DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
昼に休憩を挟みながら小屋の修理をして、ある程度終わらせる頃には夕暮れの時間になっていた。
そして、リンチがキットに告げる。
「旦那。これ以上の修理は俺達だけじゃ、道具も技術も足りませんぜ」
「そうか……分かった。壁の穴を防げたし、今回はここまでにしとこうか」
リンチの言葉を聞いて、キットは小屋の修理の中断を告げる。
「分かったわ」
「承知しました」
ソフィーとゴロウもその事を承知した。
キットは2人の返事を聞いた後、後ろを振り向いて溜息を吐いて呟く。
「さて、この余った資材どうしよう……」
「あっちで買ったので使った物って、木材だけよね」
キットがジュモクの国の市場で買った資材は木材以外、使わなかったので大量に余ってしまったのだ。
それを見て、リンチが言う。
「あれなら、椅子とか机とかを作っときますか? ここ家具なんかが無いみたいですし」
「そうだね。お願いしても良い?」
「任せてくだせぇ!」
リンチはキットに頼まれたので、張り切って作業を開始した。
それを見届けて、ソフィーが聞いて来る。
「それで、この後はどうするの?」
「夕食にしようか。簡単なスープくらいなら作れると思うから」
そう言ってキットは、鍋と五徳を用意を始める。
それを見ていたソフィーが力強く言う。
「味見なら任せなさい!」
「……了解」
ソフィーの言葉に若干呆れながらも、キットは食事の準備を始める。
食事を終えて、キットはゴロウとリンチに告げる。
「それじゃ、俺は屋敷に戻るんだけど、2人は此処で寝て貰うね」
「了解しました」
「分かりやした!」
2人は頷いて返事をする。
そんな2人にキットは確認をする。
「えっと……本当にその寝床で良いの? 一応布団と毛布を用意してるんだけど」
「問題ありません。昔から此方のやり方で慣れていますので」
「そっすね。下手に良いのだと逆に眠れそうに無さそうっス」
「ええ……」
「それはそれでどうかと思うわよ」
2人の言葉に、キットは戸惑い、ソフィーは呆れの言葉を放つ。
リンチとゴロウが寝床にしたのは、藁を地面に敷いただけの物だ。
キットは最初布団や毛布を取り出したのだが……
「それはマスター殿がお使いください」
「そうですよ。下手に使うと汚れて勿体ないですぜ」
そう言って、断られてしまったのだ。
キットはこれ以上言っても無駄だと判断して。
「分かった。ただ、欲しくなったら言ってね」
「はい。お気遣いありがとうございます」
「心配しなくても、俺達には自前の毛皮がありますぜ」
「それは……まぁ、うん」
2人に言葉にキットは何も言えなくなり、ただ頷くだけだった。
キットとソフィーは2人に改めて告げる。
「それじゃ2人共、また明日」
「ちゃんと寝るのよー」
「はい。マスター殿とソフィー殿も、お休みなさい」
「良い夢みてくださいね」
2人に分かれて告げて、キットとソフィーはルーラを使って、キットの屋敷に向かう。
屋敷について、キットは軽くうろついて如何にも家に居ましたよ? と、アピールをして自室に戻る。
そして、寝る準備をしてる時に、ソフィーが聞いて来る。
「明日はどうするの?」
「ん? 石板の世界で試験のメンバーを決めるつもりだよ」
ソフィーの質問に、キットが向うでの発言の確認なのかと答えると、ソフィーが首を振って言う。
「そっちじゃなくて、こっちの世界の方よ」
「ああ」
ソフィーの言葉の意味をキットは理解して答える。
「それなら、いつも通り森に行って薬の材料を採取して、それを売ってお金稼ぎをするつもり」
「そう、分かったわ。……でも、やる理由あるのかな?」
「何が?」
ソフィーの疑問の言葉に、キットが質問をする。
「だって、食料とか日用品なんかは向うの国で買えるのだから、態々こっちでお金を集めをしないで何か別の事をするとかじゃ駄目なの?」
「ああ、そういう事ね」
ソフィーの疑問を理解したキットは、それに答える。
「確かに、ソフィーの疑問は最もだよ。だからこそ、こっちで金を集める必要があるんだ」
「それは何故?」
キットの言葉にソフィーが質問をする。
キットは真面目な顔で答える。
「ソフィーが来る前までは、集めた金で色々買ったから貯金がほとんど出来なかったけど、ジュモクの国で色々買えるようになったから貯金が出来る様になったんだ」
「ふむふむ。それで?」
「ある程度貯金が出来れば、それを元手にこっちで情報を集めて、更に次のお金稼ぎを始めるんだ」
「成程。そういう事なのね」
キットの言葉を聞いてソフィーは納得する。
「元々は、材料の採取をしながら体を鍛えて時間かけてやる計画だったんだけど、ソフィーが来てくれたからそれが早く実行に移せそうだ」
「……そっか。なら、私も頑張って手伝うわ」
「よろしくね。それじゃ、そろそろ寝ようか」
「ええ。おやすみ」
2人は会話を切り上げて、就寝する事にした。
翌朝、起きて軽く身支度を整えたキットとソフィーは、小屋に飛んでリンチとゴロウと合流してからジュモクの国に飛ぶ。
いつも通りにエレナの家で朝食を頂き、牧場の手伝いをしてから神殿に向かう。
神殿で受付を済ませて、個室に入るとキットが告げる。
「今回は、修行兼試験のメンバーを決めるから、メンバーを変えたりする関係で長い時間戦うつもりだから覚悟してね」
「おう!」
「分かりました」
「了解っス!」
「ケー!」「ぴぴ!」「うぎ!」「チュ!」「ぴぃ!」
キットの言葉に、仲間の皆が気合の言葉を上げる。
その様子にソフィーが言う。
「……一応休憩くらいはあるのよね?」
「うん。メンバー交代で牧場に戻る事もあるからその時に休憩するよ」
「そう。それなら良いわ」
キットの言葉を聞いて、ソフィーは納得した。
その事を確認したキットは、石板を嵌める為に台座に近づく。
「それじゃ、まずは試練の石板からだ」
石板を取り出して台座に嵌めると、光と共に石板の世界へと旅立つ。
途中休憩を挟みながら、3つの石板の世界を廻ってかなりの時間が経過した。
キットはそろそろ良い時間だと判断して、皆に告げる。
「今日はこの辺にして、牧場に戻ろうか」
「お~う」
「分かりました」
「うっす」
「け~」「キキ」「ぎぃ」「ちゅう」「ぴ」
来た時と比べて、皆の声が少し元気が有りません。
ちなみに、ソフィーは疲れたのかキットのポケットで休んでいます。
ソフィーがキットの様子を見て言います。
「……まだまだ元気そうね」
「うん。何故かあんまり疲れてないんだ」
キットはまだ体力が余っているとアピールするように腕を回す。
その様子にソフィーが呟く。
「スラきち達もそこまで疲れている様子は無さそうだし、たぶん精霊樹の力なんでしょうね……何故か私には効果無いみたいだけど」
「それは……どんまい」
ソフィーの疲れた様子に、キットは慰めの言葉を掛ける。
ソフィー溜息を吐いてスラリンに近づいてお願いをする。
「スラリン。お願いがあるんだけど、回復呪文を掛けてくれない?」
「ぴぃ『ホイミ』」
スラリンがホイミを唱えると、癒しの光がソフィーを包み込む。
その様子を見ていたキットが声を掛ける。
「ん~……ちょっと元気出た」
「それって、傷を癒すだけじゃないんだ」
「そうね。ただ、あんまり多用すると体が変になるみたいだからお勧めはしないけどね」
「了解」
ソフィーの言葉にキットは気を付ける様に心がける。
キット達は片づけを済ませて、個室から出て受付を通り、神殿から牧場へと飛んだ。
牧場に着いたら、一度仲間を牧場に預けてからエレナの家で夕食を頂く。
夕食を済ませたら、早速試験への作戦会議を始める為にスラきちとソフィーと話す。
「まずは、試験に挑むメンバーなんだけど」
「おう」
「スラきち。ゴロウ。メッキー。リンチ。この4人で挑むつもりだ」
「よっしゃ!」
スラきちは自分がメンバーに選ばれたので喜びの声を上げた。
その様子を見てソフィーがキットに聞いて来る。
「そのメンバーを選択した理由は?」
「うん。まず、スラきちは攻撃、補助、妨害が色々出来るから確実だね」
「へへん♪」
キットの言葉に、スラきちは自慢気に声を出す。
キットが続ける。
「んで、ゴロウとメッキーがヒーラー兼、状況を見て攻撃役。特にメッキーは飛んでる敵を相手して欲しいから入れた」
「成程」
キットの説明に、ソフィーは納得の声を出す。
「んで、最後にリンチはメインアタッカーで突撃して貰う」
「う~ん……」
「何か問題か?」
リンチの名前が出た時に、ソフィーが唸ったのでスラきちが聞いて来る。
それに対してソフィーが答える。
「今回の特訓の時の動きを思い出してね……」
「そりゃ最初は酷かったけど、後から段々と俺達の動きに合わせられるようになって来たぞ?」
「そうなの?」
スラきちの言葉を聞いて、ソフィーがキットに問いかける。
キットはそれに答える様に言う。
「うん。最初は先走ってたけど、注意してしっかりと言い聞かせたら少しずつ動きが良くなって来たね」
「そうなんだ。2人がそう言うならそうなのね」
キットとスラきちの言葉に、ソフィーはようやく納得した。
それを見て、キットが言う。
「明日の試験はこのメンバーで行く。頑張ろうな!」
「任せな!」
「私も観客席で応援してるわ」
こうして、作戦会議は終了したのだった。
キットとソフィーが帰る時に連れて行く仲間を、スラきちに連れて来て貰う。
エレナと少しお喋りをしていると、スラきちが仲間達を連れてやって来た。
「連れて来たぞー」
「マスター殿。お呼びでしょうか」
「キットの旦那。また俺を呼んでくれたんですね」
「ぴぃ」「クケ?」
今回スラきちが連れて来たのは、ゴロウ、リンチ、スラリン、メッキーの4体だ。
キットは近づいて挨拶をする。
「皆。よろしくね。それじゃ、エレナさん。スラきち。また明日」
「エレナさん。スラきち。また明日ね」
キットとソフィーがエレナとスラきちに別れの言葉を言って、2人がそれを返す。
「おう! 明日頑張ろうぜ!」
「はい。皆さん、お気を付けてください」
キットと仲間達がソフィーの近くに集まる。
それを確認したソフィーが、呪文を唱える。
光の共にキット達は旅立つ。
光収まると、キット達の姿は小屋に現れた。
小屋に着いたことが分かると、皆がキットに聞いて来る。
「マスター殿。それで何をしましょうか?」
「何でも言ってくだせぇ!」
「ぴぃ!」「クケ!」
仲間達がやる気に満ちているので、キットは目的を伝える。
「今日は森で薬の材料を採取するから手伝ってくれる?」
キットが言うと、皆が頷いて。
「分かりました」
「任せてくだせぇ!」
「ぴ!」「クケ!」
全員の了承得たので、キットは仲間達に近づいてルーラを発動させる。
ルーラで森の入り口に着くと仲間に言う。
「それじゃ、皆は俺が来るまで、他の人間に見つからない様に隠れていてね。ソフィー。皆をよろしくね」
「任せてね。はいはーい! 皆こっちよー!」
ソフィーが仲間達を連れて隠れる場所に連れて行ったのを見て、キットは一度小屋に戻ってから城門へと向かうのだった。