。お前も手伝え」

「わ、わかりました!」

 

 キットの保留と言う言葉に少し戸惑いつつ、リカントはガレキの撤去をする為に動き出した。

 今までの流れを見ていたスラきちとソフィーが聞いて来る。

 

「それで、どうするの?」

「仲間にするのかと思ったんだぞ」

「俺に迷惑を掛ける分には良いんだよ。調教するからね。でも、エレナさんに迷惑を掛けるのはさすがにね」

 

 キットの発言に、スラきちとソフィーがキットの考えを理解します。

 

「だから、ガレキの掃除を手伝わせると」

「うん。ちゃんと皆と作業できるか見て、大丈夫そうならね」

「なるほどね」

「それじゃ、俺達も作業の続きをするか」

「おう!」「わかりました」「ガンバレー」

 

 キット達もガレキの撤去を再開しました。

 

 

 

 ガレキの片付けが終わり、おおなめくじに食べられた人達の持ち物も沢山見つかったので、カーラに見せた。

 カーラは鑑定を始めると段々とテンションが上がって行き、鑑定を終わらせて大喜びで鑑定物を回る様に踊ります。

 

「いやぁ~お宝の山ですよ!」

「それは良かったですね」

「沢山有るわね」

 

 キットとソフィーの言葉に、カーラは嬉しそうに返事をする。

 

「はい! ところでキットさん。これ等の品々はどうしますか? もし宜しければ私に任せてくれれば、次の街で高値で売って見せますよ!」

「あ~……」

「安心してください! 売上はキットさんが多めになる様にしますから!」

 

 カーラの提案にキットは渋い表情です。

 キットがその表情をするのは、自分達が此処にやって来た方法が問題だからです。

 

(さて、どうしようか。確かに俺だとコレだけの物を売る伝は無い。だけど、前回の世界の様子を見るに俺は次の街に行けないだろうしなぁ……)

 

 キット達がこの世界に来た時、最初の場所が街道の入り口なので、この世界で移動できる範囲は街道内だからです。

 しかし、その事をカーラに説明する事も出来ずに、どう誤魔化すか悩んでいる。

 そして考えた後、カーラに提案をする。

 

「カーラさん」

「はい! 何でしょう?」

「もし宜しかったら、これ等全部貰ってくれませんか?」

「はい? ……はい?!」

「まぁ、当然の反応よね」

 

 キットの提案に、カーラは思わず二度聞きをしてしまった。

 カーラはその理由を聞きます。

 

「なな、何故でしょうか?!」

「えっと、カーラさんの言う通り、俺にはコレだけの品物を売る伝も能力も有りません。持ってても宝の持ち腐れですね」

「はい。ですから、私が次の街で売りますと……」

「それなんですが、僕達は次の街に行く事が出来ません」

「何故ですか?!」

 

 カーラの質問に、キットは少し困った顔で答えます。

 

「すみません。その事を説明できないのです」

「出来ないって……」

「このリングと同じで、秘密です。察してくれるとありがたいです」

 

 キットのその表情を見て、これ以上何も聞き出せそうに無いと判断したカーラは、大きく息を吐いて答える。

 

「……分かりました。詳しく聞かない様にします」

「ありがとうございます」

「ただし! さすがに全部貰うのは商人としてのプライドが許しません! そもそも助けて貰って、その上でお宝を譲って貰ってはアレなので、最低でも幾つかは貰って頂きます! 少しお待ちを!」

「参ったなぁ……」

「まぁ、何か貰って気が済むなら良いじゃない?」

 

 カーラはそう言うと、鑑定した品々の方でキットに渡す物を探し始めた。

 そして、幾つか見繕って戻って来ました。

 

「キットさん! コレ何てどうでしょう? 身に着けて置いて、いざとなれば売ってお金に換えることも出来ます!」

「いやぁ~……やめときます」

「そうですか。でしたら……」

 

 カーラの持ってきたのは、宝石の付いた装飾品でした。

 キットはコレを身に着けていたら、家族に何言われるか、奪われるだけなら良いが、下手に入手経路を聞かれてキットの計画を知られるのが一番不味い。

 断られたカーラは次の品物を渡そうとした時、スラリンの鳴き声が聞こえて来ました。

 

「ぴぃ! ぴぃ!」

「スラリン?」

「どうしたのかしら?」

 

 スラリンの鳴き声を頼りに探すと、カーラが鑑定した品々の山の隣に、小さく積んでる品々の場所に居ました。

 その場所で何か見つけたのか、嬉しそうに飛び跳ねて鳴いています。

 キットはカーラにあそこに置いてある品々を聞きます。

 

「カーラさん。アレ等は?」

「ああ。アレは鑑定したけど売れそうにない、ガラクタですね」

「なるほど」

「でも、そのガラクタの山で何か見つけたのよね? 行って見ましょ」

 

 キット達はスラリンの場所に向かった。

 そして、スラリンが見つけた物見て驚きます。

 

「何を見つけたの? って、キット。コレってまさか!」

「何? ……マジか!」

「「『不思議な石板』よね?!」だ!」

 

 キット達が驚いた物は、左右に割れている『不思議な石板』だったのです。

 キットはそれを手に取って合わせて見ると、絵柄が揃いました。

 

「金属のフレームが無い所を見ると、冒険の石板なんだろうけど、これ使えるのかな?」

「さぁ……? それこそ、あの石板屋の店員に聞いてみるとか?」

「そうだね。帰ったら確かめて見よう。カーラさん!」

「はい?! 何でしょうか?」

 

 キット達のやり取りを見ていたカーラが、突然呼ばれたので少し驚きつつ返事をする。

 キットは割れた『不思議な石板』をカーラに見せて言います。

 

「僕達はこの石板を貰う事にします」

「ええ?! それ私の商人の勘が言うには値段の付かない物なので、ガラクタなんですが……」

(なるほど……そういう事か)

 

 カーラの言葉に、キットは何かに気付いたが黙っておきます。

 

「はい。俺にとっては有能なお宝なのです」

「ええ……そんな物がですか……」

「はい!」

 

 自信満々に言うキットに、カーラはそれ以上何も言えなくなります。

 そして、カーラは大きく深呼吸をして。

 

「わかりました。それでは其方をキットさん達に差し上げます。今更無しとかは無いですよ?」

「はい! あ、ついでにこのガラクタの山ももう少し調べても良いですか?」

「……どうぞ」

「よし!」

 

 カーラの許可が出たので、キットはガラクタの山を1つ1つ調べて行く事にしました。

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